暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その10)。「不同意を合理的に推認するような行為態様や被害者の状態を要件とするほうが適切」

刑法の性犯罪規定には、理不尽な要件が明記されています。

(例。刑法の性犯罪規定)

第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(第177条)の例による。

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ご覧のとおり、理不尽な要件とは、「暴行・脅迫」、「抗拒不能」のことです。

(確認)
「暴行・脅迫」
強制わいせつ罪や、強制性交等罪(強姦罪)が成立するためには・・・・・・被害者は被害時、加害者(犯人)から、「暴行・脅迫」を受けていなければなければならない。

「抗拒不能」
準強制わいせつ罪や、準強制性交等罪(強姦罪)が成立するためには・・・・・・被害者は被害時、「抗拒不能」の状態におちいっていなければならない。
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現在、法務省は、刑法の性犯罪規定を改正する作業を進めています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

上川陽子法務大臣は先日(2021年9月16日)、法制審議会に対して、以下の10項目の改正を諮問しました。

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。
     記
第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
——————————————————–

刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

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刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
——————————————————–

配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。現行刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

——————————————————–

第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

——————————————————–

被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

——————————————————–

第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

——————————————————–

性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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(再掲。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

(再掲。諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子 法務大臣
刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること

本日もひきつづき、前段の性犯罪に関する刑事法検討会で、暴行・脅迫要件、さらには抗拒不能要件についてどのような論議がなされたのかをみていきます。

暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その10)
(※その1その2その3その4その5その6) | その7) | その8) | その9) |

その1その2その3その4その5 | ・・・2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会
その6その7その8その9 | その10 | ・・・2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<14~15ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

私の方からは、「(2)」の
① 「抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和することの要否・当否

② 法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否
について意見を申し上げたいと思います。
まず、「①」(「抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和することの要否・当否)について、議論の前提から申し上げますが、仮に不同意性交それ自体を要件として処罰するのであれば、そもそも行為態様によって限定する必要がありませんので、行為態様に一定の程度を要するかという論点が生じません。

もっとも、この点につきましては、先ほど議論がありましたように、「不同意」という文言のみでは、同意の有無を明確に判断することが困難な場合があることから、処罰の実態を不同意性交に求めるとしても、処罰規定としては、不同意を合理的に推認するような行為態様や被害者の状態を要件とするほうが適切であると考えております。

そして、このように不同意を根拠付ける事情として、行為態様や被害者側の事情を規定する場合、その程度・内容として、現在の判例が要求していると解される程度、すなわち、「被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度」を同様に要求すべきか、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

あるいは、これを緩和した要件を設けるべきかが問題となります。

この点につきまして、先ほど御指摘がございましたが、抗拒を著しく困難という表現が、かなり限定的な印象を与えることから、処罰範囲が不当に限定されるような懸念が生ずることは、そのとおりだと思います。

現行法における裁判実務においても、表現ぶりについては、是非御検討をお願いしたいと思いますし、また、法改正によって何らかの文言を導入する場合にもその点の配慮は不可欠だと考えております。

ただ、裁判実務においては、一般に、不同意の性交自体が処罰対象であるという認識の下、暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能要件の下において、被害者の自由な意思決定が阻害されており、不同意の性交であることが合理的に推認し得るか否かを問題にしているものと解されます。

すなわち、行為態様や被害者の状態から、同意の不存在を一義的に推認する必要があるからこそ、その程度としては、被害者の自由な意思決定を阻害するに足る程度か否かを問題にする必要があり、判例の立場も、このような理解を前提としたものと解されます。

そして、このように理解した場合には、やはり行為態様や被害者側の状態については、現在の判例実務と同様の観点から、被害者の自由な意思決定を阻害する程度のものといえるかを問題にする必要があると考えます。

これを大幅に緩和した場合、不同意の性交であることが明らかではないものまでが、処罰対象に取り込まれるおそれがあり、結論において問題が生ずるように思います。

このような前提から、さらに、「②」(法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否)についても意見を申し上げます。

これも繰り返しになりますけれども、現在の実務において、被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度の暴行・脅迫という要件は、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

行為態様という外形的・客観的な判断基準から、被害者の不同意を合理的に推認するための要件と解されます。

したがって、この要件を満たしていない場合というのは、単に暴行・脅迫がないというだけではなくて、被害者が不同意であったか否かが必ずしも明確ではない場合、あるいは、被害者が困惑したり、悩みながらも最終的には性行為を受け入れた場合のように、同意・不同意のグレーゾーンに位置する事例が含まれてきます。

したがって、「②」(法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否)のように法定刑の軽い類型を設けるか否かについては、場合によってはグレーゾーンの事例についても処罰することの要否という観点から、検討する必要があると思われます。

また、更に申しますと、今申し上げたような事例についても、同意がないとして処罰をするのであるならば、同じ不同意でありながら、刑を軽くする根拠があるかについても、更に理論的な検討が必要と考えます。

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<15ページ>
2020年11月10日 金杉美和 委員(弁護士)

この点に関しては、先ほど上谷委員からも指摘がありましたように、現状の177条が5年以上の有期懲役となっていて重過ぎる上に、

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

177条(強制性交等罪)に当たるか当たらないかで極端な違いがある、つまり、オンかオフかになってしまっているという問題意識があります。

(参考。上谷さくら委員)
「現状ですと、暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能要件に当たれば懲役5年以上、当たらなければ不起訴ということになっていて、極端過ぎるのですよね」

刑事弁護の観点からは、一たび性犯罪で有罪とされた場合に、本人が身体を拘束され、社会との接続が切られたり、断絶されてしまったりすることだけではなくて、加害者の家族に与える影響等についても、一家離散したりであったりとか、自宅を売却したりであったりとか、そういった影響が非常に大きいという現状を見ています。

今のように懲役5年以上しかないというのは、弁護人としては、非常に重過ぎるという問題意識を持っています。

確かに、中には、明確な暴行・脅迫がない、反抗が著しく困難な程度に至っていたかどうかの立証が難しいということで、被害者の支援の方から見ると、処罰されるべき者が逃れているという視点もあるのだと思います。

ただ、他方で、本来であれば、当罰性が高いのかどうか、暴行・脅迫が強度といえるのかが微妙なもの、すなわち、従前から例に挙がっているような、服を脱がせるであるとか、腕を押さえるであるとか、性交に通常伴うような暴行・脅迫であったとしても、その地位や被害者との関係性等を考慮して、抵抗を著しく困難にさせる程度の暴行であるとして177条(強制性交等罪)の処罰の対象になっているという事例もあるように思います。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

そうであるならば、それより軽い類型を創設し、かつ、それは単に同意に反してというものではなくて、行為規範として、行為者に、それは禁止されている行為なのだということが、外形上明白になるような形での何らかの要件を規定することが必要ではないかと思います。
例えば、威力又は威迫を用いて、被害者の、「被害者の」と入れるかどうかは別として明確な意思に反して性交等を行った場合というような類型について、10年以下の懲役等の一段軽い刑を科すといったようなことが考えられるかなと思っています。

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<15~16ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

「①」(「抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和することの要否・当否)の論点については、これを緩和するというかどうかについて、それぞれのお立場がありそうですけれども、暴行・脅迫という文言、心神喪失・抗拒不能という文言に引きずられて、余りに厳しく運用されてしまっており、またばらつきも生じているのではないか、こういうような御意見もあり、いずれにしても、これをより良い文言に置き換えるべきではないかという御意見が多かったかと思われます。

また、「②」(法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否)については、軽い類型を設けるべきだという御意見と、いや、それには問題があるという御意見の両方があったと思われました。

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<16ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

先ほど、加害者の処罰が重過ぎるという御意見もありましたけれども、性暴力加害について理解して考えた方がよいと思っています。

性加害者は認知のゆがみを持っていて、自分で悩まず、人を悩ます。

その過程で性犯罪、加害行為を合目的に行っているわけですね。

自分自身の利益や欲求、依存心や支配欲を満たすために行っているので、彼らや彼女らの考えが変わらず、治療教育の効果が得られなければ、再犯を繰り返していくという特性があると思っています。

彼らや彼女らにとって大事なことは、二度と性被害者を出さないような人生を生きることです。

しかし、自分自身でそのことを行うのが非常に難しいという問題が一つと、被害者感情として、5年も十数年もトラウマに苦しみ、ついには自死に至るような、そういう被害を出す重い犯罪だということも踏まえた理解をしていただく必要があると思っています。

そして、その抗拒不能というのが、その文言上、やはり加害者が加害をしたと認識しづらい一つの理由になってしまっているのかなというふうに思います。

ですから、繰り返しになりますけれども、何が不同意の性交なのかというのを表に出すためにも、要件は明確化していただき、罪としては重くてよいと思っています。

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<16ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

軽い類型を作ることには御反対という御趣旨でしょうか。

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<16ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

反対です。

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<16ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

はい、分かりました。

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の論議をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その9)。「ほとんどの被害者が裁判にたどり着けていない」「自分の被害は被害でない、という認識をして苦しんでいます」

現在、数多(あまた)の性犯罪者が野放しの状態になっています。
原因は、刑法の性犯罪規定にあります。

(例。刑法の性犯罪規定)

第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(第177条)の例による。

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ご覧のとおり、暴行や脅迫を伴わない性犯罪は、無罪となります。
刑法の性犯罪規定は、「ざる法」です。

いま、法務省内において、この「ざる法」を改正する作業が進行しています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

上川陽子法務大臣は先日(2021年9月16日)、法制審議会に対して、以下の10項目の改正を諮問しました。

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。
     記
第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
——————————————————–

刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

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刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
——————————————————–

配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。現行刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

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第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

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被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

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第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

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性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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(再掲。諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子 法務大臣
刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること

本日もひきつづき、前段の性犯罪に関する刑事法検討会で、暴行・脅迫要件、さらには抗拒不能要件についてどのような論議がなされたのかをみていきます。

暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その9)
(※その1その2その3その4その5その6) | その7) | その8) |

その1その2その3その4その5 | ・・・2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会
その6その7その8 | その9 | ・・・2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<12ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

抗拒不能は狭過ぎるというのは、もちろんそうなのですけれども、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

小西委員が言われたように、性暴力の実態からこの要件を考えていただければと思います。

Springが実施したアンケートでも、挿入被害1,274件のうち、起訴されたのは9件です。

先ほどなかなか判例が表に出てこないというお話もありましたけれども、ほとんどの被害者が裁判にたどり着けていない

その中で、自分の被害は被害でないという認識をして苦しんでいます。

先ほどのお話を伺っていて思ったのですけれども、やはり、こういう性暴力の実態が司法の現場で共有されていないので、同意についての認識が非常にばらばらなのではないかというふうに感じました。

法体系は違いますけれども、イギリスの2003年の性犯罪法に関して横山潔先生が出されていた本の中で、同意について記載されていたところがあります。
第74条で、ある者が選択によって同意した場合において、当該選択を行う自由と能力を有していたときは、本章の適用上、この者は同意したものとするという記載があります。
不同意を、自由能力が侵害された場合というふうに定めています。

この「自由」が問題となるのが、暴行・脅迫や地位・関係性の利用、家庭の構成員間における被害の場合であり、「能力」が問題となるのが、相手方の年齢や薬物や障害、その他疾患を利用した被害の場合という考え方です。

自由」が暴行・脅迫、「能力」が抗拒不能・心神喪失に対応するものであると考えられるので、やはりこの「能力」が奪われている状態というのを、幅広く定義していただきたいと思っています。

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<12ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

例えば、条文に
自由な能力を奪われた状態にして
というような文言を規定するというのはいかがですか。

——————————————————–

<12~13ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

自由と能力を有していた場合には、同意したものとする、つまり、自由と能力は別で、どちらかを有していない場合は、同意ができる状態ではないというと理解しています。

ですから、先ほどの結婚の話のように、結婚をすると偽ってだましたというときも、その人が、成人で対等な関係であり、自由な選択ができる場合には、これは性暴力には当たらないのではないかというような理解ができる。

ただ、やはり、成人と13歳で差がある場合は、同意できる能力がないという考えができるのではないかと思います。

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<13ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

更に質問させていただくと、抗拒の著しく困難な類型の下に、刑の軽い別の類型を設けるという御趣旨ですか、それとも、類型を広げてそこに含ませ、法的には同じ処罰をすべきだということでしょうか。

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<13ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

もともとは、この抗拒不能は、暴行・脅迫ではない被害者の状況を表しているというふうにされているわけですよね。

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

そして、その抗拒不能によって、暴行・脅迫が用いられた場合以外の様々な性犯罪をきちんと拾えているという理解だったと思います。

しかし、なかなか拾えていないという現場からの意見や支援者の意見もあります。

例えば、薬物を用いた場合が認められにくいとか、障害の場合が認められにくいという場合があります。
しかし、そのような場合でも、被害の実態としては、抗拒不能と変わりないわけですから、その抗拒不能について、例えば、要件として、障害がある、酩酊であるというような形で、きちんと明文化するということで表に出すのですから、法定刑は同じでいいのではないかと思っています。

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<13ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

軽い類型を作るというのではなくて、重い類型に含ませてということでしょうか。

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<13ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

はい、そうです。

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<13ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

よく分かりました。

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<13~14ページ>
2020年11月10日 宮田桂子 委員(弁護士)

この抗拒不能という概念に対して、いろいろ誤解もあるように思われてならないのです。

抗拒不能の概念は、被害者が抵抗できるわけがない状態に置かれたということです。

抗拒不能という言葉は、客観的にこのような状況があれば、あるいは、被害者の主観がこういうものであれば、抵抗することなく性的行為を受け入れるような状況であるという趣旨であり、規範的概念という難しい言い方をしますけれども、言ってみれば、その人がどう感じているか、どう思っているかということではなくて、普通、そのような立場に置かれた人であれば、どのような行動を取るのか、どう認識するのか、あるいは、普通こういう行動をしたときに、刑罰として非難を与えるべきなのかどうかという法律的な概念であって、生の事件における事実自体を示すのではないということです。

このような考え方を採っていけば、暴行・脅迫の177条(強制性交等罪)には当たらないけれども、178条(準強制性交等罪)には当たるという形で、177条(強制性交等罪)の起訴に対して、178条(準強制性交等罪)を予備的訴因として追加することも考えられますけれども、強気で177条(強制性交等罪)だけで起訴して無罪というような事案も、あるようにも思います。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

現在、検察官が178条(準強制性交等罪)のこの抗拒不能の要件をうまく使い切れているのかどうかという問題があり、先ほど指摘しましたように、うまく使っている裁判例を共有化していく努力の方が、私は先ではないかと思います。

ただ、問題だと考えますのは、この抗拒不能についても下限が5年です。

過去において、178条(準強制性交等罪)では、相当緩和されたような事実についても抗拒不能に当たると認められていましたけれども、最近の解釈が、前回の改正の際の検討会のときよりも、少し低調に見えるのは、やはり、この下限5年という重い刑罰を科すことになり、抗拒不能の要件について、暴行・脅迫に比肩するほどの抵抗困難な状況を作り出しているかどうかというような判断の慎重さを招いていることもあるのではないかと思います。

なお、山本委員がイギリス法についての言及をしておられたのですけれども、不同意性交罪については、イギリスでは、その不同意の立証が非常に難しいということで、起訴されない、あるいは、無罪となってしまうというような事例もあるというふうに聞いております。
私はこの辺は専門ではないので、木村委員が御専門だと思うのですけれども、その辺について教えていただければ有り難いと思っています。

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の論議をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その8)。「暴行・脅迫だけでは非常に問題がある」「抵抗したかどうかだけで、本人の意思を図ることはできない」

日本の刑法の性犯罪規定は、性犯罪を取り締まるどころか、性犯罪を助長するきまりとなっています。
日本は性犯罪者にとって、「天国」です。
性犯罪をおこなっても滅多なことでは捕まりません。
刑法が、性犯罪をしても良いよ、と言っているのですから。
いまこの稀代の悪法が改正されようとしています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

上川陽子法務大臣は先日(2021年9月16日)、法制審議会に対して、以下の10項目の改正を諮問しました。

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。
     記
第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
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刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

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刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
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配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。現行刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

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第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

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被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

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第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

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性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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(再掲。諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子 法務大臣
刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること

本日もひきつづき、前段の性犯罪に関する刑事法検討会で、暴行・脅迫要件、さらには抗拒不能要件についてどのような論議がなされたのかをみていきます。

暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その8)
(※その1その2その3その4その5その6) | その7) |

その1その2その3その4その5 | ・・・2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会
その6その7 | その8 | ・・・2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<7ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

加害者の行為の側からではなく、被害者に生じている法益侵害の側から性犯罪を考えると、暴行・脅迫を手段とする行為に限定する理由はないという従来とは異なる考え方に立って不同意性交を処罰するということを、条文上明らかにする必要があると考えております。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

暴行・脅迫要件は撤廃して、意に反する性交を構成要件とするような刑法改正が必要です。
一方で、不同意については、内心の要素にとどまらず、それを徴表する具体的な行為や状況との関連で判断するアプローチを取らなければなりません。

構成要件の中に客観的な要素を盛り込む必要があります。

禁止される行為を明確にするという趣旨です。

不同意となり得る客観的な要素、手段とか状況について、何を盛り込むかは議論があると思いますけれども、例えば、威迫、不意打ち、驚愕、欺罔、監禁等の手段や、飲酒、障害による影響などの状況など、具体的な、客観的な要素を構成要件に書き込むこと、典型例を構成要件に明示することが必要であると考えます。

故意の問題もあります。

行為者において、被害者の不同意について故意を有する必要があります。
構成要件的錯誤は理由の相当性を問うことなく故意を阻却してしまうので、不同意性交罪を設けても機能しないおそれがあります。
これを回避する法技術として、構成要件に客観的要素を盛り込むという手段が有効です。

本日、日弁連の犯罪被害者支援委員会が作成した被害者代理人のアンケート調査を資料(小島委員提出の「改正刑法(性犯罪関係)に関する被害者代理人アンケート調査」と題する資料)(※非公開)として提出しました。

暴行・脅迫要件がネックとなって無罪となった事案ないし事件化できなかった事案が40件ほどあり、弁護士が支援しても、なお約3割あったということで、12ページから14ページに具体的な事例が掲載されております。
改正への意見としても、不同意性交罪を制定すべきだという意見が多数寄せられておりますので、御覧になっていただければと存じます。

また、日本学術会議の提案も、同意の有無を中核とする犯罪を規定するべきだと、同意なき性交は犯罪になるということを明示してもらいたいと提言しています。

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<7~8ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

同意の有無について言及していただきたいのはなぜかといえば、セックスとレイプを分けるものが同意の有無であり、性行為それ自体は犯罪行為ではないことはもちろんなのですけれども、同意のない性行為は、性行為ではなく暴力だということが理解されていないからです。

