以前に香西咲さんが、出演強要の実相(実際の有様)を別の口跡(こうせき。言葉づかいとの意味)で描出(表現)されていました。
香西咲さんのツイッター(2016年10月4日)より、引用。
(前略。)
尊敬する有名な方はこの件を
『現代版人身売買』と仰っていました。
次世代の人達へこの連鎖を止めたい一心である事もどうかご理解下さい。
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「人身売買」
難解な言辞です。
人身売買とは、どのような意味なのでしょうか。
日本では、あまりつかわれないことばです。
広辞苑で調べてみました。
(広辞苑より、引用。)
●人身売買
人格を認めず、人身を商品と同一視して売買すること。
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女性を商品のように売買する。
女性の人格はみとめない。
出演強要は、まさしく、人身売買です。
伊藤和子HRN事務局長も、同様の認識のようです。
(2017年1月13日 朝日新聞「(耕論)AVへの出演強要 伊藤和子さん、中里見博さん、青山薫さん」より、引用。)
<一部分を引用。伊藤和子HRN事務局長>
AVプロダクションやメーカーには監督官庁がなく、風営法の適用もない。
違法行為を監督・是正する仕組みがないため、救済を求めることができません。
(略。)
映像の著作権も放棄させられ、勝手に2次、3次使用され続けます。
日本にこんな深刻な人権侵害問題があることに私自身、驚きました。
意に反した性行為で、大勢の男性に暴行・撮影され、映像が販売されて半永久的に公にさらされる。
違約金の脅しで出演強要される彼女たちは「債務奴隷」であり、状況は「人身売買」と言えます。
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くりかえします。
人身売買とは、
「人格を認めず、人身を商品と同一視して売買すること」
という意味です。
2月27日の日刊スポーツで、出演強要被害の特集が組まれました。
伊藤和子HRN事務局長のインタビュー記事を拝見したとき、虚をつかれました。
(2017年2月27日 日刊スポーツ「AV出演強要問題は深刻な犯罪 人権団体HRN」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
伊藤氏は、AV出演の強要について
「刑法の人身売買罪も適用すべき深刻な犯罪」
と指摘する。
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伊藤和子HRN事務局長は、人身売買罪の適用について言及しました。
ぼくは、ひとつ、息をつきました。
香西咲さんのツイッター(2016年7月23日)より、引用。
私へは芸能人事務所の契約者のまま連れてかれた現場がAVだったり、性接待させられたり、AV強要以上にされられています。
(後略。)
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香西咲さんのツイッター(2016年7月13日)より、引用。
契約書を縦に止めさせてもくれない、かと言って事務所に居続けたら、 V撮影と性接待(勿論金銭のやり取りなし)に都合良く使われて青木亮に飼い殺しになる…
本気で死にたかった。
あの頃の私はトラックに突っ込んで欲しかった。
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昨年の6月17日に、警察庁が、全国の警察に向けて通達をだしました。
(2016年6月17日 警察庁「アダルトビデオへの強制的な出演等に係る相談等への適切な対応等について(通達)」より、引用。改行を施しています。)
詐欺・脅迫的な言動を用いて強制的にアダルトビデオ(以下「AV」という。)に出演させられたり、出演を拒否した際、多額の違約金を請求され、出演を余儀なくされたりする事案については、各方面から問題提起され、現にこうした被害相談が警察に寄せられているところである。
本人の意に反してAVへの出演を強いるような行為は、精神的・肉体的苦痛をもたらす深刻な人権侵害であり、このような行為に対して迅速かつ的確な対応が求められることから、各都道府県警察において、この種の相談・被害申告が寄せられた場合には、下記について留意の上、適切に対応されたい。
1 各種法令の適用を視野に入れた取締りの推進
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法令の中身をみてみます。
(同通達より、引用。改行を施しています。)
AVの契約、出演等に係る相談、被害申告、情報提供等を受理した際は、
強姦罪等の性犯罪、
強要罪、
傷害罪、
暴行罪、
脅迫罪
等の違法行為が介在する際の取締りはもとより、
職業安定法第63条第2号(有害業務就業目的の職業紹介等) 、
労働者派遣法第58条(有害業務就業目的の労働者派遣) 、
労働基準法第5条(強制労働の禁止) 、
児童福祉法第34条第1項第6号(児童に淫行をさせる行為)
その他関係法令の適用を視野に入れた取締りを推進すること。
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残念ながら、例示のなかに、人身売買罪はありません。
通達から約5か月後のことです。
内閣府の「女性に対する暴力に関する専門調査会」が開かれました。
この席で、警察庁の官僚が、つぎのようにのべています。
(2016年11月15日 第84回 男女共同参画会議 女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より、引用。改行を施しています。)
<9ページ。警察庁 髙坂保安課長補佐>
次に、警察の取組についてでございます。
警察庁では、御説明いたしました実態をふまえまして、本年6月、全国警察に対しまして通達を発出し、AVへの強制的な出演等に係る相談への適切な対応等について指示したところでございます。
その内容ですが、強姦罪、暴行罪、傷害罪、脅迫罪などといった刑法の罪だけでなく、職業安定法、労働者派遣法といった労働関係法令と、各種法令の適用を視野に入れた取り締まりを推進すること、また、契約に関する相談を受理した際は、民事契約については無効、取り消し、契約の解除ができる場合があることなどを助言し、適切な専門機関を紹介するなど、適切に対応することというものでございまして、全国警察会議の場でも、警察庁からこの問題への適切な対応について指示しております。
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このときも、人身売買罪への敷衍(ふえん)はなされませんでした。
ちなみに官僚は、「など」という表現をもちいています。
