昨日のブログの後半で、マザー=テレサの思想について論及しました。
マザー=テレサは、
「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」
といいます。
マザー=テレサとはどのような人物なのでしょうか。
簡単にひととなりを記してみます。
マザー=テレサは、1910年、ギリシャの隣のマケドニアで生まれました。
本名はアグネス=ゴンジャ=ボヤジュといいます。
幼少のころより信仰心が強く、毎日、教会へかよっていました。
18歳のときです。
インドの地で宣教活動をおこなっている修道会の存在を知り、入会を願いでます。
後日、正式に所属することが認められます。
そのさいにあたえられた修道名が、「テレサ」です。
21歳のとき、インドのカルカッタ(現在のコルカタ)に置かれている聖マリア学院へ派遣されます。
テレサはここで、地理などの科目を教えました。
34歳のときには、校長に任命されます。
テレサはかねてより、こころを痛めていたことがありました。
カルカッタ(現在のコルカタ)のひとたちの窮状です。
とりまく環境は、あまりにも苛烈です。
何とかしなければならない。
テレサは、修道院を離れて活動することを決意します。
38歳のときでした。
カルカッタ(現在のコルカタ)のスラム街へ赴きます。
学校へ通えない子どもたちを集めて、授業をおこないました。
2年後のことです。
テレサはあらたな修道院を設立します。
名称は、「神の愛の宣教者会」としました。
このときからテレサは、「マザー」と称されます。
その後も、ホスピスと、孤児院を開設します。
ホスピスは「死を待つ人の家」、孤児院は「聖なる子どもの家」とよばれました。
「死を待つ人の家」をつくったときのことです。
あるひとから、
「あなたはここで何をしようとしているのですか?」
と訊(き)かれました。
マザー=テレサは、こう答えました。
「まず何よりも、死に行くひとたちが、いらないひとたちではない、と知ってもらいたいのです。つぎに、わたしたちが、このひとたちを大事に思っている、このひとたちにいてほしがっている、ということをわかってもらいたいのです」
この世に無駄な命はひとつもない、と語るマザー=テレサは、各人の尊厳をおもんじました。
人間は誰もがかけがいのない存在である。
この信念をつらぬきました。
むくわれたことのない極貧のひとたちの最期に立ち会い、
「あなたもわたしも、生まれてきてよかったですね」
と手を握りしめました。
マザー=テレサは、インド以外でも献身的に活動します。
(沖守宏著「マザー=テレサ あふれる愛」講談社文庫刊より、引用。改行を施しています。)
飢えというのはただ、ひときれのパンゆえではなく、愛に飢えていることです。
富んでいる国々で多くのひとびとは愛に飢えています。
裸とは、ただ一枚も衣服がないゆえではなく、人間の威厳や尊厳を失っているということです。
家なしとは、ただレンガづくりの家がないゆえではなく、拒絶され、受け入れられず、愛されないことなのです。
ひとり家に閉じこもったまま、孤独な生活をし、望まれず、恐怖におびえ、さびしく暮らしている人びとがたくさんいます。
これがこんにちの家なしと呼ばれている人びとで、日本にも、アメリカにも、ヨーロッパにも、インドにも、人が住むところにはどこにでも、愛に飢えたこのような人びとがいるのです。
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宗派を問わずに、「いちばん貧しいひと」に寄り添う姿勢は、世界中から注目されました。
1979年、自身が69歳のときに、ノーベル平和賞を受賞します。
賞金の19万ドルは、カルカッタ(現在のコルカタ)の貧しいひとたちに寄付しました。
1997年9月5日、心臓発作で87歳の生涯を閉じます。
マザー=テレサは常に、貧しいひとと同じ境遇でありたいと望んでいました。
最期も、特別な医療を求めませんでした。
ここで話題がかわります。
11月15日に、男女共同参画会議の「女性に対する暴力に関する専門調査会」が開かれました。
議題のなかには、「アダルトビデオへの出演強要など」がふくまれていました。
新聞などのメディアは以下のようにつたえています。
(2016年11月15日 朝日新聞「AV出演強要、10代女性や男性も 2年半で相談22件」より、引用。改行を施しています。)
アダルトビデオ(AV)の出演強要について全国の警察に寄せられた相談が、6月末までの2年半で22件にのぼったことがわかった。
(中略。)
モデルのスカウトだと思ったのにAVに出演させられたり、出演を断ると高額な違約金を要求されたりするケースがあったという。
警察庁の担当者は
「相談できずに埋もれているケースもあると思う。最寄りの警察署などにいつでも相談してほしい」
と呼びかけている。
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(2016年11月15日 共同通信「AV出演強要で警察に相談22件 6月までの2年半」より、引用。改行を施しています。)
警察庁は15日、アダルトビデオ(AV)への出演を強要されたとの相談が、2014年1月から今年6月末までに全国の警察本部や警察署に計22件寄せられていたことを明らかにした。
(中略。)
一方、民間人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」には昨年1年間だけで81件相談が寄せられており、被害を受けても警察に相談していないケースが多いことが浮かび上がった。
調査会で警察庁は積極的な取り締まりや、相談専用ダイヤル「#9110」などで被害把握と支援に努めると説明した。
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(2016年11月15日 弁護士ドットコム「AV出演強要、警察に相談22件『違約金を理由に出演強要』『ネットの販売止めて』」より、引用。改行を施しています。)
アダルトビデオ(AV)出演強要の問題を受けて、警察庁が全国の警察に寄せられた相談状況を調べたところ、2014年1月から2016年6月までの間に、AV出演強要をめぐる相談件数が計22件あったことがわかった。
