角川書店系列(メディアファクトリー)のダ・ヴィンチニュースが、「AV出演を強要された彼女たち」を紹介しています。
・宮本節子著「AV出演を強要された彼女たち」筑摩書房刊
(2016年12月28日 ダ・ヴィンチニュース「妊娠も性病もすべて女優の『自己責任』、美容院代2万円のためにAV出演…。ソーシャルワーカーが見た『AV業界の裏側』とは?【インタビュー前編】」より、引用。改行を施しています。)
『AV出演を強要された彼女たち(ちくま新書)』(宮本節子/筑摩書房)は、出演強要被害を訴える女性たちを支えてきた支援団体「PAPS(ポルノ被害と性暴力を考える会)」の世話人をつとめる、ソーシャルワーカーの宮本節子さんが支援者視点で問題に向き合った一冊だ。
5人の被害例に加えて、これまで表に出されることがほとんどなかった、プロダクションとAVメーカーと女性による三者契約書などが掲載されていて、問題の構造がわかりやすく紹介されている。
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書評は、前編と後編にわかれています。
当該記事を読むだけでも、業界の深い闇を垣間見ることができます。
以下のくだりにふれたとき、ぼくは、肺腑(はいふ)を衝(つ)かれました(こころを揺り動かされました)。
(2016年12月28日 ダ・ヴィンチニュース「契約は出演女優に不利なもの…。ソーシャルワーカーが見た「AV業界の裏側」と、意に反して出演した女優たちの心の叫び【インタビュー後編】」より、引用。改行を施しています。)
AVが「強要などなく誇りを持って取り組んでいる」「表現のひとつ」で、「男性にとっても出演したい女優にとってもなくてはならないもの」なのだとしたら、これ以上被害者を生まないでほしい。
誇りを持って前向きに取り組む人が集まり、彼ら彼女らを搾取しない構造になれば、「AV出演強要」がニュースで取り上げられることもなくなるだろう。
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この文章を書かれたのは、玖保樹 鈴さんというかたです。
至言(ある事柄をこのうえなく適切にいいあらわしたことば)です。
現在、「AV出演を強要された彼女たち」は、社会的な関心をよびおこしているようです。
1日前には、読売新聞で紹介されました。
(2016年12月27日 読売新聞より、引用。改行を施しています。)
「AV出演を強要された彼女たち」宮本節子著
被害者からの相談窓口「ポルノ被害と性暴力を考える会」に寄せられた200件以上の相談を基に、典型的な被害事例を紹介、警鐘を鳴らす。
アイドルとだましてスカウトし契約書で縛る手口、女性が後戻りできなくなる理由など、被害者支援を通じてわかった実態を明らかにしている。
(ちくま新書、800円税抜き)
(※この記事はネットで配信されていません。)
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読売新聞は、安倍内閣の広報紙的存在ともいわれています。
両者の関係は緊密です。
「AV出演を強要された彼女たち」は、いま、政府内で話題になっているのかもしれません。
それはともかく、読売新聞が書評でとりあげたというところに価値があります。
これを機に手にされたかたもいらっしゃることでしょう。
さらなる世論の高まりを期待しております。
はなしをダ・ヴィンチニュースにもどします。
(再掲。ダ・ヴィンチニュース)
「AVが『強要などなく誇りを持って取り組んでいる』『表現のひとつ』で、『男性にとっても出演したい女優にとってもなくてはならないもの』なのだとしたら、これ以上被害者を生まないでほしい」
重要な指摘です。
二村ヒトシさんというかたも、同旨の発言をされています。
(2016年10月13日 毎日新聞「AV問題 語り始めた業界人(6)異才が見た『性と自傷』」より、引用。改行を施しています。)
<二村ヒトシ監督。一部分を引用>
やりたくない人、向いていない人は業界に近付かない方がいい。
向いている人、やらないではいられない人だけが、リスクをよく知った上でやるべき仕事なのだと思います。
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(再掲)
「やらないではいられない人だけが、リスクをよく知った上でやるべき仕事」
同感です。
ぜひ、その種のひとたちだけが集う健全な世界に生まれかわってほしいものです。
問題は、業界人です。
(2016月3月29日 産経新聞「年500人超がAVデビュー 出演強要の末、違約金まで…AV業界歴30年の男性が衝撃の実態を語った」より、引用。改行を施しています。)
