香西咲さんは外からではなく、なかから提言をしつづけました。この世で香西咲さんほど気高くて崇高な女性は寡聞にして存じあげません

昨日、何気なく、弁護士ドットコムのサイトをみていました。
読者からの相談が掲載されていることに気がつきました。
つぎのような内容です。
(※改行を施しています。)

<2016年12月22日。ゆらりなさん

騙されました
18で顔ばれもしないし流出もしないと言われてavに出ました。
しかしネットに公開されてました。
(略。)
私はその時に出ようか悩みましたが親に電話されたり身分証もコピーもされていて家に請求がくると思い不安で出演しました。
言われていた内容とは全く違う内容でした。
(略。)

もう1つありこちらは別のプロダクションでお金に困っており出演したときに顔ばれはしないなど海外に配信するなど言われました。
そしたら日本dvd店で並ぶと騙されました!
(後略。)

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この女性は現在、18歳とのことです。
文面からさっするに、特にひどい強要はなかったようです。
どちらかといいますと、以下の範疇にはいるのでしょうか。

(参考;2016年3月11日 衆議院会議録「第190回国会 内閣委員会 第5号」

<池内さおり議員>
長らく信じられてきた言説があります。
AVには被害者などいない、女性は皆同意のもと撮影に応じているし、それ相応の対価も得ているのだから問題はないと。

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おそらく1年前ですと、女性の懊悩(おうのう)は一顧(いっこ)だにされなかったはずです。
当然、警察も一蹴したことでしょう。
契約をした自分が悪い、と。
PAPS世話人の宮本節子さんは、論文のなかでつぎのようなことをのべています。

(2016年1月25日 賃金と社会保障「まだ可視化されていないアダルトビデオ産業の性暴力被害と若者の貧相」より、引用。改行を施しています。)

<22ページ。PAPS世話人 宮本節子さん>

(略)抜け出したいと弁護士に相談する例もあるが、多くの弁護士は、外形的な契約行為が整っていることを理由に受認することを断るのが実態である。
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香西咲さんの場合もそうでした。

香西咲さんのツイッター(2016年6月12日)より、引用。

私が前に事務所問題でトラブった事があるのは皆様ご存知かと思います。
実はその時に弁護士10人弱訪問してるんです。霞ヶ関含めて。
でも殆どの弁護士の先生に『立証しにくい』と言われ、あからさまに嫌な顔されて門前払いされました。
現実ってこんなものなんだな?って悟って腹を括った訳です。

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いまはちがいます。
既出のゆらりなさんの相談に対する弁護士の回答をみてみます。

弁護士ドットコムより、引用。)

<原田和幸弁護士>
弁護士に入ってもらって、交渉してもらったり、裁判をすることは考えられます。
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交渉
裁判
当を得た答えです。
質問者も多少、勇気づけられたのではないでしょうか。
これ以外にも、ほかの弁護士が書き込みをしています。

<大和幸四郎弁護士>
(前略。)
被害者の会等に相談するのも一方法と思います。

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こちらも名答です。
実際に、これまで、PAPS(パップス)、ライトハウス、HRN(ヒューマンライツ・ナウ)等の支援団体が、出演強要問題と対峙してきました。
その功績ははかりしれません。

(2016年12月19日 withnews「AV強要って何法違反? 警察庁に聞いてみた 派遣法・労基法でも…」より、引用。)

<一部分を引用>
以前は、出演強要の被害相談をうけたライトハウスや協力団体のPAPS(ポルノ被害と性暴力を考える会)が、AVメーカーなどに対し、相談者が出演しているDVDの販売や動画配信の停止をAVメーカーなどに求めても、反応がなかったり、対応が非常に遅かったりすることが通常でした。
今年、警察が摘発に乗り出してからは、一時的にAVメーカーの対応が迅速になりましたが、業界大手のメーカーはじめ販売停止に応じない場合もあり、多くの相談者が不安な日々を送っています。

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社会規範が欠如している相手に対して、支援団体は、奮迅(ふんじん)の活躍をしています。
頭がさがります。
つぎはどうでしょうか。

<八坂玄功弁護士>
弁護士費用や訴訟費用については、法律扶助が利用できる場合が多いと思いますから、手持ちの費用がなくても、早く弁護士に依頼してください。
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費用面の心配をしています。
微に入り細をうがつ(こまかい点にまで気を配る)といった感じでしょうか。
法律扶助」とは、民事法律扶助、のことです。
関係する日本司法支援センターのサイトをみてみます。

日本司法支援センター 法テラスのサイトより、引用。)

法テラスでは、経済的にお困りの方が、費用負担ができないために相談ができないということのないよう、民事法律扶助を行なっています。
民事法律扶助では、民事裁判等手続きに関する援助として、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、裁判費用や弁護士・司法書士の費用の立替えを行ないます(「代理援助」「書類作成援助」)。

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トップページには、
「法テラスとは国が設立した法的トラブル解決の総合案内所」
との惹句(じゃっく)がかかげられています。

(再掲)
裁判費用や弁護士・司法書士の費用の立替え

立て替えをしてもらったぶんは、3年以内に償還しなければなりません。

(引用)
法テラスが弁護士・司法書士に立て替えた費用は、援助を開始することが決まった後、分割でお支払いいただきます。
事件が終わったら、原則3年以内にお支払いが終わるよう、月々分割でご返済いいただきます。

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宮本節子PAPS世話人も、既出の論文のなかで、法テラスについてふれています。

(2016年1月25日 賃金と社会保障「まだ可視化されていないアダルトビデオ産業の性暴力被害と若者の貧相」より、引用。改行を施しています。)