もしかすると、適用する刑法のなかに、人身売買罪がふくまれているのかもしれません。
(同調査会の「議事録」より、引用。改行を施しています。)
<10ページ。警察庁 髙坂 保安課長補佐>
なお、警察庁では、平成16年から毎年、人身取引事犯に係るコンタクトポイント連絡会議というものを開催しておりまして、関係省庁やNGO等を招き、AVへの強制出演等の問題についてもNGO(HRN)から発表してもらうなど、意見交換等を行っておりますので、引き続きこれらの枠組みを通じて連携にも努めていきたいと思います。
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警察とHRNの関係は緊密のようです。
(再掲。伊藤和子HRN事務局長)
「刑法の人身売買罪も適用すべき深刻な犯罪」
今後は、人身売買罪による検挙があるかもしれません。
人身売買罪とは、どのような罪なのでしょうか。
まずは、大辞林を参照します。
(大辞林より、引用。改行を施しています。)
●人身売買罪
人の自由を奪って身柄を売買する罪。
刑法第226条の2が禁じる。
成人を買った者は3か月以上5年以下の懲役に、未成年者を買った者は3か月以上7年以下の懲役に処せられる。
また、売った者と、買った目的が営利・猥褻・結婚・殺傷の者は、1年以上10年以下の懲役に処せられる。
国外移送が目的の場合は、売買とも2年以上の有期懲役に処せられる。
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つぎは、刑法です。
(参考。刑法)
<第226条の2>
人を買い受けた者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
2 未成年者を買い受けた者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
3 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
4 人を売り渡した者も、前項と同様とする。
5 所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、2年以上の有期懲役に処する。
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わいせつが目的の場合は、10年以下の懲役です。
青木のほかに、悪徳弁護士も、人身売買罪を適用して、牢屋にぶちこんでほしいです。
もっとも青木の場合は、強姦罪(強制性交等罪)が控えています。
こちらは、20年以下の懲役です。
(毎日新聞 2015年7月6日「人ふでがき:人身売買捜査のプロフェッショナル 県警生活環境課警部・横林弘康さん /長野」より引用。改行を施しています。)
被害女性の話に耳傾け 横林弘康さん(54)=長野市
2005年の刑法改正で新設された人身売買罪によって全国で検挙された16件(2015年6月現在)のうち、県警が捜査した事件は7件。
その7件中6件の捜査に携わったことから「人身売買捜査のプロフェッショナル」の異名を持つ。
(※この記事は、ネット配信されていません。)
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人身売買罪は、2005年に新設されました。
日本人はこれまで、アジアなどから女性を買ってきて、風俗店ではたらかせました。
(毎日新聞の同記事より、引用。改行を施しています。)
(長野)県内では、タイなどの女性が売春を強いられるケースが多い。
「弱い立場の女性が物のように扱われている実態に立ち向かおうと思った」
と振り返る。
売春あっせん業者を突き止めるため、電柱の貼り紙にある電話番号を手帳に控え続けた。
松本署で勤務していた2011年、風営法違反容疑で摘発したスナックが人身売買事件の端緒となった。
被害女性はタイ人で、松本のブローカーの女から三重県のスナックに売り渡されたという。
買い受け先に踏み込んだが、既に女性の姿はなかった。
本名は分からず、手がかりは女性の写真だけ。
関係者をたどり、同県内の売春宿で働かされていることを突き止めた。
保護された時、女性は涙を流して8カ月間の劣悪な生活を訴えたという。
「女性らは渡航費用などの借金に縛られ、被害を訴えにくい。被害者の信頼を得るには徹底して話を聴くこと」
と言う。
(中略。)
「最近は日本人も被害に遭っている。どの地域にも被害者はいる可能性があることを伝えたい」
と力を込める。
(後略。)
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人身売買罪の制定によって、被害者が救われています。
残念ながらこの規定は、諸外国と比較をした場合に、見劣りがします。
アメリカによる指摘は、手厳しいです。
(アメリカ国務省人身取引監視対策部 「2014年人身売買報告書(日本に関する部分)」より、引用。改行を施しています。)
日本政府は人身取引対策の法律を執行する取り組みを続けた。
日本の刑法は、国際法上義務付けられているあらゆる形態の人身取引を禁止していない。
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日本の人身売買罪は、他国とくらべて矮小(わいしょう)のようです。
(同報告書より、引用。改行を施しています。)
日本の法律は、
あらゆる形態の性的搾取の児童の人身取引(特に売春を目的とする児童の募集、移送、引き渡し、または収受)、
労働搾取を目的とする人身取引(強制労働を目的とする人の移送、引き渡し、または収受に関する)、
または 性的搾取の人身取引(特に強制売春を目的とする人の募集、移送、引き渡し、または収受)
には該当しない。
この結果、検察官は人身取引という犯罪の全ての要素を網羅していない法律に基づいて起訴するか、または人身取引をより軽度な犯罪と同等に扱わなければならず、こうした犯罪の処罰はより軽い。
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この報告書の存在は、ライトハウスのサイトで知りました。
明日は、
「日本の刑法は、国際法上義務付けられているあらゆる形態の人身取引を禁止していない」
という点につきまして、ふれてみたいと思います。
逮捕された男優は新人AV女優の作品によく出演しています。他の強要被害を調べているのかもしれません。逮捕されたと思われる男優がTwitterでAV強要はないと発言していたのを見ましたがそれも影響?#AV #AV強要
— 星出(コダマイト) (@codamite) March 3, 2017
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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