月別アーカイブ: 2016年7月

香西咲さんが悪徳事務所から受けた仕打ちを思うたびにやるせなさが募ります

昨日のつづきです。
100年前の「あゝ野麦峠」の時代を振り返っています。
工場で働く女性たちには、悪辣な境遇でした。
堪えきれなくなった工女たちは、奔逸(ほんいつ。走り逃げるという意味)します。
出奔(しゅっぽん。逃げだして行方をくらますとの意味)しようとします。

これに対して、使用者側は、つぎのようなことをおこないました。

(「メイド イン 東南アジア」より引用。)                
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工場側は、相次ぐ逃亡を防ぐ手段を講じます。
工女が暮らしている寄宿舎の周りに高い塀をめぐらしてガラスの破片をさす、有刺鉄線を張る、外側に堀をつくるなどの厳重な警戒ぶりでした。
裏側が河や海に面した立地条件を選ぶ工場もありました。

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「あゝ野麦峠」では、寄宿舎()の窓に、鉄の桟(骨組み)をはめ込んだ事例も紹介しています。
これでは牢獄とかわりがありません。

香西咲さんのTwitter(2016年7月9日)より、引用。

(略。)何本も出てるのに何故辞められないか?にも触れられています。
経験者しか分からないでしょう。
実に8ヶ月間におよぶ洗脳行為です。

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週刊文春2016年7月14号より、引用。

いっそ自分の人生を終わらせてしまおうかという衝動に駆られたことも一度や二度ではありません。
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(女工小唄より。)
「かごの鳥より 監獄よりも 寄宿ずまいは なおつらい」 
                                
(「女工哀史」より引用。)
1900年1月25日、帰郷を前に、工場で火災がおこった。
49人の女子労働者が、寄宿舎で深い眠りにおちていた午前3時30分ごろ、階下から出火。
はね起きたときは、一面の火の海。
窓に飛びつくと、そこには太い鉄の柵がはめてあった。
鎮火後、散乱した遺体は、みんな頭も銅もバラバラになり、しかもそれさえ、焼けただれて、男か女かわからぬほどであった。
年齢は13歳から25歳までで、31名の女性が犠牲となった。
寄宿舎の窓には、鉄棒がはめてあって、逃げ出せないようになっていた。
    
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女性たちはなぜ、自ら、このような絶望の淵へやってきたのでしょうか。
それは甘言です。
女性たちの生家は皆、日々困窮していました。
当時の日本の家庭は国策のため、どこも大家族です。
口減らし(家計が苦しいので家族の者を他へ奉公にやるなどして養うべき人数をへらすことの意味)のために、他所で働く必要に迫られました。
そこへやってきたのが、紡績会社のスカウトです。
工場側は、自分たちに都合の悪い話はいっさいしません。
甘いことばでささやき、誘惑します。
最後は、契約書に判を押させて、本人から同意を得た、というかたちをとります。

全体的に契約書の文言は漠としていました。
細かい労働条件などはいっさい書かれていません。
のちになって気づかされるのですが、そこにはつぎのようなことばが記されていました。

勝手にやめたら貯金を没収する、損害賠償を支払ってもらう
前借り金を返すまでは辞められない、などというのもありました。

東京新聞2016年6月14日より引用。)
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大学生の頃、アルバイト先で「グラビアのバイトをしてみない?」と持ち掛けられたのが始まりだった。
「話を聞くだけ」と気軽に応じた。
男性社員ばかりのプロダクション事務所に行くと、「登録だけしておこうか」と優しく言われた。
派遣のバイトに登録する感覚で身分証のコピーを渡し、書面に名前と連絡先、住所、生年月日、大学名を書いた。
書面に「AV」の記載はなく、グラビア撮影と思った。(略。)
数日後に制作会社で面接を受け、さらに数日後、プロダクションから「AV出演が決まった」と連絡があり、ようやく事の重大さに気づいた。
「絶対に嫌です」
狭い応接室で三時間以上、泣いて懇願したが、三人の男性に囲まれ、どう喝され続けた。
身分証や裸の写真が脳裏をよぎった。
「契約書へのサインがある。違約金を払えるのか」
「親や大学にばらす。親は泣くぞ」

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工女たちですが、厳酷な(むごいほどきびしい)労働環境のもとで使役されました。
結果、罹患するものたちが頻出しました。

(「女工哀史」より引用。)
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女工72万人のうち一万6500人が亡くなった。
結核が4割を占めていた。

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香西咲さんのTwitter(2016年6月14日)より、引用。

慢性胃炎や膵炎、睡眠障害、脅迫観念、対人恐怖症等(特に男性)など、
ケジメを付けない限りは一生引きずりますね。
健康を返して。

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週刊文春2016年7月21日号より、引用。

事務所の言いつけ通りに仕事をこなす日々。
夢のためにと笑顔を作って自分を奮い立たせたが、気がつけば、アルコールと睡眠薬が必需品になっていた。

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ストレスから円形脱毛症になり、全身がけだるく、胃腸は毎日、抉られるように痛みました。
自分で救急車を呼んだこともあった。
屈辱がフラッシュバックし、衝動的に命を絶ちたくなることも・・・・・・。
このままでは夢を叶えるどころか廃人になってしまう。

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当時、結核は、不治の病といわれていました。
工場側は、工女が結核になると、粗末な小屋に収容しました。
他者への伝染を防ぐためです。
小屋の周囲に縄を張り巡らせて、ひとを近づけないようにもしました。
けっして医者に診せようとはしません。
家族へは、すぐに引取りにくるように、と連絡をします。
病気になれば解雇され、駆逐される(追い払われる)という状況でした。

賃金も、契約前に吹聴されていたこととは違っていました。

(「昭和ひとけたの時代」より引用。)
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工女たちの賃金は、恐ろしいほど低かった。
インドよりも下の労働賃金といわれていた。

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低いだけではありません。
賃金は毎月支払われず、支給日は盆と正月の2回だけでした。
現金ではなく、布地や帯などの現物で支払われる場合もあったようです。

罰則もありました。
製造した糸の品質が悪いと、罰糸、といいまして、賃金のなかから罰金が差し引かれました。
「メイド イン 東南アジア」によりますと、罰糸がつづいて、借金をかかえこむ工女もいたそうです。

現役女優から「死にたい」というメールが届く――AV出演強要の実態(下。2015年11月08日)から引用。

<PAPS相談員の金尻カズナさんのことば>
また、プロダクションが用意したマンションの部屋に引っ越しさせられて、借金を背負わされることもあります。とても高額なマンションなので、敷金・礼金が100万円くらいかかる。それをプロダクションが前払いして、初回の出演契約をさせています。つまり、債務奴隷です

また、ある相談者は「あれはカルト宗教だった」と回想していました。たしかにカルト宗教に近い問題があります。それは、甘い言葉で勧誘し、まるで家族のように親しく接近し、居住の自由を奪う家族や社会から孤立させる。「相談役」もいる。断ったり指示に従わなければ「違約金を支払え」と恐怖をあおるそうやって、女性たちに考えないようにさせ、抜け出せないようにさせています
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東京新聞2016年6月14日より引用。)
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「AV業界は今、特殊な世界ではなく、ちょっとした心の隙があれば、誰でも取り込まれる危険がある」
女性は何度も繰り返した。

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「ちょっとした心の隙があれば、誰でも取り込まれる危険がある」
100年前も現在も、何も変わっていません。

週刊文春2016年7月14号より、引用。

人気AV女優の香西咲氏(30)は今回のインタビューで、呼び起こしたくない過去に向き合い、何度も悔し涙を流した
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こういうことは二度とあってはなりません。
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2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016月7月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016月7月29日 香西咲さんのインタビュー記事が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
 --出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは
 A氏 当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

香西咲さんのことを考えると「あゝ野麦峠」が頭を過ぎります

現在、某業界の悪行が囂しい(かまびすしい。騒がしいとの意味)です。
正直いって、この世界は、廉潔(れんけつ。心や行いが正しいとの意味)ではありません。
一番の問題点は、女性を消耗品としてあつかっているところではないでしょうか。
報道等に接していますと、100年以上も前の「あゝ野麦峠」の時代が想起されます。
あれからもう、1世紀以上も経過しています。
現況を鑑みると、日本という国は基本的に何も変わっていないのかもしれません。
暗澹(あんたん)たる気分になります。

本日は、「あゝ野麦峠」の時代を振り返ってみたいと思います。
参考文献は、以下のとおりです。

 ・角川文庫刊「あゝ野麦峠」(山本茂美著)
 ・岩波文庫刊「女工哀史」(細井和喜蔵著)
 ・岩波ジュニア新書刊「メイド イン 東南アジア」(塩沢美代子著)
 ・農文協刊「昭和ひとけたの 時代」(近藤康男著)

高校生ぐらいのときに読んだ本もあります。
本日、本棚の奥から引っぱりだしてきました。
なお、引用の箇所につきましては、リライトを施しているところもあります。

(「あゝ野麦峠」より引用。)                     
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午前(朝の)4時。ボイラーに火がはいる。      
「起床!!」                              
4時30分。                             
工場内は、ウワーという声がおこり、火事場のようなざわめきに変わる。
いっせいに人の波が工場内へ流れこんでいく・・・・・・
それが日課であった。      
「おはよう」もなければ、「こんにちは」もない。
そんな挨拶をしている時間は彼女らにはないのであろう。                        
「こらこら!! なにをねぼけているんだ!」                
検番のどなる大声が響きわたる。
「ここをどこだと思っているんだ。寝ぼけているやつは水をぶっかけるぞ!」
ここのところ毎晩10時まで作業が続いたため工女の疲れはとれず、生産能率はガタ落ちしていた。
          
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100年以上も前の、ある紡績工場の一場面です。
紡績とは、糸をつむぐ、という意味です。
工場では、原料の繭(まゆ)から、生糸(きいと)を生産していました。

