この段階になっても香西咲さんに対して「泣き寝入りをすればよかった」といってくるひとがいるようです

黙過(もっか)ということばがあります。
広辞苑にはつぎのように書かれています。
「知らぬ風(ふう)をして、そのままにしておくこと」
大辞林も似たような感じです。
「知っていながら黙って見すごすこと」

黙過(もっか)を唱えるひとたちは、自己責任論者よりも悪質です。
犯罪の被害に関していうのならば、黙って泣き寝入りをしろ、ということです。

香西咲さんのツイッター(2016年10月13日)より、引用。

AV関係者の皆様へ
#AV強要
真面目に作ってる方からしたら大迷惑ですね。
全て青木亮(あおきりょう)さんとカルト集団が起こした事実なので、矛先は青木さんに向けて下さいね。
私達被害者が泣き寝入りすれば良かったとか言ってくる頭のおかしい人が見受けられるので。

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亀山郁夫さんというロシア文学者がいます。
ドストエフスキーの「罪と罰」の新訳でも知られています。
亀山さんが、山川出版社から発刊されている「遠近(をちこち)」という雑誌のなかで、つぎのようなことを書いています。

「『黙過』とは何か」より、引用。改行を施しています。)

2001年9月11日、わたしはロンドンにいた。
同時多発テロとツインタワー崩落のニュースを知ったのはその日の午後4時、ロンドンの地下鉄のなかである。
ロイヤル・アルバートホールで毎夏開かれるBBCプロムスのコンサートでは、ベートーベンの交響曲第三番第二楽章が演奏された。
ツインタワーでは多くの英国市民が犠牲者となったからだ。
コンサートから慌ててホテルに戻ったわたしは、タワー崩落のシーンを飽かず眺めつづけた。
(中略。)
神が、仮に存在するとするなら、決してこれほどの悲惨に人間を出会わせることはしない。
現に人間が、このような悲惨に出会っているという事実は、最終的に神が存在しないことを意味する、神は、人間を見捨て、人間は、神に見捨てられた。神は、この悲惨を「黙過」したのだ、と。
この言葉を書き記しながら、わたしはなぜかしきりにドストエフスキーのある小説を思い浮かべていた。

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(再掲)
神が、仮に存在するとするなら、決してこれほどの悲惨に人間を出会わせることはしない
神は、人間を見捨て、人間は、神に見捨てられた。

アメリカ同時多発テロ事件で、3025人のかたが亡くなりました。
亀山さんはこう慨嘆します。
神はこうなることがわかっていたのに、黙過したのかもしれないと。
ちなみにぼくは神の存在を信じていないので、この設定自体は無意味です。

「『黙過』とは何か」より、引用。改行を施しています。)

「悪霊」の主人公スターブローギンは、自分が陵辱した少女が、アパートの中庭の物置小屋で首を吊ろうとしているのを知りつつ、黙過する。
物置小屋に向かって歩いていくその姿を上階から見下ろすだけである。
もしかすると、彼はそのとき、心のなかでこうつぶやいていたのではないか。
神よ、出てこられるものなら、出てこい、と。
神はついに現われず、神の代行者となった彼も助けに行かず、少女は首を吊る。

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スターブローギンも、神も、少女の自殺を止めませんでした。
黙過しました。
首を吊ることを知っていながら、黙って見すごしました。

出演強要被害の場合を考えてみます。
このことを黙過するとどうなるのでしょうか。
自明です。
犯罪者たちが今後も、女性たちを蹂躙しつづけます。
神は、同時多発テロを防ごうとしませんでした。
結果、ツインタワーが崩れ落ちました。
「悪霊」の場面でも、自死を決意した少女に対して救いの手をさしだしませんでした。
スターブローギンも同様です。
黙過することによって、死を招来させました。

(再掲)
私達被害者が泣き寝入りすれば良かったとか言ってくる頭のおかしい人が見受けられる

「泣き寝入りすれば良かった」
こういってくるやつは、明らかに犯罪者です。
それ以外の何者でもありません。
被害者が泣き寝入りをして得をするのはこの種の輩(やから)だからです。
約1年ほど前の記事を引かせていただきます。

(2015年11月8日 弁護士ドットコム「『契約書にサインするまで帰さない』と監禁されることも――AV出演強要の実態(上)」より、引用。改行を施しています。)

<金尻カズナPAPS相談員>
私たちはメーカープロダクションの人と交渉する場合がありますが、そこで働いている人たちは本当に普通の大卒会社員の男性です。
そういう人たちのビジネスの対象が、女性の「性」になっています。

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この文章を読んで、再認識させられます。
メーカーやプロダクションにとって、ビジネスの対象は、女性の「性」なのです。
女性の「性」を商品化しているのです。
このひとたちのことを金尻カズナさんは、
「普通の男性」
と表現しています。
そうなのでしょうか。
違和感を覚えます。

