本日、弁護士ドットコムに掲載されている記事を読み返しました。
・2016年12月17日 弁護士ドットコム「AV規制強化『議論の場に業界関係者を』神戸大・青山教授に聞く」
いつの間にか首を傾(かし)げている自分に気がつきます。
途中で何度も、ネットの落書きをみているような錯覚におちいりました。
以下の方々も同じような感慨をもたれたようです。
(松嶋淳理さんのツイートより、引用。)
<2016年12月17日>
平和ボケ
理想を言ってるだけでは解決しない
学者さんだから
被害者に何も興味ないのか?
(後略。)
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(だいわりゅうさんのツイートより、引用。)
<2016年12月20日>
俺もこの青山教授の記事読んでこれはおかしいと思いました!
現実に被害にあってる若い女性はたくさんいます!
またAV業界は一部が悪質なのではなくほとんどが悪質で一部がちゃんとしています。
風俗のスティグマの問題とこのAV強要の問題は全く別です。
AV業界全体の問題です!
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青山教授の言説を一部、引かせていただきます。
(2016年12月17日 弁護士ドットコム「AV規制強化『議論の場に業界関係者を』神戸大・青山教授に聞く」より、引用。)
<青山教授。一部分を引用>
「その(出演強要の)件数は多くないと考えています」
「『AV強要問題』が、いつの間にか『全AV問題』になっているのです」
「(前略)一部のスカウトの詐欺行為をもって業界全体が詐欺的であるように捉えている(後略。)」
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被害者はごく一部との認識のようです。
こちらのかたもです。
(TVでた蔵トップ「2016年12月31日放送 オトナの事情ジャーナル」より、引用。)
<一部分を引用>
AVライターのアケミンさんに話を聞くと
「出演強要被害にあっているのはほんの一握り」
(※KAZEさんのツイッターでこの番組の存在を知りました。)
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当該番組は大晦日に放映されました。
現在、出演強要被害が大問題となっています。
その最中(さなか)に、
「出演強要被害にあっているのはほんの一握り」
とは。
いったいこの2人はどうなっているのでしょう。
開いた口が塞がりません。
コメントを見て、賛同する AV出演強要は、絶対に許せません。あなたの娘が被害者になったら、それでも被害を無視できますか? https://t.co/XzzrDDerYl @change_jpより
— Kazuko Ito 伊藤和子 (@KazukoIto_Law) December 30, 2016
(伊藤和子弁護士のツイートより、引用。※注 原文とは体裁が異なります。)
<2016年12月30日>
コメントを見て、賛同する
「AV出演強要は、絶対に許せません。あなたの娘が被害者になったら、それでも被害を無視できますか?」
(後略。)
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「あなたの娘が被害者になったら、それでも被害を無視できますか?」
出演強要被害については、このことばに尽きます。
至言です。
(だいわりゅうさんのツイートより、引用。)
<2016年12月20日>
俺のところにもAV強要についての相談は4年間で100人近くあります!
強要は一部だとか、ほとんどないとか言ってるやつは何も知らないやつですよ!
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同感です。
万が一、自分の家族が巻き込まれても、
「出演強要被害にあっているのはほんの一握り」
といえるのでしょうか。
香西咲さんのツイッター(2016年9月19日)より、引用。
AV強要の告発をしても 業界側の人はスルー
『そんな事ありえない』の一言で終わらされる。
逆に親身になって下さるのは、娘を持つ親御さんだったりする。
(後略。)
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香西咲さんのツイッター(2017年1月2日)より、引用。
娘を持つ親御さんへ
決して他人事ではありません。
芸能、パーツモデル(手など)、ナンパ…
あの手この手で勧誘してきます。年齢も容姿も関係ありません。
スカウトや事務所がその気になれば整形させてでもAV出させます。
環境も思考も180度変えさせられます。
注意を払いきれるものではありません。
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(再掲)
「決して他人事ではありません」
おっしゃるとおりです。
いつ自分の関係者が被害にあってもおかしくはありません。
現在は法律による規制がなく、犯罪者が野放しとなっているのですから。
(Katsuhisa0301さんのツイートより、引用。)
<2016年12月28日>
死刑廃止論者の弁護士が、自分の妻を殺されたという事件があります。
それによって、はじめて被害者遺族の無念さを思い知り、犯人への死刑を希望することを法廷で証人として証言したそうです。
自分が当事者にならないとわからないんでしょうね…。
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(再掲)
「自分が当事者にならないとわからないんでしょうね」
岡村勲さん(87歳)という弁護士がいます。
日弁連の副会長を務めたこともあります。
いわゆる、人権派、と称されているかたでした。
(2015年10月1日 読売新聞「[語る 聞く]裁判を変えた信念 岡村勲さん86」より、引用。 改行を施しています。)
<岡村勲さん。一部分を引用>
私は被告(加害者)を弁護して刑を軽くするのに懸命で、無罪や執行猶予になると
「どうだ」
と。
その陰でどれだけ多くの人(被害者)が泣いていたのか、頭になかった。
(※この記事は、ネット配信されていません。)
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岡村勲さんはこうふりかえります。
「弁護士としての私は被害者のことをまったく考えてなかった」(読売新聞より)
と。
「PHPオンライン 衆知」というサイトでも、同旨のことをのべられています。