理解されていないために、被害者も自分が深刻な傷を負っているにもかかわらず暴力だと認識できず、加害者も自分の行為が相手を死に至らしめる可能性さえあるかもしれないということを認識できていないということは、問題ではないかと思います。

もちろん、どこまでを処罰すべきかという点について踏み込んだ議論が必要だということには賛同いたします。

諸外国でも、対等な関係性で暴力を伴わない言語的な強制といったときには、同意についてどう考えるかというのは、いまだ議論されているところです。

しかし、それは、だから同意の有無を構成要件とすべきではないということではなくて、同意の有無が重要であるということを明記した上で、加害者の用いる手段であるとか、被害者の状態や加害者と被害者との関係性といったことによって、どのようにそれが示されるかということを検討するということの方が、重要なのではないかと思っております。

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<8ページ>
2020年11月10日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

確かに、現状では、暴行・脅迫要件だけでは狭過ぎるというのは、そのとおりだと思います。

では、どう広げるかということなのですけれども、先ほどから御議論があるように、同意がない場合の全てを入れてしまうと、実は、かなり大変なことになるのではないかというふうに思います。

先ほど、渡邊委員から御発言があったように、安定的な法適用が難しくなるというふうに思います。

ですので、不同意というのを正面から書くのは結構難しいのかなというふうに思っています。

ただ、暴行・脅迫だけでは狭いのはそのとおりなので、例えば、抵抗が困難な状態のようなことは入れてもいいのかと思います。

そうしますと、事実上、178条(準強制性交等罪)の一部も取り込むことになるのかもしれないのですけれども、

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

薬物の使用なども入れてもいいのかもしれません。

ですから、暴行・脅迫、あるいは薬物等を用いてなどというふうにある程度具体化する必要があるのかなというふうに思います。

欺罔まで入れるのはどうかというような議論が先ほどありましたけれども、一般に178条(準強制性交等罪)で欺罔が問題になるような場合というのは、霊感治療みたいなものがあると思うのですけれども、それは、事実上脅迫に近いようなものなので、脅迫をすごく狭いものとして捉えない限りは、ある程度拾えるのではないかというふうに思います。

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<8ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

現行法でも、そうした欺罔の類型というのは、ほかの事情とあいまって、抗拒不能という要件に当たるという解釈がなされていると思われますので、そこでカバーするということは可能だと思われます。

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<8~9ページ>
2020年11月10日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)

暴行・脅迫要件が狭過ぎるということは、間違いなくそうだと思っています。

その要件をどういうふうに具体化するかというところは、かなり議論していただく必要があり、今までの法的なモデルで被害のことを考えると、現状からかなり離れてしまいます。

今、実際に被害者の実情を知る者の発言が相次いでいるのは、こういうモデルを使って話していただくと、すごく現実から離れていく印象があって、とても危惧を覚えるのですね。

だから、どうしてもこういうことを言いたくなるのだということは、御理解ください。

例えば、暴行・脅迫だけでは非常に問題があるということの典型的な例は、前に少しお話ししましたが、バイオロジカルの反応で人は抵抗しないということが、実際に、本当に珍しくなくよく起こっているということですね。

全く動けなくなるとか、感情や感覚がなくなるとか、こういうことの基盤に生物学的・進化学的な反応があるということは、もう広く専門家に受け入れられている事実です。

そういうときの行動として、人は意思と行動が一致するだろうと考えるのは、非常に実態と反したモデルであり、実態に沿って考えるというのであれば、危機、特に性暴力の被害のときには、そういうふうに動くものであるということを取り入れていただかないといけないと思います。

今までの議論は、非常に常識的ではないことをただ言っているだけなのかもしれませんけれども、だからこそ、うまく拾えていないのだということを、やはり少しお話ししておきたいと思います。
抵抗したかどうかだけで、本人の意思を図ることはできないということは、繰り返しお話ししておきたいと思いました。

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<9~11ページ>
2020年11月10日 宮田桂子 委員(弁護士)

要件の検討の前提となる部分についての意見です。

解釈の不統一が起きている、これは、条文の使い勝手が悪い、あるいは、裁判所や検察官の偏見があるからだという見方は確かにあるかと思います。

しかしながら、この暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能の要件、あるいは地位・関係性の要件について考える議論の前提として、性犯罪についての裁判所の考え方が共有できていないという非常に大きな問題を共通認識にしていただかなければならないと思っています。

性犯罪の裁判例は、裁判所のデータベースには掲載されません。
最高裁のホームページに掲載される裁判例については、平成13年の最高裁の広報課長の事務連絡では、プライバシーに高度の注意を要するとともに、掲載によって被害者感情を著しく害するものなどについて考慮するようにとされました。
この頃から、性犯罪の裁判例の掲載例が非常に減ったように思われますけれども、平成29年の「下級裁判所判例集に掲載する裁判例の選別基準等について」という事務連絡では、明確に性犯罪について、掲載は原則としてしないと記載されています。
すなわち、性犯罪、起訴した罪名は性犯罪でなくても実質的に性犯罪と同視できる事件を含む事件については、被害者などに大きな精神的な被害を与えるおそれがあるから、判決書を公開しないことになっています。

一方で、民間のデータベースである判例秘書とかレックス(LEX)などがありますけれども、これは、関係者からの情報提供で判決が掲載されます。

そうすると、弁護人は、無罪事件について、これは成果だから載せてくれと言い、被害者側からは、これは不当だから知らしめてくれと言う。
そうすると、性犯罪については、事実が認められた事件、特に被告人が自白して、淡々と事件が進んで事実関係が認められてしまった事件については、データベース上に裁判例が載りません。

今回の検討会で、非公開資料とはなりましたけれども、裁判例を幾つか挙げていただきました。
検察官が公訴事実の構成や立証に工夫を凝らし、また、裁判所も積極的に認定をしたような事例は、少なからずあった。
しかしながら、このようなデータベースの扱いによって、こういう前例があるから適用するべきだと具体例を挙げられない、あるいは、裁判所が、過去のそういう例を見つけて積極的に認定をすることができなかった、そういう事態があったことは、共通認識にしていただきたいと思います。

また、解釈の統一という意味では、裁判所の研究機関である司法研修所の司法研究という論文とか、あるいは、判例タイムズなどの雑誌に、裁判官がこのように事実認定が行われてきたという形で論文を発表することが解釈の統一に非常に大きな役割を果たしています。
そして、そういうものが発表されることによって、学界からフィードバックがされることがあるわけですけれども、性犯罪に関しては、裁判所側からの研究成果が出されていなかったという問題があります。

つまり、性犯罪について、裁判例の紹介がされずに、そして、裁判官などの法律実務家が研究して発表することが、言わばタブーになってきた。
それが、解釈の不統一を招く一つの原因になってきたのではないか。
これは、共通認識にされるべきことではないかと考えています。

その上で、この暴行・脅迫要件の撤廃の部分についてですが、保護法益をどう捉えるかは別として、性的な行為というのは、人間のコミュニケーションの一つの手段です。
そして、実際に性行為をするまでのコミュニケーションの在り方というのも様々です。
そういう中で、するべきではない行為としてもいい行為の間には、様々なグラデーションがあり、例えば、民事の損害賠償の対象となる事件、あるいはセクハラなどで懲戒解雇をすべき事件があり、刑罰をもって対処するというのは、言わば最終手段であることを忘れてはならないと思います。

国家が人に対して刑罰権を行使するという強烈な制裁を行う以上は、正当化できるだけの当罰性がある行為を考える必要があるわけですが、この処罰すべき範囲、「③」の一番上の「○」の「Yes means Yes」型が妥当ではないかという考え方ですけれども、

参考
③ 暴行・脅迫等の要件の撤廃や「不同意」を要件とすることの要否・当否

○ 性交は双方が合意を形成しながら互いに参加して行うものであるから、同意のない性交は処罰されるべきであって、被害者に抵抗や拒絶の意思表示を求めるのではなく、「Yes means Yes」型、すなわち、自発的に参加していない人に対してした性交を処罰の対象とすべき。

性行為について、やります、どうぞというやり取りはほぼない。
ノンバーバルなコミュニケーションの中で、相手はやってもいいと思っているのだと思って性行為をするということは、よく起こることで、そういうときに、一方は嫌だった、しかしながら、一方はそうとは思わなかったという、ボタンの掛け違いはどうしても起きてしまう。
それを全て処罰の対象と見るべきかといえば、そうではないのではないかと思います。

そして、同意なき性交について、同意がなかったという供述では足りないということについては、渡邊委員から客観的要件がなければ無理だというお話が、小島委員から客観的要件を考えていくべきだというお話がありましたけれども、要は、被害者の言っていることについて、客観的な証拠があるかどうかというのが、非常に重要な問題になってくるわけです。

被害者からは被害者の抵抗を求めたとして批判の多い平成21年4月14日、平成23年7月25日の最高裁判決ですけれども、この判決は、客観的な事実や他の客観的な証拠とのそごがあるかどうかによって、被告人の言い分が正しいのか、被害者の供述が正しいのかを判断すべきだとした判決です。
この判決がいうように、同意なき性交罪ができたとしても、証拠法上、被害者の言い分を裏付けるような証拠があるかどうかということは、極めて重要であって、そうすると、その点について、証拠がなかった事件については、同意なき性交罪を作ったとしても、救済はされない可能性があるということです。

そして、同意なき性交罪について、各国の法制を見てみると、こういう場合に同意がないだろうという間接事実を例示列挙しているという形になりますが、例示には必ず漏れが出てくると思います。

