昨日、テロ等準備罪についてふれました。
報道によりますと、今月の6日から、国会で審議がはじまるようです。
ツイッターなどをみていますと、共謀罪と、今回のテロ等準備罪を混同しているひとが散見されます。
どのような差異があるのでしょうか。
東京新聞の解説がわかりやすいです。
●東京新聞
(2017年2月25日 東京新聞「『共謀罪』法案 『テロ実行』は110犯罪 対象277を5つに分類政治」より、引用。改行を施しています。)
<「共謀罪」法案>
組織犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を変えた「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案。
過去に3度廃案になった政府案の内容を変更し、適用対象を「組織的犯罪集団」に限定。
現場を下見するなどの「準備行為」を要件としている。
政府は、既に国会で承認されている国際組織犯罪防止条約の締結には法整備が必要だと主張。
弁護士らから捜査機関による恣意(しい)的な運用を懸念する声が出ている。
——————————————————–
反対しているひとたちは、従来の共謀罪をおもいえがいているのかもしれません。
東京新聞に書かれているとおり、テロ等準備罪については、
「適用対象を『組織的犯罪集団』に限定。現場を下見するなどの『準備行為』を要件」
としています。
公明新聞の記事を読むと、理解が深まります。
●公明新聞
(2017年3月25日 公明新聞「『テロ等準備罪』法案の意義 漆原 良夫 党中央幹事会会長に聞く」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
―「テロ等準備罪」は過去3回、廃案になった共謀罪のことか?
●漆原良夫 衆議院議員
共謀罪と「テロ等準備罪」は異なります。
共謀罪は組織的な重大犯罪の「合意」、すなわち心の中の共謀だけで処罰されます。
もっとも共謀罪の対象は組織的な重大犯罪であり、一般市民は対象になりません。
しかし、国民の間に“内心の合意だけで処罰される”との不安感が広がりました。
これに対し、「テロ等準備罪」の成立には内心の合意と組織的な重大犯罪の準備行為が必要です。
——————————————————–
今回のテロ等準備罪は、内心の合意のほかに、準備行為という要件が付加されました。
(2017年3月25日 公明新聞「『テロ等準備罪』法案の意義 漆原 良夫 党中央幹事会会長に聞く」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
―「テロ等準備罪」が成立するための条件は?
●漆原良夫 衆議院議員
「組織的犯罪集団」
「計画」
「準備行為」
の三つの構成要件があります。
構成要件とは犯罪となる行為の定型のことで、殺人罪なら「人を殺した」が構成要件です。
——————————————————–
処罰の対象となるのは、組織的犯罪集団です。
具体的に、どのような輩(やから)をさすのでしょうか。
国際組織犯罪防止条約をみると、当該集団の定義が書かれています。
組織的犯罪集団とは
●外務省(国際組織犯罪防止条約)
(外務省「国際組織犯罪防止条約」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
第2条
「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
——————————————————–
読んですぐ頭にうかぶのは、暴力団や、振り込め詐欺をおこなっているやつらです。
法務省のサイトを参照します。
●法務省(組織的な犯罪の共謀罪)
(法務省「組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
「組織的な犯罪の共謀罪」には、厳格な要件が付され、例えば,暴力団による組織的な殺傷事犯、悪徳商法のような組織的詐欺事犯、暴力団の縄張り獲得のための暴力事犯の共謀等、組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為に限り処罰することとされていますので、国民の一般的な社会生活上の行為が本罪に当たることはあり得ません。
——————————————————–
暴力団や、詐欺グループは、犯罪行為を実行するために組織された集団です。
組織的な犯罪集団です。
出演強要に関係しているスカウト、プロダクション、メーカーも、当該集団に該当すると考えられます。
条約の定義をつづけます。
●外務省(国際組織犯罪防止条約)
(外務省「国際組織犯罪防止条約」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
第2条
「組織された集団」とは、犯罪の即時の実行のために偶然に形成されたものではない集団をいい、その構成員について正式に定められた役割、その構成員の継続性又は発達した構造を有しなくてもよい。
——————————————————–
(再掲)
「犯罪の即時の実行のために偶然に形成されたものではない集団」
仲間との酒席で、気に入らない上司を殴ろう、とはなしたら、罪に問われるのでは、と心配するひとたちがいます。
定義をみるかぎり、杞憂であるということがわかります。
●法務省(組織的な犯罪の共謀罪)
(法務省「組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
(略)、団体の活動として犯罪実行のための組織により行うことを共謀した場合、又は団体の不正権益の獲得・維持・拡大の目的で行うことを共謀した場合に限り処罰するという厳格な組織犯罪の要件が課されています(したがって、例えば、団体の活動や縄張りとは無関係に、個人的に同僚や友人と犯罪実行を合意しても、本罪は成立しません)。
——————————————————–
産経新聞にも同旨のことが書かれています。
●産経新聞
(2017年3月24日 産経新聞「同僚と飲みながら『上司をやっつけよう』」で罪になるって…恐怖ばかり煽る主張に苦笑より、引用。改行を施しています。)
法案は対象を組織的犯罪集団に限っており、一般人に適用されることはない。
