警察と検察は香西咲さんの苦しみがわかっているのだろうか。「巨悪は眠らせない」の姿勢を貫いてほしい

昨日、労働者派遣法についてふれました。
プロダクションは現在、あざとい手口で法の適用をのがれています。

(2016年6月12日 産経新聞「違約金を払え」「親に言うぞ」とAV出演を強要… 横行する悪質な勧誘や契約 業者の常套句は「誰にもばれない」より、引用。)

<※一部分を引用>
人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」が3月に公表した報告書によると、職業安定法などには有害な業務から労働者を守る規定があるが、プロダクションなどは労働契約ではなく、女性がマネジメントを「委任」「委託」した形の契約にするなどして巧みに規制を逃れるという。
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HRN(ヒューマンライツ・ナウ)の報告書をみてみます。

(2016年3月3日 HRN「ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」より、引用。改行を施しています。)

<3ページより>
(略)、業者は、巧みに女性との契約を労働契約でなく「委任」「委託」などの契約にしてしまい、実際には指揮命令関係があるのに、あくまでそれがないかのように装い、法の適用を免れています。
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プロダクションは、奸計(悪だくみ)にたけています。
女性から搾り取るためには、ありとあらゆる策を弄します。
契約形態の偽装もそのひとつです。
心底、卑劣なやつらです。
おそらく悪徳弁護士の入れ知恵なのでしょう。
こいつらもまた、犯罪者です。

<8ページより>
出演は労働者派遣業法の有害危険業務であるとする判例が蓄積されていることから、現在では、プロダクションと出演者の間には支配従属関係・指揮命令関係が確立しているにもかかわらず、雇用契約の締結を回避し、委託契約等の名称で契約を締結したり、「モデル契約」などの無名契約の形態をとる場合が被害事例では多く見られた。
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たとえば、以下の判例があります。

(1994年。東京地裁判決
(略)、芸能プロダクション等が、雇用した労働者である女優を、有害業務に就かせる目的で派遣をしたことについて、芸能プロダクションに罰金50万円、会社取締役・チーフマネージャーに懲役2年に処する

こうなることをおそれてプロダクションは、「委託契約等の名称で契約」しているのです。

<10ページより>
AVへの出演は、職業安定法及び労働者派遣法上の「公衆道徳上有害な業務」に該当するとされ、「募集」(職業安定法第 63 条第 2 号)及び「派遣」(労働者派遣法第 58 条)行為は、処罰の対象となっている。
実際、多くの事例において、有罪判決が下されている。

<10~11ページより>
しかしながら、一連の判例を受けて、プロダクションは、女優との契約にあたり
雇用契約」を締結することを回避し、モデル契約、業務委託契約等の契約とする傾向にある。
実態としては、女優に対して、指揮命令関係を有しているにもかかわらず、職業安定法、労働者派遣法の適用を回避するために、こうした脱法的措置が講じられていると考えられる。
こうして、雇用契約の締結が回避される結果、プロダクションは、労働法上の規制官庁等からの監督を免れ、女性たちの地位は一層脆弱な状況に置かれている。

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HRNは、「脱法的措置」という表現をしています。
労働者派遣法はいま、ざる法と化しているようです。
出演強要に関しては、あらたな法律の制定を求める声が臨界にたっしている、と考えます。
労働者派遣法が形骸化している事実ひとつみても、否定すべき理由はありません。

<24ページより>
本人は、プロダクションからメーカーに派遣され、撮影はメーカーの指揮命令下で行われる。
また、報酬額や撮影内容はメーカーとプロダクションとの協議で決まり、本人が交渉に関与することはない。
このような実態をふまえれば、本人とプロダクションとの関係は雇用契約であり、メーカーへの派遣は労働者派遣であると考えられる。
(略。)
しかし、プロダクションと本人との間で作成される契約書は、「営業委託契約書」「専属契約書」などの名称が用いられ、雇用契約であることは隠されている

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法の欠缺(ある事柄について適用さるべき法が欠けている)といえるでしょう。
HRNは警察と検察に対して、以下の要望をだしております。

<35ページより>
契約形態如何を問わず、実態に即して労働者と判断される場合は、職安法、労働者派遣法違反により、積極的に捜査・訴追を進めること
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報告書は、2016年3月3日にだされました。
3か月後、悪徳プロダクションの社長らが逮捕されました。
容疑は、労働者派遣法違反です。
両者の契約はどのようになっていたのでしょうか。
弁護士ドットコムは、つぎのようにつたえています。

(2016年06月13日 弁護士ドットコム「大手AVプロダクション社長逮捕、女優との「雇用関係」の有無がポイントに」より、引用。改行を施しています。)

今回、プロダクションと女性がどのような契約を結んでいたのか詳細は不明だが、報道によると、「モデルとして契約」(朝日新聞)や「所属契約」(NHK)とされており、おそらく業務委託契約等だと考えられる。
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6月13日の朝日新聞には、
女性は09年ごろ、『グラビアモデルの仕事ができる』と説明を受け、タレントとしてマークス社と契約
と書かれています。
他の新聞も同じような内容です。
業務委託契約ということになるのでしょうか。
警察は、プロダクションの社長らを逮捕しました。
既出の弁護士ドットコムのなかで、田村優介弁護士はつぎのように語っています。
指揮命令関係があり、女性に指示されたことを断る自由がないなど、形式的に雇用でなくても、雇用関係があったと考えられるケースがある。今回(2016年6月11日)、警察は、プロダクションと女性との間にあった契約の実態から、『雇用契約』があったと判断したのだろう
今年になって警察は、労働者派遣法違反容疑で、2件の検挙をおこないました。
2016年11月15日、「女性に対する暴力に関する専門調査会」が開催されました。
その場で、警察が提示した資料をみてみます。

