香西咲さんに紹介したい歴史のエピソード ~アテネの民主政(その4)

香西咲さんを勝手に応援するサイトの管理人の「焼酎好き」です。よろしくお願いします。

昨日のつづきです。
ソクラテスは40代のころから、賢者と称されているひとたちへ質問を浴びせつづけました。
相手は最後、返答に窮します。
自分は何も知らない、ということに気がつきます。

こうしたソクラテスの行動を歓迎する市民もいました。
自分の無知を自覚したのちは、真の知識の探求に打ち込みました。
反面、蛇蝎のごとく嫌った者たちもいました。

ソクラテスが46歳のときです。
アテネでディオニソス神の祭りがありました。
ディオニソスは酒の神です。
この祭りのときには、毎年、劇のコンクールがおこなわれます。
喜劇や悲劇の部門ごとに、順位がつけられます。

B.C.423年(今から2437年前)の喜劇部門の結果は次の通りでした。

・1位 クラティノス作 「酒瓶」
・2位 アメイブシアス作 「コンノス」
・3位 アリストファネス作 「

喜劇の場合は例年、3つの作品が上映されます。
現在、台本が残っているのは、最下位におわった「雲」だけです。
上位のものは現存していません。

「雲」は次のような内容です。
ぼく流にリライトしてご紹介します。

主人公は、ストレプシアデスという初老の男性です。
この人物には、息子がおります。
ペイディッピデスといいまして、戦車競技に出場することが生き甲斐の男です。
ちなみに、この競技につきましては、過日のブログでもふれております。

 (下図は、Wikipediaより引用。戦車。)
ギリシア戦車競技

競技に参加するためには、馬が必要です。
当時、馬は大変高価なものでした。
一頭が、2年分の生活費に相当する、といわれていました。
息子はよく、馬を買い替えます。
結果、借金が膨らみました。
毎日のように、返済を求められます。

案じた父親は、息子に対して、こういいました。
「ソクラテスの塾で雄弁術を学び、借金取りを追い返しなさい」
と。
息子は気乗りがしませんでした。
それならば、と父親は、自分がその塾へ入ることにしました。

塾で父親は不思議な光景を目の当たりにします。
ソクラテスの弟子たちは、蚤(のみ)の足の長さを測っています。
それをもとにして、蚤(のみ)は自分の足の何倍の高さまで飛ぶのかを調べています。
ブユ(ブヨ)は口で鳴くのか、それとも尻なのか、と論じている者たちもいます。
コンパスをもって体育場の砂場へ向かったひともいます。
何人かが運動をしています。
近くには、着替えた服が置いてあります。
コンパスをもった人物は円を描くふりをして、その衣服を盗み取りました。
肝心のソクラテスは、館内の奥にいました。
天井からつり下げられたカゴの上に乗っています。
天体観測をしているとのことです。

ストレプシアデスは、進み出て懇願しました。
「借金取りを追い返す術(すべ)を教えてください。神々に誓ってお礼をしますので」
聞いたソクラテスが一喝しました。
神々なんているものか
「主神のゼウスもですか?」
ゼウスなぞいない。この世を支配しているのは、うずまきだ

ストレプシアデスは二の句が継げませんでした。
弟子入りのほうは許可されました。

雄弁術の講義がはじまりました。
ストレプシアデスは飲み込みが悪く、ほとんど理解できませんでした。
このことを息子にはなしますと、それだったら自分が行く、ということになりました。

息子のペイディッピデスは学習能力が高く、すぐに雄弁術を会得することができました。
この技術は、アテネの市民にとって最大の武器となります。
溶々たる気分になったペイディッピデスは、借金取りに対して強気の態度でのぞみます。
催促にくる者たちをすべて追い払ってしまいます。
困った貸し主は、
「せめて利息だけでも」
と哀訴します。
ストレプシアデスが横を向きます。
「利息って何ですか?」
相手が答えます。
「時が流れるにつれて増えるお金のことです」
そのことばをまっていたかのようにして、ストレプシアデスがいいました。
「川がいくら流れこんでも、海は大きくなりませんよ」
相手は反論することができませんでした。

借金取りを追い返すことに成功した親子は、酒宴をはじめます。
やがてしたたかに酔った父親が、息子に向かって、歌をうたえといいました。
求めたのは、父の時代にはやった古い歌です。
息子が拒否します。
「そんな古くさいものが歌えますか」
「その口のききかたは何だ」
二人の間で喧嘩がはじまりました。
つかみ合いとなり、父親が息子をなぐりました。
息子もやり返します。
父親が激怒しました。
「息子のくせに親をなぐるとは何ごとだ」
「では」
と息子がいいました。
「おやじは息子をなぐっても良いのですか?」
父親が睨みました。
「息子がかわいいからだ。おまえのためを思ってなぐった」
相手が薄く笑いました。
「わたしもおとうさんがかわいいから、なぐりました」
「父親をなぐってはいけない」
と、返しました。
「子供だと思ってなぐりました」
といって、つづけました。
「老人はいずれ、子供にもどる、というじゃないですか」
父親は憮然となりました。
「そんなことをいうと、おまえもいずれ息子になぐられるぞ」
相手が哄笑しました。
「もしもわたしに、息子が生まれなかったらどうします? なぐりそこなうといけないから、いまのうちになぐっておきます」
と、ゆずる気配をみせません。
収まりのつかない父親は、ソクラテスの塾へ向かいます。
「これも皆、あのソクラテスが息子に悪い議論を教えたからだ」
ストレプシアデスが塾の建物に火をつけたところで、この劇はおわります。

もちろんこの喜劇は、事実誤認の積み重ねによって構成されています。
ソクラテスはソフィストではありません。
雄弁術や詭弁を教えません。
弟子はたくさんいましたけれども、授業料はとっておりません。

「雲」は、ソクラテスも見物していました。
上演後、舞台の上にのぼり、演じた俳優と自分が似ているかどうかを観客に比べさせています。

「雲」は喜劇部門で最下位となりました。
好評ではありませんでした。

ところが上演後、ソクラテスは悪いやつである、との気分が市民の間に醸成されていきます。
24年後、3人の人物がソクラテスを裁判に訴えます。
つづきは明日のブログでご紹介をします。

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詭弁のはなしを書いていますと、このような邪(よこしま)なものと疎遠なかたの写真を拝見したくなります。
香西咲画像(美人)
香西咲さんの笑顔をみていると、鬱陶しい気分が霧散します。
注 大きな画像は、香西咲さんのツイッターでご覧になることができます。)



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