「マハーバーラタ」 ~クリシュナとアルジュナ

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インドの二大叙事詩といえば、「マハーバーラタ」と「ラーマーヤナ」が有名です。
この文学が完成したのはグプタ朝の時代のことですから、いまから千数百年前のことになります。
かなり古い作品なのですが、現在でもこの2つはインドの人々に愛されています。

「ラーマーヤナ」は、孫悟空のモデルとなった猿の神も登場するなど、痛快な冒険物語です。シンプルでわかりやすいストーリーです。

一方、「マハーバーラタ」のほうは、難解です。
内容は、王の一族が2つに割れて、泥濘の争いをするという話です。

主人公の一人に、アルジュナという王子がいます。王子といっても、先頭に立って戦う戦士です。
あるときアルジュナは、馬に引かせた車(戦車)に乗り、敵の陣営に向かって疾走します。
アルジュナの前で馬を操っているのは、クリシュナという人物です。
クリシュナは別の国の王なのですが、アルジュナを助けるためにこの戦いに参加しています。
実はこのクリシュナの本当の正体は、ヴィシュヌという名の神でした。
ヴィシュヌ神は、人間に姿を変えて、アルジュナ王子を支えているのです。
ヴィシュヌ神はヒンドゥー教の3大神のひとつで、世界を維持する神、として知られています。
自軍と敵軍の中間地点に来たとき、アルジュナは、自分の前で馬を御すクリシュナの背中に向かって叫びました。
「止めてください」
クリシュナは突然のことに戸惑いながらも、言われるままに馬を制止させます。
後ろを振り向き、
「いったいどうしたのですか?」
硬い表情を崩さないアルジュナが口を開きます。
「相手は敵といいましても、元々は私たちの一族のものです。友達もいれば、お世話になったひとたちもいます。私はそのようなひとたちと戦うことはできません」
これに対して、クリシュナが言いました。
「迷わず殺せ!」

狼狽して、肯首しないアルジュナに対して、クリシュナが続けます。
人はいつか必ず死ぬ。いまここで殺してもそれは同じことだ、と。

ぼくが初めてこの話を知ったとき、共感できるものは何ひとつありませんでした。
それどころか気分が悪くなりました。
大変後味の悪い作品でした。

(引用)
あの時は、トラックが突っ込んできても私は避けないってマネージャーにも話してた。
本当に笑えなかったよね。
もちろん今は避ける(笑)

あの時笑えなかった事がやっと笑い話にできる(笑)

(※
ここからは、自己の感情の発露を抑えて書きます。
自分の情念にしたがって素直に書けば、収拾がつかなくなりますので。

一般論として、ぼくは、相手を逃げ道がないところまで追い込むことは絶対に許されない行為だと思っています。
たとえば、AかBかの選択をさせる場合に、そのひとにとってはどちらも取りたくものを提示をすることなど、あり得ないことです。
人と向かい合うときは、相手に対して逃げ道をつくっておいてあげなければならない。
こんなあたりまえのこともわからないひとたちがいたとは。

ぼくはこのときはじめて、クリシュナがアルジュナ王子に向かって言ったことばに共感することができました。

ぼくはこれまでに人を徹底的に憎んだことはありません。
けっこう喧嘩っ早いほうなのですが、最後は相手を許しています。
けれども、今回知った件は唯一の例外となりそうです。
そこまで追い詰めたものたちを一生憎み続けることとなりそうです。

(続く)



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