香西咲さんが味わった苦しみを思うたびに胸が痛む。自由放任の弊害

昨日の問です。

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1980年代、オーストラリアの政府は、失業者に対して、ある仕事をあたえました。
内容は、自動販売機のジュースの缶に、ある細工をしてもらうことです。
これをおこなえば失業者は、賃金を得ることができます。
その細工とはいったいどのようなことをするのでしょうか。
ジュースの購入者は皆、歓迎しませんでした。
ちなみに缶ジュースの値段は変わりません。
従来と同じ価格です。
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<答>
わかりやすくするために、通貨を日本円にかえてご説明します。
自動販売機のジュースの値段は100円です。
販売する前に失業者は、セロテープを使って、ジュース缶に10円を貼りつける仕事をおこないました。
自動販売機に掲げられているジュースの価格表示は、100円から、110円へと変更しました。
ジュースを求めるひとは、110円を入れます。
自動販売機から、10円が固着した缶がでてきます。
結果的に、価格は、従来と同じ100円ということになります。
これがオーストラリア政府の考案した公共事業です。
失業者のために仕事を創設したのです。
フランクリン=ルーズベルトがおこなったダム建設工事と基本的に変わりがありません。
ただ、オーストラリアの場合、この試みは利用者から歓迎されませんでした。
やがて中止となりました。

さて、本日も、「自由放任」について書いてみたいと思います。

ホッブズ(イギリス人)、ロック(イギリス人)、ルソー(フランス人)という思想家をご存じでしょうか。
それぞれ、以下の著作が有名です。

・ホッブズ(イギリス人)・・・・・・「リバイアサン」(1651年刊)
・ロック (イギリス人)・・・・・・「市民政府二論」(1689年刊)
・ルソー (フランス人)・・・・・・「社会契約論」 (1762年刊)

三者の思想を総称して、社会契約説、といいます。
論理の展開方法は各々(おのおの)、同じです。
まず最初に、国家が成立する前の架空の世界を想見(想像するとの意味)します。
現実には存在しなかったこの夢想の世界のことを「自然状態」といいます。
いいかえると、自由放任の世界です。
3人は共通して、こうのべています。

当初、ひとびとは、自由と平等を享受していた。
平和に暮らしていた、と。

それでは「自然状態」を個別にみていきたいと思います。

 ルソーの考える「自然状態」

ルソーは経済問題に論点をあてました。
自由で平等の世の中です。
ひとびとは最初、同じスタートラインにつきます。(機会の平等) 
競争の結果、やがて、貧富の差が生じます。
結果の不平等です。
ルソーはこのことを問題視しました。

 ロックの考える「自然状態」

自由で平等の世の中です。
やがて、世の中がうまく機能しなくなります。
自由が保障されていますから、勝手な行動をとるひとがあらわれてきます。
皆が平等のため、誰もそれを咎めることはできません。
問題なのは、ひとびとの上に立つものが存在しない、ということです。
そうなると世の中はどうなるのか。 
ここで、「美味しんぼ」のなかのある一場面をご紹介します。

(小学館刊「美味しんぼ58巻」雁屋哲作 花咲アキラ画より引用。)

 ~いじめを許すな(中編)
<山岡さんのせりふ>
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俺の知り合いの、劇画原作者の話をしてやろう。

その男は、小学1年生のときに右の股関節結核を患った・・・・・・
3年近く療養生活を送って、そのあいだに地方から東京に移り、2年遅れで東京の学校に編入した。
右足が地面につかないようにコルセットをはめ、松葉杖をついて学校に行った。
ところがその男を待っていたのは、同級生のいじめだった。
差別語でからかわれる。
頼りの松葉杖を足で払って転ばされる。
殴る。
つっ突く。
さらにその男がこたえたのは、同級生のだれひとりとして、いじめから救ってくれなかったことだ。
それどころか、いじめっ子に命じられるまま、一緒になって襲ってくる。
そのうえ、担任の教師も何もしてくれなかったそうだ
毎日その男がいじめられているのを知りながら・・・・・・

その男は、最初はいじめられるままになっていたのだが、ある日、いじめられているどん底で考えたのだそうだ。
このままの毎日が続くなら死んだほうがいい、と・・・・・・

どうせ死ぬなら闘ってから死のう、と心を決めたんだそうだ。
そう決心した翌日、いじめっ子に殴られたとき、その男は殴り返した。
人を殴ったのは生まれて初めてだったそうだ。
殴られたほうも、反撃されて驚いたらしくて、その場は何といじめっ子と引き分けた。
でも大変だったのはそれからで、いじめっ子は執拗に復讐を仕掛けてくる。
毎日、毎日、休み時間になると校庭に引き出されて、いじめっ子の率いる同級生たち、ほとんど全員を相手にしなければならない。

その殴り合いは、とうとう原作者がそのいじめっ子を殴り倒してケリがつくまで、ひと月以上続いたそうだ。

だけど、皆が皆、その原作者のようにうまくいくとは限らない。
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ロックがいう「自然状態」を如実にあらわしています。
自由放任のままにしておくと、やがて、こうした秩序のない世界が惹起(じゃっき。ひきおこすとの意味)されます。

(再掲)
そのうえ、担任の教師も何もしてくれなかったそうだ。毎日その男がいじめられているのを知りながら・・・・・・

香西咲さんのこのツイートが脳裏を過ぎりました。

香西咲さんのツイッター(2016年7月25日)より、引用。

富士山の樹海近くのスタジオに連れていかれてどうやって逃げろと?
周り何も無いですし。
怖い人20人近くいて声も出ないですよ。
男性にはこの怖さは分かりません。

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 ホッブズの考える「自然状態」

基本的にはロックと同じです。
ただ、ホッブズの場合は、より殺伐とした状況を描いています。
それは、
「万人の万人に対する戦い」
です。

こちらも「美味しんぼ58巻」からみてみたいと思います。

 ~いじめを許すな(中編)
<山岡さんのせりふ>
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しかし、残虐な攻撃性を持っているのは軍鶏(シャモ)だけじゃない。
すべての動物が、形こそ違ってもみんな持っている。
人間も例外じゃない。
人間の歴史を見てごらんよ。
戦いの歴史だ。
そんな残虐性を野放しにしておいたら社会が崩壊するから、人間は、法律や道徳で残虐性を抑える知恵を身につけた
だが、その道徳とか法律のタガが外れると、人間は容易に残虐な行為に走る。
家では優しい父であり夫である男が、軍隊に入れられ武器を持たされると、無抵抗の人間を平気で虐殺したりする。
そのとき、その男は軍鶏(シャモ)になってるんだ。

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ホッブズとロックとルソーは皆、同じことをいっています。
このような自然状態(自由放任の状態)から脱却するためにひとびとは国家をつくった、と。

週刊文春7月14日号より、引用。

私のように何本もAV作品を出し続けた女優たちの中にも、実は苦しみ、のたうち回っている人間がいるんです。
なぜ辞めなかったんだと思われるかもしれません。
ですが、抜けるに抜けられない状況に追い込まれ、搾取され続ける絶望感は、体験した者にしか分からない。
青木の支配下に置かれていた頃、私にとってAV撮影は、自傷行為そのものでした。

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自由放任のこうした状態をこのまま野放しにしておいていいのでしょうか。
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2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016月7月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016月7月29日 香西咲さんのインタビュー記事が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
 --出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは
 A氏 当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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