その漏れがあったときには、例えば、こういう行為があった場合には被害者が畏怖していたものとして処罰するというような形で、何かその例示の外枠を画するためのものが必要であり、そういう意味で、暴行・脅迫とか抗拒不能といった抽象概念が必要になるのだと思っています。

そして、間接事実の例示による立法の場合には、間接事実の有無が争点になるので、この事実があったか、この事実がなかったか、この事実に対応する別のこんな事実もあるぞという形で、争点が拡散していく危険もあるのではないかと考えています。

また、この議論の前提として、刑をどのように考えるのかということを考えなければならないと思っています。
同意なき性交罪という構成要件を置いている各国の罰則は、非常に軽いということです。
ドイツの場合は2年以上の自由刑、スウェーデンでは過失だと4年以下の拘禁刑、故意であっても2年以上6年以下の拘禁刑とされています。
たとえ軽い処罰であっても、広く罰して、このような行為はいけないのだということを示すことが重要なのか、あるいは、狭くてもいいから重く処罰することが重要なのかというような考え方の整理も、必要なのではないかと思います。

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<11ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

今の御発言の中には、むしろ、次の論点のところでお話しいただくべき御指摘もあったかと思いました。

さて、第1の2の「(1)」についてはいろいろと御意見を頂きましたけれども、あえてまとめるとすると、暴行・脅迫要件、あるいは心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃するかどうかは別にして、いずれにしても処罰すべき不同意性交を過不足なく捉えられるような、より良い文言を考えるべきなのではないかという点では、多くの委員の御意見は一致しているのではないかというふうにお聞きしました。

そこで、もう次の論点に入っているわけですけれども、第1の2の「(1)」(「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃し、被害者が性交等に同意していないことを構成要件とすべきか」)についての議論はこのぐらいにして、第1の2の「(2)」、すなわち、
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件について、判例上必要とされる「被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和した要件とすべきか」
という点についての議論に移らせていただきたいと思います。

一巡目(2020年8月27日)では、
「① 「抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和することの要否・当否」、
さらには、
「② 法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否」
という観点から御意見を頂いております。

先ほどと同様に、どのような観点からの御意見であるかを明示して、御意見を頂きたいと思います。

それでは、御意見のある方は、御発言をお願いします。

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<11~12ページ>
2020年11月10日 上谷さくら 委員(弁護士)

先ほどの「(1)」の「③」暴行・脅迫等の要件の撤廃や「不同意」を要件とすることの要否・当否とも関連した形になるかと思うのですけれども、私は、今の暴行・脅迫要件とか心神喪失・抗拒不能要件だけというのは、非常に狭過ぎると思っています。

現状ですと、暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能要件に当たれば懲役5年以上、当たらなければ不起訴ということになっていて、極端過ぎるのですよね。

被害者の方によく言われて、もっともだなと思うのは、不起訴になった場合、「あれだけひどいことをしたのに、私がされたことは痴漢以下なのでしょうか」ということです。

「痴漢でも公判は行われているのに、私の被害は裁判さえ行われていない」というのはそのとおりで、性犯罪は明らかに類型が少な過ぎると思うのですね。

やはり、その原因としては、今の暴行・脅迫要件の文言と判例解釈にあると思っています。

ただ、私は、今の177条(強制性交等罪)の基本的な枠組みは維持した方がいいのではないかと思っていて、

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

3年前に刑法を改正したばかりで、その改正点は、それなりの評価を受けて、今定着しつつあると思っています。

その部分については、実態に即したものとして機能しているのではないかと思います。

ただ、判例が示した抗拒を著しく困難にさせる程度という文言の解釈について、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

検察官によって当てはめの差が大き過ぎると思います。

今、起訴独占主義が採られている中で、検察官の一存でそこまで当てはめが異なると、こちらとしてはもうどうにもならないという事態に、私はいつも直面しているわけです。

そのときに、177条(強制性交等罪)暴行・脅迫要件より広い何かを書き込んでほしいなと思っています。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

ただ、今判例で使われている抗拒を著しく困難にさせるというような言葉だと、やはり抵抗を前提としているようなイメージがあるので、別の言葉を考えるべきではないかと。

やはり、被害者の抵抗ありきというのは、もうあり得ないという発想からスタートしていただけたらと思っています。

ですので、177条(強制性交等罪)の基本的枠組みを維持しつつ、暴行・脅迫要件に何か今の実情に合うような文言を書き入れると。

その177条(強制性交等罪)以外に、例えば、不意打ちですとか威迫とか、そういった文言を列挙したり、法定刑の下限が3年以上というような少し軽めの類型を新しく作ったり、別途地位・関係性の類型を作っていくというような柱で考えていくのが、実態に即しているのではないかと思っています。

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<12ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

私からお尋ねしたいのですけれども、例えば、暴行、脅迫、威迫、不意打ち等々の手段、それから、それによって起こされた被害者側の状態というのが、今までは抗拒を著しく困難にさせる程度という言葉で表現されてきたが、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

それでは適切でないとなったときに、何か代わりになる言葉として、こういう言葉がいいのだという対案のようなものをお持ちですか。

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<12ページ>
2020年11月10日 上谷さくら 委員(弁護士)

今、一生懸命考えています。

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<12ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

是非よろしくお願いいたします。

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の論議をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

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暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その7)。「対等ではない関係性の中で、逃げられない状況で説得されて受けざるを得なくなったならば、それは同意がない行為」

暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その7)
(※その1その2その3その4その5その6

その1その2その3その4その5 | ・・・2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会
その6 | その7 | ・・・2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会

刑法の性犯罪規定のなかには、「暴行・脅迫」などのように、敷居が高い要件があります。
当該条文を確認します。

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(第177条)の例による。
——————————————————–

現在、法務省は、刑法の性犯罪規定を改正する作業を進めています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

上川陽子法務大臣は先日(2021年9月16日)、法制審議会に対して、以下の10項目の改正を諮問しました。

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。
     記
第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
——————————————————–

刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

——————————————————–

刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
——————————————————–

配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。現行刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

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第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

——————————————————–

被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

——————————————————–

第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

——————————————————–

性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

——————————————————–

(再掲。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

(再掲。諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子 法務大臣
刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること

本日もひきつづき、前段の性犯罪に関する刑事法検討会で、暴行・脅迫要件、さらには抗拒不能要件についてどのような論議がなされたのかをみていきます。

暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その7)
(※その1その2その3その4その5その6

その1その2その3その4その5 | ・・・2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会
その6 | その7 | ・・・2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<3ページ>
2020年11月10日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

私も、どちらかというと、尊厳のようなものも保護法益に含むべきではないかと思うのですけれども、そのときに、自己決定とどこが違うかということなのですが、実は、前回の改正の際、地位・関係利用類型の主体を「現に監護する者」に限るという議論のときに、自己決定を強調することにより、やはり圧倒的に生活を支配していて、子供の自由を奪うようなものでなければ、きちんとした法改正ができないというような議論があったのですね。

自己決定といいますと、暴行・脅迫などもどうしても強いもの、自己決定を凌駕するようなものでなくてはいけないということになるので、どうしてもその要件の要否や程度の問題と関連してくるような気がします。

ですから、別に過失までいかなくても、暴行・脅迫要件をより弱いものでもいいというふうに議論するのであれば、尊厳のようなものも含めて考えた方がいいと思います。

それと、少し先走りますけれども、例えば、先ほど申し上げた親以外の者も含むかというときにも、やはり尊厳のような議論をした方が、広げやすいのではないかというふうに思いました。

——————————————————–

<4ページ>
2020年11月10日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

私も、性的自由が保護法益であるという考え方はもうやめて、人格的統合性とか性的尊厳というものが保護法益であると考える方が望ましいと思っています。
理由は幾つかあるのですが、今日この先で扱う他の論点や、今日扱わない論点に関係するところもありますので、それぞれの部分で触れたいとは思いますけれども、一つは、やはり、性犯罪がどのような犯罪であるのかを考えるときに、性的自由ということだけ言うと、単に被害者の意思に反することを行った犯罪にすぎないというイメージになってしまい、それは避けるべきだということです。
より重大なものを害する犯罪であることを、保護法益の表現の中に含めた方が望ましいだろうと考えています。
なぜ、保護法益を性的自由と捉えるよりも、人格的統合性といったようなもので捉えた方が、より重大な犯罪として性犯罪を理解することにつながるのかを考えてみますと、性的自由として捉えるときには、性的行為それ自体はニュートラルなものであるけれども、それに対する被害者の同意がないときに、初めて違法性・侵害性が生じるという考え方になり、それが一般的な理解になってしまっているかもしれませんが、そうではないだろうと思います。
この検討会が始まる前に出した意見書にも書いたことですが、本来、性的行為というのは、対等な人格的存在として相互に承認し合いながら人格的交流を行うべきものであるのに対して、一方が上に立ち、他方を下に見て、相手が自分に対して性的利益を提供して当然であるという考え方に基づいて、その上下関係を利用して性的利益を奪い取るというところに、性犯罪の本質があり、つまり、そのように性的利益の単なる入れ物として相手を扱うということに本質があり、そのように扱われて身体的侵襲を受けると、人格的統合性が害されるということなのではないかと理解しています。
そうしますと、客観的に一定の上下関係に基づいて行う性的行為それ自体に、既に侵害性があり、それに対する同意の有無を考えるという構造で理解すべきではないかと思います。
つまり、被害者の同意も、単に性的行為に対する同意ではなくて、上下関係に基づいて性的利益を奪われることについての同意がない限りは、同意は不存在であるとして扱うべきだと思います。
その意味で、今回見ていこうとしている要件の改正の話は、どのような上下関係を、それ自体、客観的に侵害性あるものとして処罰対象にするのかという観点から、従来の要件を、ぎりぎりどこまで広げられるかを検討する議論だと理解しているところです。