紡績工場で働く労働者は、女性の割合が高く、全体の75%を占めていました。
この女性たちを「工女」、または「女工」と呼びました。
工女たちの大部分は20歳未満です。
14歳未満の労働者も1割半程度存在していました。
当時、日本は、輸出産業の要(かなめ)として、紡績産業の振興に力をそそいでいました。

工女たちの一日の労働時間は、12時間から15時間です。
繁忙期には、上述した例のように、17時間半という長きにわたって酷使されることもありました。

女性たちには、休憩や休息時間がほとんどあたえられませんでした。
あわせて、40分から50分程度だったようです。

徹夜で働かされるときもありました
石原修さんという医師が、深夜業の実態を調べたことがあります。
深夜業の週には工女たちの体重が減っている、との報告が残っています。

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(女工小唄より。)
「工場づとめは監獄づとめ 金(かね)のくさりがないばかり」
                                     
(「あゝ野麦峠」より引用。リライトしてあります。)                     
「なに?具合が悪いって!? ふざけるんじゃないよ!!」
検番は、そう言いながら、一人の工女の台に近づいていった。
「よし、病気ならオレがすぐなおしてやる、立て!!」
検番は語気荒々しく工女の胸元をつかむと、激しい平手打ちが続けざまに頬に とんだ。
「ヒーッ」
という悲鳴とともに髪がくずれた。
髮の毛にさしていたクシが折れて3、4メー トルも飛び、工女はぬれた床板の上に倒れた。
そばで働いていた2人の工女がみかねて検番を止めようとしたが、この2人も また平手打ちをくって引きさがった。
「よく覚えておけ!おまえらの病気にはこれが一番きくんだ」
と、検番は叫んだ。
                            

(女工小唄より。)
「工場は地獄よ 主任が鬼で まわる運転 火のくるま」                                  

(「女工哀史」より引用。リライトしてあります。)
西原イクという工女が、深夜業のときに居眠りをしたので罰をあたえられた。
頭がうまるほど篠巻を持って立たされた。
主任は無責任にも、彼女に直立を命じておきながら、自分は休憩に出ていってなかなか帰らないのであった。
彼女は正直にも重たい篠巻を持って言われるままにしていたが、その手は自然とたれ下がった。
するとそこへ休憩時間を倍も過ごした主任が帰ってきて、
「なんやお前、そんな横着な持ちかたして!」
と叱るが早いか、彼女の頬を一つ殴った。
それでなくとも、十分疲れている彼女は、殴られた勢いに体がふらついて、思わず持っていた篠巻を落とした。
すると、その2、3本が主任の足にあたった。
重いうえに、両端には金属がついているから、そうとう痛い。
主任は怒った。
そして、いきなり彼女を突き飛ばしたのであった。
そのとき、恐ろしいことがおこった。
彼女が突き飛ばされたところは、ちょうど歯車がまわっていた。
魔のような歯車は、彼女をかみ殺してしまった。
人には、彼女の不注意で死んだと伝えられた。
            
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このように、当時の工女たちは、病気やわずかな誤謬(ごびゅう。誤りの意味)で殴られたり、命を奪われました。

このため、逃げる工女たちが続出します。
「あゝ野麦峠」には、
鳥の鳴かない日はあっても工女の逃げない日はなかった
と記されています。

いざ工場を飛び出してみたものの、故郷へ帰るだけの金銭は所持していません。
追いつめられ、絶望した女性たちは、死を選びます。

(「メイド イン 東南アジア」より引用。)
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工場の周りの湖は、身を投げる工女の死体で、湖の底が浅くなったといわれました。
鉄道の踏切には、自殺防止の立て札まであらわれました。

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ある日のことです。
工場の機械が突然、止まりました。
当時の動力源は、水車です。
係員が湖へ行ってみると、水車に、工女の死体がからみついていました。
その女性(16歳)は、つぎの遺書を残していました。

(「あゝ野麦峠』より引用。)
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借金がまだ終わらず、申し訳ありません。
親不幸をお許しください。
私の体はもうだめです。さようなら。スズ

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工場側は、逃亡を防ぐための方策を講じます。
これが酷烈なのものでした。
つづきは明日のブログでご紹介をします。
この文章を書いている間ずっと、つぎの文言がぼくの頭のなかを支配していました。

香西咲さんのTwitter(2016年6月27日)より、引用。

アットハニーズ(会社解散済)青木亮に飼い殺しにされてる時は毎日死にたくてたまりませんでしたよ。
(後略。)

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香西咲さんのTwitter(2016年7月12日)より、引用。

私は前の事務所に洗脳され、枕影響迄されられてたんですよ?
苦肉の策として独立して今こうしてAV女優活動をしてる事の何が悪いのですか?
(後略。)

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香西咲さんのTwitter(2016年7月13日)より、引用。

契約書を縦に止めさせてもくれない、
かと言って事務所に居続けたら、
V撮影と性接待(勿論金銭のやり取りなし)に都合良く使われて青木亮に飼い殺しになる…本気で死にたかった。
あの頃の私はトラックに突っ込んで欲しかった。

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2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016月7月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016月7月29日 香西咲さんのインタビュー記事が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
 --出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは
 A氏 当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

香西咲さんを悲しませた某ライターのブログ記事を読んでみました

7月18日(月曜日)のことです。
ぼくは1年半ぶりに、香西咲さんのツイッターを訪問していました。
出演強要の件が知りたかったので、とりあえず今年の5月のツイートまで遡及しました。
途中、つぎのような書き込みに目が止まりました。

香西咲さんのTwitter(2016年7月16日)より、引用。
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自称AVライターの記事。結局何が言いたいの?趣旨はどこ?(後略。)
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気になりましたが、一瞥したあとすぐに、先のツイートへ進みました。
ぼくには、買ってそのままにしてある週刊文春と対峙するという難事が控えています。
目の前の二冊には、香西咲さんの特集記事が掲載されています。
ぼくはツイッターのなかの出演強要に関する文章に焦点を絞って追いました。
それがおわると、香西咲さんのブログのリンクをクリックしました。
「決断」と書かれたタイトルの文章を耽読させていただきました。
嘆息してから、週刊文春を開きました。
読了後の衝戟(しょうげき。激しい動揺の意味)もあって、先のライターの件は忘失していました。
最近になって、あのときの記憶が喚(よ)び起こされましたので、そのライターさんの記事を検めて(あらためて。チェックしての意味)みました。

筆者はライターアケミンさんといいます。
平易な文章です。
ブログですので、わざと文章をくずして書いているのでしょうか。
饒舌な文体と相俟って、女性が快活におはなしをされている様子がつたわってきます。
読了しました。
ぼくは、連歌(れんが)を眺めているような気分となりました。
連歌とは、数百の短歌を文字鎖のように連ねたものです。
つまり、各々(おのおの)の事柄に対して、結論がありません。
このかたの文章もそうです。
帰結をせずに、その都度、自分の頭に浮かんだ事象を散漫につなげているとの印象をうけました。
そのため、ぼくには、諒解する(事情を汲んで承知する)自信がありません。
まあ、それでも、自分なりになんとか判読してみたいと思います。

このかたはまず、週刊文春に掲載された香西咲さんの悲嘆について、つぎのように述べています。
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この記事だけでは、香西咲さんがいっていることが本当なのかどうかはわからない。
相手の事務所側の言い分もきちんと紹介すべきである。

香西咲さんのデビュー作に関する批評をみた。
それを読む限り、週刊文春に書かれているような強要は感じられない。

香西咲さんたちのような女優には、そもそも、人格(自律的意志を有し、自己決定的であるところの個人との意味)というものが存在しない。
商品なのだから、よけいなことはいわず、従順に奉仕をすればよい。

このような感じでしょうか。
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強要の記述につきましては、つぎのように解釈しました。
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ライターアケミンさんは、ブログのなかで、ある現役の女優さんの実例を紹介しています。
この女性は、現在の職業につく前に、逡巡していたそうです。
女優になるか否かで。
そのときに、親から、マスカッツみたいな活動をしたらいいんじゃない、と何気なくいわれたといいます。
その後、この女性は、親に背中を押されるようなかたちで、女優となりました。
筆者にいわせれば、これも強要だそうです。

つまりライターアケミンさんは、こういいたいのかもしれません。
強要などというものは、日常の生活のなかに、ごく自然と存在している、と。
この女優さんはのちに、後悔の念をあらわしたそうです。
これに対して、ライターアケミンさんは、こういいます。

いまは女優として活躍しているわけだから、だまされたということにはならないでしょう、と。

香西咲さんがいまこうして輝いていられるのは、当時の事務所がこの世界に入ることを勧めてくれたからです、とでもいいたいのでしょうか。
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洗脳に関して、ライターアケミンさんは、自己暗示等もこれに含まれるとおっしゃいます。
大きな仕事をなしとげるためには、自分自身を鼓舞させないと、途中で挫折してしまう。
そうなると、本人も事務所側もおたがいに不幸になってしまうといいます。
ライターアケミンさんは、香西咲さんがいう「洗脳」は、自己暗示や、自身に対する鼓舞の一種であった、と考えておられるのでしょうか。
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このかたの職業はライターのようです。
ライターといえば、一見聞こえがよいですが、実情は芳しくないようです。
その仕事だけでは食べていけずに、いろいろな職をかけもちしているかたも多いと聞きます。
もちろん、このかたがどのような境遇にあるのかは存じませんが。

検索をしてみましたところ、ある「まとめサイト」にこのかたのことが書かれていました。
真偽のほどはわかりませんので、昨日のかたと同様に、ライターアケミンさんのツイッターを訪問してみました。

<ライターアケミンさん(2016年6月12日)>
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朝の地震といい、いろいろ揺れるけどシッカリしよう。

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いろいろ揺れる
前後のツイートを確認しました。
どうやらつぎのことを指しておられるようです。
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「産経ニュース」2016年6月12日版より引用。)

 大手AVプロダクション元社長ら逮捕 女性「出演強要された」 労働者派遣法違反容疑

経営していた芸能事務所に所属していた女性を、実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして、警視庁が11日、労働者派遣法違反容疑で、大手AVプロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の40代の元社長ら同社の男3人を逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。
女性が「AV出演を強いられた」と警視庁に相談して発覚した。

