依然として、出演強要被害に関する話題が喧(かまびす)しいです。
一向に衰える気配をみせません。
こうしたなか、法規制への期待が高まっています。
なぜいま、あらたに法律をつくる必要があるのでしょうか。
HRNの伊藤和子弁護士は、自身のブログのなかでつぎのようにのべています。
(2016年3月16日 伊藤和子弁護士のブログ「AV強要被害をなくし、救済するために」より、引用。)
<伊藤和子弁護士>
AVプロダクションやメーカーには監督官庁もなく、風適法の適用もないため、違法行為は野放しで、女性は救済を求めることができません。
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違法行為が野放しになっている、と伊藤和子弁護士は指摘します。
顧(かえり)みてみますと、香西咲さんの場合もそうでした。
香西咲さんのツイッター(2016年7月13日)より、引用。
今まで人間とは思えない仕打ちを受け続けてきた事、 やっと吐き出す事ができました。
こんな私ですが今も変わらず好きでいてくださる方、本当にありがとうございます。
何度も言うけれど今後私はその人たちを大切に生きていくのみです。
「おまえ明日死ぬかもしれないんだから(←青木亮の口癖)」
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香西咲さんはこれまで、「人間とは思えない仕打ちを受け続けて」きました。
(2016年09月24日 withnews「AV強要 現役女優・香西咲が語る『洗脳』から出演までの8カ月」より、引用。改行を施しています。)
翌12年になると、ストレスからはっきりと体に異変が生じてきた。
医者にかかると、
「慢性膵炎(すいえん)疑診断」
「胃腸炎・逆流性食道炎」
と診断された。
円形脱毛症になり、全身がだるく、胃腸が痛んだ。
自宅でめまいと発作で倒れ、2回も自分で救急車を呼んだ。
精神安定剤を服用するようになっていたが、規定量では足りなくなり、病院をこっそりかけもちした。
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その後も香西咲さんは、悪徳プロダクションから蹂躙されつづけます。
(2016年7月7日 週刊文春(7月14日号)より、引用)
「いっそ自分の人生を終わらせてしまおうかという衝動に駆られたことも一度や二度ではありません。」
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(再掲。伊藤和子弁護士)
「違法行為は野放しで、女性は救済を求めることができません」
結果的に、国家は、悪徳プロダクションを野放しにしてきたことになります。
(2016年3月11日 衆議院会議録「第190回国会 内閣委員会 第5号」)より、引用。)
<池内さおり議員>
長らく信じられてきた言説があります。
AVには被害者などいない、女性は皆同意のもと撮影に応じているし、それ相応の対価も得ているのだから問題はないと。
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「どうせ好きでやっているんだろう」
人々は皆、そう思っていました。
香西咲さんのツイッター(2016年7月7日)より、引用。
一生自分の中だけに留めて置かなければいけない、と思った時に気が触れてしまいました。
吐き出す事で過去を清算できる機会を頂けて、救われました。
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香西咲さんは、容認しがたい記憶を無意識領域のなかへ閉じ込めました。
抑圧したのです。
「一生自分の中だけに留めて置かなければいけない」
と。
(2016年3月16日 伊藤和子弁護士のブログ「AV強要被害をなくし、救済するために」より、引用。)
<伊藤和子弁護士>
(略)、撮影中にどんなひどいことを強要されても、「同意」「演技」だとして、強姦、強要、傷害、暴行罪等が立件されるケースはほとんどありません。
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香西咲さんのツイッター(2016年10月2日)より、引用。
アットハニーズを辞めて即座に 第二弁護士会にも行って相談してます。
セックスワーカー団体SWASHのご紹介の、打越さくら弁護士にも相談。
どちらも即答で『立証が取りにくい』とほぼ門前払いでしたよ。
だから世間(弁護士)の風当たりの厳しさを実感し、
腹括って独立の道を選びました。
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HRNは現在、政府に対して、あらたな法律を制定するよう求めています。
(参考;2016年9月18日 伊藤和子弁護士のブログ「AV強要被害問題は今、どうなっているのか」。)
おもなものをみてみます。
監督官庁の設置(※HRNが要望)
これは絶対に必要です。
悪人たちの跋扈(ばっこ)を監視しなければなりません。
不当・違法な勧誘の禁止(※HRNが要望)
個人的には、スカウト行為そのものを禁止してほしいです。
河野太郎国家公安委員長は、今年の3月11日、池内さおり議員の質問に対してつぎのように答弁しました。
「勧誘が法に違反をしているならば、厳正に取り締まるというのは当たり前のことでございますが、今お話しいただきましたように、この問題の一番の取っかかりがそこにあるんだとすれば、もう少し何ができるか、加藤大臣を初め政府内でしっかり検討してまいりたいと思います」
と。
違約金を定めることの禁止(※HRNが要望)
悪徳プロダクション代表の青木亮は、佐藤さん(仮名)に対して、莫大な額の違約金を請求しました。
(2016年8月26日 withnews「AV強要、元タレントも被害 ミスコン受賞歴、歌手の夢捨てられず…」より、引用。改行を施しています。)
(社長は)「いくらお金をかけているか分かる? 雑誌とか色々なメディアで宣伝して1億円ぐらいかけている。撮影が無理だと、親に請求がいくよ」
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まともではありません。
違約金として、1億円を請求したのです。
(2016年.9月18日 AbemaTIMES「【AV出演強要問題】元カリスマ女優・川奈まり子氏が業界健全化のために奮闘」より、引用。改行を施しています。)
AV撮影のために富士山の麓に連れていかれて、3時間泣いたこともあるという。
その時、自分をスタッフ全員が待っている状況にあった。
<香西咲さん>
遠いところですから……。
よっぽど強い子でないと(撮影を中止させるのは)無理だと思いますし。
私さえ泣いておけば丸く収まると思った。
