昨日、ピエロというメーカーの社長ら6人が逮捕されました。
(2017年1月11日 東京新聞「無修正動画を配信疑い、6人逮捕 AV制作会社社長ら」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
無修正のわいせつ動画をインターネット配信したとして、警視庁と静岡、愛知両県警は11日までに、わいせつ電磁的記録頒布の疑いで東京都練馬区のAV制作会社「ピエロ」の社長で台湾籍の陳美里容疑者(67)と従業員ら計6人を逮捕した。
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年があけて最初の快事(胸のすくような出来事)です。
多くのひとが快哉(かいさい)を叫んだことでしょう。
今年は燦(さん)たる(輝く)年になりそうです。
ピエロといいますと、昨年の報道でも名前がでました。
(2016年6月12日 産経新聞「大手AVプロダクション元社長ら逮捕 女性『出演強要された』 労働者派遣法違反容疑」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
警視庁はマークス社やグループの「ファイブプロモーション」(同)を家宅捜索。
メーカーの「CA」(港区)、「ピエロ」(練馬区)も捜索した。
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<昨年、家宅捜索されたメーカー>
●CA(港区)
●ピエロ(練馬区)
CAというメーカーについては、昨日のwithnewsでとりあげられています。
(2017年1月11日 withnews「DMM、傘下AVメーカー売却 出演強要問題の中、亀山会長の狙いは?」より、引用。改行を施しています。)
(略)、警視庁は昨年6月、大手AVプロダクションの元社長ら3人を、所属女性をAVの撮影に派遣したとして労働者派遣法違反容疑(有害業務就労目的派遣)で逮捕した(後に罰金刑)。
CAは、この事件関連で家宅捜索を受けたことが明らかになっている。
結果として、AV業界に対する厳しい視線が続く中での、メーカー売却となった。
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もういっぽうのピエロについては、上述のとおり、昨日、関係者が逮捕されました。
(2017年1月11日 朝日新聞「無修正わいせつ動画を公開の疑い 制作会社社長ら逮捕」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
今回の事件は、被害女性が
「撮影された動画を勝手に無修正で配信サイトにアップされた」
と同庁に相談し、捜査を進めていた。
保安課によると、6人の逮捕容疑は昨年8月17日ごろ、無修正のわいせつ動画を米国の法人が運営するカリビアンコムに公開したというもの。
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(再掲)
「撮影された動画を勝手に無修正で配信サイトにアップされた」
悪行(人の道に外れた悪い行い)の最(さい)たるものと言えます。
万死に値する所行です。
いまこれを書いていて、ふと、いくつかの事例を想起しました。
引用します。
(1)ゆらりなさんの場合
(2016年12月22日 弁護士ドットコム「Av 無修正 未成年」より、引用。改行を施しています。)
騙されました
18で顔ばれもしないし流出もしないと言われてavに出ました。
しかしネットに公開されてました。
無修正でした。
Twitterにも拡散されてました。
私はその時に出ようか悩みましたが親に電話されたり身分証もコピーもされていて家に請求がくると思い不安で出演しました。
言われていた内容とは全く違う内容でした。
本当に怖かったです。
どうしたらいいのでしょうか?
(2)マリカさんの場合
(2017年1月2日 NEWSポストセブン「AV出演強要「騙された私のギャラは1.5万円でした(2)」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
マリカが出演したAVは海外発信の日本向けアダルトサイトから無修正で有料配信され、4時間の撮影分は2本のタイトルに分けられていた。
Xに問いただしても
「何も知らない、俺も騙された」
の一点張り。
マリカに経済力も知識も支援する後ろ盾も無い事を知っているXは
「訴えるなら訴えてみろ」
と強気の姿勢を崩さないという。
(3)J子さんの場合
(2016年3月3日 HRN「ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」より、引用。改行を施しています。)
<19ページ>
(前略。)
後日、Y 社がJ 子のAVを無修正で販売していることが判明した。
J子はX社に対し、無修正で販売されている事実を報告し、販売を止めるよう依頼したが、X 社はこれに応じなかった。
X社はJ子に対し、J 子は無修正販売への同意書にサインをしていると告げ、警察沙汰になれば J 子も逮捕されると脅して、警察への通報を妨害した。
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この種のものを読むたびに、深淵からはげしい怒りがこみあげてきます。
ぼくには念じる(強く願う)ことしかできません。
早く警察へ行って被害をうったえてください、と。
警察も、被害者が相談におとずれるのをまっています。
(2017年1月11日 NHK「米台経由でわいせつ動画配信か」より、引用。)
<一部分を引用>
日本で撮影したわいせつな動画を台湾とアメリカを経由して配信していたとして、都内の映像制作会社の社長らが警視庁に逮捕されました。
(略。)