——————————————————–

<4ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

法的な言葉がよく分からないので、法的な言葉は他の委員の方に考えていただきたいのですけれども、先ほど和田委員もおっしゃっていたことではありますが、その人の意思や感情に反する性行為というのは、対等な人間であるというのが認められないことにより、その人の尊厳とか、その人が人であるということ自体を踏みにじることだと思うのです。

そういったニュアンスが入っているような保護法益ということで是非考えていただきたいというふうに思いますし、自己決定といったときに、小さい子供の被害などをどうやって捉えるのかということがありまして、山本委員や小島委員が言っていたような、身体の境界線の侵襲であるとかというようなニュアンスが入っていると、心理としては、とても実際に近くなるのではないかということを考えました。

——————————————————–

<4~5ページ>
2020年11月10日 池田公博 委員(京都大学教授)

先ほど和田委員の御指摘の中で、同意の対象というお話が出たことに関連して、「②」の
処罰すべき性交等の範囲についての基本的考え方
について、意見を申し上げたいと思います。

この点については、同意を得ていない性交等を対象とすべきであるという御意見が、冒頭にも示されているとおりですけれども、

参考
〇 被害者から明確な同意を得ていない性交は犯罪となるべき

他方で、この部分でいいますと、四つ目の「〇」の御意見にもあるように、

参考
〇 「不同意」という言葉自体がかなり幅のある概念であり、例えば、一定の関係を有する相手の要求に対し、悩んだ挙げ句に最終的に性行為を甘受するに至った場合には、被害者の心理状態は多様であり、どこまでが「不同意」といえるかが明確ではないように思われるし、結婚すると偽ってだまして性交した場合に、被害者が錯誤に陥っており有効な同意がないとして犯罪の成立を肯定することは適当ではないから、どこまでを処罰すべきかという点については踏み込んだ議論が必要

同意のないこと、ないしは不同意という言葉自体が、かなり幅のある概念であって、その中には処罰すべきかどうかについて意見の分かれ得るものも含まれてくるように思います。

特に、この御意見にも示されておりますけれども、結婚すると偽ってだまして性交した場合などのように、錯誤に陥って同意をしたような場合にまで、同意がないとして処罰するのは適当ではないという考え方もあり得るところではないかと思います。

そこで、不同意の性交として処罰すべきものを、どのようなものとして考えるべきか、何についての同意が欠けることが問題なのかということについて、特に不同意の性交を処罰すべきとの御意見をお示しになられている委員からの御意見も伺いながら、議論していく必要があるのではないかと思っております。

その上で、処罰すべき範囲を念頭に置きながら、それを的確に表現する処罰規定の在り方として、どのような要件を規定するべきかということを考えることになるのではないかと思います。

——————————————————–

<5ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

保護法益につきましては、幾つか非常に示唆に富む御発言をいただいたわけですが、非常に抽象的なレベルでの議論でもありますので、今後、具体的な論点を考えるときに、それぞれのお考えがどういうふうにそこに反映してくるのかということについて、具体的な形でもって議論を展開していただけますと大変有り難いと考えております。

それぞれの保護法益論の理解により、このように考えるからこそ、こういう結論になるという形で御発言いただけると、それぞれの見解の趣旨が明確になるかと思います。

池田委員からは、不同意という場合の不同意の内容がいま一つ明らかでない面があるので、それを明らかにしていただきたいという御発言がありました。

——————————————————–

<5ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

今お話のありました「②」の四つ目の「〇」に関してですけれども、

参考
〇 「不同意」という言葉自体がかなり幅のある概念であり、例えば、一定の関係を有する相手の要求に対し、悩んだ挙げ句に最終的に性行為を甘受するに至った場合には、被害者の心理状態は多様であり、どこまでが「不同意」といえるかが明確ではないように思われるし、結婚すると偽ってだまして性交した場合に、被害者が錯誤に陥っており有効な同意がないとして犯罪の成立を肯定することは適当ではないから、どこまでを処罰すべきかという点については踏み込んだ議論が必要

例えば、私が考えるものとしては、一定の関係を有する相手の要求に対して、対等に話し合った上で、あるいは、関係を深めた上で性行為に同意した場合には、同意があると思います。

ただ、対等ではない関係性の中で、逃げられない状況で説得されて受けざるを得なくなったならば、それは同意がない行為ではないかと思います。

また、結婚すると偽ってだまして性交した場合とありますけれども、例えば、13歳の子供に対し、成人した人間が結婚すると偽ってだまして性交した場合には、処罰されるべきだと思います。

この場合、性行為に対する同意について、理解力の差であるとか、力関係の差を利用しているというふうに考えられるためです。

一方、成人同士であり、性行為の理解力や力関係の差がなく、結婚すると偽って性交した場合は、深刻な裏切りで、被害者は大きく傷つくので、もちろん臨床心理としては、心理のケアの対象となりますけれども、それは、先ほど述べたような理解力の差や力関係の差というのを利用したものとは、少し違うのかなというふうに考えております。

——————————————————–

<5~6ページ>
2020年11月10日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)

今の論点に付け加えてということですが、私も法律用語が分からないので、その辺は理解していただければと思います。

実は、問題になっていることは、大きく分けて二つ違う類型があって、一つは、自己決定ができないところまでパワーで追い込まれて、抵抗ができなかったり、あるいは、不同意だということが言えなかったりしているようなケース、例えば、今でしたら、性的虐待の子供のケースとか、あるいは、突然の行為に対する生物学的な反応で抵抗ができない、こういう場合は、自己決定という概念に全然当てはまらない状況であるのに、拾えていないということがあると思います。

もう一つは、今おっしゃった同意・不同意ということが表に出てきて、問題になる場合なのですけれども、そこでの同意・不同意の問題と、自己決定そのものが侵される場合というのが、私たちがうまく拾えていないものがあって、それを上手に拾っていただけるような改正がなされればいいと思っております。

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<6ページ>
2020年11月10日 渡邊ゆり 委員(東京地方検察庁検事)

実際に法を適用する立場から、感想を申し上げたいと思います。

「③」で暴行・脅迫要件を撤廃することについての御意見がございますけれども、以前にもお話ししたように、実際に、被害者の方が同意していないということは、被害者からお話を伺って、あるいは、客観的な行動等を私どもが確認させていただくことで、確信に至るということはできるわけですけれども、被告人自身が、被害者が同意していると思ったという弁解をしているときに、その被告人の認識を明らかにするためには、暴行、脅迫、薬物、飲酒といった客観的な要素が非常に重要になってまいります。

先ほど齋藤委員の言われた年齢差、これも客観的な状況でございまして、被告人の認識を明らかにする重要なよすが(頼りとなるもの)になるわけでございます。

さらに、裁判所にそれを理解してもらうということも非常に大変です。

検察官は、立証責任を全て負っておりますので、非常にハードルが高いわけでございます。

不同意だけを要件とするということになりますと、例えば、欺罔ですとか様々な不同意があるというお話もございましたけれども、立証の対象が特定しにくいというのが、正直な感想でございます。

むしろ、私どもは、小西委員の御講義を数年前から伺ったりしていろいろと勉強してまいりましたけれども、そういったことで法曹関係者が被害者の方の心理を理解し、性犯罪における暴行・脅迫の意義を再構築していくことによって、裁判所にも御理解を頂いていくというようなことを進めてきたところでございまして、そういう意味では、立証という観点からしますと、今申し上げたような客観的なよすが(頼りとなるもの)がある方が、結論的に問題のある御判断を頂くことにならないで済むのではないかというふうに思っております。

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<6~7ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

Springのアンケート調査でも、自分が性被害を受けたことを認識できなかった人が、挿入を伴う被害を受けた人の半数近くいました。

臨床現場でも、やはり数年間、あるいは10年、20年たって、自分が被害を受けたということが認識できるようになったという人は多いわけです。

それは、やはり、今の日本の刑法の性犯罪の中での扱われ方が、非常に対等でなく、意思に反していて、強制性があるという、そういう性暴力の本質と離れたところに、このルールとしての定めがあるからではないかというふうに思っています。

ですので、どのような文言にするかというのは、これから議論されると思いますけれども、不同意の徴表というふうに言われるのであれば、やはり同意がないということ、意思に反しているということを前面に出して、それを、被害者も加害者もお互いに認識できるようにならないと、実務上の問題で、加害者が故意がないと言って、それが認められれば犯罪にならないという状況は解決しないのではないかなと思います。

——————————————————–

<7ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

これまでの議論の中で、特に池田委員と渡邊委員の御意見の中に、一つのポイントになるべき重要な御指摘があったように思われます。

この検討会の課題は、不同意性交のいろいろな形を過不足なく捉えて文言化した規定の提案を行うということであり、それが我々に求められているところだと思うのですけれども、ただ単に、同意を得ずにとか、不同意であるという言葉を裸で条文に書くと、結婚すると偽って、あるいは、お金を払うと偽って関係を持ち、後にその望みをかなえなかったという欺罔類型のケースのように、現在だと177条の文言により排除されているものが入ってきてしまう可能性がある。

そこで、そうした類型の事例が入らないような文言にするためには、同意を得ずとか不同意とかと条文に書くのでは適切でない、こういう問題提起であったと思います。

この点は、とても大事なポイントだと思いますので、御意見を頂ければと思うのですけれども、いかがでしょうか。

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の論議をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

