香西咲さんがふたたび自由をとりもどされることを願っております。あわせて青木とT総研のYが牢屋にぶちこまれることを切望します

一昨日、フロム(1900年 ~ 1980年)の論説の一端をご紹介しました。
第一次世界大戦(1914年7月~1918年11月)が終結した翌年のことです。
1919年にドイツで、当時としては、もっとも民主的な憲法が制定されました。
ワイマール憲法です。
参政権の規定をみてみます。

(参考。ワイマール憲法)
第20条
ドイツ議会はドイツ国民の選出する議員で構成される。
第21条
議員は、普通平等直接および秘密の選挙において、比例代表の諸原則に従い、満20歳以上の男女によって選出される。

民主政治の基本は、選挙です。
投票をつうじて国民は、政治へ参加することができます。
自分の意思を表明することが可能となります。
国家にもとめられるのは、公正性です。
一般的に、以下の4つ特質が備わっている選挙がのぞましいとされます。
列記します。

普通選挙
成人ならば、誰でも、投票に参加することができます。
かつて、日本は、一定額以上の税金を収めているひとたちにだけに、選挙権をあたえていました。
このような選挙を制限選挙といいます。
日本国憲法は、つぎのようにさだめています。

<日本国憲法第15条>
③公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

平等選挙
平等ですから、特定のひとに対して、1票ではなく2票の権利をあたえる、ということはしません。

<日本国憲法第44条>
両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

秘密選挙
どの候補者に投票したのかは、秘匿されます。

<日本国憲法第15条>
すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

直接選挙
直接、自分で候補者に投票します。
これとは別に、第三者に投票してもらうというやりかたも存在します。
こちらは間接選挙とよばれています。
アメリカの大統領選挙が有名です。
国民は、まず選挙人を選び、その選挙人が大統領を選びます。
日本の総理大臣も、選挙で選ばれた国会議員によって選出されます。
ちなみに、日本国憲法には、直接選挙の記載がありません。

日本国憲法が施行されたのは、1947年です(公示は1946年)。
ドイツでは、28年も前に、選挙に関する4つの原則が確立しました。

(再掲。ワイマール憲法第21条)
議員は、普通平等直接および秘密の選挙において、比例代表の諸原則に従い、満20歳以上の男女によって選出される

先駆的です。
1932年のことです。
国政選挙の結果、ヒトラーの率いるナチ党(ナチス)が、第一党となりました。
翌年、ヒトラーは首相に任命されます。
ワイマール憲法の制定から13年後の出来事でした。
民主主義が、独裁者を選んだのです。
結果、ワイマール体制は崩壊しました。
なぜこのようなことがおこったのでしょうか。
政治学ではなく、社会心理学的な視点から、ドイツ人の変質を分析したのが、フロムです。
ドイツ人は伝統的権威から解放されて、自由を手にいれました。
○○からの自由」です。
歓喜したのも束の間、ドイツ人は、自由であることに対して不安をおぼえます。
孤独感におそわれます。
このとき、登場したのが、ヒトラーです。
人々は、自由をすてます。
力のあるものに隷従することで、こころの平安を確保したのでした。
こうした事象をフロムは、「自由からの逃走」と慷慨(こうがい。うれいなげくという意味)しました。
ちなみに、「自由からの逃走」は、フロムの著作のタイトルになっています。

・フロム著 日高六郎訳「自由からの逃走」東京創元社刊

「寄らば大樹の陰」
という故事があります。
どのような意味でしょうか。
大辞泉には、
身を寄せるならば、大木の下が安全である。同じ頼るならば、勢力のある人のほうがよいというたとえ
と記されています。
サルトル(1905年~1980年)が言うように、人間は、「自由という刑」に処せられています。
ときには、大樹に身を寄せたくなることもあります。
こうしたこころの隙間にはいりこんでくるのが、AVプロダクションなのかもしれません。

(2016年11月19日 DAYS JAPAN「自分と周りの人を守る方法①]AV出演を強要されたら……」より、引用。改行を施しています。)

<くるみんアロマさんの場合。一部分を引用>
それでも私の心の中のどこかには、あの人たち(AVプロダクションの輩)は本当に私のためを考えてくれているんだっていう希望もあったんです。
だから、その後2週間ほど連絡がとれなくなって、ああやっぱり騙されているのかなと不安に思って、それでまた連絡がくると、
「あ! 連絡がきた!」
って喜ぶ自分がいるんです。
(中略。)
それでまた2週間くらい連絡がとれなくなるんです。
それを何回か繰り返すんだけど何も実現しないからがっかりして落ち込んで。
次に会ったときに、泣きながら訴えたんです。
「私を騙してるんだったらここで終わりにしたいです。降りたいです。でも本当に夢を叶えようとしてくれているんだったらやりますから」
って。
AV出演を承諾してしまったのです。

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ヒトラーの治世下では、中産階級を中心にして、「自由からの逃走」が続出しました。

