香西咲さんは、なかから業界をよりよいものにしようとしています。業界のひとたちはしあわせです。香西咲さんがいるのですから

昨日、マルクス(1818年~1883年)の「経済学・哲学草稿」(1843年)についてふれました。
本日も当該論文を参照させていただきます。

(マルクス著 城塚登・田中吉六訳「経済学・哲学草稿」岩波文庫刊より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用。(※注)括弧内は、筆者。>
たしかに、労働は富者のためには驚異的な作品を生産する。
だが労働は労働者には赤貧をつくりだす。

それは(富者のために)宮殿を造営する。
しかし労働者には穴ぐらをつくりだす。

それは(富者のために)美をつくりだす。
しかし労働者には不具をつくりだす。

それは(富者のために)労働を機械に代えるが、しかしそれは(富者のために)、労働者の一部を野蛮な労働に逆戻りさせ、そして他の一部を機械とならせる。

それは(富者のために)知能を生産するが、しかし労働者には低能を、クレチン病〔白痴〕をつくりだす。
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昨日のブログにも書きました。
マルクスはこういっています。
労働者は、富をより多く生産すればするほど、貧しくなる。
商品をより多くつくればつくるほど、労働者はより安価な商品となる、と。
本日は、冒頭に掲載しました所論を各々考察してみます。

労働は富者のためには驚異的な作品を生産する。だが労働は労働者には赤貧をつくりだす

香西咲さんは以前に、つぎのようなツイートをされていました。

香西咲さんのツイッター(2016年10月2日)より、引用。

もちろん悪徳事務所のスタッフ連中は自分達のギャラは確保する為に女優を売り飛ばしに出る
『売上が落ちたから』と言ってハードな事をさせれば総ギャラは極端には下がらないから。
女優のギャラなんて雀の涙
制作チームでさえ切り詰めている時代のに悪徳事務所は大儲け。

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(再掲)
女優のギャラなんて雀の涙

怒りを禁じえません。
労働は富者のためには驚異的な作品を生産する。だが労働は労働者には赤貧をつくりだす
規制の存在しない特殊な世界では、マルクスの言説が違和感なくつうじるのかもしれません。
8月初旬のことでした。
HRN(ヒューマンライツ・ナウ)が、IPPA(メーカー団体)に対して、以下の申し入れをおこないました。

(2016年9月18日 伊藤和子弁護士のブログ「AV強要被害問題は今、どうなっているのか」より、引用。)

<HRN(ヒューマンライツ・ナウ)から、IPPA(メーカー団体)への提言>
適正な報酬を支払う。利益の50%以下となる不当な搾取・不払いの禁止」(8月初旬)

提議自体、これがはじめてではありません。
2回目です。
今年の5月にも、同種の要望をおこなっています。
顧(かえり)みてみます。

(1)

2016年6月22日、IPPA(メーカー団体)が、声明文を発表しました。

(引用)
「(略)、先月この件について、被害者救済を求める認定 NPO 法人ヒューマンライツ・ナウの弁護士の皆様、NPO の皆様との会議を行いました。そこで以下のとおり要望がございました

5月に、HRN(ヒューマンライツ・ナウ)との間で、話し合いがもたれたようです。
HRN(ヒューマンライツ・ナウ)は席上、5項目の要望を提出しました。
そのうちのひとつを引かせていただきます。

(引用)
1) プロダクションや制作会社との間でコードオブコンダクトを締結し、強要しない、違約金請求しない、同意のない作品には出させない、人権侵害を行わない、適正な報酬を支払う、等の項目を具体化し、それを承諾したプロダクション・制作会社としか取引しないようにする

IPPA(メーカー団体)は6月22日、つぎのように回答しました。

(引用)
この会議の後、NPO 法人知的財産振興協会の理事社にて話し合い、この要望に沿い業界の健全化へ向け、メーカーとしてもプロダクション側に働きかけていくことを決議、実行することに致しました

(2016年9月18日 伊藤和子弁護士のブログ「AV強要被害問題は今、どうなっているのか」より、引用。)

<伊藤和子弁護士>
ただ、その後、まだ具体的な動きは目に見えてきていません

(2)

8月初旬、HRN(ヒューマンライツ・ナウ)は、IPPA(メーカー団体)と、2回目の会合をもちました。
この席で、さらに具体的な提案をおこないました。

(2016年9月18日 伊藤和子弁護士のブログ「AV強要被害問題は今、どうなっているのか」より、引用。)

<伊藤和子弁護士>
そこで、私たちは、8月初旬に再びIPPAと会合を持ち、より具体的な提案を行いました

その提案のひとつが、先に記しました
適正な報酬を支払う。利益の50%以下となる不当な搾取・不払いの禁止
です。
これに対するあるプロダクションの反応が、悪逆非道でした。

(2016年9月13日 毎日新聞「AV問題 語り始めた業界人(1)『公平なルールを』」より、引用。)

<毎日新聞記者>
女優へのギャラ配分率について、(HRNは)「50%以下は不当な搾取」としています

<某悪徳プロダクションの社長 鈴木浩太(仮名)>
なんで50%なんですか。法的根拠もないのになんとなく言っている
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弱肉強食の世界では、マルクスの言辞が哀しく響きます。
たしかに、労働は富者のためには驚異的な作品を生産する。だが労働は労働者には赤貧をつくりだす
つぎをみてみます。