逮捕容疑は平成25年9月ごろ、マークス社に所属する女性を、みだらな行為を含む撮影のためAVメーカーに派遣したとしている。
複数の女性が類似の相談をしており、メーカー側も女性が嫌がっていることを知った上で撮影していたとみられる。

警視庁はマークス社やグループの「ファイブプロモーション」(同)を家宅捜索。
メーカーの「CA」(港区)、「ピエロ」(練馬区)も捜索した。

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朝日新聞は、この事件の続報をつたえています。
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朝日新聞2016年6月13日版より引用。)

 女性をAVに出演させた疑い プロダクション社長逮捕

アダルトビデオ(AV)の撮影のために所属女優を派遣したのは違法だとして、警視庁は、芸能プロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の元社長村山典秀容疑者(49)=世田谷区代沢3丁目=ら3人を、労働者派遣法違反(有害業務就労目的派遣)などの疑いで逮捕し、13日発表した。
保安課によると、ほかに逮捕されたのは同社社長古指隆士容疑者(50)=世田谷区宮坂2丁目=と男性社員(34)。
3人は2013年9月30日と10月1日の両日、同社に所属する20代の女性をAV制作会社に派遣し、公衆道徳上の有害業務にあたるAVに出演させた疑いがある。
同課は3人の認否を明らかにしていない。
女性は09年ごろ、「グラビアモデルの仕事ができる」と説明を受け、タレントとしてマークス社と契約。
その後にAVに出演する契約書にも署名したが、同社に契約解除を求めても、「親に請求書を送る」などと解除に応じてもらえなかったという。
女性から昨年12月に相談を受けていた警視庁は今年5月下旬、同社AV制作会社を捜索。
女性の相談内容などから、労働者派遣法が禁じる有害業務への派遣にあたると特定したという。

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ふたたび、ライターアケミンさんのツイートを引用させていただきます。

<ライターアケミンさん(2016年6月12日)>
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 ~初美沙希 (さきっぽ)さんへの返信~
@saki_hatsumi さきっぽありがとう。いろいろ代弁してくれてる。今日は私も泣いたよ。
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本当にね、悔しい気持ちでいっぱいです。
今日は一日中、ただシッカリしないとってなんども言い聞かせてる。
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昨日は本当に諸々ショックで悔しくて早々にふて寝してしまったけど、起きて色んな女優さんのツイートを見て心励まされた。
ヘタなこと言えないけどそもそもAV強要するような事務所にあんなに多くのモデルは所属しないし、300本以上やって今更強要とかありえないってこと…かな
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西加奈子さんの「サラバ」でお姉さんが言った「あなたの信じるものを他の人に決めさせてはいけないわ」という言葉を繰り返し心で念じてる。
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こういうと大げさかもですが、自分の信じていたものが真っ向から否定されるような報道ってやっぱり傷つくんですよ。もちろんこれに始まったことじゃないですが。
ただ世間の見方ってこうなんだなーとかそういうのも無視できないよね、と。…(完全独り言)

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この報道がされたとき、ぼくは見出ししかみていませんでしたが、国民は快哉(かいさい。ああ愉快だと思うこと、胸がすくことの意味)を叫んだと思います。
ライターアケミンさんは、これとはちょっと違うお考えをおもちのようです。
上述のツイートだけでは判断がつきかねます。
悪徳事務所の洗脳、強要につきまして、ライターアケミンさんはどのようなお考えをおもちなのでしょうか。
ぜひ、そのあたりをブログやツイッターなどでお書きになってほしいものです。

はなしは変わります。
今夜(20時12分)、毎日新聞のWebサイトに、A氏(青木亮)のインタビュー記事がアップされました。
酷い内容です。
とくにこれは。

(引用)
--出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?

A氏 当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。

目を疑いました。
読み直しました。
つまり、青木は、これまではきちんとやっていなかった、ということを公の場で明言したのです。
ついうっかりと口をすべらせたのでしょうが、これは今後、大問題になると思います。
聞き上手の毎日新聞の記者に拍手喝采です。
——————————————————–
2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016月7月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016月7月29日 香西咲さんのインタビュー記事が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

一般の人々の疑問 ~香西咲さんはなぜ、現在も女優をつづけているのでしょうか?

香西咲さんのTwitter(2016年7月13日)より、引用。

契約書を縦に止めさせてもくれない、
かと言って事務所に居続けたら、
V撮影と性接待(勿論金銭のやり取りなし)に都合良く使われて青木亮に飼い殺しになる…本気で死にたかった。
あの頃の私はトラックに突っ込んで欲しかった。

——————————————————–

読むのがつらいです。
自分が感じているこの憤りをどこへぶつけたらよいのか。
このツイートを読まれたほかのかたたちも、ぼくと同じ気持ちかもしれません。
心がかきむしられます。
許せないです。
絶対に。
誰しもが共通して感じられた義憤なのではないでしょうか。
週刊文春では二週にわたって、このような香西咲さんの閉塞的な状況を詳細に叙述しています。

その後、香西さんは、各種メディアに登場されました。
その一連の記事や映像をみて、一般のみなさんがいまひとつ肯首できないのはつぎの点ではないでしょうか。

「なぜ香西咲さんは、現在も変わらずに、女優をつづけているのだろうか?」

この点について、香西咲さんは、丁寧にかたっています。
ただ、読者や視聴者にとっては、晦渋(かいじゅう。言語や文章などがむずかしくて意味のわかりにくいことの意味)かもしれません。
前半の部分(悪徳事務所時代)があまりにも衝撃的ですので、いまひとつ理解できないというかたもおられることでしょう。
そういうかたにとっては、前半と、後半(現在)との間に、ミッシングリンク(失われた輪)が存在しています。
正直ぼくも、時折、心が揺れます。
心が千々(ちぢ)に乱れます。

そういうとき、ぼくは、香西咲さんのつぎのツイートを拝見します。
これを読むと自分のなかにある漠(ばく)としたものがすべて氷解します。
雲散霧消します。

香西咲さんのTwitter(2016年7月18日)より、引用。

私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。

(後略。)

——————————————————–

これがすべてです。
リセットしたいが、もう変えることはできない。
ここに、香西咲さんの哀しみが表象(象徴)されています。

ここで、
現役女優から「死にたい」というメールが届く――AV出演強要の実態(下。2015年11月08日)
のなかに掲載されている記事から、その一部を引用させていただきます。

(引用)
<山下真史さんによる問>
女優たちはAVに出たくて出ていると思っている人も多いと思います

<PAPS相談員の金尻カズナさんのことば>
私たちの知っている現実では、彼女たちは、実際には身バレしているので、たとえ辞めたくてもこの業界以外の就職先がないような状況です。だから、『もはや、この業界でしか生きていけない。(後略。)
——————————————————–

つぎのようなツイートもあります。

香西咲さんのTwitter(2016年7月18日)より、引用。

私は出てしまった以上変えられない過去を踏まえ、前向きに生涯をどう構築して行くかを模索中です。
——————————————————–

週刊文春WEB(2016.07.07)より引用。)

香西氏は2011年10月にAVデビューしているが、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていた。だが、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ、香西氏は出演せざるを得なくなってしまった。

ちなみに、この犯罪行為を中心となっておこなった輩(やから)が、
(引用)
かつての所属事務所「マークス(後にマークスインベストメントと社名変更)」の青木亮社長
です。

香西咲さんはこいつらに、未来を破壊されたのです。

はなしは変わります。
最近ぼくは時折、「出演強要」などの語句をつかいまして、ネット検索をおこなっています。
過去1年半の間、ぼくは、香西咲さんが所属している業界の話題にふれることを忌避(避けるの意味)してきました。
目をそらしてきました。
この種の検索などは一度もしたことがありません。
昨年の9月に、AV違約金訴訟に関して、勝訴判決がでました。
今年6月には、出演強要をおこなったマークスジャパンの関係者が逮捕されました。
このときも、見出しを眺めたくらいで、記事の中身を熟読することはありませんでした。

最近、検索をしているとよく、俗にいう「まとめサイト」がヒットします。
ほとんどは途中で閉じてしまいますが、めずらしく最後まで斜め読みをしたページがあります。
そこには、荒井禎雄さんという元AV監督のツイートが4つほど紹介されていました。
意外性のある内容でした。
ぼくはこのような稚拙なサイトに書かれていることをそのまま信じるほど愚かではありません。
実際に荒井禎雄さんのツイッターへいって、読んでみることにしました。

当該本人は現在、ライターをされているようです。
とりあえず、今年の6月までのツイートを遡ってみました。
元AV監督となっていますが、現在でも明らかに業界寄りのかたです。
応援団といった趣もあります。
その姿勢ゆえ、ぼくには受け入れる素地がまったくありませんでした。
ただ、以下の書き込みは考えさせられるものがありました。
引用させていただきます。

<荒井禎雄さん(2016年6月12日)>
——————————————————–
思えば、去年の末から今年の1月辺りが山場だったんだよ。その時点でAV業界が危機感を持って「これまでの村ルール」を変えられなかった点で負け確定。ほんとどうしようもない。
——————————————————–
今の時点で何かセックスワーカー(今回のケースではAV)を守る手段を考えるとしたら、もうパッケージ商売(いわゆるDVD販売)という形でのAVは捨てるしかない。だから言っただろう、法律を厳密に解釈すればAVは違法なんだって。
——————————————————–
ちなみに、まだ捜査中なので表に出てない情報が色々あるんだけど、そっちもそっちで非常に絶望的な内容。モザイクが入ろうと入るまいと、AVは「警察の思惑次第でいつでも逮捕できるレベルで違法」なんです。これで誰の言い分が正しいかわかっただろう。
——————————————————–
それくらい、日本の法律はAV(というかセックスワーク)に対して厳しい。これまではそれを「当局の都合」でお目こぼしされていたんだけど、今やオリンピックに向けた浄化作戦が再び勢いを増しており、それとHRNなんかが噛み合っちゃった。その結果がコレというお話である。
——————————————————–
警察に「有害業務」を持ち出されたら、(ほぼ)セックスワーク全てが不法行為とされると考えていい訳で。本来はもっと早くセックスワークの業界がこうした法律の問題点を指摘して、改正なりなんなりに向かうべきだったよなあ。それが出来なかった時点で、こういう無茶苦茶な話になっても仕方ない。
——————————————————–
で、こんな状況になっても、セックスワーク業界を身体を張って守ろうなんて知識人や、社会的に影響力のある人間なんか出て来ない。これがさっきも言ったけどAV業界の最大のミスである「味方を作れなかった=世間に理解される必要性を軽んじた」ことのツケだ。もうどうにもならんよ。
——————————————————–