(ハフナー著 山田義顕訳「ドイツ帝国の興亡 ビスマルクからヒトラーへ」平凡社刊より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
このような雰囲気のおかげでヒトラーは、政界全体を無抵抗なうちにかたづけ、もはやヒトラーの意志に抵抗できないような状況を導入できたのだった。
1933年春から夏のはじめ、「国民的高揚」と重なって、もう一つの異常な出来事である「強制的同質化」が進められた。
それは政党以外の組織体である労働組合、大工業団体や大利益団体からごく小さな団体まで、指導部が入れ替えられ、国民社会主義の運動と行動を共にするように強制されたことである。
それと共に多くの人がナチ党に参加しようと殺到した。

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フロムはこうした歴史を顧(かえり)みて、「○○への自由」を実現していくことの大切さを説きました。
○○への自由」とは、自分自身で主体的に行動する自由です。

(2017年3月3日 ハフィントンポスト「『私は洗脳されていた』AV強要の実態、被害者のくるみんアロマさんが語る」より、引用。改行を施しています。)

<くるみんアロマさん>
AVの事務所を辞めた後は自分もふさぎ込んでいて、忘れたい過去でした。
いろいろなメディアから取材依頼を受けたんですが、自分の中で整理もついていないので
「そういう取材は受けないんで」
と断っていました。
ただ、時間が経って、気持ちの整理もついたころに、あるユーチューバーのイベントで記者の方から
「今こういう(AV強要の)被害が増えているんです」
と教えてもらい、
「自分じゃないと伝えられないんじゃないか」
という気がして、私は取材を受けていこうと決めました。

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くるみんアロマさんは、「○○への自由」を体現されているようです。

(2016年6月14日 東京新聞「バイト感覚で登録 『AV』記載なく 出演強要された被害女性が証言 」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
誰にも相談できないまま、この状況を招いたのは自分の至らなさのせいだと思い「私さえ我慢すれば」と追い込まれていった。
撮影は次第に過激になった。
両手足を縛られ、複数人の男性を相手にした。
「あまりにも恥ずかしくて屈辱的で…。自分を守るには、心を閉ざして、忘れるしかないって」
撮影は五年間続き、出演は百本を超えた。
卒業後に入社した会社で、出演を見つけた男性の同僚から「君はだまされている」と諭され、われに返った。

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上記の女性も、主体的な(自分の意志と判断に基づいて行動する)自分をとりもどされたようです。

(2016年08月27日 弁護士ドットコム「<AV出演強要>香西咲さん引退後の夢『人生楽しみたい』『消せない過去として歩む』」より、引用。改行を施しています。)

<記者>
引退したら、どういうことをしたいですか?

<香西咲さん>
本当に心身ともに疲弊しているので、3カ月くらいは休みたいですね。
あと、もともとバイタリティが強いので、そのあと海外のワーキングホリデーに行くとか…
人生を楽しもうと思ったら、そういうことにもトライしたいと思っています。

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香西咲さんが、かつての自由を回復されることを願っております。
一言でいえば、香西咲さんは私には悲しむべき人なのである。
しかし悲しみのない人はない。
異例な人として悲しいのである。

フロムの代表作は、「自由からの逃走」です。
もうひとつ、膾炙(かいしゃ)されている(広く世人に好まれ、知れ渡っている)書物があります。

・フロム著 鈴木晶訳「愛するということ」紀伊國屋書店刊

もしかすると、こちらのほうが有名なのかもしれません。
ネットには、フロム名言集なる安易なサイトも存在しています。
適当にいくつかを拾ってみます。

(フロム著 鈴木晶訳「愛するということ」紀伊國屋書店刊より、引用。改行を施しています。)

愛とは、世界全体にたいして人がどう関わるかを決定する態度、性格の方向性のことである。
一人の人をほんとうに愛するとは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛することである。

誰かに
「あなたを愛している」
と言うことができるなら、
「あなたを通して、すべての人を、世界を、私自身を愛している」
と言えるはずだ。

異性愛とは、他の人間と完全に融合したい、一つになりたいという強い願望である。
異性愛はその性質からして排他的であり、普遍的ではない。
またおそらくはもっとも誤解されやすい愛の形である。
愛は自分の全人生を相手の人生に賭けようという決断の行為であるべきだ。

フロムのことばには含蓄があります。
たちどまって、考えさせられます。
惜しむらくは、これでは、愛に特化した名言、ということになってしまいます。
フロムは、精神分析学者です。
作家ではありません。
断片的に切り出された文章を読むだけでは、存意(考え)を理解することができません。
なぜ、フロムは、「愛するということ」を著したのでしょうか。
それを知るためには、著作の冒頭の文章を読む必要があります。
本日はとりあえず、当該箇所を引かせていただきます。

(フロム著 鈴木晶訳「愛するということ」紀伊國屋書店刊より、引用。改行を施しています。)

愛は一つの快感であり、それを経験するかどうかは運の問題で、運がよければそこに「落ちる」ようなものだろうか。
それとも愛は技術だろうか。
技術だとしたら、知識と努力が必要だ。
この小さな本は、愛は技術であるという後者の前提のうえに立っている。
しかし、今日の人々の大半は前者のほうを信じているに違いない。
だからといって、人々が愛を軽く見ているというわけではない。
それどころか、誰もが愛に飢えている。
楽しい、あるいは悲しいラブストーリーを描いた数え切れないほどの映画を観、愛をうたった流行歌に聞き入っている。
ところが、愛について学ばなければならないことがあるのだと考えている人はほとんどいない。

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つづきは、明日のブログでふれさせていただきます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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