<29ページ。PAPS世話人 宮本節子さん>

法テラスは、日本司法支援センターの通称で、総合法律支援法に基づいて実施されている公的な法律相談支援制度である。
相談の仕組みの基本は、弁護士との相談面談は1事案に関し3回までは無料だが、以後にかかる弁護士費用については法テラスから貸付けをする。
(略。)
3回の無料相談を超えて法テラスを利用する場合の費用は、将来的に相談者本人の借金になるのだが、とりあえず弁護士に対する手付金等の費用がなくても相談できる利点がある。

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読売新聞もみてみます。

(2016年11月15日 読売新聞「法テラス効果 徐々に 業務開始10年 「司法過疎」が改善/無料相談も増」より、引用。改行を施しています。)

<部分的に引用>
気軽に法的サービスを利用できる社会の実現を目指して設立された日本司法支援センター(法テラス)が、2006年10月の業務開始から10年を迎えた。
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法テラスは、裁判員制度と並ぶ司法制度改革の目玉の一つとされた。
現在は全国111か所に事務所を開設。
日本弁護士連合会が設立を支援する法律事務所などと合わせると、全国の地裁支部管内で弁護士がゼロか1人の「ゼロワン地域」は、05年10月の47か所から岡山地裁新見支部の1か所に減った。
法テラスの主要事業の一つで、経済的に余裕がない人を対象とする無料相談も、10年度以降は20万件台後半で推移し、昨年度は28万6602件。
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桐蔭法科大学院の小林学教授(民事手続法)は
公費に支えられる法テラスは、採算が見通せない問題に取り組めるメリットがある。高齢化社会の進展で市民が司法に望むことも変わる。法テラスには常に市民の求めに応じたサービスを提供する姿勢が必要だ」
と指摘している。

(※この記事は、ネット配信されていません。)
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警察も、法テラスの利用を奨励しています。

(2016年6月17日 警察庁「アダルトビデオへの強制的な出演等に係る相談等への適切な対応等について(通達)」より、引用。)

(略)、AVへの出演に関する契約等の相談を受理した際は、これらを踏まえた適切な助言を行った上で、法テラス、弁護士等専門機関の紹介を行うなど、適切に対応すること。
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上述の八坂玄功弁護士は、先に、つぎの回答もおこなっています。

<八坂玄功弁護士>
未成年者の契約は無条件に取り消すことができます。
出演に関わる契約を取り消すと、AV作品の販売や宣伝はあなたの人格権を侵害するものなので違法になります。
したがって、未成年取消を通知し、販売や宣伝の差止を求める裁判を起こせば、やめさせることは可能だと思います。
一刻も早く弁護士に依頼されることをお勧めします。

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(再掲)
未成年者の契約は無条件に取り消すことができます

以前にも、当ブログでふれたことがあります。
2016年9月4日

(参考)
<民法 第5条>
 1.未成年者が法律行為をするには、その法定代理人(親や後見人など)の同意を得なければならない。
 2.前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

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ちなみに、プロダクションは、この規定が適用されるのをさけるために、20歳以上の女性を籠絡(ろうらく)するようです。

(2016年3月3日 HRN「ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」より、引用。改行を施しています。)

<21ページ>
今回の調査で話を聞くことができた被害者は、全員がAV出演当時19歳~20代半ばまでの若年女性であり、特に20歳になったばかりの女性に被害が集中していた。
このような年代では、まだ学生であることも多く、社会経験は未成年者と変わらないが、20歳になれば未成年であることを理由に契約を取り消すことができないため、スカウト・プロダクションからすると格好の標的となる。

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以上、各弁護士の回答をご紹介させていただきました。
それにしても、出演強要をめぐる弁護士の対応は激変しました。

香西咲さんのツイッター(2016年7月17日)より、引用。

何故今更告発?
皆様の1番の疑問はそこでしょう。
私は辞める時に弁護士会もセックスワーカー御用達の弁護士もその他5件以上の弁護士を当たっています。
が、当時は今の時代と違い『立証しにくい』と門前払いされました。
このタイミングで週刊文春様はいい意味で私を起用してくださりました。

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香西咲さんのツイッター(2016年10月3日)より、引用。

アットハニーズを辞めて即座に
第二弁護士会にも行って相談してます。
セックスワーカー団体SWASHのご紹介の、打越さくら弁護士にも相談。
どちらも即答で『立証が取りにくい』とほぼ門前払いでしたよ。
だから世間(弁護士)の風当たりの厳しさを実感し、
腹括って独立の道を選びました。

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警察もかわりました。

(2016年11月15日 朝日新聞「AV出演強要、10代女性や男性も 2年半で相談22件」より、引用。改行を施しています。)

警察庁の担当者は
「相談できずに埋もれているケースもあると思う。最寄りの警察署などにいつでも相談してほしい
と呼びかけている。

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ガリレオ(1564年~1642年)の前に、地動説(地球が太陽のまわりをまわっている)を主張していた人物がいました。
コペルニクス(1473年~1543年)です。
天動説(太陽が地球のまわりをまわっている)を否定して、地動説を唱えました。
のちに哲学者のカント(1724年~1804年)が、このことを「コペルニクス的転回」と称しました。
ものの考え方が、がらりと正反対にかわることの喩(たと)えです。
いま、出演強要問題も、コペルニクス的転回となりました。
180度かわりました。
もしも香西咲さんが告発をおこなわなければ、ここまで好転(事態などがよい方にかわること)したでしょうか。
香西咲さんは、なかから、提言をしつづけました。
外からことばを発したのではありません。
すさまじい圧力があったであろうと思惟します。
香西咲さんの献身的な行為によって世の中はかわりました。
香西咲さんのように気高くて、崇高な女性は、寡聞(かぶん)にして存じあげません。
香西咲さんの願いが成就することをねがっております。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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