それは(富者のために)宮殿を造営する。しかし労働者には穴ぐらをつくりだす

星野明日香さんはご自身のブログのなかで、つぎのように語っています。

(2016年11月21日「今だから」より、引用。改行を施しています。)

私に払っていた給料もサラリーマンの給料並みでした。
私の稼いだお金で、ビルを建てたり、ヒルズにオフィスをかまえたり、私には、お前の夢の為に、仕事を一生懸命しているだから、お前も死ぬ気でがんばれと嘘をついていたり、遊びに行ったりしていたりそうです。
今もavのお仕事を続けているそうで、港区の高級タワーマンションにすんでいるそうです。
私のお友達の女優さんも自殺にまで追い込んで、今でもavのお仕事を続けられる神経が私にはわかりません。
ほかのマネージャー人もです。
私はav出演当時から現在まで、10万以下の1Kの普通の物件に住んでいます。
私は今現在ファンイベントやアルバイトをして生活しています。

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それは(富者のために)宮殿を造営する。しかし労働者には穴ぐらをつくりだす
犯罪者が、宮殿から、牢屋という名の穴ぐらへ堕ちることを切望しております。

それは(富者のために)美をつくりだす。しかし労働者には不具をつくりだす

ひさしぶりに毎日新聞が、出演強要被害の特集をくみました。
かなり力がはいっています。

(2016年12月17日 毎日新聞「くらしナビ・ライフスタイル.AV出演強要は人権侵害」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
PAPS世話人でソーシャルワーカーの宮本節子さんは
「社会経験が乏しい若い人が狙われる。うつ状態になったり結婚生活に支障が出たりする人もおり、精神的な救済をどうするかも課題だ」
と話す。
これまで相談者2人が自殺したといい、
「一人で悩まないで」
と呼びかけている。

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女性は消耗品のあつかいです。
最後におとずれるのは、精神の崩壊です。
女性は、プロダクションやメーカーから、搾るだけ搾られて、用済みとなったところで放りだされます。

(2016年6月14日 東京新聞「バイト感覚で登録 『AV』記載なく 出演強要された被害女性が証言 」より、引用。改行を施しています。)

(前略)
撮影は次第に過激になった。
両手足を縛られ、複数人の男性を相手にした。
「あまりにも恥ずかしくて屈辱的で…。自分を守るには、心を閉ざして、忘れるしかないって」
撮影は五年間続き、出演は百本を超えた。
(略。)
支配され続けることで心が壊れたのか、医師からは、自分の身体が極度に醜いと思い込む「醜形恐怖症」と診断された。
自身を肯定できなくなっていた。
(略。)
「AV業界は今、特殊な世界ではなく、ちょっとした心の隙があれば、誰でも取り込まれる危険がある」。
女性は何度も繰り返した。

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(再掲。マルクス)
それは(富者のために)美をつくりだす。しかし労働者には不具をつくりだす

既出の宮本節子さんが、論文のなかでのべていることばが印象的です。

(2016年1月25日 賃金と社会保障「まだ可視化されていないアダルトビデオ産業の性暴力被害と若者の貧相」より、引用。改行を施しています。)

<30ページ。PAPS世話人 宮本節子さん>
性風俗の世界では、現在を生きることができるが、10年先、20年先の人生を考える力を奪う。
そのように女性は支配され、性を売ることで生きる生活を選ぶのだと思われる。

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業界のひとたちは、女性の10年先、20年先の人生を考えたことがあるのでしょうか。
業界人は日々、女性の生命を食い散らかしています。
自責の念はないのでしょうか。
あまりにも特異な世界です。

それは(富者のために)労働を機械に代えるが、しかしそれは(富者のために)、労働者の一部を野蛮な労働に逆戻りさせ、そして他の一部を機械とならせる

香西咲さんはプロダクションにとって、果実を生みだしてくれる都合のよい機械でした。
機械ゆえ、人間としてあつかわれることはありませんでした。

香西咲さんのツイッター(2016年7月13日)より、引用。

今まで人間とは思えない仕打ちを受け続けてきた事、 やっと吐き出す事ができました。
こんな私ですが今も変わらず好きでいてくださる方、本当にありがとうございます。
何度も言うけれど今後私はその人たちを大切に生きていくのみです。
「おまえ明日死ぬかもしれないんだから(←青木亮の口癖)」

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切ないです。
ゆるせないです。

それは(富者のために)知能を生産するが、しかし労働者には低能を、クレチン病〔白痴〕をつくりだす

(2015年11月08日 弁護士ドットコム「現役女優から『死にたい』というメールが届く――AV出演強要の実態(下)」より、引用。)

<金尻カズナPAPS相談員>
とくにAV女優の方は業界の「批判言論」が許されていません。
ある女優の方の場合、常にツイッターが監視されていて、ブログも必ずマネジャーのチェックが入っています。
私たちの相談者の中にも、ある現役の有名女優の方がいます。
彼女はブログで「エッチ大好き」という主旨のことをつづっています。
しかし、私たちへのメールや電話では「死にたい。死にたい。死にたい」という内容の相談がきます。

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自分を殺して、別のキャラクターを演じなければ、やっていけない世界なのでしょう。
あまりにも悪辣(あくらつ)です。
マルクスの言説が一笑にふされる日はやってくるのでしょうか。
来年の1月からはじまる通常国会に期待があつまります。
同時に、これまで犯罪者たちを野放しにしていた政治家の責任も問われます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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