世の中には、他人の痛みがわからないひとたちが存在します。
もちろん少数派です。
ふりかえってみますと、かつての岡村勲弁護士も、そのなかの一人であったのかもしれません。
(2008年6月8日 PHPオンライン 衆知「死刑制度は絶対に必要 奪った生命を何で償うのか」より、引用。 )
じつは私も、いわゆる「人権派弁護士」の1人だった。
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かつて、岡村さんは、加害者(被告)の人権を守るために精励恪勤(せいれいかっきん)しました(力の限りを尽くして励みました)。
(2015年10月1日 読売新聞「[語る 聞く]裁判を変えた信念 岡村勲さん86」より、引用。 )
<岡村勲さん。一部分を引用>
私は被告を弁護して刑を軽くするのに懸命で、無罪や執行猶予になると
「どうだ」
と。
その陰でどれだけ多くの人(被害者)が泣いていたのか、頭になかった。
(※この記事は、ネット配信されていません。)
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なぜ被告の人権を重視したのでしょうか。
(2008年6月8日 PHPオンライン 衆知「死刑制度は絶対に必要 奪った生命を何で償うのか」より、引用。 )
<岡村勲さん。一部分を引用>
戦争中、治安維持法、特高警察などによって国民の人権は、極度に蹂躙された。
戦後生まれた憲法は、この反省に立って、国家からの人権侵害を防ぐことをもっとも大きな柱とした。
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1925年に、治安維持法が制定されました。
目的は、国体の護持、です。
国体とは、天皇を中心とした国家体制のことです。
治安維持法が成立する3年前のことでした。
共産党が結成されます。
この結社は、国体の変革と、私有財産制の否定を前面にかかげました。
支持者が増大します。
政府は危機感をつのらせました。
杞憂を一蹴したのが、治安維持法です。
この法律によって、思想を弾圧することが可能となりました。
主たる条文をみてみます。
(参考。治安維持法。※注 旧字や旧カナは、現代表記にあらためています。)
<第1条>
国体を変革することを目的として結社を組織したる者または結社の役員その他指導者たる任務に従事したる者は死刑または無期もしくは7年以上の懲役に処し情を知りて結社に加入したる者または結社の目的遂行のためにする行為をなしたる者は3年以上の有期懲役に処す
<第10条>
私有財産制度を否認することを目的として結社を組織したる者または情を知りて結社に加入したる者もしくは結社の目的遂行のためにする行為をなしたる者は10年以下の懲役または禁錮に処す
当初、とりしまりの対象は、共産党でした。
時が経つにつれて、検挙の範囲がひろがっていきます。
政府を批判するひとたちも、捕まるようになります。
労働運動も処罰されました。
やがて、戦争に反対、と口にするだけで、警察へ連行されました。
史上最悪の法律と唾棄されているのも肯(うなず)けます。
以下に、制定から廃止までの流れを簡単に記してみます。
●1925年
念願の普通選挙法(選挙権は25歳以上の男子のみ)が成立します。
同時に、治安維持法が制定されます。
●1928年
<2月>
普通選挙がはじめて、実施されます。
結果、労働者や農民を支持基盤とする複数の政党(一括して「無産政党」という)から、8人が当選しました。
田中義一内閣は、この結果に衝撃を受けます。
<3月15日>
政府はこの日、治安維持法違反で、非合法の日本共産党員、無産政党員、労働運動の指導者ら、約1000人を逮捕しました。
ちなみに、この事件を克明にえがいたのが、作家の小林多喜二です。
小説の題名は、「一九二八年三月十五日」です。
<6月>
政府は治安維持法を改訂します。
最高刑が、死刑、となりました。
●1929年
<4月>
339人を逮捕します。
いずれも、共産党の幹部でした。
その後も検挙者が頻出します。
弾圧は戦争がおわるまでつづきました。
●1945年
<8月15日>
敗戦。
<10月15日>
治安維持法が廃止されます。
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もう一度、岡村勲さんのことばをみてみます。
(再掲)
「戦争中、治安維持法、特高警察などによって国民の人権は、極度に蹂躙された。戦後生まれた憲法は、この反省に立って、国家からの人権侵害を防ぐことをもっとも大きな柱とした」
治安維持法違反で捕まったひとたち(被告)は、特高(特高警察)によって人権を蹂躙されました。
このときの反省から生まれたのが、被告の人権を重視する、という考え方です。
(2008年6月8日 PHPオンライン 衆知「死刑制度は絶対に必要 奪った生命を何で償うのか」より、引用。 )
<岡村勲さん。一部分を引用>
被疑者・被告人(加害者)の権利については10カ条も定めた。
ところが国家から直接侵害される心配の少ない犯罪被害者の権利については書き落とした。
ここから問題が始まる。
弁護士、裁判官、検察官、学者も、被疑者・被告人(加害者)の権利を守ることだけに終始し、被害者の権利のことを考えなくなってしまった。
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じつは私も、いわゆる「人権派弁護士」の1人だった。
