弁護士ドットコムにつぎのような記事が掲載されています。
(2016年11月6日 弁護士ドットコム「性風俗店、キャバクラ、AVの「路上スカウト行為」、法的にアウトな理由」より、引用。改行を施しています。)
(前略。)
10月下旬には、路上でスカウトした女性を性風俗店に紹介したとして、大阪府警が職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いで、人材紹介会社の社長らを逮捕したと報じられている。
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そういえば、スカウトが逮捕された事件がありました。
産経新聞をみてみます。
(2016年10月14日 産経新聞「『アジア最大級』の売春スカウト会社、37歳会長ら逮捕…キタやミナミで勧誘、性風俗店に紹介容疑 大阪府警」より、引用。)
路上でスカウトした女性を性風俗店に紹介したなどとして、大阪府警保安課は(10月)14日、職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いで、大阪市北区の人材紹介会社「絆」会長(略)ら男3人を逮捕した。
同社には約200人のスカウトが所属し、上田容疑者らは「アジア最大級のスカウトグループ」を自称していたという。
(中略。)
同課によると、同社のスカウトは数十人ずつ9グループに分かれ、大阪・ミナミやキタなどで女性を勧誘。
性風俗店やデリバリーヘルスの職を紹介したり、アダルトビデオに出演させたりして報酬を得ていた。
(後略。)
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このスカウトたちは、女性を
アダルトビデオに出演させたりして報酬を得ていた」
ようです。
新聞は、職業安定法違反(有害業務の紹介)の容疑で逮捕したと書いています。
事件はこれだけでおわりませんでした。
その後も、逮捕者がでます。
こちらも逮捕容疑は、職業安定法違反(有害業務の紹介)です。
NPO法人代表の「だいわりゅう」さんは、この事件をつぎのように分析しています。
(2016年10月27日 だいわりゅうさんのブログより、引用。 )
とうとう「絆」の上部団体アインズグループの加藤会長が逮捕されましたね。
(中略。)
ホストから風俗へと流す手口やグループの洗脳的な手法、AVへの強要などが問題にされたみたいですね。
この事件もAV強要事件の一つと言えますね。
このグループの相談は俺のNPOにも相次いでいましたね。
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この事件は、出演強要も関係しているのでしょうか。
解明がまたれます。
いずれにしても、スカウトのようなクズは、今後も徹底的に取り締まってほしいものです。
(ログミー「Kさんの手記」より、引用。)
<悪徳プロダクションから違約金2,460万円を請求されたKさん>
駅付近とかのスカウトマンを禁止してほしいです。
禁止と言ってもやりたい放題なので、きちんと法律をつくってほしいです。
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Kさんは、
「きちんと法律をつくってほしい」
といいます。
本来、スカウト行為は、現行法で禁じられているはずですが。
そのあたりのところを弁護士ドットコムの記事で確認してみます。
(2116年11月6日 弁護士ドットコム「性風俗店、キャバクラ、AVの「路上スカウト行為」、法的にアウトな理由」より、引用。改行を施しています。)
<大川一夫弁護士>
結論から言えば、路上でのスカウト行為は、職業安定法と迷惑防止条例によって禁止されています。
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やはりそうでしたか。
<大川一夫弁護士>
まず前提として、労働者の募集、職業紹介、労働者供給について定めた職業安定法では、原則として、『労働者供給』を禁止しています(職安法44条)。
スカウトはこの『労働者供給』にあたります。
これは過去に、労働者供給事業により、労働者のピンハネや過酷な労働条件を生んだことの反省として規定されたものです。
スカウトなどの労働者供給を行った場合、『1年以下の懲役又は100万円以下の罰金』(職安法第64条)に科されると定められています」
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関係する法律の条文をみてみます。
<職業安定法 第44条>
何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。
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条文でいうところの「労働者供給事業」が、スカウトに該当するようです。
<職業安定法 第64条>
(第44条の規定に違反した者は)、これを1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
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1年以下の懲役、ですか。
この程度の罰則では、軽いような気がします。
たとえ捕まっても、懲りずに繰り返すやつがいるのではないでしょうか。
(2116年11月6日 弁護士ドットコム「性風俗店、キャバクラ、AVの「路上スカウト行為」、法的にアウトな理由」より、引用。改行を施しています。)
さらに、その供給先が『有害業務』(「公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務」)だと、その罰則はなお重くなっています。
つまり違法性がそれだけ高いわけです。
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安堵しました。
職業安定法には、重罰規定がもうけられていたのです。
みてみます。
<職業安定法 第63条>
次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。
1 暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者
2 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者
有害業務の紹介については、スカウトのやつらに懲役10年の刑を科すことが可能となっています。
東京の警察も、大阪の事件を参考にして、もっと真剣にとりしまりをおこなってほしいものです。
スカウトのようなクズたちの跋扈(ばっこ)を認めてはなりません。
全員、牢屋に入れるべきです。
HRN(ヒューマンライツ・ナウ)は、
「AV勧誘スカウトの禁止」、
「真実を告げない勧誘、不当なAVへの誘因・説得勧誘の禁止」、
などをふくめた包括的な立法の制定を求めています。
はたして、来年の通常国会に、AVに特化した法律案が提出されるのでしょうか。
(2016年9月2日 withnews「AV強要、戸惑う業界団体『信じられない』『現場で一番強いのは女優』」より、引用。改行を施しています。)
<朝日新聞経済部 高野真吾さん>
「IPPAはそもそも、なぜ、AV業界に不健全な部分が出てきたと考えていますか」
<IPPA 事務局長(※なぜか名前が記載されていません)>
「最初の部分のスカウトです。(女性がプロダクションに登録することなどによって生まれる)スカウトフィーはかなり大きなお金になるので、きちんと話をしないで契約させてしまう」
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業界団体のIPPAは、「不健全な部分が出てきた」要因として、スカウトをあげています。
スカウトだけのせいにせず、自分たちも相当悪いわけですから、そこのところをよく考えてほしいと思います。
香西咲さんが朝日新聞のwithnewsのなかでおっしゃっている以下の3点は、至言です。
(2016年09月24日 withnews「AV強要 現役女優・香西咲が語る『洗脳』から出演までの8カ月」より、引用。改行を施しています。)
(1)スカウト、事務所の実体を確認せよ
両者ともに女性が契約するか、働いて初めてお金になる。
「おいしいこと」ばかり言ってくる。
事務所の評判などを事前によく調べること。
(2)面会には、信頼できる「味方」を同席させる
私自身、社長と1対1で会ったのが失敗だった。
家族、友人、頼れる知人と一緒だとリスクが減る。
相手がだましにくい、洗脳しにくい環境づくりを。
(3)トラブル発生時のために証拠を残す
いざ弁護士に相談する時、打ち合わせのメモ、資料、メールなどがあると強い。
スカウトや事務所から、
「そんなの捨てていいよ」
「そのメール消せば」
と言われても無視を。
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大阪の件は別として、現在、スカウトは野放しの状態となっています。
警察が動かない以上、自分で自分の身を守る必要があります。
女性は、香西咲さんの3つの戒めを何度も反芻する必要があるでしょう。
ぼくは、家族、友人、頼れる知人と一緒に面談をしたほうがいいというくだりを読んだとき、唸りました。
それ以外の箇所もすべて実用的です。
空言ではありません。
香西咲さんのことばにふれて、数多くの女性が救われたはずです。
これからも指針となっていくことでしょう。
頭がさがります。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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