結局AV撮影に応じることになりました。
あとは、違約金などを理由に辞められないです。
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香西咲さんも、青木亮から、違約金の存在を仄(ほの)めかされたようです。
意に反して出演させることの禁止(※HRNが要望)
(2016年8月27日 弁護士ドットコム「<AV出演強要>香西咲さん『今でもフラッシュバックに悩まされる』洗脳の過去を語る」より、引用。改行を施しています。)
<香西咲さん>
不本意な撮影が何回かありました。
デビュー作もそうですが、「イヤだ、イヤだ」と泣きながら撮影するときもありました。
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読むのがつらいです。
この怒りをどこにぶつけたらいいのでしょうか。
嘆息することしかできません。
女性を指揮監督下において、メーカーでの撮影に派遣する行為は違法であることを確認する(※HRNが要望)
香西咲さんのツイッター(2016年10月14日)より、引用。
メーカーと事務所が先に結んでいたらしく、 私は撮影後にその契約書の存在を知らされました。
日付は撮影前に遡って記載されてました。
契約場所には行ってません。
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香西咲さんのツイッター(2016年7月23日)より、引用。
私へは芸能人事務所の契約者のまま連れてかれた現場がAVだったり、性接待させられたり、AV強要以上にされられています。
(後略。)
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まるで奴隷です。
ひとりの人格をもった人間として扱われていません。
青木亮のおこなったことは完全に、犯罪です。
禁止事項に違反する場合の刑事罰(※HRNが要望)
(2016年7月20日 withnews「夢を巧みに悪用されAV強要された女優・香西咲が今も出演を続けるワケ」より、引用。改行を施しています。)
それまで演技の内容は、私が「嫌だ!」と言っても事務所に決められていました。
いわゆる「NG項目」と呼ばれるものですが、まったく聞いていない演技やシーンを現場で知って、泣いたこともあります。
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(2016年8月27日 弁護士ドットコム「<AV出演強要>香西咲さん『今でもフラッシュバックに悩まされる』洗脳の過去を語る」より、引用。)
<香西咲さん>
不本意な撮影が何回かありました。デビュー作もそうですが、「イヤだ、イヤだ」と泣きながら撮影するときもありました。
(中略。)
当日になって初めて撮影内容を聞かされることもありました。
ある撮影では見事なまでに、当日まで台本が送られてこなかった。
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(2016年09月24日 withnews「AV強要 現役女優・香西咲が語る『洗脳』から出演までの8カ月」より、引用。改行を施しています。)
香西さんは、複数の男性が出演して行うある行為をNG項目に指定していたが、意向を無視された。
当日まで台本は送られず、撮影現場で監督らに泣いて「嫌だ。できない」と伝えても、強行された。
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犯罪以外の何ものでもありません。
HRNは刑事罰を求めています。
契約の解除をいつでも認めること(※HRNが要望)
香西咲さんのツイッター(2016年7月13日)より、引用。
契約書を縦に止めさせてもくれない、かと言って事務所に居続けたら、 V撮影と性接待(勿論金銭のやり取りなし)に都合良く使われて青木亮に飼い殺しになる…本気で死にたかった。あの頃の私はトラックに突っ込んで欲しかった。
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香西咲さんのツイッター(2016年7月23日)より、引用。
前の事務所の契約書と接待で飼い殺し状態にされてた時よりは遥かに元気です
(後略。)
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くりかえします。
香西咲さんは奴隷としてあつかわれていたのです。
自身の手で桎梏(しっこく)を解き放すことはできませんでした。
意に反する出演にかかるビデオの販売差し止め(※HRNが要望)
これもぜひ法制化してほしいです。
強要されて出演した時点でそのビデオは無効です。
存在してはならないものです。
悪質な事業者の企業名公表、指示、命令、業務停止などの措置(※HRNが要望)
青木亮については、週刊文春で実名報道がなされています。
企業名も公表されています。
不思議なことに業界は、業務停止などの措置をとっていないようです。
愚かなひとたちです。
「おまえたちが何もしないのなら、法律をつくって規制するしかない」
なぜこうなることを予見できないのでしょうか。
相談および被害救済窓口の設置(※HRNが要望)
この件については、現在、警察が対応しているようです。
河野太郎国家公安委員長は、今年の3月11日の国会答弁で、
「残念ながら、警察にはそうした相談件数がいまだ多くないものですから、警察に御相談をいただきたいと思いますし、女性警察官を配置したり、あるいは人目につかないような車や部屋を用意したり、相談しやすい状況をつくってまいりたいと思いますので、警察としても厳正に対処してまいりたいと思います」
と、のべています。
被害者は皆、警察へ行って相談をすべきです。
警察・検察には違法行為を積極的に捜査・起訴し、悪質な被害から女性たちを救済するよう求めます(※HRNが要望)
個人的には、つぎのツイートにシンパシーを覚えます。
■Owlmanさん
<2016年10月10日>
AV強要問題
東京地検特捜部がそろそろ、名前が出てる連中をマークし、極秘捜査を進めるべき時だ。
強要罪、脅迫罪、監禁罪、集団強姦罪、詐欺罪、共謀罪…
併合罪で罪数合計すると、懲役何十年になるかな
自分的には死刑にしてやりたいが
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出演強要をおこなったやつらは、ひとり残らず、牢屋に入れるべきです。
早期の法制化を望みます。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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