現行の法制度に馴れてしまい、被害者の苦しみ、権利に思いを致すことがなかった。
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(2016年9月12日 毎日新聞「AV出演強要 神戸大教授、規制強化に反対 内閣府聴取」より、引用。)
青山教授の立ち位置は、かつての岡村勲弁護士と同じです。
被害者よりも、加害者側の人権に重きを置いています。
背景にはいまみてきたような理由があるのかもしれません。
(再掲。岡村勲さん)
「弁護士、裁判官、検察官、学者も、被疑者・被告人(加害者)の権利を守ることだけに終始し、被害者の権利のことを考えなくなってしまった。」
青山教授に関しては、つぎのような報道もなされています。
(2016年9月12日 毎日新聞「AV出演強要 神戸大教授、規制強化に反対 内閣府聴取」より、引用。)
業界側では7月、元AV女優の川奈まり子さんらが一般社団法人・表現者ネットワーク(AVAN)を設立し、統一契約書の策定などによる健全化に取り組んでいる。
同法人のアドバイザーを務めヒアリングで女優らの意思を“代弁”する形となった青山教授(後略)。
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記事によりますと、特定の団体のアドバイザーをされているとのことです。
これでは、青山教授の物言いは説得力がありません。
つまるところ(結局)は、業界の利益を代弁されているのではないでしょうか。
そう捉える向きがあっても、おかしくはないでしょう。
自説を展開されたいのでしたら、フリーの立場になられるべきです。
このあと、各論にはいろうと思いましたが、本日、突如、朗報が舞い込んできました。
・2017年1月11日 日テレNEWS24「無修正AV制作・配信 67歳女社長ら逮捕」
新年早々の、たいへん明るい話題です。
せっかくの福音(うれしい知らせ)ですので、こちらにつきまして、若干ふれさせていただきます。
最初、報道を知ったとき、日本の法律に違反したから逮捕されたのだろう、と思いました。
ぼくの主たる関心事は、出演強要問題です。
本日の件につきましたは、傍流のような気がしました。
朝日新聞のサイトをみました。
つぎの事柄が書かれていました。
(2017年1月11日 朝日新聞「無修正わいせつ動画を公開の疑い 制作会社社長ら逮捕」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
今回の事件は、被害女性が
「撮影された動画を勝手に無修正で配信サイトにアップされた」
と同庁に相談し、捜査を進めていた。
保安課によると、6人の逮捕容疑は昨年8月17日ごろ、無修正のわいせつ動画を米国の法人が運営するカリビアンコムに公開したというもの。
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単純な事件ではなさそうです。
(再掲)
「撮影された動画を勝手に無修正で配信サイトにアップされた」
出演強要も関係しているのでしょうか。
だいわりゅうさん(NPO法人だいわピュアラブセーフティーネット代表)のツイートが気になりました。
<2017年1月11日>
今回のカリビアンコムの摘発は無修正だから摘発ではないです。
本当の理由はAV強要からです。
カリビアンコムのバックには表の大手メーカーと大手プロダクションがいます。
表面上の理由は無修正ですが、本当の理由はAV強要と女優への人権侵害で警察は動きました。
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<2017年1月11日>
今回のカリビアンコムの摘発も一連のAV強要事件に絡む一つです。
徐々に本丸の大手メーカーに近づいています。
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(再掲)
「本丸の大手メーカーに近づいています」
どうなのでしょうか。
警察の捜査に期待があつまります。
(2017年1月11日 産経新聞「大手海外サイト『カリビアンコム』で配信 AV制作会社を摘発 警視庁」より、引用。改行を施しています。)
カリビアンコムは4000タイトル以上を配信し、「無修正アダルト動画最大手」を掲げている。
米国にサーバーコンピューターを設置しているが、日本人が出演する動画が多く、捜査本部はほかにもカリビアンコムに提供している国内の会社があるとみている。
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警察の勢いは、年がかわってもおとろえることがないようです。
爽快です。
もしも警察に、寄付を募るサイトがあれば、多額の寄付をしたい気分です。
あとは、検察でしょうか。
ぜひとも、虫けらたちを起訴してほしいものです。
<2016年10月4日に書類送検された悪徳プロダクション>
・バンビ・プロモーション(渋谷区)
・F2F Entertainment(渋谷区)
・ディクレア(渋谷区)
・ARTE Entertainment(渋谷区)
・オールプランニング(新宿区)
・CLAP(新宿区)
+
12人
香西咲さんの真の笑顔がみたいです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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