<荒井禎雄さん(2016年6月13日)>
——————————————————–
え~?今回のAV業界の騒動に対して「HRNが黒幕」とか言ってる連中がいるの?それはさすがに頭が悪すぎるだろう。
たまたま流れが一致した部分があるってだけで、HRNだの人権派弁護士だのが騒いだからって警察が働くわけないだろ。そこが要因じゃないよ。たまたま流れを使われただけだ
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<荒井禎雄さん(2016年6月16日)>
——————————————————–
そもそも、「その仕事は本当に合法なのか」が解らないような状況なのに、儲け至上主義でとにかく金が動いて、結果としてそれ目当てに参入してくる人間が増えすぎて、基礎知識のお勉強がおろそかになって、気付いたらこのザマってのが正解だと思う。創成期の先人に冷や飯食わすような業界だしな。
——————————————————–

<荒井禎雄さん(2016年6月18日)>
——————————————————–
「300本とか400本とかAV出てるのに強制されたはないだろ」という声が挙がっているが、セックスワーカーの事を思うなら「出ていた本数なんか問題じゃない」が実は正解。まともな精神状態が保てず、ある種の本能的な自己防衛として自ら洗脳してた可能性だってある
——————————————————–
騒動が大きくなりだした去年末くらいに、大手メーカーがもっと危機感をもって、やるべき事をやってれば、こうはなっていなかっただろうね。ほんと甘く考えすぎた、自分達にしか通用しない村ルールが永遠に続くと思い込んだ、その辺りが滅亡の直接の要因かもしれん。
——————————————————–

なかなか鋭い指摘です。
また、以下のツイートも大変興味深かったです。
業界に近いひとでも、つぎのようなことを考えていたようです。

<荒井禎雄さん(2016年6月26日)>
——————————————————–
AV業界の何が不幸って、AVという文化やジャンルのために言論で戦える人間が、ほぼ全員AV業界の外に出ちゃってることじゃないかねえ。現役のAV業界人で、AV業界の今後のための言葉を発せてる人間っているかい? いないとすれば、なんでいないのか理由は解る?それがAV業界の大失態だよ。
——————————————————–
プロレスが一度滅亡したも同然の状況に落ちたのと要因が似てる気がする。結局は大きな力を持った組織(団体、メーカー)の御用聞きみたいな言論しか許されなかっただろ?だから業界全体が逆風にさらされた時に、対抗手段がなくなるんだよ。
——————————————————–
順風満帆の時には耳障りな声だから潰しちまえだの脅しちまえだの考えるのかもしれんが、いざこうなると耳障りな声こそが世間一般に届く声だったりする。それを自ら潰して回ってた業界なんだから、そりゃ無抵抗なサンドバックにもなるよね。
——————————————————–

現役のAV業界人で、AV業界の今後のための言葉を発せてる人間っているかい?
大きな力を持った組織(団体、メーカー)の御用聞きみたいな言論しか許されなかっただろ?だから業界全体が逆風にさらされた時に、対抗手段がなくなるんだよ
順風満帆の時には耳障りな声だから潰しちまえだの脅しちまえだの考えるのかもしれんが、いざこうなると耳障りな声こそが世間一般に届く声だったりする

このツイートは、2016年6月26日におこなわれたものです。
荒井禎雄さんはいま、香西咲さんの言動をどのように評価されているのでしょうか。

本日、久しぶりにテニスをしてきました。
テニスコートへいくと、みなさんから驚きの声をもって迎えられました。
どうしてこんなにも休んでいたの、との質問ぜめにあいまして、返答に疲れました。
プレイのほうは、からだのキレが悪くて、ボールのコントロールもいまひとつでした。
サーブも最初のうちはなかなか入らず、難渋しました。
後半になると決まりだして、けっこう満足して帰ってきました。
テニスはやっぱり楽しいです。
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2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016月7月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

国民は香西咲さんの味方です。世論の後押しがあります

昨日のつづきです。
書き忘れましたが、参考文献は、イタイイタイ病対策協議会が発刊しました訴訟の記録です。
その他、関係する資料等を参照させていただきました。

昨日のブログでは、被害者の住民たちが訴訟を決意するところまで記しました。
住民を支援する弁護士たちも、弁護団を結成します。
島林弁護士にとって忘れられないことばがあります。
——————————————————–
私はもう歳だからしょうがないが、この嫁にあの痛い思いをさせたくない。
裁判でもなんでもしてください。
——————————————————–
1986年のことです。
被害者である原告の28人は、三井金属神岡鉱業所を相手にして、訴訟を提起しました。

イタイイタイ病は、神通川の水を利用する地域のひとたちだけが発病する。
神通川は三井金属が流す廃水に含まれるカドミウムによって汚染されている。
弁護団は、これを論点にして、裁判を進めることとしました。

裁判の冒頭から、三井側は、カドミウム説を全面的に否認します。
その後も、証拠調べに入ることを拒みつづけます。

これに対して、原告側は、早期の現場検証を求めました。
裁判官に実情を知ってもらうためです。

しばらく経った日のことです。
婦中町から三井金属神岡鉱業所にかけて、現場検証がおこなわれました。
亜鉛を精錬したあとに出る残滓(ざんし。のこりかすの意味)がある堆積場に向かおうとしたときです。
正午をまわっていました。
被告の三井側から、要望がだされました。
「現場検証の時間は正午までです。これで打ち切ってほしい」
と。
裁判官は、打ち切りを決定しました。
当初の懸念どおり、裁判は先に進みませんでした。

悪いことばかりではありません。
地元の婦中町の議会が、全会一致で、イタイイタイ病訴訟の支援を決定したのです。
100万円が拠出されました。

このことを知った富山県が、疑念の意を表します。
「訴訟援助には法的に疑義がある」
県の方針は、工業の振興です。
企業に抗(あらが)うことはなどは許されない行為です。

世論は逆でした。
被害者を救え、という声が日増しに高まっていきます。
呼応するようにして、富山県内のほとんどの市町村が、イタイイタイ病訴訟の支援を決議します。

1969年、証人尋問が始まりまた。
被害者側の証人として出廷した金沢大学教授の石崎有信さんは、つぎのようなことをのべました。
——————————————————–
動物実験の結果、カドミウムによって、腎臓の異常と骨の疾患がみられました。
つまり、カドミウムが原因で、イタイイタイ病が発症しているのです。
——————————————————–

三井金属神岡鉱業所の病院長は、三井側の証人として、つぎのように陳述しました。
——————————————————–
我が社の従業員は、仕事上、カドミウムにさらされているが、異常はない。
低濃度のカドミウムを動物に投与する実験もしたが、こちらも異常がなかった。
したがって、イタイイタイ病の原因がカドミウムであるということは、まだ証明されていない。
——————————————————–

これに対して、被害者側が反論しました。
「三井側は、原因がカドミウムであることの証明はないと言うが、三年前に行われた神岡鉱業所の検診では、16人中6人もの従業員に、慢性カドミウム中毒の症状があらわれていたのではないか」

つづいて、患者の悲惨な実態があきらかとなりました。
証人として出廷した患者の小松みよさんは、イタイイタイ病のために、身長が30cmも縮んでいました。

裁判が膠着しているなか、21人の患者が亡くなりました。
出口はみえてきません。

この裁判の争点は、因果関係があるのかないのかです。

三井側の主張は、簡単にいいますと、こうです。
——————————————————–
カドミウムを川に流したから(原)、イタイイタイ病になった(結)」
   カドミウムを川に流した(原因)→イタイイタイ病になった(結果)
原告側(被害者側)は、このような因果関係を主張していますが、このことを科学的に証明できますか。
——————————————————–
つまり、カドミウムによる人体への影響やその仕組みが解明されない限り、因果関係があるとはいえない、という主張です。
たとえば、タバコを吸うとガンになる、という説があります。
   タバコを吸った(原因)→ガンになった(結果)
両者に因果関係があるのか、といいますと、これはむずかしいです。
タバコの常習者が必ずしもガンになるとは限りません。
終生、健康なひともいることでしょう。
タバコを吸うとストレスがなくなるので、害があるどころか健康である、というひともいるかもしれません。
このように考えますと、カドミウムとイタイイタイ病の間の因果関係を医学的に立証することは大変困難です。

これに対して、島林弁護士は、つぎのように反論しました。
——————————————————–
三井側は、イタイイタイ病発病のメカニズムが明らかにならないと責任は認められない、と主張している。
しかし、カドミウムが体内にどれだけ吸収されて発病するかはこの際、意味が無い。
裁判の争点は、発病の原因がカドミウムであることがわかりさえすればよいのです。
早く結審するべきです。
——————————————————–

こうしたなか、最高裁判所にも動きがありました。
1970年、最高裁判所は、全国の裁判官を集めて、公害裁判の問題点を議論しました。
討論の結果、
「今後の公害裁判では、加害企業に立証責任を負わせるべきだ
との意見集約をおこないました。
つまり、被害者保護の立場を明確にしたのです。

1971年6月30日、判決が出ました。
——————————————————–
因果関係の立証には、必ずしも科学的な証明が必要ない。
——————————————————–

画期的な判決でした。
裁判所は、被害者側の訴えを全面的に認めたのです。
日本の公害裁判史上はじめて、原告が企業に勝訴したのです。

三井金属側は即日、控訴しました。
翌年の控訴審でも、被害者側が勝ちました。
上告はされず、判決が確定しました。

このあとにつづく、新潟水俣病、四日市ぜんそく、熊本水俣病の裁判においても、被害者側が勝訴していきます。
イタイイタイ病の裁判は、これらの嚆矢(こうし。物事のはじまりとの意味)となった画期的なものでした。