(2008年6月8日 PHPオンライン 衆知「死刑制度は絶対に必要 奪った生命を何で償うのか」より、引用。改行を施しています。 )
<岡村勲さん。一部分を引用>
戦争中、治安維持法、特高警察などによって国民の人権は、極度に蹂躙された。
戦後生まれた憲法は、この反省に立って、国家からの人権侵害を防ぐことをもっとも大きな柱とした。
被疑者・被告人(加害者)の権利については10カ条も定めた。
ところが国家から直接侵害される心配の少ない犯罪被害者の権利については書き落とした。
ここから問題が始まる。
弁護士、裁判官、検察官、学者も、被疑者・被告人(加害者)の権利を守ることだけに終始し、被害者の権利のことを考えなくなってしまった。
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じつは私も、いわゆる「人権派弁護士」の1人だった。
現行の法制度に馴れてしまい、被害者の苦しみ、権利に思いを致すことがなかった。
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1997年10月10日のことでした。
(2015年10月1日 読売新聞「[語る 聞く]裁判を変えた信念 岡村勲さん86」より、引用。 改行を施しています。)
<岡村勲さん。一部分を引用>
あの日、陶芸家の先生を交え、日本橋で食事をする約束でした。
贈ってなかった結婚指輪をプレゼントしようと話していた。
だが、家内からは夜になっても連絡がなく、何度も自宅に電話したが出ない。
いやな感じがしてねえ。
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家にもどると、妻が玄関先で倒れていました。
すでに息はありません。
何ものかによって殺害されたのです。
7日後、ある男が逮捕されました。
その男とは因縁がありました。
6年前のことです。
男は、岡村さんとかかわりのある証券会社に対して、恐喝めいたことをしてきました。
「株で損したぶんを返せ」
と。
岡村さんは顧問弁護士でした。
会社から相談を受けると、すぐにこう言いました。
「毅然とした態度で拒否すべきです」
と。
しばらくして男は逮捕されました。
のちに、刑期をおえて出所した男は、岡村さんの殺害を企てます。
宅配業者を装って、岡村さん宅を訪ねました。
岡村さんの妻がでてきます。
夫は不在であるとつげられました。
怒りを増幅した男は、婦人を殺害します。
(2015年10月1日 読売新聞「[語る 聞く]裁判を変えた信念 岡村勲さん86」より、引用。改行を施しています。 )
<岡村勲さん。一部分を引用>
留守だった私の身代わりになった。
それからは酒で食事を流し込み、毎日やってくる野良猫だけが相手でした。
娘の指に合わせて指輪を作り、四十九日に供えました。
納骨前には3日間、大学、歌舞伎座、浅草など思い出の地を遺骨を抱いて回りました。
(※この記事は、ネット配信されていません。)
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翌年、第一回公判が開かれました。
岡村さんは、傍聴席で、裁判のゆくえをみまもりました。
発言はいっさい、ゆるされません。
静謐(せいひつ)がもとめられます。
2年後、判決がでました。
無期懲役です。
岡村さんは、死刑をのぞんでいました。
かないませんでした。
翌年、岡村さんは、犯罪被害者の会を結成しました。
目的は、司法制度の改革です。
犯罪被害者は、裁判に参加することができません。
傍聴席でぼんやりと、やりとりをながめているだけです。
岡村さんは、この在り方をかえようとしたのです。
司法関係者からは、多数の反対意見がでました。
「裁判は国の秩序を守るためのものであって、被害者のためのものではない」
23年前に、最高裁が、ある判決のなかでのべたくだりです。
以来、これが、司法界の常識となっていました。
岡村さんは署名活動を開始します。
1年半後、55万筆の署名があつまりました。
それを持参して、総理大臣(小泉純一郎)と対面しました。
被害者が裁判に参加できないという事実を知った小泉首相は、
「本当か?」
と驚き、改善を約束します。
1年後、犯罪被害者等基本法が成立します。(2004年12月)
それから4年後のことでした。
(2015年10月1日 読売新聞「[語る 聞く]裁判を変えた信念 岡村勲さん86」より、引用。改行を施しています。 )
<岡村勲さん。一部分を引用>
家内の敵討ちと思ってきました。
被害者が法廷で意見を述べ、質問もできるようになった。
出廷の際の交通費、日当が支給され、国費で弁護士も付けられる。
画期的でした。
高知にある家内の墓前に
「変えたぞ」
と報告しました。
(※この記事は、ネット配信されていません。)
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2008年12月、被害者の裁判参加制度が実現しました。
(再掲。香西咲さんのツイート)
<2016年9月19日>
AV強要の告発をしても 業界側の人はスルー
『そんな事ありえない』の一言で終わらされる。
逆に親身になって下さるのは、娘を持つ親御さんだったりする。
(後略。)
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<2017年1月2日>
娘を持つ親御さんへ
決して他人事ではありません。
芸能、パーツモデル(手など)、ナンパ…
あの手この手で勧誘してきます。年齢も容姿も関係ありません。
スカウトや事務所がその気になれば整形させてでもAV出させます。
環境も思考も180度変えさせられます。
注意を払いきれるものではありません。
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「出演強要被害にあっているのはほんの一握り」
といっているひとに言いたいです。
「AV出演強要は、絶対に許せません。あなたの娘が被害者になったら、それでも被害を無視できますか?」
と。
本日、ご紹介した岡村勲弁護士の受難と辛苦については、「PANDORA.TV」でご覧になることができます。
・2009年12月19日 NHK「たった一人の反乱」
(※とりあえずリンクを貼っておきます。不適切でしたら削除します。)
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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