(2016年11月15日「アダルトビデオへの強制出演等に対する警察の取組【警察庁】」より、引用。)

(2)検挙
①芸能プロダクションに所属していた女性をアダルトビデオ制作会社に派遣したとして、同プロダクションの元社長等3人を労働者派遣法違反(有害業務派遣)で検挙
 (平成28年6月 警視庁)

②芸能プロダクションに所属していた女性をアダルトビデオ制作会社に派遣したとして、6社の社長ら12人を労働者派遣法違反(有害業務派遣)で検挙 
 (平成28年10月 警視庁)

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上述の①については、逮捕後、有罪となりました。
②は、書類送検です。
まだ決着がついていません。
検察は起訴するのでしょうか。

(再掲。HRNの報告書より。)
契約形態如何を問わず、実態に即して労働者と判断される場合は、職安法、労働者派遣法違反により、積極的に捜査・訴追を進めること

警察は赫然(かくぜん)とした取り締まりをおこなってほしいものです。

(2016年11月28日 読売新聞「AV出演強要の相談、2年半で22件…警察庁まとめ」より、引用。)

(警察庁の担当者は)被害者が相談しやすい態勢づくりに取り組むとともに、今後は弁護士やNGOなどと連携しながら、厳しく取り締まる姿勢を強調した。
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警察が峻厳な態度でのぞむことを切望します。

それにしても、②の書類送検の件が気になります。
今後どうなるのでしょうか。
事件をふりかえってみます。

(2016年10月4日 日本経済新聞「AV違法撮影容疑で芸能プロ社長らを書類送検」より、引用。)

(前略。)
6社などの書類送検容疑は2013年9~10月、所属女優をAV制作会社に派遣し、神奈川県内での撮影に出演させた疑い。
この撮影では、20代女性を本人の意思に反してAV撮影に派遣したとされる別のプロダクション元社長らが同法違反容疑で6月に逮捕された。

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同じ撮影で、別のプロダクションのやつらは逮捕され、のちに有罪となりました。

(2016年6月13日 毎日新聞「<派遣法違反>容疑で芸能プロ元社長逮捕 モデルをAVに」より、引用。)

(前略。)
同課によると、女性は「グラビアモデルの仕事ができる」と説明を受け同社と契約。
契約書にはAVへの出演も記載されていたが、女性には十分な説明がなく、契約書のコピーも渡されなかった。
女性がAVへの出演を拒否しようとすると、「違約金を払え」などと迫られ、AV作品に出演させられたという。
(後略。)

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女性に対する出演強要があったようです。
読売新聞もみてみます。

(2016年6月12日 読売新聞「モデル女性 AV出演強制 派遣法違反容疑 芸能プロ社長ら逮捕」より、引用。改行を施しています。)

(前略。)
捜査関係者によると、社長らは2013年頃、所属していた当時20歳代の女性モデルを本人の意思に反して都内の撮影現場に派遣した疑い。
女性との所属契約にはAV出演をほのめかす内容があったが、本人には契約書のコピーを渡さず、内容を知らせていなかった。
女性が撮影を拒もうとすると、「違約金が発生する」などと迫り、出演させたという。
同庁は、本人の意思に反してAVに出演させた行為は、同法が禁じる「有害業務」にあたると判断した。
(後略。)

(※この記事はネットで配信されていません。)
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本人の意思に反してAVに出演させた行為は、同法が禁じる『有害業務』にあたると判断した
このくだりが気になりました。
有害業務となるためには、強要という行為がなければならないのでしょうか。

(参考)
<労働者派遣法 第58条>
公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者は、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。

ふたたび、10月の書類送検の案件をみてみます。

(2016年10月4日 朝日新聞「AV撮影に女優派遣容疑、6社と12人書類送検 警視庁」より、引用。改行を施しています。)

(前略。)
12人の送検容疑は2013年9月30日~10月1日、神奈川県内のキャンプ場にそれぞれの社に所属する女優計6人を派遣し、AVの撮影に参加させたというもの。
6人はAVの撮影だと知って参加していた(略。)
(後略。)

(※この記事はネットで配信されていません。)
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表立った強制はなかったようです。

日テレNEWSも、
今回の女優6人は撮影内容を了承していてトラブルにはなっていなかった
とつたえています。

強制の有無は起訴に影響するのでしょうか。
既出の判例では、つぎのようにのべています。

(1994年。東京地裁判決

労働者派遣法第58条の規定は、「労働者一般を保護することを目的とするものであるから、右業務に就くことについて個々の派遣労働者の希望ないし承諾があったとしても、犯罪の成否に何ら影響がない」
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(再掲)
業務に就くことについて個々の派遣労働者の希望ないし承諾があったとしても、犯罪の成否に何ら影響がない

期待してもよいのでしょうか。
いずれにしても、そう遠くないうちに結果がでるでしょう。
不幸にして、不起訴となった場合は、ブログでいっさいこの件にはふれません。
検察の賢明な判断を期待しております。

香西咲さんのためにも、検察は起訴をしてほしいです。
起訴されれば、香西咲さんのこころも、すこしはいやされると思うのですが。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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