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【第1回「刑事法(性犯罪関係)部会」の議事録が公開(5)】 「性犯罪に対処するための法整備は、喫緊の課題」「できるだけ早期に結論を示すことが求められている」

10月の末(2021年10月27日)に第1回刑事法(性犯罪関係)部会が開催されました。
現在の日本において、刑法の性犯罪規定の改正は、急迫した課題となっています。
刑事法(性犯罪関係)部会の任務は、改正法案の叩き台の策定です。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。
先日、同部会の第1回目の会議議事録が公開されました。
本日もひきつづき、当該議事録を参照します。

(参考。当ブログ)
第1回刑事法(性犯罪関係)部会議事録について>
2021年11月27日(1)
2021年11月28日(2)
2021年11月29日(3)
2021年12月1日(4)

2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録(5)
(1)(2)(3)(4)

(2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

<16ページ> 
2021年10月27日 川出敏裕 委員(東京大学教授)

次回(2021年11月29日)、ヒアリングを行った後の第3回の会議以降の審議の進め方について、意見を申し上げます。

本部会の審議対象である性犯罪に対処するための法整備は、喫緊の課題とされておりまして、本部会には、十分な議論を行うことを前提に、できるだけ早期に結論を示すことが求められていると思います。

ただ、そうは言いましても、連日、部会を開くわけにもいきませんので、限られた時間の中で充実した議論を行い、早期に部会としての結論を出すためには、第3回以降の一巡目の議論から、今回諮問がなされた各事項に関する問題点と、その解決の方策を、具体的にイメージする形で意見を出し合っていくことが有益であると思います。

こうした観点から審議の進め方を考えますと、先ほど言及のありました「性犯罪に関する刑事法検討会」においては、諮問に明示されています10項目についても、そこに含まれる様々な論点を抽出した上で、幅広い観点から検討し、配布資料3の取りまとめ報告書の中にその検討の結果が取りまとめられております。

報告書では、各論点について今後検討するに当たっての具体的な視点や留意点等も示されておりますので、これを部会における議論の土台とすることが適当であると思います。

そうすることにより、検討の方向性や具体的課題について、一から議論を繰り返すことを避けることができ、早い段階から具体的な議論を始めることができるのではないかと思います。

——————————————————–

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

<16ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

早急に具体的な案を示すのが、私どものミッションですので、振出しに戻って一から始めるのではなく、検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)での議論の土台の上に立って検討を進めるという、誠にごもっともな御意見だったと思います。

——————————————————–

<16ページ>
2021年10月27日 佐伯仁志 委員(中央大学教授)

私も、川出委員の御意見、それから、今、部会長の御意見でもあるかのようにお伺いしましたけれども、その御意見に賛成です。

川出委員が先ほど述べられましたように、一巡目の議論から、諮問事項への対応として、

(参考。諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

第一、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
一、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
二、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
三、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

どのような具体的方策が考えられるかを明らかにしつつ、議論を進めることができれば、一巡目の議論を踏まえて、議論のたたき台となる資料を事務当局に作成していただき、二巡目の議論では、それを素材としながら更に議論を深めるといったことができると思われます。

そのような方法で議論を進めていくことで、条文の出来上がりの姿を全員でイメージしつつ、理論的な課題や、あるいは法制技術的な問題も踏まえながら、建設的で効率的な議論を行うことができるのではないかと思います。

——————————————————–

<16~17ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

一巡目の議論でかなり具体的な方向性を出して、事務当局には、その上で資料を作ってもらい、そして、場合によっては改正が必要だという点については、条文の具体的なイメージに近づけるように練り上げていくという工程表を示していただいたと思います。

ほかに御意見はございますでしょうか。

(一同意見なし)

大変有益な御意見も頂き、お陰さまでこの先における議論の方向が、おぼろげながら見えてきたように思います。

それでは、本日の審議を踏まえ、次回(2021年11月29日)の会議ではヒアリングを行い、第3回の会議からは、個別の論点について、一巡目の議論を行うことにしたいと思います。

そして、個別の論点についての議論に当たっては、川出委員、佐伯委員の意見にもありましたように、「性犯罪に関する刑事法検討会」の議論、その到達点というものを土台にして、各諮問事項について、どのような対処や解決の方策があるのか、具体的かつ建設的に御発言いただければ、かなり充実した生産的な議論につながるかと思いますので、何とぞ御協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。

特に御意見がございませんでしたら、本日予定していた議事につきましては、これで終了いたしましたので、本日の審議はここまでにしたいと思います。

次回(2021年11月29日)の予定について、事務当局から説明をお願いします。

——————————————————–

<17ページ>
2021年10月27日 浅沼雄介 幹事(法務省刑事局企画官)

次回第2回会議は、令和3年11月29日月曜日の午前10時からを予定しております。
詳細につきましては、別途御案内申し上げます。

——————————————————–

<17ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

本日の会議の議事につきましては、先ほどヒアリングに関する御意見の中で挙げられた個人のお名前以外に、特に公表に適さない内容に当たるものはなかったと思われますので、そのお名前に関する発言部分を除いて、発言者名等を明らかにした議事録を作成して公表することとさせていただきたいと思います。

また、配布資料についても、公表することとしたいと思います。

そのような取扱いとすることについて、御異議ございませんでしょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

本日は、ありがとうございました。

——————————————————–

(参考。法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 名簿より。)

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた

部会長
井田 良 中央大学教授

委員
・今井猛嘉 法政大学教授
川出敏裕 東京大学教授
・川原隆司 法務省刑事局長
・北川佳世子 早稲田大学教授
木村光江 日本大学教授
小島妙子 弁護士
小西聖子 武蔵野大学教授
齋藤 梓 公認心理師
・佐伯仁志 中央大学教授
・田中知子 東京地方検察庁公安部長
中川綾子 大阪地方裁判所部総括判事
橋爪 隆 東京大学教授
・藤本隆史 警察庁刑事局長
宮田桂子 弁護士
山本 潤 一般社団法人Spring幹事
・吉崎佳弥 最高裁判所事務総局刑事局長

幹事
・浅沼雄介 法務省刑事局企画官
池田公博 京都大学教授
・市原志都 最高裁判所事務総局刑事局第二課長
金杉美和 弁護士
・清 隆 内閣法制局参事官
・佐藤拓磨 慶應義塾大学教授
佐藤陽子 北海道大学教授
・嶋矢貴之 神戸大学教授
・中山 仁 警察庁刑事局捜査第一課長
長谷川桂子 弁護士
・保坂和人 法務省大臣官房審議官
・吉田雅之 法務省刑事局刑事法制管理官

関係官
井上正仁 法務省特別顧問

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた
——————————————————–

先日の2回目の会合(2021年11月29日)では、ヒアリングがおこなわれたようです。
刑法の性犯罪規定の改正に向けた本格的な論議は、年末(2021年12月27日)の3回目の会合からはじまります。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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【第1回「刑事法(性犯罪関係)部会」の議事録が公開(4)】 「立法の技術を尽くして、不同意性交罪の実現に向けて議論する場としていきたい」

本日もひきつづき、先日公開された第1回刑事法(性犯罪関係)部会議事録を参照します。

(参考。当ブログ)
第1回刑事法(性犯罪関係)部会議事録について>
2021年11月27日(1)
2021年11月28日(2)
2021年11月29日(3)

いま、法務省内で、刑法の性犯罪規定を改正する作業が進行しています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

上述のとおり、2021年10月27日に第1回刑事法(性犯罪関係)部会第1回刑事法(性犯罪関係)部会が開催されました。
刑事法(性犯罪関係)部会の任務は、改正法案の叩き台の策定です。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録(4)
(1)(2)(3)

(2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

<12~13ページ>
2021年10月27日 長谷川桂子 幹事(弁護士)

この度の刑法改正の議論には、法制審議会の部会からの参加となります。

性犯罪被害者の支援の実務を経験している弁護士として、やりがいと責任の重さを感じております。

被害者の実情や刑事手続上の困難を知る実務家の立場から、意見を述べていきたいと思っています。
よろしくお願いします。

初回ですので、二つの点について意見を述べたいと思います。

被害者の方とは、事件発生以後、様々な段階から関わりますが、既遂、未遂にかかわらず、精神や体に変調が起き、事件前の日常生活と同じ生活を送れなくなっている方は多く、望まない性行為をされたり、されそうになることが、どれほど人の精神を痛め付けるのかを実感しています。

このように被害が大きいのは、性的自由が侵害されたということのみならず、性的事項に関わる人格権が侵害されたからであると考えています。

望まない性行為の被害者にもたらす結果の深刻さと、同意のない性行為は許されないのだという当たり前のことを、皆様とまず認識を共有したいと思います。

その上で、この法制審議会部会での共通認識を社会全体の共通認識にしていきたい、そのために、この度の刑法改正において、法改正を実現していく必要があると考えています。

現在は、同意のない性行為の一部が処罰等の対象となっているにすぎません。

このところ、私は10代、20代の若い女性の被害者を受け持つことが多いですが、強い暴行・脅迫がない場合でも、状況や人間関係なども影響し、恐怖や混乱で抵抗することができず、望まない性行為をされてしまった、又はされそうになったケースが複数あります。

被害届を出し、事情聴取で説明を重ね、再現や現場の確認などに時間を割いても、現行の処罰規定には当たらないとして不起訴となってしまう事件を見るにつけ、御本人の精神をむしばみ、深刻な影響を与えているその行為が、処罰されずに放置されてよいのかと感じます。

