この1年の間で、世情が激変しました。数年前、香西咲さんは、多くの弁護士から門前払いされたのですが

いま、出演強要被害が、国民の関心事となっています。
検挙者もあいついでいます。
こうしたなか、1年4か月前にだされた判決がふたたび、衆目(多くの人々の関心)をあつめました。

(2017年1月19日 NHK「AV出演拒否で違約金請求 日弁連“懲戒審査を”」より、引用。改行を施しています。)

アダルトビデオへの出演を拒否した女性に会社側が2000万円を超える違約金を求めた裁判をめぐり、日弁連=日本弁護士連合会が、会社側の代理人を務めた弁護士について、
「出演を強制する威圧的な効果があった」
として、懲戒審査を行うべきだという決定を出したことがわかりました。

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今回、日弁連とマスコミは、粋なはからいをしてくれました。
このたびの報道に接して、多くのかたが、当時の記憶をよみがえらせたはずです。
あらためて拳を握りしめたのではないでしょうか。
もちろん、今回はじめて、知り得たかたもいらっしゃることでしょう。

2015年10月1日 毎日新聞社「訴訟:AV出演拒否の女性勝訴」より、引用。改行を施しています。)

アダルトビデオ(AV)への出演を拒否した20代の女性が、所属プロダクションに違約金約2400万円を請求された訴訟の判決で、東京地裁が「本人の意思に反した出演は許されない」として、請求を棄却していたことが29日、分かった。
判決は9月9日付。
(後略。)

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2017年1月11日のことです。
ピエロというメーカーの社長ら6人が逮捕されました。
8日後、日弁連の識見(物事を正しく見分ける力)が報じられました。
日弁連が、会社側の代理人を務めた弁護士について、『出演を強制する威圧的な効果があった』として、懲戒審査を行うべきだという決定を出したことがわかりました」(NHK)
人々は、間を置かずにまた不祥事がおきた、と受けとったはずです。
当日、伊藤和子弁護士は、怒りをあらわにしました。

(伊藤和子弁護士のツイートより、引用。)

2017年1月19日
これ(AV強要の会社側弁護士は「懲戒審査が相当」)はこれとして、
そもそもの当事者であるAV業界が、
この事案についてなんら反省もなくコメントもださないまま、
関係者が「強要など見たことない」などと公言して
なんの改革もしないまま活動を続けている闇。

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違約金訴訟がふたたび脚光をあびました。
国会議員や官僚も、何か感じるものがあったのでは、と推察します。
今回の報道が、国会審議に対する追い風となることを期待しております。
違約金に関する当該判決は、衆目の一致するところ、出演強要問題の分水嶺(物事の方向性が決まる分かれ目)となりました。
裁判では、6人の弁護士が、女性側の代理人を務めました。
数の多さに驚かされます。
当時、この種の案件を引き受ける弁護士は、ごく少数であったといわれていたのですが。

2016年3月11日 衆議院会議録「第190回国会 内閣委員会 第5号」より、引用。)

池内さおり議員>
これまで、被害者が弁護士に相談に行っても、多くの弁護士は、外形的な契約行為が整っているからということを理由に引き受けないことが多かった。
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香西咲さんの場合もそうでした。

香西咲さんのツイッター(2016年10月3日)より、引用。

アットハニーズを辞めて即座に
第二弁護士会にも行って相談してます。
セックスワーカー団体SWASHのご紹介の、打越さくら弁護士にも相談。
どちらも即答で『立証が取りにくい』とほぼ門前払いでしたよ。
だから世間(弁護士)の風当たりの厳しさを実感し、
腹括って独立の道を選びました。

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つぎの6人のかたは、忌避せずに(きらって避けずに)、女性の弁護をひきうけました。

角田 由紀子 弁護士
伊藤 和子 弁護士
中西 俊枝 弁護士
雪田 樹理 弁護士
有村 とく子 弁護士
山崎 新 弁護士
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頭がさがります。

(再掲。池内さおり議員)
多くの弁護士は、外形的な契約行為が整っているからということを理由に引き受けない

「多くの弁護士」ということですから、全員ではありません。
大勢に抗(あらが)うかたも存在します。
伊藤和子弁護士の場合は、人権を守る側に属されていたようです。
2014年に、ご自身のブログのなかで、つぎのようなことをのべられています。

2014年8月16日 「AV出演を強要される被害が続出~ 女子大生が続々食い物になっています。安易に勧誘にのらず早めに相談を」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用。伊藤和子弁護士>
私がこれまで被害女性の代理人となったAVの事案の多くは、業者が契約解除を認め、もちろん違約金などなし、画像等を返却する等の和解で解決する事案・つまり円満解決してきました。
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記載日は、2014年8月16日となっています。
違約金訴訟の判決がでる1年まえに書かれたものです。

(再掲)
円満解決してきました

圧倒されます。
多くの弁護士は、外形的な契約行為が整っているからということを理由に引き受けない
こうした状況のなかで、伊藤和子弁護士は、多くの被害者を救ってきたのです。
昨年の7月17日のことです。
香西咲さんが、つぎのようなツイートをされました。

