香西咲さんは身を挺して出演強要被害をうったえつづけました。呼応するかのようにして世論は大きくかわりました

本日も、昨日にひきつづき、2016年11月15日の「女性に対する暴力に関する専門調査会」についてふれます。

(参考)
・第82回(2016年06月30日)・・・・・・議題「アダルトビデオへの出演強要
  ↓
・第83回(2016年09月12日)・・・・・・議題「アダルトビデオへの出演強要に関する現状及び課題等
  ↓
・第84回(2016年11月15日)・・・・・・議題「アダルトビデオへの出演強要に関する政府の取組
  ↓
・第85回(2016年12月13日)・・・・・・議題「アダルトビデオへの出演強要の被害
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会議の席で、警察庁は、出演強要に関わる相談件数を公表しました。

(2016年11月15日 警察庁「アダルトビデオへの強制出演等に対する警察の取組【警察庁】」より、引用。)

1.相談・検挙状況
(1)相談
平成26年1月1日から平成28年6月30日までの間22件
(年齢層別・性別)
10代4件、20代12件、30代3件、不明3件
女性21件、男性1件
※アダルトビデオに強制出演させられた又は契約を結んで強制出演させられそうになったものの相談件数

(後略。)
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2014年1月から今年の6月30日までの間に、警察は、22件の相談を受けたようです。
会議のあと、各メディアは、実態を報じました。
読みくらべてみることにします。

2016年11月15日 朝日新聞

(2016年11月15日 朝日新聞「AV出演強要、10代女性や男性も 2年半で相談22件」より、引用。)

アダルトビデオ(AV)の出演強要について全国の警察に寄せられた相談が、6月末までの2年半で22件にのぼったことがわかった。
警察庁が初めて集計し、15日にあった政府の男女共同参画会議の専門調査会で明らかにした。

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警察庁が初めて集計し」と報じています。

2016年11月15日 共同通信

(2016年11月15日 共同通信「AV出演強要で警察に相談22件 6月までの2年半」より、引用。改行を施しています。)

警察庁は15日、アダルトビデオ(AV)への出演を強要されたとの相談が、2014年1月から今年6月末までに全国の警察本部や警察署に計22件寄せられていたことを明らかにした。
内閣府が開いた男女共同参画会議の性暴力被害などに関する専門調査会で報告した。警察庁が全国の相談件数を調べたのは初めて

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警察庁が全国の相談件数を調べたのは初めて」とつたえています。

2016年11月15日 弁護士ドットコム

(2016年11月15日 弁護士ドットコム「AV出演強要、警察に相談22件『違約金を理由に出演強要』『ネットの販売止めて』」より、引用。改行を施しています。)

アダルトビデオ(AV)出演強要の問題を受けて、警察庁が全国の警察に寄せられた相談状況を調べたところ、2014年1月から2016年6月までの間に、AV出演強要をめぐる相談件数が計22件あったことがわかった。
11月15日に開かれた「男女共同参画会議」の専門調査会で明らかになった

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AV出演強要をめぐる相談件数が計22件あったことがわかった
との表現をもちいています。

一昨日のwithnewsもみてみます。

2016年12月19日 withnews

(2016年12月19日 withnews「AV強要って何法違反? 警察庁に聞いてみた 派遣法・労基法でも…」より、引用。改行を施しています。)

警察庁は11月15日、政府の男女共同参画会議の専門調査会で、6月末までの2年半に全国の警察にAV出演強要被害の相談が22件あったことを報告した。
被害の相談件数を取りまとめたのは初めてだ。
年齢は、10代4件、20代12件、30代3件、不明3件で、女性21件に対し男性も1件あった。

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先の3つと似た色合いです。
被害の相談件数を取りまとめたのは初めて
と記しています。

過日、日本経済新聞のサイトをみていました。
以下の記事の存在に気がつきました。
書かれたのは、2016年6月21日です。

2016年6月21日 日本経済新聞

(2016年6月21日12時4分 日本経済新聞「AV出演巡り警察相談20件 14年以降、初の調査」より、引用。改行を施しています。)

強引な契約でアダルトビデオ(AV)への出演を迫られたなどとする警察への相談が2014年以降に計20件寄せられたことが、(6月)21日までの警察庁のまとめで分かった。
同庁がこの種の相談実態を全国規模で調査したのは初めて
調査の対象期間は14年1月16年4月
首都圏の警察への相談が中心で、東京が11件と最も多く、埼玉が3件で続いた。
神奈川、千葉、茨城、福島、兵庫、愛媛がそれぞれ1件だった。
いずれも事件化はしていない。
(後略。)

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もう一度、2016年11月15日以降の報道を顧みてみます。

2016年11月15日 朝日新聞「警察庁が初めて集計
2016年11月15日 共同通信「警察庁が全国の相談件数を調べたのは初めて
2016年11月15日 弁護士ドットコム「AV出演強要をめぐる相談件数が計22件あったことがわかった
2016年12月19日 withnews「被害の相談件数を取りまとめたのは初めて

おわかりのとおり、はじめてではありません。
警察庁は6月の時点で、すでに、調査結果を発表していたのです。
日本経済新聞だけが報じました。
6月21日と、11月15日の数値は、どこがちがうのでしょうか。
比較してみます。

