過日、辻丸さんが、以下の書き込みをリツイートされていました。
【親公認AV女優は増えている?】"子どものほうが立場が強く、親が言いなりになってしまうケースも多いですよ"https://t.co/qgIIFtr0oB
— BLOGOS編集部 (@ld_blogos) January 25, 2017
「【親公認AV女優は増えている?】”子どものほうが立場が強く、親が言いなりになってしまうケースも多いですよ”」
・2017年01月25日 幻冬舎plus「『親公認AV女優』を生む環境の変化<うちの娘はAV女優です> – アケミン」
リンクが貼ってあったので、開きました。
いくつか引かせていただきます。
(引用)
「AV出演強要問題がくすぶり続ける一方、親の応援のもと活躍する、AV女優たちがいる。『うちの娘はAV女優です』と言える親子関係とは、どういうものなのだろうか?」
「子どものほうが立場が強く、親が言いなりになってしまうケースも多いですよ」
「子どもの機嫌を損ねてもいけない、というわけだ」
読了後、絶望的な気分となりました。
ジャン=ジャック=ルソー(1712年~1778年)という思想家がいます。
フランス人です。
「社会契約論」や「エミール」などの著作が膾炙(かいしゃ)されて(広く世人に好まれて)います。
「エミール」のなかに、つぎの一節があります。
(ルソー著 今野一雄訳「エミール」岩波文庫刊より、引用。)
子どもを不幸にする一番確実な方法は何か、それをあなた方は知っているだろうか。
それはいつでも何でも手に入れられるようにしてやることだ。
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昨今は、子どもの要求に応えて、何でもあたえる親がいると聞きます。
「子どものほうが立場が強く、親が言いなりになってしまうケースも多いですよ」
これでは、子どもの人生を台無しにしてしまいます。
親の責任は大きいです。
イギリスの歴代の首相のなかに、ベンジャミン=ディズレーリ(1804年~1881年)という人物がいます。
作家としても有名でした。
ディズレーリの名言のひとつに、
「逆境に勝る教育なし」
があります。
思うようにならず苦労の多い境遇のなかにこそ、学ぶべきものがたくさんあるという意味です。
香西咲さんはいま、逆境を生きています。
子どもは親の背中をみて育つといわれています。
香西咲さんは将来、妙妙たる(きわめてすぐれた)母親になるのではないでしょうか。
自身の生き方は、子どもに伝播します。
香西咲さんの子どもは、秀抜な(他よりもすぐれて抜きんでている)人物になることでしょう。
まちがいありません。
ふと、管子の箴言(いましめ)が脳裏をよぎりました。
当該人物は、中国の思想家です。
法家という学派に属していました。
いまから二千数百年前に活躍したといわれています。
時代は、東周の前半の「春秋」です。
管子はあるとき、つぎのせりふを口にしました。
「ある男に魚を与えれば、その男は1回だけ食うことができる」
と。
それから、こうつづけました。
「その男に魚の取り方を教えれば、残りの一生の間、魚を食うことができる」
と。
慧眼です。
ルソーは、
「子どもを不幸にする一番確実な方法は何か、それをあなた方は知っているだろうか。それはいつでも何でも手に入れられるようにしてやることだ」
と言います。
管子とルソーの考え方には、似通った点があります。
既出のダメ親の事例をふりかえってみます。
「子どもの機嫌を損ねてもいけない、というわけだ」
論外です。
香西咲さんは、こうした親にはならないでしょう。
子ども対して、魚をとる方法を教えるはずです。
香西咲さんは、常人の何倍もの密度の濃い生き方をされてきたのですから。
教授する術(すべ)が数多く存在していると思惟します。
突然ですが、ここで、自分自身のことを語らせていただきます。
ぼくは神を否定しています。
好きなことばは、
ニーチェの
「神は死んだ」
です。
宗教を忌避している割には、マザー=テレサを尊敬しています。
マザー=テレサは、神の愛を実践したひとです。
神の愛とは、「無償の愛」(見返りをもとめない愛)のことです。
マザー=テレサはかつて、つぎのようなことをおっしゃっていました。
「神様は私たちに、成功してほしいなんて思っていません。ただ、挑戦することを望んでいるだけよ」
もうひとつご紹介します。
「もし貧しい人々が飢え死にするとしたら、それは神がその人たちを愛していないからではなく、あなたが、そして私が与えなかったからです」
宗教色を感じさせません。
素直にうけいれることができます。
はなしを香西咲さんにもどします。
神よ、
変え得ぬことを受け入れる心の平静さを
変えるべきことを変える勇気を
われらにおあたえください。
そして、これら2つを見分ける英知を。
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これは、F・C・エーテンガーという人物が常々唱えていたことばです。
エーテンガーは、ドイツの牧師です。
宗派は、プロテスタント(ルター派)です。