めでたしめでたし、といったところでしょうか。
最後は勝ったのですから。
ただ、そこまでの道のりが辛苦でした。
簡単に振り返ってみます。

小松義久さんが対策協議会をつくろうと呼びかけても、誰も応じませんでした。
——————————————————–
「米がカドミウムに汚染されているというレッテルがはられると、誰も買ってくれなくなる」
——————————————————–

島林樹弁護士が、訴訟の提起を求めても、薄弱な意見ばかりでした。
——————————————————–
「大企業を相手にしての裁判で、勝ち目があるのか?」
「裁判が長期化して、患者は皆、死んでしまうのでは?」
——————————————————–

このペシミスティック(悲観的)な考え方を一変させたのが小松義久さんでした。
——————————————————–
訴訟をおこせば、米が売れなくなるとか、嫁がこなくなるとかいう、抵抗感は根強い。
仮に、三井との裁判に敗れることがあれば、わたしたちは地元にいることができなくなるでしょう。
先祖代々の戸籍を持って町を出なくてはならない。
でも、子供や孫の将来のためです。
そのために、いま、わたしたちが裁判をやるしかないでしょう。
——————————————————–

でも、子供や孫の将来のためです。そのために、いま、わたしたちが裁判をやるしかないでしょう。
いいまわしは違いますが、このことばは、香西咲さんの現在の行動と重なります。

香西咲さんのツイッター(2016年6月23日)より、引用。

私が独立してまで業界に戻ってきたのはそこ!
同じ被害者も出したくないし、メーカー制作女優…皆が納得して同じ方向を目指し良い物を作って行きたい。
後の私は女優、一般女性のサポートに徹したい。(後略。)

——————————————————–

裁判官といいますと、誰からの影響も受けることなく、蟄居(ちっきょ。家にこもってとの意味)して、判決文を考えているというイメージがあります。
そのとおりなのでしょうけれども、裁判官は意外と世論の動向を気にしているといわれます。
出演強要問題はいま、大きな社会問題となっています。
今後、国会で取り上げられることは必然でしょう。
通常国会は来年の1月からはじまります。
今年の秋に臨時国会が開かれれば、そこで取り上げられる可能性もあります。

香西咲さんのTwitter(2016年7月7日)より、引用。

私の様なしがない1人のAV女優が
大好きな業界の未来の為に出来る事として、
新たな判例を作る事だと思っています。
AV関連の裁判は判例が少なすぎます。
グレーゾーンなのも理解しています。
弁護士の先生でさえ面倒臭がる方も多数。

——————————————————–

週刊文春WEB(2016.07.07)より引用。)

香西氏は2011年10月にAVデビューしているが、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていた。だが、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ、香西氏は出演せざるを得なくなってしまった。

ちなみに、この犯罪行為を中心となっておこなった輩(やから)が、
(引用)
かつての所属事務所「マークス(後にマークスインベストメントと社名変更)」の青木亮社長
です。

国民は、こういうやつらを絶対に許しません。

——————————————————–
2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016月7月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
香西咲さんのツイッター

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

実名で出演強要を告白した香西咲さんにつづくひとはいないのでしょうか

香西咲さんのTwitter(2016年7月18日)より、引用。

私だって普通の女性に戻りたい気持ちもあります。
でも今誰も顔を出せない、名前を上げて意見を言えない
私は微力ながらこの問題に尽力し、それから女性の性環境を整えてこの業界を去ります。

——————————————————–

香西咲さんの憂愁や、もどかしさが伝わってきます。

週刊文春WEB(2016.07.07)より引用。)

香西氏は2011年10月にAVデビューしているが、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていた。だが、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ、香西氏は出演せざるを得なくなってしまった。

ちなみに、この犯罪行為を中心となっておこなった輩(やから)が、
(引用)
かつての所属事務所「マークス(後にマークスインベストメントと社名変更)」の青木亮社長
です。

青木という犯罪者はかつて、香西咲さんをこの業界へ拉致しました。
その後、邪悪な策を弄して心理的な拘束をおこない、搾取と蹂躙の限りをつくしたのです。
青木は、香西咲さんの従順な奉仕によって、悦楽の日々をおくることができました。
我が世の春を謳歌したことでしょう。

現在、この業界は揺らいでいます。
世の中のひとびとは清白さを強く求めています。
変革を迫っています。
刷新を願う市井(しせい。普通のという意味)の人たちにとっては、青木はある意味、功労者に映るかもしれません。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する世界に、香西咲さんをかどわかして(子供や女などをむりやり、または、だまして他に連れ去るの意味)、連れ込んだのですから。
もちろんこれは、アイロニー(逆説、皮肉)です。
本来このような世界にくるはずがない香西咲さんは、高い倫理観をもちあわせた人物でした。
青木の悪事をみすごすことはしませんでした。
香西咲さんは今回、これまで誰もがなしえなかったことをおこなったのです。
この業界における出演強要の実体を実名で告発するということを。

(再掲)
今誰も顔を出せない、名前を上げて意見を言えない。

香西咲さんのおっしゃられるとおりですが、2016年6月12日のときよりは、少しだけ前に進んでいると考えます。
「産経ニュース」2016年6月12日版より引用。)

経営していた芸能事務所に所属していた女性を、実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして、警視庁が11日、労働者派遣法違反容疑で、大手AVプロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の40代の元社長ら同社の男3人を逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。
女性が「AV出演を強いられた」と警視庁に相談して発覚した。

逮捕容疑は平成25年9月ごろ、マークス社に所属する女性を、みだらな行為を含む撮影のためAVメーカーに派遣したとしている。
複数の女性が類似の相談をしており、メーカー側も女性が嫌がっていることを知った上で撮影していたとみられる。

警視庁はマークス社やグループの「ファイブプロモーション」(同)を家宅捜索。
メーカーの「CA」(港区)、「ピエロ」(練馬区)も捜索した。

この逮捕の報道のときには、女優さんたちからの反発の声がいくつかあったといわれています。
今回の香西咲さんの場合は、表向き、このような非難はありませんでした。
人徳です。
おそらくみなさん、香西咲さんのひととなりをご存じなのでしょう。
あの清廉な香西咲さんが不穏当な言辞を弄ろうするはずがない、と誰しもが感じたと思惟します。

女優さんたちは、「今誰も顔を出せない、名前を上げて意見を言えない」のでしょうが、今後、事態が変わることも予想されます。

香西咲さんのTwitter(2016年7月7日)より、引用。

私の様なしがない1人のAV女優が
大好きな業界の未来の為に出来る事として、
新たな判例を作る事だと思っています。
AV関連の裁判は判例が少なすぎます。
グレーゾーンなのも理解しています。
弁護士の先生でさえ面倒臭がる方も多数。

——————————————————–

裁判の結果、悪徳事務所の悪行が断罪されれば、その後、香西咲さんにつづくひともでてくるのではないでしょうか。
「勝ち馬に乗る」(勝負事に勝った人、事業などで成功した者、力のある人の側について恩恵を受けるとの意味)ということばもあります。
香西咲さんはいま、未曾有の所作にとりかかろうとしています。

ここで、ある裁判についてご紹介をします。
最初に断っておきますが、以下のはなしは、香西咲さんとはまったく関係がありません

富山県に、婦中町(ふちゅうまち)という米の産地があります。
戦後、この町で、骨がもろくなる原因不明の奇病が頻繁に発生していました。
この病気は出産経験のある中高年の女性に多くみられました。
患者のなかには、70か所以上も骨折しているかたがいました。
イタイイタイ病です。
当時、この病気の解明に乗り出したのが、地元で医院を開業していた萩野昇さんです。

萩野さんは、イタイイタイ病に罹患した患者の家が、神通川の中流域に集中していることに気づきました。
40kmほど先の上流には、三井金属神岡鉱業所があります。
この鉱山の廃水が原因ではないか、と考えました。

三井金属神岡鉱業所は、鉛や亜鉛を大量に生産しています。
廃水は常時、神通川へ流していました。
萩野さんは患者の骨の分析をおこないました。
鉛や亜鉛のほかに、カドミウムの数値が異常に高いことがわかりました。
カドミウムは亜鉛を精錬するときにでる副産物です。

1961年、萩野さんは、イタイイタイ病に関する研究成果を発表します。
この病気の原因は、三井金属神岡鉱業所が廃水として流しているカドミウムである、と。
この説は、ほかの学者たちから冷笑されました。
ただ、婦中町のひとたちは、理解しました。

小松義久さんという、婦中町で農家をしているかたがいます。
小松さんは祖母をイタイイタイ病で亡くし、母もまたこの病気で苦しんでいました。
あるとき、意を決した小松さんは、他の患者とその家族に対して、いまわたしたちが団結して立ち上がりませんか、と訴えました。
熱意もむなしく、すぐに拒否されます。
米がカドミウムに汚染されているというレッテルがはられると、誰も買ってくれなくなる、というのがその理由です。
小松氏は何度も、説得に参じました。
そのたびに怒鳴られました。
帰ってくれと。
それでも小松さんは諦めませんでした。
やがて、根負けした人々は、協力することを約束しました。

1966年、小松さんを会長とするイタイイタイ病対策協議会が結成されました。
結成から半年後、小松さんたち被害者家族の30人が、三井金属神岡鉱業所へ交渉にいきます。
ようやく会ってくれた担当者は、つぎのようなせりふを口にしました。
もしも、政府や裁判所が、三井に責任がある、とおしゃるのでしたら、このように暑いなかをわざわざおいでにならなくても、こちらから補償にまいります。
天下の三井でございます。
逃げも隠れもいたしません、と。

窮地におちいっていた小松氏のところへ、東京から、弁護士の島林樹さんがたずねてきました。
島林さんは地元の婦中町の出身です。
弁護士となってまだ1年ほどでありましたが、病に苦しむ人の手助けをしたいと思いやってきたのです。

