大市民と、先哲の思想ー

香西咲さんを勝手に応援するサイトの管理人の「焼酎好き」です。よろしくお願いします。

正月は実家で、双葉社から出ている「大市民」を読んでいました。
かなり古い作品です。
最新のシリーズを読んでおもしろかったものですから、初期のものも購入しました。
ちなみに、「大市民」は現在、第4シリーズまで刊行されています。
参考までに記します。

 ・「大市民日記」(第4シリーズ)
 ・「THE大市民」(第3シリーズ)
 ・「大市民Ⅱ」 (第2シリーズ)
 ・「大市民」  (第1シリーズ)

当ブログでご紹介しているのは、第1シリーズの「大市民」です。
先哲の思想を連想させるものが多く、興味深いものがあります。

たとえば、「老後と死」という章があります。
(柳沢きみお著「大市民」第3巻~双葉社刊より引用。)

第32話「老後と死」

(引用 ~山形鐘一郎のことば)
(略)生まれた時すでに死へのカウントダウンが始まっているわけですからねぇ。
誕生は死への始まりなんですよ。

(引用 ~中井さんのことば)
(略)むしろ死があるからこそ、生きる喜びもあるんだと。
もし死がない永遠の命なんてのになったら、人間はダラけた日々を送り、つまらない生活の繰り返しになると思うね。

そう、死があるからこそ、人は精一杯生きようとする。

過日のブログで、ドイツの哲学者のハイデッガー(1889年~1976年)についてふれたことがあります。
 ・すべての女性がもっとも望むことは何か ~「アーサー王物語」より(その4)

ハイデッガーはあるとき、自身に対して呼びかける声を聞きました。
「君は死に向かう存在なのだよ」
ハイデッガーは目覚めます。
以降、人生を主体的に生きていくことの必要性を説きます。
現代人は常に、他人に気をつかって生きています。
これではいけない、とハイデッガーはいいます。

気づかわなければならないのは他人でなく、自分は「死にかかわる存在だ」ということではないのか。
毎日、毎日が死への毎日であることを覚悟し、死を積極的に受けとめて生きていくことが必要なのだ。

これがハイデッガーの考える人間らしい生き方です。

「本当の神様」の章では、神の存在について明達な指摘がされています。
(柳沢きみお著「大市民」第6巻~双葉社刊より引用。)

第62話「本当の神様」

(引用 ~山形鐘一郎のことば)
神様は実はいるのだよ。

まぁ、言葉上、神様といっているが、神のような-いや、それ以上のものが存在するのだよ。

自分自身が神なのだよ。

自分の「意志」、その「意志」こそが「神」なのだな。

考えてみたまえ、この自分の体というものを。
数えきれないほどの細胞や物質で作り上げられているこの物質の凄さを。
これはもうひとつの宇宙ですな。この自分の体という世界は。

宇宙に匹敵するとてつもなく広い複雑な物質の集合体だ。

そして宇宙に匹敵する物質を動かしているのが、自分の意志だ。
この凄い集合体の世界をつかさどる自分の意志、これを神と呼ばなくして、他の何を神と言えるのですかな。

そう、だから、新興宗教とかの神を信仰するのは、自分という神を捨てる行為なのだ。
これほどの愚かな行為はない。

これを読んだときぼくは、ウパニシャッド哲学を思い浮かべました。
この哲学につきましては、過日のブログでふれたことがあります。
 ・香西咲さんのヨガとウパニシャッド哲学
ウパニシャッド哲学とは、宇宙と自分自身は一体であって分けることができない、という思想です。
柳沢きみおさんはさらに、次のようにいっています。

(再掲)
そう、だから、新興宗教とかの神を信仰するのは、自分という神を捨てる行為なのだ。
これほどの愚かな行為はない。

怜悧(れいり)な言及です。

(引用 ~山形鐘一郎のことば)
苦しくても、自分という神にすがって生き抜いてこそ人生だ。
他人にすがれば楽だが、そこから自分の人生ではなくなる。

サルトルも同様のことをいっております。
この人物につきましても、過日のブログでふれています。
 ・実存は本質に先立つ サルトルの実存主義

ぼくはサルトルの次のことばが好きです。
自由を求めるひとは無神論でなければならない

「それがどうした」の章では、幸福についてのべています。
(柳沢きみお著「大市民」第10巻~双葉社刊より引用。)

第119話「それがどうした」

(引用 ~山形鐘一郎のことば)
世界一不幸な人とは、世界一金持ちな人だよ。

なんでも手に入り買えるってのは、逆に「買う楽しみ」がなくなるって事ですよ。
なんでもそうですが、当たり前になってしまうと、喜びは消えてしまうのですよ。

やっとの思いで苦労の末ひとつの家を買えた人と、世界一デカい家を次々に簡単に買えた人とでは、どっちの人が喜びは大きいですかな・・・・・・

人は物質では満足できないのですよ。つきつめればね。

鋭い指摘です。
ぼくは、ジョン・スチュアート・ミル(1806年~1873年)のことばを思い出しました。

幸福には量の差だけでなく、質の面でも違いがある

この人物につきましても、過日のブログでふれています。
 ・幸福は人生の最大の目標である ~ドクターイエローを凌駕するものー

「大市民」には、このような箴言(しんげん)的な言説がたくさん登場します。
他には、異色のグルメ本としても愉しめます。
飽食で胃が疲れているときに読むと良いかもしれません。

香西咲さんのTwitter(2015年1月6日)より引用。

明日のお芝居の台本読んでます。
明日は喉潰れそう&筋肉痛になりそうな予感…(῀( ˙᷄ỏ˙᷅ )῀)ᵒᵐᵍᵎᵎᵎ

新しい年をむかえて最初のお仕事なのでしょうか。
良きスタートになることを願っております。



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