刑法は行為規範でもあります。
現行法では、深刻な被害発生の防止にも不十分であると考えます。

同意のない性行為を処罰することについては、検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)でも様々な意見が出されてきたところではありますが、この部会を、皆様のお知恵を結集して、諸外国の法制度も参考に、課題を克服し、立法の技術を尽くして、不同意性交罪の実現に向けて議論する場としていきたいと希望しています。

もう1点、性交同意年齢の引上げや、若年者の保護について意見を述べたいと思います。

自分の子供時代を考えても、また、自分の子供やその友達を考えても、13歳はないと、性交同意年齢は引き上げるべきだということは、確信としてあります。

では、性交同意能力とは何なのでしょう。
これについては、悩みながら考えています。
性行為それ自体を理解できるというのでは足りないと思います。

民事法の分野では、未成年者には法律行為を行うか否かの判断能力が欠けるとして、未成年者取消しの制度があり、18歳までを保護しています。
例えば、本人が著名な画家の絵画を気に入り、真にその絵画を手元に置きたいと望んで売買契約をしたとしても、売買価格が適切なのか、本人の経済状況に照らして、その代金を負担することが適切なのかなどの法律行為の効果を理解し、それを行うかどうかを適切に判断する能力に欠けるとして、事後的に取り消し得るとして、18歳未満の者を保護しているものです。

性行為は取り消せません。
また、性行為には、妊娠、性感染症など、健康、その後の生活、人生設計を左右するリスクが潜在しています。
また、相手との関係性において、愛情なく相手の性欲に利用されるなど、粗末な扱いを受ける場合もありますが、それが分からず、年齢が上がってから行為の意味を知り、精神的な影響が生じ、深刻な状態になる場合もあります。

性交に同意する能力があると言えるためには、そのような性行為に起因する問題を洞察し、性行為に踏み込むか否かを判断できる知識と精神的発達段階が必要であると考えています。

そこで、性交同意年齢を何歳とすべきかを検討するには、子供の発達段階や性教育の実情を踏まえて考える必要があると考えています。

また、同意能力という用語が使われていますが、断ることができる能力という捉え方も必要ではないかと考えています。

そのような観点から、性交同意年齢の引上げや若年者に対する性的行為の構成要件化について、検討していただけたらと考えています。

——————————————————–

<13ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございます。
御自身の実務経験に基づいた御意見を頂いたと思います。

総論的な事柄に関する御意見ということで、どのようなことでも結構ですが、ほかに御意見はございますか。

それぞれに貴重な御意見を頂戴したと考えております。
ただ今頂いた意見も踏まえつつ、今後、具体的な検討を進めていければと考えています。

次に、今後の審議の進め方について、御意見のある方は、是非、御発言をいただきたいと思います。

——————————————————–

<13~14ページ> 
2021年10月27日 橋爪 隆 委員(東京大学教授)

審議の進め方に関しまして、1点御提案を申し上げます。

性犯罪をめぐる問題につきましては、ただ今御指摘がございましたように、法的な観点だけではなくて、被害の現状、実態、性犯罪被害者あるいは加害者の臨床、さらには、若年者の性行動一般などを正確に把握するなど、幅広い視点を持った上で議論を進めることが必要であると考えております。

したがいまして、本格的な議論に入る前に、まずはヒアリングを実施することが有益かつ必要ではないかと存じます。

もっとも、諮問事項が10項目に及ぶことからも明らかですが、

(参考。諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

第一、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
一、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
二、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
三、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

性犯罪に関係する視点や専門的な知見は多様であり、全てについて網羅的にヒアリングを実施することも現実的ではないように思われます。

この点に関しましては、法務省では既に、「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」や「性犯罪に関する刑事法検討会」において、多様な分野の専門的知見をお持ちの方から、幅広くヒアリングを行っており、その結果につきましては、本日の配布資料5として共有されております。

また、委員・幹事の皆様の専門分野に関する事項であり、審議に必要となる内容につきましては、審議の際にその知見に基づく御発言や情報提供を頂くことによりまして、認識や情報の共有が可能であると考えられます。

このように考えますと、限られた時間の中で、必要な前提知識を効率的に共有し、それによって議論の充実を図るためには、次回の会議では、実態調査ワーキンググループや検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)で行ったヒアリング等の内容の重複を可及的に避けるとともに、この部会の委員・幹事の皆様の御専門と競合しない分野について、ヒアリング対象を優先的に選択した上でヒアリングを実施することが適当ではないかと考えまして、僭越ではございますが、御提案を申し上げる次第です。

——————————————————–

<14ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

ただ今ヒアリングについて御意見をいただきました。
また、他の委員・幹事の皆様からも、事務当局を通じてヒアリングの実施及びその対象者に関する多数の御意見を頂いているとも聞いております。
橋爪委員がおっしゃったように、諮問事項の審議に当たり、様々な専門的知見を有する方から御意見を頂くことは有益なことだと思いますので、次回につきましては、ヒアリングを行うこととするのはいかがかと考えます。

金杉幹事、御意見があるようですが、それは、今の点についてでしょうか。

——————————————————–

<14~15ページ>
2021年10月27日 金杉美和 幹事(弁護士)

本日欠席の宮田委員から、今後の進め方や、橋爪委員から出ましたヒアリングについての意見を伺っておりますので、それを紹介したいと思います。

まず、進め方についてです。
検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)での議論は、どのような構成要件にするかという議論が中心であり、その法定刑についての議論が十分ではなかった印象を持ちます。
他国の刑法を見ると、法定刑で5年以上の自由刑を科すとされる行為は、相当危険な暴行を振るっての強制性交です。
強い暴行・脅迫を前提としたとしても、現行法の下限懲役5年は重いと考えます。
検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)では、今まで出された判決が認めているからということで、幾つかの類型が提案されましたが、そのような類型について、有罪にしなかった判決があるということも、忘れてはならないと思います。
これからする議論は、現状の刑法177条(強制性交等罪)、178条(準強制性交等罪)の適用範囲を明確化するというものではありますが、強い暴行・脅迫から広げていく作業でもあります。
法定刑の問題を正面から論じる必要性が高いものと考えます。

次に、ヒアリングについてです。
加害者臨床については、過去ヒアリングの対象となったとはいえ、十分な共通認識となっているとは感じられず、更なるヒアリングが必要と考えます。
一つは、弁護人として関わるという加害者臨床もあります。
代表面接については、法務省からのプレゼンはありましたが、その問題点を弁護の立場から話す機会は頂戴しておりません。
例えば、(具体的な氏名)は、代表面接案件に複数関与し、証拠能力や供述の信用性の問題等についても造詣が深いです。
また、医師、臨床心理士等が立直りを支援するという面からの臨床もあります。
この点については、今の法定刑では、十分な保護観察期間が確保できないという悩みを聞くところであり、法定刑の問題として重要な視点と考えられますし、構成要件を考えるについても、認知のゆがみがある人が同意の有無を適切に認識し得るのか、そのゆがみが生物学的・心理学的なものに由来する場合には、故意がない、あるいは責任能力がない、欠けるといった問題もあると考えます。
例えば、(具体的な氏名)などは、精神科医として幅広い見地から、刑法と加害者の問題をお話しいただけるものと考えます。

——————————————————–

<15ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

前半の御意見は、先ほどの総論的事項に関する宮田委員の御意見として承りたいと思います。
また、後半の御意見は、次回、ヒアリングを行うことについては、基本的に賛成のお立場から、その対象者についての御示唆を頂いたと思いました。
他の皆様の御意見はいかがでしょうか。

——————————————————–

<15ページ>
2021年10月27日 山本 潤 委員(一般社団法人Spring幹事)

ヒアリングについては、時間が非常に限られている中で、全てを実行することは難しいと思いますけれども、先ほどの意見の中にも出てきましたが、前提を共有していないことから意見がかみ合わないことも、検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)では多かったのかなと思います。
様々な専門をお持ちの方がおりますので、御自分の専門外のところを、なかなか読むだけでは理解しにくいのではないかとも思います。
性暴力のリアリティについて、人間の理解について、共有すべき前提のところは、最低限、実施していただければと思います。

また、御専門の委員もいらっしゃいますが、会議の中で意見を開陳するだけでは不十分な部分もありますので、是非、そのときは、10分、15分なり、プレゼンテーションの機会を取っていただいて、委員より意見をお聞きするのもいいのではないかと思います。

もう一つ、議事録についてなのですけれども、検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)でも、法務省のホームページに載るまでに、二、三か月ほど時間が掛かっていたかと思います。
今回、かなり委員・幹事も多く、非常に皆様を回るのも大変だと思うのですけれども、この法制審議会は、とても国民の間でも、私たちの間でも関心が高く、より内容についても期待されているものだと思います。
できれば、次の会議の前に公表していただくのがよいとは思います。
なかなか難しいと思いますけれども、なるべく早くお願いしたいと思っています。

——————————————————–

<15~16ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

議事録の点については、御希望として、承りたいと思います。

ヒアリングを行うことについては御異議がないようですので、次回はヒアリングを行うこととしたいと思います。
また、ヒアリングの対象者につきましては、本日頂いた御意見や事前に事務当局を通じて頂戴している御意見を踏まえて決定したいと思います。
そのとき、橋爪委員がおっしゃった過去のヒアリングとの重複を避けるべきであるという御意見は、とても重要だと思いますので、その点は十分に勘案したいと思います。
なお、先方の御都合もございますし、早めに日程を調整するという必要性もございますので、最終的にどなたにお願いするかということにつきましては、私に御一任いただけますでしょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
ヒアリングの対象者が決まりましたら、委員・幹事の皆様には、事務当局を通じて、すぐに御連絡させていただきます。