島林さんがのちに語ったことばです。
先のことはみえませんでしたが、被害をこのまま放置してはいけないと強く感じたのです。

被害者住民の集会で、島林さんが力説しました。
このようなひどい公害を許してはいけません。
裁判でたたかいましょう、と。
東京にもどった島林さんは、弁護士仲間に呼びかけて、協力を要請しました。
全国から20人ほどの弁護士が協力を申し出ました。

1968年、弁護士たちと、被害者住民たちとの初会合が催されます。
住民たちが弁護士に対して、質問をぶつけました。
「大企業を相手にしての裁判で、勝ち目があるのか?」
「裁判が長期化して、患者は皆、死んでしまうのでは?」

経験の浅い若手弁護士たちは、返答に窮しました。
集会の雰囲気は、重苦しいものとなりました。
このときです。
住民代表の小松さんが、口を開きました。
——————————————————–
訴訟をおこせば、米が売れなくなるとか、嫁がこなくなるとかいう、抵抗感は根強い。
仮に、三井との裁判に敗れることがあれば、わたしたちは地元にいることができなくなるでしょう。
先祖代々の戸籍を持って町を出なくてはならない。
でも、子供や孫の将来のためです。
そのために、いま、わたしたちが裁判をやるしかないでしょう。
——————————————————–
小松さんのことばに、会場の空気は一変しました。
このとき、三井に対して損害賠償の訴えを起こすことが、満場一致で可決されたのです。

ちょっと長くなりました。
つづきは明日のブログへまわしたいと思います。

——————————————————–
2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
香西咲さんのツイッター

(明日のブログへつづく)



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香西咲さんには、ジャンヌ=ダルクになってほしくない

香西咲さんのTwitter(2016年7月25日)より、引用。

実は私もクローズアップ現代+の取材依頼来て結局相手方から断られました。
出演強要されたのに業界を擁護している事で番組としての落とし所がつかなかったと言う理由らしいけど…
数分の尺でまとまる程単純な理由じゃないから今苦しんでるんですよ

だから今日の放送でどんな取り上げ方をされるのか?私も興味深いです。
クローズアップ現代+

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(再掲)
出演強要されたのに業界を擁護している事で番組としての落とし所がつかなかったと言う理由らしいけど…

週刊文春の記事やツイートを読めばわかるとおり、香西咲さんの所論は瞭然(りょうぜん。あきらかで疑うところがないという意味)としています。

香西咲さんのTwitter(2016年5月28日)より、引用。

私はグレーと言われがちなこのAV業界から白を生み出す自信がある。
だから最初こそ騙されてAVデビューさせられましたが、独立しても今尚こうして続けています。
今は辛抱の期間。
もう少しで時代が変わる!

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香西咲さんのTwitter(2016年7月7日)より、引用。

仰る通りです。
業界に対して恨みしかなかったら私もとっとと去って終わる所でした。
私は業界に対する愛があります、本気で改善に取り組みたい、だから実名報道を選びました。

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NHKの制作のひとたちは、香西咲さんに対して、より旗幟鮮明(きしせんめい。態度・主義・主張などがはっきりしていることの意味)なものを求めていたのかもしれません。
たとえば、ジャンヌ=ダルクのように、颯爽と戦地へ赴く姿を。

ここで、ジャンヌ=ダルクについてふれてみたいと思います。

1339年から1453年にかけて、フランスとイギリスの間で戦争がおきました。
百年戦争です。
戦争の主たるきっかけは、フランスの王位継承問題でした。
簡単にいいますと、つぎの王はだれがなるかです。
それまでフランスを発展させてきたカペー家ですが、やがて血筋が途絶えます。
カペー朝の断絶です。
このあと、ヴァロワ家のフィリップ6世が、フランス王に即位しました。
これに反対したのが、イギリス王のエドワード3世です。
エドワード3世の母親は、フランスのカペー家出身です。
つまり、イギリス王の自分も、カペー家の血を引いています。
そこで、
「王位継承権があるのは私だ」
と主張して、フランスへ進軍したのです。

この戦争は、イギリス側の優勢のうちに進みました。
フランスは陥落寸前の状況まで追いやられます。

このとき、登場するのが、ジャンヌ=ダルクです。
ドン=レミ村という田舎で、羊飼いをしていました。
当時17歳でした。
1429年の2月に、神の声が聞こえたといいます。
「王のもとへゆけ。フランスを救え」
と。
ジャンヌ=ダルクは、フランス王子のシャルルがいるオルレアンへ向かいます。
オルレアンは、フランスの最後の拠点でした。
ジャンヌ=ダルクは、面会した王子に訴えます。
「神は私に戦えといわれました」
と。
熱意にうたれた王子は、ジャンヌ=ダルクを総司令官に任命しました。
ジャンヌ=ダルクは勇猛果敢に戦い、イギリス軍を退けます。
やがて、オルレアンを解放することに成功しました。
このあとフランス軍は、重要な拠点を次々と奪還していきます。

ジャンヌ=ダルクはいつも、旗をかかげて、先頭にたって進みました。
あるときは、相手の矢が自分の首に刺さりました。
それでも、ひるまずに戦いました。
1430年5月23日のコンピエーニュの戦いのときです。
ジャンヌ=ダルクは背後からの敵を必死になってくいとめていました。
このとき、相手の兵士が、ジャンヌ=ダルクの上着の裾(すそ)をつかみ、馬から引きずり落としました。
ジャンヌ=ダルクは捕らえられ、イギリスへ連行されました。
裁判の結果、火刑となり、短い生涯を閉じました。

最後は落命しましたが、なぜ羊飼いの少女がこのような活躍をしたのでしょうか。
ジャンヌ=ダルクは、敵側がまだ戦列を整えないうちに、突如として非情な早さで突入するのが得意だったようです。
猪突猛進です。
これによって相手方は散り散りにされたといいます。
また、自分の使命をかたく信じて、常に自軍の先頭にたって戦いました。
火を吐くような烈(はげ)しい先頭精神と、敵愾心(てきがいしん)が、他の兵隊にも伝わり、皆の戦闘意欲をかきたてたともいわれています。
すごい女性です。

ぼくは、香西咲さんには、ジャンヌ=ダルクになってほしくないです。
端からみているひとには、正義の味方として、大上段から悪いやつらを切りまくってほしい、という期待があるかもしれません。
ただ、最後まで勇猛さを貫けるかというと、ちょっとむずかしいような気もします。
大向こう受けはしないかもしれませんが、現在のように調和を保ってものごとを進められることを願っております。
ジャンヌ=ダルクのような最後になってほしくありませんので。

松山幸雄さんというかたが、皇太子妃の雅子さんについて、つぎのようなことを書いています。
ちなみにこれは、孫引き(他の書物に引用されたものを原典にさかのぼって調べることなくそのまま引用することの意味)です。
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(朝日新聞1993年1月7日版より引用。)

最初に会ったのは、(雅子さんが)外交官になって間もなくのころ。
某大使館の夕食会で偶然真向かいになり、3時間近く、ハーバード、アメリカ、外務省などのことを話したが、聞き上手であると同時に自分の意見をしっかり持っているのに感銘を受けた。
論理的でありながら、決して攻撃的でなく、話の運びが緻密なのに官僚的でない

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「論理的でありながら、決して攻撃的でなく、話の運びが緻密なのに官僚的でない」
ぼくも見習いたいです。
一般に、論理的なことばを使うひとは、論理をたたみ重ねて、相手を説得しようとします。
それゆえ、攻撃的になるのかもしれません。

聖書のなかにつぎのようなことばが書かれています。
ぼくは宗教を否定していますが、とりあえずご紹介をします。

蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい

ヘビに象徴されるような鋭い知性をもち、ハトのようにやさしくありなさい、という意味でしょうか。
キリスト教は嫌いですが、なかなか奥の深いことばです。

ただ、これだけは許してはいけません。

週刊文春WEB(2016.07.07)より引用。)

香西氏は2011年10月にAVデビューしているが、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていた。だが、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ、香西氏は出演せざるを得なくなってしまった。

ちなみに、この犯罪行為を中心となっておこなった輩(やから)が、
(引用)
かつての所属事務所「マークス(後にマークスインベストメントと社名変更)」の青木亮社長
です。
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2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
香西咲さんのツイッター

(明日のブログへつづく)



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香西咲さんに秘められた思い。~「みんなで生きるために」

過日、1年半ぶりに香西咲さんのツイッターを拝見して、驚いたことがあります。
香西咲さんが歌手デビューをされていたとは。
ぼくはこれまで、考えたこともありませんでした。
自分の想像力のなさに対して、忸怩(じくじ。恥じ入るさまという意味)たるものを感じています。

香西咲さんのツイッター(2016年7月23日)より、引用。

圧力によりセクシーJの舞台にはもう立ちません。
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残念です。
歌手として活躍してほしかったです。

香西咲さんのツイッター(2016年7月23日)より、引用。

この様に、思惑通りに行かない女性を圧力をかけて何も言えなくさせて業界から追い払うのも業界の現実。
そして良心的に仕事をしているメーカーも、世間から見たらその業界人と同じ目で見られてしまう事を危惧して下さい。

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香西咲さんのおっしゃる通りです。
世間の目は峻厳です。
のちになって、私たちから、
「十把一絡げ」(じっぱひとからげ)
の取り扱いをされぬよう、業界全体で適切な対応をしてほしいと思います。

それでは、ここで、香西咲さんの最近のご活躍について、簡単に振り返ってみたいと思います。

2016年7月7日のことでした。
香西咲さんに関する記事が、週刊文春に掲載されました。
 人気AV女優・香西咲が実名告発!「出演強要で刑事・民事訴訟します」
 
1週間後の2016年7月14日、ふたたび週刊文春が、香西咲さんの特集を組みました。
 AV女優・香西咲、告発第2弾「私は枕営業を強要されました」

2週連続で、香西咲さんは、週刊文春という社会的影響力が夥(おびただ)しい雑誌に登場しました。
異例のことです。
その後、ぼくは、他のメディアのあとおいを瞠目(どうもく。目をみはるの意味)していました。
特段、反応はありませんでした。
静謐(静かであるという意味)でした。