<2016年6月21日> 
調査期間(2014年1月~2016年4月)→ 相談件数は、20件

<2016年11月15日> 
調査期間(2014年1月~2016年6月)→ 相談件数は、22件

11月15日の資料は、6月のものよりも、2か月ほど調査期間がのびています。
相談件数も、2つ上積みされています。
ただそれだけのことです。
6月21日に、日本経済新聞は、
AV出演巡り警察相談20件 14年以降、の調査
と報じました。
「初」の使い方は、こちらがただしいようです。

長々と書きました。
いいたいのは、以下の点です。
6月21日の段階で、国民は、出演強要被害について関心がなかったようです。
日本経済新聞をのぞく各メディアも、例外ではありません。
それは、先の記事でみたとおりです。
6月の警察発表を素通りしていたのですから。
おそらく、国民が求めていないとわかっているから、記事にしなかったのでしょう。
やがて、相談件数の公表があったという事実も、失念してしまったようです。
昨年の秋から、今年の6月にかけて、いくつかの出来事がありました。
どれも、人々のこころをおおきく揺り動かすことはなかったのかもしれません。
簡単にふりかえってみます。

2015年09月09日・・・・・・2,460万円の違約金を請求された女性が、勝訴する。
2016年03月03日・・・・・・HRNが出演強要被害に関する報告書を発表する。
2016年03月11日・・・・・・国会で、池内さおり議員が、出演強要被害をとりあげる
2016年04月28日・・・・・・国会で、梅村さえこ議員が、出演強要被害をとりあげる
2016年06月02日・・・・・・政府が、「AVへの出演強要は女性に対する暴力」との答弁書を閣議決定する。
2016年06月11日・・・・・・プロダクションの社長ら3人が逮捕される。
2016年06月17日・・・・・・警察庁が全国の警察にむけて、出演強要に関する通達をだす。
2016年06月21日・・・・・・日本経済新聞が、過去1年半の間、警察に寄せられた相談件数を報道する。

残念ながら、これらは、業界内と、その周辺の関心事にとどまっていたようです。
火消し的な行為もありました。

(2016年6月16日 リテラ「AV業界に強要はあるのか」より、引用。改行を施しています。)

「AV業界はこんなんぢゃないよ。無理やりとかもなぃ! 同意して、撮影する前にもちゃんと自分でサインするんだょ?ありえねー! 同じAV女優として悔しい」
「300本以上出演してる女優さんが 強要されました なんて 何故 信用するの? てゆーか!無理やりAV出演とか、いつの時代の話ですかー? なりたくてもなれない女の子もいるってーのに アホくさ そもそも無理やりやる仕事ぢゃないし」
「もし芸名言えば、知ってる皆さんは『強要?嘘でしょ?!あの娘なんて超楽しんで女優やってたのすごい有名じゃん!』」って全員思うはずです」
「痴漢の冤罪と似てるよね。承諾して出演したのに、何かあったらそれを武器に訴える人は少なくない。もちろん、冤罪ばかりではないだろうけど、有名事務所で強要なんてまぁないだろうかと」

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業界は頑なに、出演強要の事実を認めませんでした。

(辻丸さんのツイートより、引用。改行を施しています。)

10月10日
強要被害の実態に一番無知なのはAV業界側かもしれない。
彼等はとにかく信じようとしない。
認めたがらない。
情報拡散提供なんてとんでもない!
その姿勢こそが業界への、そして自発的に頑張ってる女優達への偏見差別を増幅しているとなぜ考えないのか?
被害者までAV村に取り込もうとしても無駄なのに

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業界は、完全否定です。
世間一般の人々も、さほど関心がありませんでした。

もしもこのような流れで推移していたら、どうなっていたでしょうか。
以下の大学教授の物言いが主流となっていたかもしれません。


伊藤和子弁護士も、あきれています。


出演強要被害は、なくなるどころか、ますますふえつづけていたことでしょう。

2016年7月7日のことでした。
香西咲さんが、週刊文春で、出演強要の実態を告発します。
人々の間に衝撃が走りました。
心胆寒からしめる(ぞっとさせる)内容です。
だれしもが悲憤慷慨(ひふんこうがい。憤って嘆くという意味)の情を覚えました。
世間の目は突如として、出演強要問題にむけられました。
その後、香西咲さんは、各種メディアへの出演をつづけます。
プロダクションの悪行を知るたびに、国民は怒ります。
出演強要は絶対にゆるせない、と。
こうしてつくられたのが、現在の世論です。
もちろん、端緒を開いたのは、PAPS、HRN、ライトハウスなどの支援団体です。
池内さおり議員と梅村さえこ議員は、国会で出演強要問題を取りあげました。
結果、警察が捜査に乗りだすようになります。
ほかの被害者のかたも声をあげました。
勇気のある行動でした。
世論の形成におおきく寄与しました。
言を俟(ま)ちません(改めていうまでもありません)。
香西咲さんには発信力がありました。
真実のうったえは絶えることがありませんでした。
身を挺(てい)して、声をあげました。
人々の認識は様変わりしました。
出演強要は当然の事実である。
だれしもがそう受けとめています。
香西咲さんが世の中をかえました。
そう遠くないうちに、出演強要がなくなるかもしれません。
香西咲さんは偉大なかたです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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