<業界トップのひとり、とされる男性>
(アダルトビデオ)AVメーカー各社は利益を確保するため、新作を増やし、次々と新人をデビューさせないといけない。
さらに「誰もやったことのない過激さ」がユーザーから求められる。
そうした中で、女性をだまして出演させたり、やり過ぎとも思える性行為が行われたりしている。
ギャラを女優に渡さないなど目に余る行為もあるようだ。
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規模を縮小すると、倒産するところがでてきます。
これを回避するために、日々おこなわれているのが、出演強要です。
出演強要がなければ、業界は成り立ちません。
出演強要が、業界にとっての生命線、と考えられます。
(2016年10月20日 毎日新聞「AV問題:語り始めた業界人(7)大手メーカーの危機感」より、引用。改行を施しています。)
(問)「『本当に出たい人』だけでは、回していけないのでしょうか?」
<大手メーカーの高木慎司さん(仮名)>
(会社が)つぶれます。
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業界人は、出演強要の事実を絶対に認めません。
自らの存亡にかかわる問題だからです。
「僕の常識の範囲内では、それ(強要)は絶対ないと思いますね。もちろん見たわけじゃないので、100%とは言えませんが」
このようにいいつつも、警察の介入を容認されているかたがいらっしゃいます。
(2016年10月5日 毎日新聞「語り始めた業界人(5)“カリスマ監督”の独白」より、引用。改行を施しています。)
<溜池ゴロー監督。一部分を引用>
違法行為をやっている人はどんどん捕まればいい。
まだまだ警察は入ってきていいと思う。
そして、皆で統一のちゃんとしたルールを作っていく。
業界人は法的知識もないまま「これはまかり通っているから大丈夫だろう」とずっと続けてきた。
この辺で一回、「何がOKで何がダメか」というルールをちゃんと整理すべきです。
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(再掲)
「違法行為をやっている人はどんどん捕まればいい」
実直なご意見です。
好感がもてます。
川奈まり子AVAN代表も、ご自身のツイッターのなかで、同じようなことをのべられています。
(※改行を施しています。)
<川奈まり子さん。2016年12月27日>
また、これはAVANの総意だと思って戴いて構いませんが(内閣府の方にも既に申し上げました)「強要」があれば警察に通報し、「悪」を特定して逮捕させるなり訴えるなりしていただきたいのです。
「悪」の個人または法人を特定して対処せず、なぜか放置しているように見えます。
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(再掲)
「『悪』を特定して逮捕」
「なぜか放置」
同意見です。
共感をおぼえます。
同日、KAZEさんというかたが、川奈まり子さんに対して、以下のことばを発していました。
いくつかをご紹介させていただきます。
(※時系列ではありません。)
<KAZEさん。2016年12月27日>
違約金1億で青木がほしのさんを脅して、SODの社員監督の某が暴言吐いて恫喝していたと文春にあります。
言い逃れはやめていただきたい。
あなたも実情をよく知っているはずです。
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以下の件のようです。
(※当時は、匿名でした。)
(2016年8月26日 withnews「AV強要、元タレントも被害 ミスコン受賞歴、歌手の夢捨てられず…」より、引用。改行を施しています。)
(略)、イメージDVDの撮影だと言われて、東京・原宿のスタジオに向かいました。
洋服を着たままの撮影の後、監督が当然のように命令したのです。
「じゃあ、脱いでくれる?」
驚いてどこまでかを聞くと、「全部だよ」
驚いて、大泣きしました。
撮影が絡みのあるAVだと、初めて知りました。
(中略。)
(社長は)「いくらお金をかけているか分かる? 雑誌とか色々なメディアで宣伝して1億円ぐらいかけている。撮影が無理だと、親に請求がいくよ」
親へのお金の請求が怖くて、6月上旬の撮影には応じざるを得なかったです。
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(2016年11月14日 日本経済新聞「夢につけ込まれ出演 奪われた尊厳(上) 意に沿わずAV 心に傷」より、引用。改行を施しています。)