しかも、武器購入や犯行現場の下見など、犯罪実行のための準備行為も要件としており、同僚と飲みながら上司を殴ろうと話しても罪に問われるはずがない。
——————————————————–
組織的犯罪集団でないかぎり、処罰されることはありません。
もう一度、既出の国際組織犯罪防止条約をみてみます。
(再掲)
「『組織的な犯罪集団』とは、三人以上の者から成る組織された集団」
テロ等準備罪の場合は、条約とちがって、構成人員が変更されています。
3人以上ではなく、2人以上、です。
各記事を参照します。
●朝日新聞
(2017年2月25日 朝日新聞「『共謀罪』法案の概要判明 薬物など5分類277種類」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
適用対象は、犯罪の実行を目的に集まった「組織的犯罪集団」が、指揮命令に従って任務を分担して犯罪をする場合と規定。
2人以上で計画し、資金や物品の手配、関係する場所の下見などをした場合などに適用するとした。
——————————————————–
つぎは公明新聞です。
●公明新聞
(2017年3月25日 公明新聞「『テロ等準備罪』法案の意義 漆原 良夫 党中央幹事会会長に聞く」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
(略)、「テロ等準備罪」の対象となる犯罪【表参照】の遂行を2人以上で具体的・現実的に「計画」することが必要です。
(※参考。東京新聞)
「居酒屋で上司を殴ってやろうと言っただけで犯罪になる」などの批判は的外れです。
最後に、計画の単なる「合意」だけでなく、それに加え、計画した犯罪の「準備行為」が行われることを構成要件にしました。
——————————————————–
(確認)
<テロ等準備罪の構成要件>
●組織的犯罪集団
●計画
●準備行為
くりかえします。
処罰の対象になるのは、組織的犯罪集団です。
上述のとおり、組織的犯罪集団とは、
「3人以上(日本の場合は2人以上)の者から成る組織された集団」
のことです。
もうひとつ、例をあげます。
●産経新聞
(2017年3月24日 産経新聞「同僚と飲みながら『上司をやっつけよう』」で罪になるって…恐怖ばかり煽る主張に苦笑より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
「座り込みをしよう、(作業を妨げるため)ブロックを積もうと相談しただけで、2人以上の組織的犯罪集団で、共謀罪が成立する。こんなの、おかしいですよ」
沖縄の反基地団体は組織的犯罪集団に認定されかねないと思っているかのような口ぶりだが、合法的に市民運動をしている限り、そんな心配は一切必要ない。
また、普通の市民団体が偶発的に法を犯してしまったとしても、犯罪実行のために組織された団体でなければ対象とはならない。
——————————————————–
対象となる犯罪
(※参考。東京新聞)
ツイッター等をみていますと、あらゆる罪においてテロ等準備罪が適用される、と書いているひとがいます。
これもちがいます。
既出の国際組織犯罪防止条約のなかに、つぎの記述があります。
●外務省(国際組織犯罪防止条約)
(外務省「国際組織犯罪防止条約」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
第2条
「重大な犯罪」とは、長期四年以上の自由を剥はく奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
——————————————————–
対象となるのは、4年以上の刑です。
法務省のサイトで確認します。
●法務省(組織的な犯罪の共謀罪)
(法務省「組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
(略)、新設する「組織的な犯罪の共謀罪」では、第一に、対象犯罪が、死刑、無期又は長期4年以上の懲役又は禁錮に当たる重大な犯罪に限定されています(したがって、例えば、殺人罪、強盗罪、監禁罪等の共謀は対象になりますが、暴行罪、脅迫罪等の共謀では、本罪は成立しません)。
——————————————————–
(再掲)
「4年以上の懲役又は禁錮に当たる重大な犯罪に限定」
「暴行罪、脅迫罪等の共謀では、本罪は成立しません」
暴行罪は2年以下の懲役です。
脅迫罪も同様です。
出演強要にかかわる強要罪はどうでしょうか。
(参考。刑法)
<第223条>
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
3年以下の懲役です。
テロ等準備罪とかかわることはありません。
昨日もふれました。
政府は出演強要に対して強姦罪を適用するようです。
強姦罪は、20年以下の懲役です。
テロ等準備罪の対象となると考えられます。
具現化すれば、早期の段階で、悪計をくわだてている業界人を捕獲することが可能となります。
被害者を減らすためには、テロ等準備罪が必要なのかもしれません。
(2017年4月3日 フジテレビ「テロ等準備罪 自公が6日に審議入りで合意」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
この法案をめぐっては、早期の成立を目指す政府・自民党に対し、公明党は、民法の改正案や刑法改正案を先に審議するよう求め、調整が続いていた。
3日朝の会談では、自民党が、いずれの法案も今の国会で成立をさせることや、テロ等準備罪の審議時間を十分に確保することなどを説明し、公明党が6日の審議入りを容認した。
——————————————————–
テロ等準備罪を優先した結果、刑法改正案があとまわしになってしまいました。
残念です。
一日も早く、刑法の厳罰化法案を可決してほしかったです。
強姦罪が非親告化されたのちに、こいつらを逮捕するのが望ましいと思うのですが。
□青木亮
□大西敬
□高畠典子
□坂田恵理子
□坂上孝志
□A-TEAM 飯田正和
□T総研のY
□メーカー関係者
——————————————————–
■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
香西咲さんを勝手に応援するサイトへ