香西咲さんのツイッター(2016年7月17日)より、引用。

(前略。)普通の女優さんはこの議題には入りません。
皆自分が売れる事で精一杯だから。
でもその子達否定している訳ではなく、そういう子達は応援したいと思います。
私はそういう役目で良いと思います。

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香西咲さんのツイッター(2016年7月17日)より、引用。

現役で実名告発できるのは今は私くらいなものです、 匿名や人伝いの話なんでなにも信憑性がありません。
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香西咲さんの愁訴はやがて、人々の記憶から徐々に消えていってしまうのでしょうか。
ぼくの脳裏に、つぎの言辞が出現しました。
 -「無援の抒情」

これはかつて作家の道浦母都子(みちうらもとこ)さんが上梓された歌集のタイトルです。
道浦さんは学生時代、反安保闘争の闘志でした。
一連の歌はそのときの、たすけのない(無援)自分の感情を述べあらわしたもの(抒情)です。
いくつかをご紹介させていただきます。

(引用。ながらみ書房刊「新装版 無援の抒情」道浦母都子著より。)

 生きていれば意思は後から従きくると思いぬ冬の橋渡りつ

 選ばれし喜び遠く選ばざる悲しみ深く心揺れいん

 「今日生きねば明日生きられぬ」という言葉想いてジグザグにいる

 迫りくる楯怯えつつ怯えつつ確かめている私の実在

 何が起こるかわからぬ不安とある期待交互に体を貫きゆけり

 涙ひとつ流さないのかと言う人を乾く瞳に見すえて去りぬ

 独りになれば私だって泣く街歩みつつ涙とまらぬ

 眠られぬ夜を明かして又想う苦しき今を今を生き抜け

香西咲さんの二つ目の記事が掲載された週刊文春(2016年7月17日)の発売から、3日後のことでした。
2016年7月17日、香西咲さんがなんと、あのみのもんたの番組(「よるバズ!」)に出演されました。

(引用。Abema TIMES~2016.07.17 21:00より。)
 【AV出演強要・脅迫・洗脳】人気AV女優が元所属事務所を告訴
   ( ダイジェスト版の動画も視聴することができます。)

週刊文春で元所属事務所による「脅迫・洗脳」「出演強要」を実名告発したAV女優の香西咲(30)が同事務所を刑事・民事訴訟することを決めた。
なぜこのような決断をしたのか。
香西は17日に放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)に出演し、その事情を語った。

(引用。Abema TIMES~2016.07.17 21:00より。)
香西咲さんがみのもんたのよるバズに出演しました。

(引用。Abema TIMES~2016.07.17 21:00より。)
yorubazu1

それから3日後の、2016月7月20日のことです。
今度は、しらべぇで、大きくとりあげられました。
 夢を巧みに悪用されAV強要された女優・香西咲が今も出演を続けるワケ

香西咲さんのツイッター(2016年7月22日)より、引用。

(前略。)ある新聞社様が大変親身になって下さり、私の意見100%に近い形で記事と動画を丁寧に作って下さりました。
本当に感謝致します。
近日公開をお楽しみに

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ぼくの杞憂でした。
世論は着実に、ある方向へ流れています。

岩村昇さんというかたがいます。
医師部の教授でした。
あるとき、職を辞して、ネパールに赴きます。
結核で苦しんでいる現地のひとたちを救うためです。
当地で奉仕活動に専念しているとき、遠くの村からやってきたひとがいます。
「急病人がでた。助けてほしい」
と。
そのひとは伝令を携えてやってきたのです。
患者は危篤状態のようです。
岩村昇さんたちはすぐに、ジープで出発しました。
やがて道が細くなり、山の手前で行き止まりとなりました。
一行は、クルマをおりて、山道をのぼりました。

ようやく患者の家に到着することができました。
岩村昇さんたちは病人を担架に乗せて、ふたたび山道をひきかえします。
担架の重みで、足がよろけそうになります。
落としてはいけない。
必死になって持つ手を強く握りしめました。
途中、息苦しさにたえきれず、休憩することにしました。
ちょうどそのとき、向こう側から、ネパール人の青年がゆっくりと歩いてきました。
その青年は、岩村さんたちをみると、協力を申し出ました。
その甲斐あって、一行はなんとかジープまでたどり着くことができました。
この青年にお礼をしなければ。
岩村さんは自分のポケットに手をやりました。
お金を所持していなかったことに気がつきました。
「すみません」
と岩村さんは、申し訳なさそうな顔をしました。
「何かお礼をしたいのですが、あいにくいま手持ちのお金がないのです」
すぐに青年が応えました。
「私はそんなことのために協力を申し出たのではありません」
岩村さんが訊(き)き返しました。
「ではなぜあなたは、わたしたちと一緒にこのような苦労をともにしたのですか?」
青年が笑顔でいいました。
「サンガイ・ジュネ・コラギ」
と。
サンガイ・ジュネ・コラギとは、ネパール語で、みんなで生きるために、という意味です。

 参考文献は、岩村登著「草の根の人々と生きる医師の記録」講談社刊です。上述したものはここに書かれている逸話をぼくがリライトしたものです。)

香西咲さんのツイッター(2016年7月17日)より、引用。

(前略。)普通の女優さんはこの議題には入りません。
皆自分が売れる事で精一杯だから。
でもその子達否定している訳ではなく、そういう子達は応援したいと思います。
私はそういう役目で良いと思います。

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「サンガイ・ジュネ・コラギ」
みんなで生きるために。
香西咲さんの活動の原点はここにあるのかもしれません。

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2016年7月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年7月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016月7月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
香西咲さんのツイッター

(明日のブログへつづく)



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香西咲さんの実名告発の背後にある業界への深い愛

香西咲さんのツイッター(2016年7月21日)より、引用。

色んな所でから『情報操作して下さい』『こう発言して下さい』と言われるけど、思ってもいない事は書きません。
今後は特に。

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強要や脅しだけではなく、懐柔(巧みにてなずけ従わせること、てなずけ抱きこむこと、の意味)もあるのでしょうか。

「稲むらの火」という譚(はなし)があります。
ほとんどのかたはご存じないかもしれません。
戦前の小学校の教科書に掲載されていました。
(参考。教科書の画像

原文は、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「生き神」です。
「稲むらの火」はそれを小学生向けにリライトしたものです。
以下に紹介します。
※注 さらにぼくのほうで、文意を損なわない程度にリライトしてあります。)
 
 稲むらの火

「これは、ただごとではない」
と、五兵衛(ごへい)はつぶやきながら、家のなかから外へでた。
いまの地震は、別にはげしいというほどのものではなかった。
しかし、長くゆったりとした揺れかたと、うなるような地鳴りは、いままでに経験したことのないような不気味なものであった。

杞憂の念をいだいた五兵衛(ごへい)は、自分の家の庭に立ち、眼下に広がる村をみおろした。
村のひとたちは、豊作を祝う祭りの準備に夢中で、地震には気づいていないようである。

五兵衛(ごへい)の目は、村から、海へと移った。
おかしい。
風向きとは逆に、波が沖のほうへ流れている。
海岸には、広い砂原や黒い岩底が露出してきた。
「大変だ。津波がやってくる」
と、五兵衛(ごへい)は思った。

このままでは、400人の命が、村もろとも飲みこまれてしまう。
一刻の猶予も許されない。
「よし」
と、五兵衛(ごへい)は叫んで、家の中から大きな松明(たいまつ)をもってきた。
周囲には、たくさんの稲束(いねたば)が積んである。
惜しいが、これで全員の命が救える。
松明(たいまつ)を掲げた五兵衛(ごへい)は、近くの稲むら(稲束を積み重ねたもの)に火を移した。
風にあおられて、火の手がぱっとあがった。
ひとつ、またひとつ、五兵衛(ごへい)は、自分の田にあるすべての稲むらに火をつけた。
それから、ふたたび、沖のほうをながめた。

すでに日は没しており、あたりがしだいに薄暗くなってきている。
稲むらを燃やす火は、天をこがした。
山寺の住職はこの火を見て、早鐘(はやがね)をついた。
村の若い者たちは、
「火事だ。庄屋さん(村落の長)の家のほうだ」
と叫び、早足で山手をかけのぼった。
つづいて、老人も女も子供も、若者のあとを追いかけるようにして、上をめざした。

高台からみおろしている五兵衛(ごへい)の目には、それがアリの歩みのようにもどかしく感じられた。
ようやく20人ほどが駆け上がってきた。
かれらは火消しにとりかかろうとした。

五兵衛(ごへい)が叫んだ。
「ほうっておけ。それよりも早く、村じゅうのひとたちに来てもらうんだ」

しだいに村民が、高台へと集まってきた。
五兵衛(ごへい)が海のほうを指さして、咆吼した。
「やってきた」

ひとびとの視線が、日の沈んだ海に向けられた。
遠い海の端に、細くて暗い、ひとすじの線がみえた。
その線は、みるみる間に太くなった。
広くなった。
異様な早さで、こちらへ押し寄せてくる。
「津波だ」
と誰かが叫んだ。
海水が絶壁のように、目の前に迫った。
ひとびとは我を忘れて、うしろへ飛び退いた。
津波が真下の陸地に当たった。
一瞬、水煙で何もみえなくなった。

ひとびとは呆然と、眼下で荒れ狂う白くて恐ろしい海を眺望した。
皆、無言だった。

稲むらの火は、風にあおられていっそう燃え上がり、夕闇を明るくした。
我に返った村人は、その火によって自分たちが救われたことに気がついた。
ひとびとは無言で、五兵衛(ごへい)にひざまずいていた。
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香西咲さんはいま、呻吟(しんぎん)しながらも、前を向いて歩んでおられます。
なぜ今回、香西咲さんは、あのような告発をおこなったのでしょうか。
のちに、ぼくは、香西咲さんのツイートを1年半ぶりに拝読させていただきました。