(前略。)
グラビア撮影と聞かされて出向いた現場で、初めてアダルトビデオ(AV)と明かされた。
「できません」
拒否の言葉は通じなかった。
社長ら数人に囲まれた。
「宣伝で1億円かかった。違約金は家族に請求する」
(中略。)
女性は今、社長らの処罰を求めて警察に相談をしている。
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川奈まり子さんとKAZEさんのやりとりにもどります。
<川奈まり子さん。2016年12月27日>
ほしのあすかさんがSODの専属だった時期と各人の在職期間を対比させれば明らかなことです。
文春が出たあとに、現在の社長には何らかの声明文などを用意した方がよいと思うと忠告させていただきましたが。
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<KAZEさん。2016年12月27日>
よくわからないのですが、文春が出た段階でSOD社長は問題を認識していたが何もしなかったということですね。
それは当然がなりの意向でもある。
今からでも速やかに説明責任を果たし謝罪すべきでしょう。
青木亮は「一部の悪徳業者」に含まれるということですね。
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<川奈まり子さん。2016年12月27日>
いいえ。高橋氏はそのことで「意向」を述べていないと思います(現在はそうした立場にないので)。
青木氏については私の立場で発言することは顧問弁護士の意見を仰いでからにしたいと思いますが、誰にせよ、「悪」は必ず特定されて裁かれるべきだと強く思っています。
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川奈まり子さんは、一般論として、悪は業界から放逐されるべきであるとくりかえしています。
(2016年6月10日 ダイヤモンドオンライン「AV出演強要問題、この15年で業界は驚くほどホワイトになった」(4ページ目)より、引用。改行を施しています。)
<川奈まり子さん>
実は、(HRNの)報告書が出た直後、関係者のひとりにフェイスブックから「被害報告に出ていたプロダクションの名前を教えてほしい」とお願いしたんです。
どこの事務所かわかれば業界を挙げてそこを干すことだってできますから。
ところが、団体側は被害者のプライバシーを理由に教えてくれなかった。
後から知ったことですが、被害者の話は基本的には裏取りをしないという方針らしく、随分いい加減だなと思いました。
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記事の掲載から約1か月後のことです。
香西咲さんが、週刊文春で、青木亮の犯罪行為を告発しました。
(再掲。川奈まり子さん)
「どこの事務所かわかれば業界を挙げてそこを干すことだってできますから」
結局、青木亮を干すことはできなかったようです。
犯罪をおかしても、警察につかまらなければ、悠然と闊歩できる。
業界には微塵も、自浄能力がない。
はからずも(思いがけず)そのことが証明されてしまいました。
(再掲。溜池ゴロー監督)
「違法行為をやっている人はどんどん捕まればいい。まだまだ警察は入ってきていいと思う」
「業界人は法的知識もないまま『これはまかり通っているから大丈夫だろう』とずっと続けてきた」
現在のところは、警察の力に頼るしか術(すべ)がないようです。
(2016年11月14日 日本経済新聞「夢につけ込まれ出演 奪われた尊厳(上) 意に沿わずAV 心に傷」より、引用。改行を施しています。)
警視庁は6月、女性モデルをAV撮影に派遣したとして、芸能プロダクション元社長らを労働者派遣法違反容疑で逮捕。
元社長らは罰金刑を受けた。
意思に反して出演させられた女性が、契約や撮影の状況を詳細に証言したことが摘発につながった。
捜査関係者は
「出演者らがもっと実態を打ち明けられるようになれば、強要を生まない環境づくりにつなげられる」
と期待を寄せる。
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(再掲。2016年11月14日の報道より)
「女性は今、社長らの処罰を求めて警察に相談をしている」
国民は、この社長が逮捕されることを一日千秋の思いで待っています。
警察の賢明な判断を期待しております。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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