(略。)
相談内容は、プロダクションと契約を結んだ後に出演を拒否したところ、違約金が発生するといわれて意に反して出演させられたケースや、ネット上での販売をとめてほしいといったものなど。
(略。)
こうした状況を受けて、警察庁は今年6月、全国の警察に対して通達を出して、強姦罪、暴行罪、傷害罪など刑法だけでなく、労働関係法令の適用を視野に入れた取り締まりなど、AV出演強要に関する相談への適切な対応を指示した。
また、契約問題については、弁護士会や関係省庁、NGOとの連携を強化していく対応を示している。
(後略。)
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ぼくは一連の記事をみて驚きました。
22名もの方々が警察に相談しています。
夥(おびただ)しい数です。
警察の敷居は高いです。
普通は躊躇(ためら)ってしまいます。
伊藤和子弁護士もつぎのようにおっしゃっています。
(伊藤和子弁護士のツイートより、引用。改行を施しています。)
<2016年11月17日>
警察に相談するのはとても勇気がいるだろうに、これだけ相談がある。
重く受け止めるべき。
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警察は、民事不介入が原則です。
私法上の法律関係にはかかわりません。
1年以上前は、つぎのような対応が一般的であったと思われます。
(ログミーに掲載されたKさんの手記より、引用。改行を施しています。)
ようやく支援団体(PAPS)に助けを求めた日に、警察にも助けを求めました。
警察の人の協力もすこしは得られました。
しかし、警察の人はプロダクションに事情を聴いたあとで、私に対して
「あと2本出演したらどうか」
と言ってきました。
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悪徳プロダクションから、違約金として2,460円を請求された女性の証言です。
当該女性は、2015年9月9日の裁判で勝訴しています。
あれから1年以上が経ちました。
現在の警察の対応はこうです。
(再掲。弁護士ドットコム)
「警察庁は今年6月、全国の警察に対して通達を出して、強姦罪、暴行罪、傷害罪など刑法だけでなく、労働関係法令の適用を視野に入れた取り締まりなど、AV出演強要に関する相談への適切な対応を指示した。」
対応が180度かわりました。
河野太郎国家公安委員長が、国会で明言したことは、口先だけの世辞ではなかったようです。
(参考;2016年3月11日 衆議院会議録「第190回国会 内閣委員会 第5号」)
<池内さおり議員。2016年3月11日>
この案件で警察に相談に行ったら、何と警察からは、双方から話を聞いた後で、契約書があるんだったら仕方がない、あなたは契約しちゃったんでしょう、だったらこの芸能プロの要求に応じてあと二本出たらどうかというふうに言ったそうなんですね。
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日本共産党の池内さおり議員の質問に対して、河野太郎国家公安委員長は、つぎのように答えました。
<河野太郎 国家公安委員長。2016年3月11日>
まことに申しわけございません。
きちっと警察がこうした案件に対応できるように、全国の都道府県に対してしっかりと通知、指導してまいりたいと思います。
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残念ながら、警察にはそうした相談件数がいまだ多くないものですから、警察に御相談をいただきたいと思いますし、女性警察官を配置したり、あるいは人目につかないような車や部屋を用意したり、相談しやすい状況をつくってまいりたいと思いますので、警察としても厳正に対処してまいりたいと思います。
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既出の新聞記事を再掲します。
(朝日新聞。2016年11月15日)
「警察庁の担当者は
『相談できずに埋もれているケースもあると思う。最寄りの警察署などにいつでも相談してほしい』
と呼びかけている」
(共同通信。2016年11月15日)
「警察庁は積極的な取り締まりや、相談専用ダイヤル「#9110」などで被害把握と支援に努めると説明した」
「いつでも相談してほしい」
「支援に努める」
最寄りの警察署で、いつでも相談を受けるそうです。
これからはちょっとしたことでも、警察にかけこめます。
何かあればすぐに警察へ行く。
大挙してこれがおこなわれることを願っております。
警察は本気です。
「警察庁は積極的な取り締まりや、相談専用ダイヤル「#9110」などで被害把握と支援に努めると説明した」(共同通信)
徹底的に犯罪者の取り締まりをおこなってほしいです。
悪人を野放しにしておくことはゆるされません。
根絶やしにすることを期待しています。
香西咲さんの献身的な行為が世の中を変えました。
「久保寺健之くぼでらけんじ」さんから、リツイートの依頼がありました。
(一部を引用。)
「警視庁様!命懸けで『AV強要』を告発した『香西咲@kouzaisaki』をヤクザから守って!」
@MPD_yokushi @asahi @papsjp [#拡散希望]警視庁様!命懸けで「AV強要」を告発した「香西咲@kouzaisaki」をヤクザから守って!「AV強要 現役女優・香西咲「文春砲」で脅迫も 「海に沈められる…」」https://t.co/QKUUQu357Q
— 久保寺健之くぼでらけんじ (@kaminarikozou63) November 12, 2016
(一部を引用。)
「追伸。全(前)ツイートで『香西咲@kouzaisaki』さんのことを誤って呼び捨てにしてしまったことを謝罪します」
いま、多くの方々が、香西咲さんを応援しています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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