生没は不明で、18世紀の時代を生きた人物、としかわかっていません。
現代になって、この警句を広めたのが、ニーバー(1892年~1971年)というアメリカの神学者です。
大半の人々は、エーテンガーではなく、ニーバーの言辞であると思っています。
神よ、
変え得ぬことを受け入れる心の平静さを
変えるべきことを変える勇気を
われらにおあたえください。
そして、これら2つを見分ける英知を。
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訳者は、国際基督教大学名誉教授の武田清子さんです。
若干、難解です。
もうすこしわかりやすく言いあらためてみます。
神よ、
変え得ぬことを受け入れる心の平静さを(変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを)
変えるべきことを変える勇気を(変えることのできるものについては、それを変えるだけの勇気を)
われらにおあたえください。
そして、これら2つを見分ける英知(知恵)を。
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武田清子さんによりますと、アメリカでは毎年、各州の代表が投票をおこなって、「模範的なアメリカの母」を選ぶそうです。
1944年に、この名誉ある称号を獲得したのは、シブレー婦人でした。
翌年の改選のときです。
シブレーさんは自分の後任に、クレメントさんという黒人女性を推挙しました。
当時は、黒人差別が顕著であった時代です。
選挙人を務める各州の代表は、猛反発しました。
「ふざけるな」
と。
騒ぎが一段落したところで、シブレーさんが、静かに口を開きました。
「神よ、変えることのできないものについてはそれを受けいれるだけの冷静さを、変えることのできるものについてはそれを変えるだけの勇気をわれらにおあたえください。そして、これら2つを見分ける知恵を」
信任投票がはじまりました。
満場一致で、黒人のクレメント婦人が、「模範的なアメリカの母」に選ばれました。
ニーバー(F・C・エーテンガー)のことばが、歴史をかえたのです。
おそらく人々は、こう自覚したのでしょう。
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クレメントさんは黒人である。
肌の色をかえて白人にすることはできない。
(変えることのできないものについてはそれを受けいれるだけの冷静さを)
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黒人だからという理由で、クレメントさんが「模範的なアメリカの母」になれないのはおかしい。
(変えることのできるものについてはそれを変えるだけの勇気を)
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香西咲さんのツイッター(2016年7月18日)より、引用。
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。
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「私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形」
(変えることのできないものについてはそれを受けいれるだけの冷静さを)
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(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より、引用。改行を施しています。)
(問)「なぜそこまで覚悟を決められた?」
<香西咲さん>
AVが夢にはつながらないことに気付き、ダラダラやっているのはよくないと思ったんです。
「続けてもあと1年ぐらいかな」
「その間にAVで失った人間関係や健康状態を取り戻そう」
と思っていたタイミングで、出演強要が社会問題化しました。
フラッシュバックにもずっと悩まされてきたので、いつか決着をつけなければいけないと思っていた。
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「AVが夢にはつながらないことに気付き、ダラダラやっているのはよくないと思ったんです」
(変えることのできるものについてはそれを変えるだけの勇気を)
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「変えることのできないものについてはそれを受けいれるだけの冷静さを」
「変えることのできるものについてはそれを変えるだけの勇気を」
香西咲さんには、この2つを見分ける英知(知恵)がありました。
聡明なかたです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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