すべての女性がもっとも望むことは何か ~「アーサー王物語」より(その3)

香西咲さんを勝手に応援するサイトの管理人の「焼酎好き」です。よろしくお願いします。

昨日のつづきです。
本日もぼく流のリライトでご紹介します。

アーサー王は久方ぶりに自分の城へ戻ってきました。
出発してから1年が経っていました。
臣下や周囲のものたちから歓喜の祝福を受けても、憂いは消えませんでした。
老婆との約束が間断なく去来します。
誰を結婚の相手に選んだら良いのだろうか。

臣下にガウェインという人物がいました。
王の甥(おい)でもあります。
忠誠心の強い男です。
ガウェインは憔悴ぎみの王が気になりました。
声をかけました。
「何かお悩みですか?」
虚ろな眼が返ってきます。
ガウェインがつづけました。
「私にもその悩みをわけてくれませんか」
王はガウェインを見直しました。
純粋な目でした。
肩でひとつ息をしてから、事情を話しました。

ガウェインは黙ってそれを聞いていました。
話が終わると、静かに口を開きました。
「私がそのかたと結婚します」
アーサー王は逡巡することなく、制止しました。
老婆が提示した結婚相手の条件は、若くて健康的な騎士、です。
ガウェインならばそれにかなっています。
いや、それ以上です。
容姿もすぐれています。
性格だって良い。
それをあのような醜悪で不気味な老婆と結婚させるわけにはいかない。
王の意に反して、ガウェインは、同じせりふを繰り返しました。
結婚します、と。
ガウェインは誠実な人物です。
自分のことばに責任をもっています。
一度口にしたことを撤回するような男ではありません。
王は、押し切られました。

ガウェインの仲間が森へ行き、老婆を城へ連れてきました。
結婚式がおこなわれました。
出席した騎士たちは皆、ガウェインを揶揄します。
愉快でたまりません。
美男子のガウェインの結婚相手が、誰もが嫌悪の情をもよおすみにくい老婆なのですから。

式が終わりました。
ガウェインと老婆は、部屋のなかで二人きりとなりました。
ガウェインは相手と背中合わせになって座りました。
けっして目を合わせようとはしませんでした。
深く息を吐きました。
何度も。
その音は次第に大きくなってきます。
老婆がガウェインの前に立ちふさがりました。
「あなたはなぜ、わたしをみようとしないのですか?」
ガウェインは顔をあげました。
ことばは出ませんでした。
老婆の声が大きくなりました。
「あなたはつまらなそうにため息ばかりついています。なぜですか?」
ガウェインには二の句が継げませんでした。
なぜといわれても。
そのようなことは誰にだってわかるではないか。
ガウェインは居(い)住まいを正しました。
「わかりました。はっきりといいましょう」
表情を変えない相手に対して、自分の声をぶつけました。
「私がため息ばかりついている理由は3つあります」
ガウェインは鬱積した情を吐露するかのようにしてことばを並べました。
「まず、あなたは、老人である」
「次に、あなたは醜い」
「最後、あなたは身分が低い」
老婆の顔が翳(かげ)りました。
ゆっくりと口を開きます。
「最初におっしゃられたことですが」
といって、ガウェインをみつめました。
「ご覧の通り私は年老いています。それは、それだけ人よりも思慮が深く知恵に富んでるということです。けっして悪いことではありません」
「2つ目についてです。妻が醜いということは、夫にとって幸せなことです。妻に他の男が言い寄ってくることを心配しなくても良いのですから」
「3つ目ですが、人間の価値は生まれや身分で決まるものではありません。魂の輝きが重要なのです」
ガウェインは純粋な男です。
老婆のいったことは理にかなっている。
すべてを否定してはいけないのかもしれない。
相手を見直しました。
小さく叫びました。
老婆の姿がありません。
これはいったい。
代わりに目の前に立っているのは、まばゆいばかりに輝いている若い女性でした。
「あなたはいったい誰ですか?」
たじろぎながらガウェインが訊きました。
美しい唇から声が発せられました。
「私は悪い魔法使いに魔法をかけられて老婆の姿に変えられていたのです」
ガウェインは相手を眺めました。
憂いを帯びた瞳に引き寄せられていきます。
女性がいいました。
「私には2つの願い事があります。これがかなわなければ私はもとの姿に戻ることができません」
これを聞いたガウェインが、何かをいおうとしました。
ことばにはなりませんでした。
女性がつづけます。
「1つ目の願い事は、立派な騎士を夫に持つということです。これはかないました。そのため私は、1日の半分をこうして本当の姿ですごすことができるようになったのです」
ガウェインは欣喜雀躍(きんきじゃくやく )しました。
いつもの剛気が戻ってきました。
「わかりました。もうひとつの願い事とは何でしょうか? 私がかなえてあげます」
「ありがとうございます」
口許に歓喜の色が浮かびました。
「それではあなたにお訊ねします。私がこの姿でいられるのは、昼が良いですか? それとも夜が良いですか。どちらかひとつをお選びください」

さて、このあとガウェインはどちらを選んだのでしょうか。
つづきは明日のブログでご紹介します。

それにしても、突然の美女の登場には、驚かされます。
そのかたはどれくらいの美人だったのでしょうか。
確実にいえることがあります。
それは、この写真のかたを超えてはいない、ということです。

香西咲美人画像

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