香西咲さんのツイッター(2016年7月17日)より、引用。

何故今更告発?
皆様の1番の疑問はそこでしょう。
私は辞める時に弁護士会もセックスワーカー御用達の弁護士もその他5件以上の弁護士を当たっています。
が、当時は今の時代と違い『立証しにくい』と門前払いされました。
このタイミングで週刊文春様はいい意味で私を起用してくださりました。

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伊藤和子弁護士は、以下のように言及しました。

(伊藤和子弁護士のツイートより、引用。改行を施しています。)

2016年7月18日
5年前、この問題を門前払いしていたことを、法曹界は深刻に受け止めるべきですね。
でも、1年前も事件に着手する弁護士は増えたものの、解決は難しい状況でした。
約1年前の弁護士の対策会議は暗い話ばかり。
大きく変わったのはこの1年です。

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(再掲)
大きく変わったのはこの1年です

2015年9月9日の地裁判決によって、いつでも契約を解除することができるようになりました。
現在は、裁判をおこなえば、奴隷の状態から脱することができます。
これまでのように、命がなくなるまで搾り取られるということはなくなりました。
昨年の12月に、「田村淳の訊きたい放題!」という番組が放映されました。
このなかで、竹田恒泰さんというコメンテーターが、判決の意義を損ねる発言をしました。

2016年12月17日 「田村淳の訊きたい放題!」
 ・YouTube(36分のあたりから)
 ・デーリーモーション(32分のあたりから)

具体的にみてみます。

<竹田恒泰さん>
2,400万円の違約金の請求ということで、裁判所は無効だと言ったんですけれども、これ公序良俗に反するって、AV出演契約だから公序良俗に反して無効とは言っていないんですよ。
この判決は2,400万円が高すぎるという判決なんですよ。
もしたとえば、これが200万円とかだったらぜんぜん、あんた払え、という、そういう判決になった可能性もあるんですよ。
だから2,400万円だと実質、断れないから、払えないから、結局、違約条項がないのと一緒だという判決なんですよ。

川奈まり子さんが言うように、ちゃんとしたプロセスをふんで、全部合意のもとで、全部広告宣計画もでていて、最後、さあリリースの直前で、やっぱやめますというひとだっているかもしれません。
それを一緒くたに、全部業界が悪いというのも極端なはなし。

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これが200万円とかだったらぜんぜん、あんた払え
この部分を聞いて、こう思うひとがいるかもしれません。
違約金の金額が200万円程度ならば契約を解除することができない、と。
竹田恒泰さんの物言いは、人々に誤解をあたえます。
何かに機会に訂正なり、補足をすることを期待しております。
ちなみに、裁判所は、つぎのように言っております。
アダルトビデオへの出演は、(略)、出演者である被告の意に反してこれを従事させることが許せない性質のものといえる
と。
世の中には、竹田恒泰さんのような粗忽者(そそっかしい人)もいます。
判決の意義を広く国民に周知する手だてはないのでしょうか。
池内さおり衆議院議員の発言が秀逸です。

2016年3月11日 衆議院会議録「第190回国会 内閣委員会 第5号」より、引用。)

<一部分を引用。池内さおり議員>
これは本当に私は画期的な裁判だったと思います。
契約書があるからAVへの出演は拒否ができない、多額の違約金を払うことができないのでやむなく出続けなければならないというふうに沈黙をずっと強いられてきた、声を上げることさえもできなかった女性たちにとって、本当に大きな力となる判決だと思います。
河野大臣と加藤大臣にお伺いしたいんですけれども、私は、現に被害を受けている女性たちが、本来違法であったはずの、この無効となるべき契約破棄に立ち上がることができるようにしていくためにも、新たな被害を生まないというためにも、この判決の趣旨を広くポスターなどで国民に広報すべきだというふうに思うんですけれども、いかがですか。

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(再掲)
この判決の趣旨を広くポスターなどで国民に広報すべきだ

加藤大臣の答弁をみてみます。

<加藤勝信 男女共同参画担当大臣>
女性に対する暴力をなくす運動の取り組み、あるいは内閣府が行う研修事業等においても、この事案は、そういう契約というのは全く無効なんだ、縛られるものではないんだということでありますから、そういったことをしっかり周知するというようなことも検討していきたいと思っております。
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いまひとつの内容です。
池内さおり議員がおっしゃるようにポスター等による周知をおこなってほしいものです。
梅村さえこ議員も、別の日に、同種の希望を口にしています。

2016年4月28日 衆議院「第190回国会 消費者問題に関する特別委員会 第5号」より、引用。)

<梅村さえこ 議員>
それで、被害があったときだけではなくて、そもそも、若い皆さんが消費者としての権利を知らずに社会に出ていっているということも問題としてあると思います。
不実告知であれば取り消せる、こういうことも知らずに、泣き寝入りをして、どんどん被害に遭っている。
消費者教育も行き届かせて、そして、できれば学校で、周知できるような印刷物の提供や、また授業の中で権利としてあるんだよということを若い方々に知らせていっていただく、これについては今すぐできることもあろうかと思いますので、この点もぜひ強く希望して、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

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今回、ふたたび、違約金訴訟が脚光をあびました。
加藤大臣も、河野太郎国家公安委員長のように、結果を出してほしいものです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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