香西咲さんのツイッター(2016年7月17日)より、引用。

業界の皆様へ
一部のメーカーからは『ほとぼりが冷めるまで波風立てるな』と私を煙たがられている事も承知しております。
ですが、ほどぼりが覚めるまで沈黙を続けていたら、その間に色んな思惑にハマり兼ねないと危惧しています。
今声を上げ対策を立てる事の重要さを感じて頂きたいと思います。

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香西咲さんのツイッター(2016年6月23日)より、引用。

女優は真っ先にギャランティに響くので頑張るのは当然ですが、業界全体がより良くなって行こうと言う“愛”か感じられない昨今です。
愛があればもっと色んな意見も出るでしょうし、切磋琢磨されてより良い環境作品が生まれるはずです。
私は業界の皆様に業界愛を持って頂きたいとおもいます。

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香西咲さんのツイッター(2016年6月23日)より、引用。

私が独立してまで業界に戻ってきたのはそこ!
同じ被害者も出したくないし、メーカー制作女優…皆が納得して同じ方向を目指し良い物を作って行きたい。
後の私は女優、一般女性のサポートに徹したい。(後略。)

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香西咲さんのブログ(2016年07月04日)より、引用。

今は業界を応援したいし、
健全で皆が安心して働ける環境を整えるお手伝いをしたい。

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香西咲さんのツイッター(2016年7月5日)より、引用。

私は今自分が関わるAV業界現役の方々が大好きです。
丸5年業界にいても、業界の事なんて僅かしか知らないでしょう。
でも蚊帳の外からこの業界の事を言う方々との重みは違うと思って頂けたら幸いです。
現状を認め、少しでも業界が更に良い方向に向かう様に微力ながら努めます。

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香西咲さんのツイッター(2016年7月6日)より、引用。

(前略。)でしたらAVメーカーを利用しようとする悪徳プロダクションは精査して、無くした方が良い。
私はそれが未来のAV業界の為になると思います。
AVに対して異論を言えない環境を作られているのもおかしい、切磋琢磨し合う環境が重要では?

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これらの一連のツイートを拝見したとき、ぼくの脳裏に「稲むらの火」のことが過ぎっていました。
香西咲さんは今回なぜ、週刊文春で告発をおこなったのか。
それは、五兵衛(ごへい)と同じ考えなのかもしれない、と。

「ワンイヤー、ワンインチ」ということばがあります。
直訳すると、
「1年間に1インチ」
という意味です。
イギリス海軍が、軍艦の乗組員に対して提示している警句(アフォルズム)です。
軍艦では、数多くの乗員が働いています。
乗員は、軍艦が停泊すると、船をおりて街で買い物をします。
乗船時にそれぞれが、これくらいはいいだろう、と思って、無思慮に私物を搬入したとします。
これをつづけていると、船は1年間で1インチ(2.54センチ)沈むそうです。
そうなると速力は落ちますし、正確な舵取りもできなくなってしまいます。
結果、戦争になったときに、本来もっている力を発揮することができず、負けてしまいます。
これを防ぐためにイギリス海軍は、決められた重さ以上のものを艦内に持ち込むことを厳禁しているのです。
「これくらいはいいだろう」
皆がこれをつづけていると、組織はゆっくりと沈んでいきます。

香西咲さんのツイッター(2016年7月7日)より、引用。

(前略。)
業界に対して恨みしかなかったら私もとっとと去って終わる所でした。
私は業界に対する愛があります、本気で改善に取り組みたい、だから実名報道を選びました。

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香西咲さんのことばは、まさしく、慧眼(けいがん。物事をよく見抜く鋭い洞察力の意味)です。

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 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
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悪徳事務所が香西咲さんにおこなった強要と脅迫はフラッシュバックさせるほど凄まじいものだった

監禁下で、強要や脅迫行為を受けたら、ひとはどうなるのか。
本日も、昨日に引きつづき、このことについて考えてみます。
ご紹介するのは、氷見(ひみ)事件です。

 氷見(ひみ)事件

2002年の1月から3月にかけて、富山県の氷見(ひみ)市で、女性が襲われる事件が2件、発生しました。
被害者は、18歳と16歳の少女です。

まもなくして、警察は、氷見(ひみ)市に住んでいるタクシー運転手の柳原浩さん(40歳)から、任意で事情をききます。
被害者からの証言があったためです。

柳原さんは、否認します。
見当違いもはなはだしいと。
ところが、7日目後、容疑を認めます。
警察は柳原さんを逮捕しました。

実は、柳原さんですが、昨日ご紹介をしました免田栄さんと同じく、犯人ではありません。

逮捕後、柳原さんは、
検察官、
勾留(こうりゅう)質問の裁判官、
接見した弁護士に対して、
犯行を否認しました。
「私はやっていない」
と。

ところが、警察の取り調べがはじまると、これを翻します。
「私が犯人です」
と。

裁判になりました。
公判のなかで柳原さんは、終始、自分の罪を認めます。
富山地方裁判所の高岡支部は、懲役3年の刑を言い渡しました。

柳原さんは2年間の服役後、2005年1月に、刑期を1年ほど残して仮出所します。
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2006年の11月のことです。
柳原さんが仮出所してから、1年10か月が経っていました。
鳥取県で、大津英一という人物が、強制わいせつ事件で逮捕されました。
取り調べのなかで、大津は、氷見(ひみ)市の事件は2つとも、自分が犯したものと自供します。

それから2か月後のことです。
警察と検察は、柳原さんの逮捕は誤りであったことを認めました。
両機関はその後、柳原さんに謝罪します。

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以上が事件の概要です。
なぜ、柳原さんは、自白したのでしょうか。
読売新聞の記事を引用します。
(2007年11月14日版より。一部リライトしています。)
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 無実なのになぜ容疑を認めたのか?

警察に、「おまえの家族が(犯行は)間違いないからどうにでもしてくれと言ってる」
と言われ、見捨てられたと思った。
死んだ母の写真を持つように言われ、
「母さんにやってないと言えるのか、母さんが泣いてるぞ」
と言われ続けた。

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 逮捕後、地検と裁判官には否認したが?

やっていないと否認したが、氷見署に戻ると、
「何を言ってるんだ、ばかやろう」
と怒鳴られた。
白紙に、今後ひっくり返すようなことは一切言いません、氷見警察署長殿、と書くように言われ、名前を書いて指ではんこを押した。

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 公判でも一貫して認めたが?

裁判の前に面会に来た家族から父が死んだと聞かされ、何も考えることができなかった。
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 判決を聞いた気持ちは?

やってもいないのに懲役3年を言われて、心の中で悔しい思いでいっぱいだった。
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 服役中は何を考えていたのか?

まじめにやっていればすぐに出られると思った。
それだけだった。
仮出所後、世間の冷たい視線を感じ、死のうと思ったが、父の「死ぬな」という声が聞こえ、思いとどまった。

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 警察から無実だったと言われた時の気持ちは?

最初は訳がわからなかった。警察はただ頭を下げればいいという感じに見えた。
「うち(警察)にも非があるが、あんたにも非がある」
と言われ、頭に血が上り、
「こういう状態にしたのはあんたたちだ」
と叫んだ。

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 再審開始が近く決まるとみられるが?

早く終わってほしい。
あの裁判所には行きたくない。

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その後、再審がおこなわれ、柳原さんは無罪となりました。

柳原浩さんは現在、どのようにすごされているのでしょうか。

(参考。北日本放送制作「陽炎 えん罪被害の闇」―氷見事件
無罪となったあと、柳原さんは、地元の富山県で職を探しました。
合計で25の企業を受験しましたが、すべて不採用です。
2011年に東京へでてきました。
現在は、生活保護を受けながら、東京のアパートで一人暮らしをしています。

いまでも、当時の厳しい取り調べがフラッシュバックするといいます。
あのときの取調官は、柳原さんに対して、拳を突き出して威嚇しました。
その取調官の姿が脳裏から消えることはありません。
悪夢から逃れるに、いまは、精神安定剤に頼っています。
医者からは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、と診断されました。

柳原さんも、昨日の免田さんも、多額の補償金を得ましたが、これによってこころの傷が消えることはありません。

週刊文春WEB(2016.07.07)より引用。)

香西氏は2011年10月にAVデビューしているが、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていた。だが、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ、香西氏は出演せざるを得なくなってしまった。

ちなみに、この犯罪行為を中心となっておこなった輩(やから)が、
(引用)
かつての所属事務所「マークス(後にマークスインベストメントと社名変更)」の青木亮社長
です。

柳原浩さんも免田さんも、短期間の強要と脅迫で、自分の意に反することをいわされました。
香西咲さんの場合はこのような短期間ではありません。
長期に渡って、
(引用)
組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ」たのです。

香西咲さんのツイッター(2016年6月13日)より、引用。

ごめんなさい、 胃が痛いから仕事までちょいとお休みします。 昨日過去の事を洗いざらしに話してたらフラッシュバック現象が…
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香西咲さんのツイッター(2016年6月15日)より、引用。

明日から4日間出張なのですがまだ準備が… フラッシュバックしたので念の為病院は行っておきました。 いつかトラウマから開放される日はくるのかな?
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香西咲さんのツイッター(2016年6月23日)より、引用。

私が独立してまで業界に戻ってきたのはそこ!同じ被害者も出したくないし、メーカー制作女優…皆が納得して同じ方向を目指し良い物を作って行きたい。後の私は女優、一般女性のサポートに徹したい。だからフラッシュバックが酷くても今が踏ん張り所。
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香西咲さんのツイッター(2016年6月23日)より、引用。

さて、明日は恐怖のリハビリです。 傷を負ったときはもちろん、 リハビリ期間もめっちゃ辛い。 フラッシュバックだらけ。 でもこれを乗り越えないと治らない。 頑張ります! おやすみなさい(*´ω`*)?
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香西咲さんをいまでも苦しめている犯罪者たちをこのまま野放しにしておいていいのでしょうか。

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 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
 香西咲さんのツイッター

(明日のブログへつづく)




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