香西咲さんはいま、自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力をそそいでいます

最初に、孔子の論語を紹介させていただきます。

<孔子>
原壤(げんじょう)、夷(い)して俟(ま)つ 。
子(し)曰(いわ)く、
「幼にして孫悌(そんてい)ならず、長じて述ぶることなく」
杖を以(もっ)てその脛(けい)を叩(う)つ。

<訳>
幼なじみの原壤(げんじょう)老人が、孔子に会いに来た。
原壤(げんじょう)老人は、しゃがんだまま、孔子が出てくるのを待った。
会うなり、孔子は、
「おまえは子どものころはいうことを聞かず、年をとっても何のとりえもない」
いいおえると、手にしていた杖(つえ)で、原壤(げんじょう)の膝(ひざ)をたたいた。
和田武司拓殖大学名誉教授の訳を参考にさせていただきました。)

(2016年9月24日 毎日新聞「AV問題 語り始めた業界人(3)女性も作る側に回って」より、引用。)
<84歳の男性>
私は80歳を過ぎたころからこの種のDVDを見るようになりました。

(2016年9月19日 弁護士ドットコム「84歳男性からAV女優へのファンレター、神田つばきさんが語る『性文化と孤独』」より、引用。改行を施しています。)

男性にとって、その女優が出ていたAVは、過去に見た100タイトルほどの中でも最高のものだったそうで、女優の控えめな演技や表情の作り方に感動し、涙が止まらなかったという。
作品が廃盤になっていて購入できないため、レンタル期間が切れる度にお金を払い、同じ作品を借り続けていることをつづっている。

(2016年9月24日 毎日新聞「AV問題 語り始めた業界人(3)女性も作る側に回って」より、引用。改行を施しています。)

<神田つばき様>
作品は廃盤になっており、週100円払って借り続けているというので、新古品を探してお送りするととても喜んでいただけました。
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この老人は幸福なのでしょうか。
アリストテレス(B.C.384年~B.C.322)と、マルクス(1818年~1883年)という、立場の異なった人物がいます。
ひとりは哲学者で、もうひとりは経済学者です。
ふたりとも、幸福については、同じ趣旨のことをのべています。
「幸福とは、そのひとの本質の実現にある」
と。
いっぽう、楽しくなければ人生ではない、と思い及ぶひとたちも存在します。
この種の方々にとって、生きる目的は、娯楽です。
日々の生活が愉快であればよい。
現代の人々の主流を形成している考えかたかもしれません。
アリストテレスもマルクスも、歓楽を求めるだけの生き方を否定します。
重視するのは、生きがいです。
楽しいだけの人生ではありません。
神谷美恵子さんという精神科医をご存じでしょうか。
作家としても有名です。
著書の「生きがいについて」(みすず書房刊)は、ロングセラーとなっています。
何度読んでも考えさせられるものがあります。
神谷さんはかつて、ハンセン病(らい病)患者を収容している施設で、医師として勤務しました。
ご自身が42歳のときです。
かねてより希望していたハンセン病の施設へ赴任することがきまりました。
場所は、瀬戸内海の孤島です。
目的は、研究でした。
ハンセン病患者の精神面を調査したかったのです。
当地で神谷美恵子さんは、患者たちの悲惨な状況を目(ま)の当たりにします。
以降は、精神科医として、患者の治療にあたりました。
現在、ハンセン病は、不治の病ではありません。
なおります。
社会に復帰することも可能です。
当時はちがいました。
罹患が発覚すると、すみやかに隔離されます。
伝染のおそれがあるからです。
患者は専用の施設に収容されます。
入ったら最後、そこから二度と出てくることはできません。
一生、施設内で生活しなければなりません。
死んで骨となったあとも、当地に埋蔵されます。
先祖の墓に入ることはかないませんでした。
患者にとって、施設へ収容されるということは、人間社会から放逐されることを意味します。
だれもが絶望にうちひしがれました。
こうした状況のなかで、神谷さんは、絶望と向かいあっている患者たちの存在を知ります。
絵を描くことに精魂を傾けているひとたちがいました。
詩や和歌づくりに傾注しているひとたちもいます。
このかたたちは、自身で生きがいを発見したのです。

(神谷美恵子著「生きがいについて」(みすず書房刊)より、引用。改行を施しています。)