<金尻カズナPAPS相談員>
(プロダクションと契約したあとは)プロダクションのスタッフと女性がメーカー回りをします。
「デビューもの」だと、どこも欲しがるので、すぐに出演が決まります。

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その際、メーカーとも契約します。
これだけの契約であれば、女性はきちんと重要事項の説明を受けないといけませんが、実際はきちんと説明されないまま契約してしまいます。
契約書もあるから、
「まともな会社だ」
「やめたいときはやめれる」
思ってしまいます

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また、女性には「穏便に済ませたい」という感情も働きます。
ここで「ノー」と言ったら、なにをされるかわからない
あとで、怒られるかもしれないし、キレられるかもしれない。
だから、その場は「がんばります」と言ってしまう
(後略。)

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女性に対して、きちんと重要事項の説明をしないで契約させる。
拒否できない雰囲気を醸成する。
女性は、
「なにをされるかわからない」
「怒られるかもしれない」
「キレられるかもしれない」
と怯え、その場は、
「がんばります」
と取り繕ってしまう。
女性の黙過によって成立している業界、ということがわかります。

<田口道子PAPS相談員>
つまり、「オレオレ詐欺」と同じように「だましの構造」ができあがっています。
「オレオレ詐欺」の場合は「お金」が狙われますが、若い女性の場合は「性」が狙われます。
(後略。)

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<金尻カズナPAPS相談員>
プロダクションやメーカーの多くは一見、まともな企業です。
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悪徳業者は、「オレオレ詐欺」と同様のことをおこなっているようです。
なぜ国は、こうした行為を野放しにしているのでしょうか。
その理由がよくわかりません。
「オレオレ詐欺」をおこなっているやつらは逮捕すべきである、と思うのですが。

<金尻カズナPAPS相談員>
プロダクションメーカーからは「覚悟」を求められます。
その覚悟というのは、この業界でしか生きていけない「覚悟」です。
しかし、それは「諦める」を美化した言葉です。
結局、諦めざるをえなくなって、出演を余儀なくされています。

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<田口道子PAPS相談員>
よくいわれるのは、「これは仕事だよ」という言葉です。
「仕事なんだから、ちゃんとやんなきゃね」と。
仕事はちゃんとやらないといけないものだと思っているから、たとえ大泣きしながらでも、「やらなくちゃ」と思ってしまいます

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<金尻カズナPAPS相談員>
「仕事だ」といわれてしまうと、被害だという認知がしづらくなる力が働きます。
つまり、それ以上言い返せなくなります。

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(再掲)
仕事はちゃんとやらないといけないものだと思っているから、たとえ大泣きしながらでも、『やらなくちゃ』と思ってしまいます
『仕事だ』といわれてしまうと、被害だという認知がしづらくなる力が働きます

所属するプロダクションから違約金2,460円を請求された女性はつぎのようにのべています。

(ログミー「AV出演と違約金を強要 20代被害女性の手記を公開」より、引用。)

例えそれが、苦痛なことや、嫌なことであっても、いちおう与えられた仕事だということ、「しなければならない」ので、その状況に立った人ならば、早く終わらせたいと思うので、視聴者にはわからないと思いますが、みんな頑張って演技をします
たとえ、女の子が、望んでしているように見えても、決してそうとは限らないということです。

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強制された仕事が苦痛なことや嫌なことであっても、早く終わらせたいと思うのでがんばって演技をする。
女の子が、望んでしているように見えても、決してそうとは限らないということです
哀しいはなしです。

<金尻カズナPAPS相談員>
2012年から現在まで私たちに寄せられた相談は95件です。
ここまでヒドイとは思っていませんでいた。
今回の裁判の女性と同じように、過酷な目にあっている人がたくさんいます。
ほとんどが泣き寝入りしたり、不利な和解をさせられたり・・・
なかには自殺された人もおられます。

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今回、出演強要被害を告発した香西咲さんに対して、
「泣き寝入りをしてほしかった」
これは愚痴でしょうか。
脅迫でしょうか。
この段階にきて、いまさらこの種のことをいってもしかたがないと思うのですが。
意味のないことはやめていただきたいです。

ここで話題がかわります。
香西咲さんの生き方は、まるでソクラテスのようです。
メタファーではなく、直喩で表現をさせていただきました。
ソクラテスはつねに、自分の魂を善(よ)いものにするためにはどうしたらよいのかを考えて行動しました。
愚者に対しては、
「なぜ自分の魂を善(よ)いものにしようとしないのだ」
と指弾しました。
ぼくも、人間の価値というのは、善(よ)い魂をもっているかどうかできまると考えています。
香西咲さんは至高です。
それはこの上もなく高い魂をおもちだからです。
香西咲さんは人間として尊敬できるかたです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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