香西咲さんのツイートから、個と全体について考えてみました(2) ~「オランダ魂」

香西咲さんを勝手に応援するサイトの管理人の「焼酎好き」です。よろしくお願いします。

本日も、個と全体の関係について書いてみたいと思います。
昨日のブログでは、「水兵の母」と「一太郎やあい」についてふれました。
執筆の途中でぼくは、似たようなはなしを思い出しました。
戦前の修身(道徳)の教科書などに掲載されていた「オランダ魂」という作品です。
美談です。
ご存じかたも多いのではないでしょうか。

ご紹介の前に、オランダについて簡単に説明してみたいと思います。
オランダの正式名称は、ネーデルランド(the Netherlands)です。
「オランダ」と呼んでいるのは、日本だけです。
外国では通用しません。
1598年に、リーフデ号という船が、ネーデルランドを出航しました。
インドネシア方面をめざしていました。
胡椒を買い付けるのが目的です。
途中で嵐に巻き込まれました。
漂流します。
1600年、大分県の海岸にたどり着きました。
応接した日本の役人が国名を問います。
乗組員はホラント州の出身でしたので、
「ホラントからきた」
と答えました。
役人はこのとき、国名と勘違いしました。
以降、日本では、ホラントがなまった「オランダ」という名前で呼ぶようになります。
ちなみに、ネーデルランドとは、「低地」を意味します。
国土の4分の1は、海面より下にあります。
8~9世紀ごろから、海や川からの水を防ぐために堤防の建設がはじめられました。
オランダの歴史は、干拓の歴史、でもあります。
「地球は神が創ったが、オランダは人間が創った」とのことばもあります。
過去には堤防が崩壊して、多くのひとが犠牲になったことがあります。
1953年には、高潮と暴風雨のために堤防が決壊して、ゼラント地方の南西部で1853人の死者を出しました。

「オランダ魂」は次のようなストーリーです。
文意を損なわない程度にリライトしてみます。

ハンス=ブリンカーは8才になる少年です。
ハールレムという村で暮らしていました。
ある日のことです。
堤防の向こう側に、目の見えない老人が住んでいます。
ハンスは母親から、そこの家へクッキーを届けるようにいわれました。
老人宅までやってきたハンスはそこでしばらくの間、楽しく過ごしました。
日が落ちてきたので家に戻ることにしました。
帰宅の途中、堤防に小さな穴があいていることに気がつきました。
穴からは水がにじみ出ています。
これは大変だ。
堤防の大切さは幼少の頃より聞かされています。
水は徐々に勢いを増してきます。
あたりをみわたしました。
適当な大きさの石を拾って、あてがってみました。
だめです。
隙間から水がこぼれます。
困った。
何か良いものはないだろうか。
思案したのちハンスは、水が吹き出ているところへ自分の右手の指を入れました。
今度はうまくいきました。
水はもれてきません。
夜が更けてきました。
ハンスは何度も大声で助けを求めました。
いくら待っても、やってくるものはいません。
ハンスの家ではすでに、戸締まりを終えていました。
息子は老人の家に泊まってくるのだろう、と思っていました。
ハンスは自分の右腕の感覚がなくなってきていることに気がつきました。
寒い。
睡魔が襲ってきます。
眠ってはいけない。
左手で、冷たくなっている右腕をさすりました。
闇に向かって叫びました。
「助けて」
やがてハンスの体が動かなくなりました。
翌朝、牧師が、堤防の穴のなかへ指を入れたままの姿で倒れている少年を発見しました。
ハンスでした。

これは事実ではありません。
フィクションです。
メアリー=メイプス=ドッジというアメリカ人が書いた物語です。
「銀のスケート ハンス・ブリンカーの物語」のなかにでてくる短いエピソードです。
結末については、ハンスが凍死したというヴァージョンもあります。
原文では、救出されています。
このような感じです。

明朝、牧師が、堤防の上を歩いていました。
下のほうでうめき声が聞こえます。
みると、ひとりの子供が苦しみもだえています。
「そこで何をしてる?」
牧師が声を張り上げました。
「水をとめているんです」
との声が返ってきます。
牧師は慌てて下までおりていきます。
ハンスがいいました。
「町のみんなに、すぐ来るようにいってください」
こうしてハンスはオランダの英雄となったのです。

現在でも愛されている佳品です。
感動します。
ぼくも同じようなことをしたかもしれません。
この物語に邪(よこしま)なものが入り込む余地はありません。
ただ、かつての日本は、この種のはなしを以下に結びつけました。

「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ(もし非常事態となったなら、公のため勇敢に仕え、このようにして天下に比類なき皇国の繁栄に尽くしていくべきです)」(教育勅語)

最悪です。
ちなみに、現在は、憲法で次のことが保障されています。

 ・第十九条  思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

国が個人に対して、特定の思想や良心を強制することはできません。

お菓子時々パン日記の画像を引用。)

お菓子時々パン日記の画像に直接リンクをして表示しています。問題がありましたらリンクをはずします。)

香西咲さんが元気になられたようです。
風邪は完治されたのでしょうか。
とてもうれしいです。

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