生きがい感と幸福感とはどういう風にちがうのであろうか。
たしかに生きがい感は幸福感の一種で、しかもその一ばん大きなものともいえる。
けれどもこの二つを並べてみると、そこにニュアンスの差があきらかにみとめられる。
(略。)
生きがい感には幸福感の場合よりも一層はっきりと未来にむかう心の姿勢がある。

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神谷美恵子さんは、生きがいを感じている精神状態を「生きがい感」と呼びました。
「生きがい感」の源泉や対象となるものが、「生きがい」です。
「生きがい」になるものとして、以下の7つをあげています。

<生きがいになるもの>
生存充実への欲求をみたすもの
変化と成長の欲求をみたすもの
未来性への欲求をみたすもの
反響への欲求をみたすもの(友情、名誉、他人から必要とされること)
自由への欲求をみたすもの
自己実現の欲求をみたすもの
意味への欲求をみたすもの(自分の存在意義を感じる)

(神谷美恵子著「生きがいについて」(みすず書房刊)より、引用。改行を施しています。)

どういうひとが一ばん生きがいを感じる人種であろうか。
自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力をそそいで歩いているひと、いいかえれば使命感に生きているひとではないだろうか。
(略。)
しかしつきつめていうと、人間はみな多かれ少なかれ漠然とした使命感に支えられて生きているのだといえる。
それは自分が生きていることに対する責任感であり、人生においてほかならぬ自分が果たすべき役割があるのだという自覚である。
(略。)
社会的にどんなに立派にやっているひとでも、自己に対してあわせる顔のないひと(「自分との約束」を果たさない人)は次第に自己と対面することを避けるようになる。
(略。)
この自己に対するごまかしこそ生きがい感を何よりも損なうものである。

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峻厳な文章です。
特に、以下のくだりは胸を衝(つ)かれます
種々の思いが去来します。

(再掲)
自己に対するごまかしこそ生きがい感を何よりも損なうものである

人生とは、自分に対してのごまかしの連続かもしれません。
自身との約束を果たせないときもあります。
結果、生きがいをうしなってします。

(再掲)
どういうひとが一ばん生きがいを感じる人種であろうか。自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力をそそいで歩いているひと、いいかえれば使命感に生きているひとではないだろうか

香西咲さんのツイッター(2016年9月18日)より、引用。

この問題ばかりを追って人生を終わらせるつもりはありません。
花の命は短いから。
心身共に回復させつつ昔の私に戻りたいと思っています。
勉強
旅行
仕事
友達と遊ぶ
好きな人を作ってデートする
許されるものなら家族を作る

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香西咲さんはいま、「自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力をそそいで歩いて」います。
つらい毎日かもしれません。
葛藤もあることでしょう。
ぼくは確信しています。
香西咲さんはいま、これまでの人生のなかで一番、いきがいを感じている、と。

香西咲さんは2016年7月7日に、週刊文春で、出演強要の実態を告発されました。
あれからどれだけの月日が経過したのでしょうか。
まだ4か月しか経っていません。
驚嘆させられます。
すでに1年以上が過ぎ去った感があります。
セネカ(B.C.27年~A.D.68年)という哲学者がいます。
友人につぎのような手紙を送っています。

(セネカ著 大西英文訳「生の短さについて 他2篇」岩波文庫刊より、引用。改行を施しています。)

大部分の人間たちは死すべき身でありながら、パウリヌス君よ、自然の意地悪さを嘆いている。
その理由は、われわれが短い一生に生まれついているうえ、われわれに与えられたこの短い期間でさえも速やかに急いで走り去ってしまうから、ごく僅かな人を除いて他の人々は、人生の用意がなされたとたんに人生に見放されてしまう、というのである。
しかし、われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。
人生は十分に長く、その全体が有効に費されるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている。
けれども放蕩や怠惰のなかに消えてなくなるとか、どんな善いことのためにも使われないならば、結局最後になって否応なしに気付かされることは、今まで消え去っているとは思わなかった人生がもはやすでに過ぎ去っていることである。
全くそのとおりである。
われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである。

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「人生は短いのではない。自分で短くしているのだ」
至言です。
香西咲さんの人生は濃密です。
この4か月の間、普通のひとの何倍にも該当することをおこなってきたのではないでしょうか。
セネカは、
「毎日を最後の1日のように思いつつ生きよ」
ともいっています。
香西咲さんはご自身で人生を長くしています。
すでに、「失われた5年」のぶんはとりもどしたと思うのですが。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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