逮捕されたのは東京・練馬区の映像制作会社「ピエロ」の社長で、台湾出身の陳美娟容疑者(67)ら6人で、警視庁によりますと去年8月、わいせつな動画をネット上で配信し、頒布した疑いがもたれています。
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国内の同業者は、これまで、ピエロの犯罪行為を認識していなかったのでしょうか。
IPPAというメーカー団体があります。
昨年、事務局長が、withnewsのインタビューに応じました。
(2016年9月2日 withnews「AV強要、戸惑う業界団体『信じられない』『現場で一番強いのは女優』」より、引用。改行を施しています。)
<朝日新聞経済部 高野真吾さん>
IPPAはそもそも、なぜ、AV業界に不健全な部分が出てきたと考えていますか。
<IPPA 事務局長(※なぜか名前が記載されていません)>
(前略)
(略)、私たちの団体のメーカーは、日本で発売される日本向けの作品をつくるのですが、無修正作品を作っている人がどこかにいます。
そこで何かしらかの被害、ひどい事案の撮影が行われているのではないのでしょうか。
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IPPA(メーカー団体)の事務局長の言い分はこうです。
IPPAに加盟しているメーカーは、国内で発売される国内向けの作品を制作している。
ところが、この国のどこかに、無修正作品をつくっているものが存在する。
もちろん、IPPAに加盟しているメーカーは、そのようなことをしていない。
おそらくその無修正メーカーが、人権を無視した撮影をおこなっているのだろう。
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出演強要は、無修正メーカーがおこなっている。
自分たちは無修正メーカーでないので、そのようなことはいっさいおこなっていない。
たいへんわかりやすい言説です。
おそらくつぎのかたも、このことをいいたかったのだろうと考えます。
(2016年11月24日 withnews「AV業界『ファン感謝祭』熱気むんむん 強要問題への取り組みは…」より、引用。改行を施しています。)
<朝日新聞経済部 高野真吾さん>
ブースを構えていた10社を訪ね、社長か社員に会って、直接、後日のインタビュー依頼をした。
「ドグマ」代表には、
「出たくない。何を言っても揚げ足を取られる。HRNがまとめた報告書は全てウソではないと思うが、現状では強要はないと思う」
とその場で丁寧に断られた。
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HRNが言っていることはすべて、無修正メーカーの世界でおこなわれていることである。
それゆえ、自分たちにはまったく関係のないはなしだ。
このような論法のようです。
(2016年9月2日 withnews「AV強要、戸惑う業界団体『信じられない』『現場で一番強いのは女優』」より、引用。改行を施しています。)
<朝日新聞経済部 高野真吾さん>
改めてAV業界健全化に対する意気込みを聞かせて下さい。
<IPPA 事務局長(※なぜか名前が記載されていません)>
無修正、無審査でつくっている人たちとは、線引きをした上で、粛々と業界を整備して、新しいルールをつくるつもりです。
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自分たちと無修正メーカーは別物である。
生きている世界がちがう。
事務局長はこう強調します。
昨日、ピエロが逮捕されました。
IPPA(メーカー団体)の論説が瓦解しました。
ピエロは、無修正メーカーでもあったのです。
おそらく、業界でも、周知の事実であったのでしょう。
ほかにもこの種のメーカーが存在しているのかもしれません。
(再掲。IPPA事務局長)
「(略)、私たちの団体のメーカーは、日本で発売される日本向けの作品をつくるのですが、無修正作品を作っている人がどこかにいます。そこで何かしらかの被害、ひどい事案の撮影が行われているのではないのでしょうか」
無修正メーカーは絶対に捕まらないと思っているから、このような物語をつくりあげたのでしょう。
ピエロが逮捕されたいま、IPPA(メーカー団体)はどう糊塗するのでしょうか。
伊藤和子弁護士は、つぎのようにおっしゃいます。
(2016年4月23日「深刻なAV出演強要被害は、大手メーカー作品にも少なくない。業界の自主的改善の動きはあるのか?」より、引用。 )
<一部分を引用>
私たちが調査報告書に記載したAV強要事案のなかには、SOD、CAの2つの大手メーカーの作品が含まれていることは確かな事実です。
しかも、流通・販売ではAmazonやDMMがかかわっています。
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これが真実です。
香西咲さんのツイッター(2017年1月1日)より、引用。
AV業界の自浄作用が試される時です。
どなたが矢面に立ち、業界を代表して被害者女性達に謝罪し、今後の改善を約束してくださるのか?
期待が高まります。
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業界は、香西咲さんをはじめ、多数の被害者の方々に謝罪をすべきです。
弥縫策(びほうさく。失敗を一時的にとりつくろう策という意味)はもうたくさんです。
辟易(へきえき)します。
素直に非を認めて、しっかりと頭をさげてください。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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