ほかに、審議の進め方について御意見のある方は、御発言をお願いしたいと思います。

——————————————————–

(参考。法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 名簿より。)

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた

部会長
井田 良 中央大学教授

委員
・今井猛嘉 法政大学教授
川出敏裕 東京大学教授
・川原隆司 法務省刑事局長
・北川佳世子 早稲田大学教授
木村光江 日本大学教授
小島妙子 弁護士
小西聖子 武蔵野大学教授
齋藤 梓 公認心理師
・佐伯仁志 中央大学教授
・田中知子 東京地方検察庁公安部長
中川綾子 大阪地方裁判所部総括判事
橋爪 隆 東京大学教授
・藤本隆史 警察庁刑事局長
宮田桂子 弁護士
山本 潤 一般社団法人Spring幹事
・吉崎佳弥 最高裁判所事務総局刑事局長

幹事
・浅沼雄介 法務省刑事局企画官
池田公博 京都大学教授
・市原志都 最高裁判所事務総局刑事局第二課長
金杉美和 弁護士
・清 隆 内閣法制局参事官
・佐藤拓磨 慶應義塾大学教授
佐藤陽子 北海道大学教授
・嶋矢貴之 神戸大学教授
・中山 仁 警察庁刑事局捜査第一課長
長谷川桂子 弁護士
・保坂和人 法務省大臣官房審議官
・吉田雅之 法務省刑事局刑事法制管理官

関係官
井上正仁 法務省特別顧問

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた
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明日も、第1回刑事法(性犯罪関係)部会の議事録をみていきます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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【第1回「刑事法(性犯罪関係)部会」の議事録が公開(3)】「暴行・脅迫要件は、被害者がいつでも拒絶できるという非現実的な事態を前提としております」

先日、第1回刑事法(性犯罪関係)部会議事録が公開されました。

(参考。当ブログ)
第1回刑事法(性犯罪関係)部会議事録について>
2021年11月27日
2021年11月28日

いまから5年前、刑法の性犯罪規定が大幅に改正されました。
法務省はいま、この改正された規定をさらに変えようとしています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会の任務は、改正法案の叩き台の策定です。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

本日もひきつづき、同部会の第1回目の会合で出された意見をみていきます。

2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録(3)
(1)(2)

(2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

<10~11ページ>
2021年10月27日 小島妙子 委員(弁護士)

私の方から何点か申し上げたいと思います。

まず、改正の要否・当否ということについてなのですが、一昨年無罪となった事件で、そのうち二つは、二審で逆転有罪となっております。

(参考。当ブログ)
2021年5月16日

改正の要否等については、暴行・脅迫要件や抗拒不能要件が既に緩和されているので十分だという意見がありますが、裁判体によって法の適用にばらつきがあると、下級審において混乱が生じていることが問題だと思います。

構成要件を明確にして、処罰されるべきものが処罰されていくようにすることが必要だと考えております。

2点目として、暴行・脅迫要件ですが、性犯罪の被害者像、人は性被害を受けたときにどのような状態になって、どのような行動を取るのかに関しまして、精神医学や被害者心理学の発展により、新しい知見が得られるようになりました。

これまでは、被害者が性的自由を侵害された場合に、加害者に対して抵抗することができると考えられてきましたが、物理的にも心理的にも抵抗が困難な場合があるということが、明らかになってきました。

例えば、物理的に抵抗できない例としては、恐怖で動けなくなることがありますし、心理的に抵抗できない例としては、学校や職場など、当事者間に支配・従属関係がある場合、学生・生徒や部下は、先生・上司の性的要求を拒絶できない場合があります。

このような場合に、加害者は暴行・脅迫なしで被害者の性的自由を侵害することができます。

暴行・脅迫要件は、被害者がいつでも拒絶できるという非現実的な事態を前提としております。

我々は、新たな知見を前提に、性犯罪の犯罪化を考えるべきだと思っています。

被害者像の転換ということを前提にすべきだということです。

3点目として、同意・不同意の問題があります。

刑法の性犯罪の規定の適用を見てみると、同意の有無が性犯罪の成立を作用しているように見えます。
しかしながら、そもそもいかなる事情があれば性行為に同意があると言えるのかについて、明らかになっていないことが問題だと思っています。

同意とは、自由な意思決定に基づく真摯な承諾があることが必要であるなどと言われておりますが、その意味するところは、必ずしも明らかではありません。

ホテルに入ることに同意した、一緒に酒を飲んだ、車に乗った、泥酔していた、密室で一緒にいたなどということをもって、性行為に同意があったと思われても仕方がないなどと言われています。

また、明確な拒絶の意思がないこと、すなわち、同意ではないことが、一般の人々にも司法関係者にも理解されていないことが問題だと思っています。

性行為については、明確な同意を取るべきであり、これを怠った場合のリスクは、同意を曖昧なままにして利益を得てきた者、多くは男性だと思いますが、これを取るべきだというのが私の考えです。

人権保障という観点から、このような考え方が一般の人々にも受け入れられるようになるような社会を目指すべきであり、刑法の改正にとどまらない課題だと思っています。

次に、法改正についての課題でございますが、やはり、不同意性交罪を新設して、意に反する性交を犯罪とする改正が必要だと考えております。

当罰性について、現時点でコンセンサスが得られる行為態様や被害者の状態を構成要件に盛り込み、これに併せて、当罰性についての判断は、年代や人々の認識、それに伴う社会規範に応じて変化するものなので、受皿規定として、今後の判例法理の発展を目指して、その意に反する、あるいはその他意に反する性交という規定を設けるべきであると考えています。

このほか、性交同意年齢の引上げなど、諮問に係る論点はいずれも緊急の課題であり、速やかに法改正が行われるよう、微力を尽くす所存でございます。

——————————————————–

<11ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございました。
各論的事項にも踏み込む御意見だったと思いました。

——————————————————–

<11ページ>
2021年10月27日 金杉美和 幹事(弁護士)

検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)から引き続いて参加をさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)も経まして、非常にこの問題が難しい問題だということは、重々理解をしております。
ただ、先ほどの法制審議会の総会で出た意見にもありましたように、そもそも平成29年の改正後に、更に改正の必要があるのかという要否、そして、当否の件についても、慎重に御議論いただきたいと思います。

先ほど、小島委員からも御指摘がありました下級審の裁判例のばらつきという点につきましては、法律の定め方やその解釈にばらつきがあるのか、あるいは個別の事件において訴訟活動を行った当事者等の問題なのかという観点から、本当にそれが法律の規定の仕方からくるものなのかという検討はしていただきたいと思っています。

また、当否の点につきましても、仮に刑法改正の必要があるとしても、本当に罪刑法定主義や刑罰法規の明確性の観点から、罪となる行為を明確に定めることができるのかどうかといった当否、あるいは罪刑の均衡という観点からも、是非、慎重な御議論をお願いしたいと思っています。

——————————————————–

<11~12ページ>
2021年10月27日 小西聖子 委員(弁護士)

今の御意見などを聞きまして、何度も今ここで出ましたけれども、私も精神医学を専門としておりますので、行動のリアリティ、つまり、実際に人がどういうふうに行動するのかということには、せめて関心を持ってそのことを理解して、法律について議論していただければと思います。

具体的に、今出たお話で言いますと、私も検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)に参加させていただいておりましたが、その最中も、その後も、幾つかの精神鑑定をして、また、刑事裁判の場にも出ました。例えば、ずっと性的虐待があるようなケースで、19歳、20歳になって初めて明るみに出たようなケースでは、抵抗をしないこと、あるいは迎合して何とか被害を少なくしようとする方が、精神医学的な目から見ると自然です。

そこで抵抗があったら、むしろ驚く。

専門家にはこれは常識ですが、例えば、19歳の子が抵抗しなかったからといって、強制性交等罪で、最後の一つの性交について、法廷で、何で抵抗しないのか、実は同意があったのではないかっていうような議論をされるということは、本当に被害のリアリティを分かってもらえていないのだということを、やはり実感します。
(2017年)の改正で何とかなっていることがかなり多いのではないかと、金杉幹事が言われましたけれども、現場で見ても、やはり、足りていない。

例えば、虐待の後の二十歳ぐらいの人たちが、一体どういう行動をしているのか、どれが普通なのか、どういうのが普通の在り方なのかというのが、分かってもらっていないなと、実際に思います。

また、そういうことがよく分かっていないために、小さい子供の被害がそのまま見過ごされて、例えば、この前、幼少期のネグレクトや中学生になってからの性的虐待のPTSDがあって、軽い知的障害があって、それで、そのことが誰にも分からずに、犯罪行為につながっていって、被害者の方は若いのにもう前科が20回とか、そのようになっているケースも見ました。

被害者が加害者化してしまう。

そういう点では、早く正しく相手を罰することができるということ、特に若年被害者に関してそれができることが、多くの人の健康とか幸福に役に立つのだと思います。

是非、法制審議会の中でも、そういうリアリティということを尊重して議論していただければと思っています。

——————————————————–

(参考。法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 名簿より。)

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた

部会長
井田 良 中央大学教授

委員
・今井猛嘉 法政大学教授
川出敏裕 東京大学教授
・川原隆司 法務省刑事局長
・北川佳世子 早稲田大学教授
木村光江 日本大学教授
小島妙子 弁護士
小西聖子 武蔵野大学教授
齋藤 梓 公認心理師
・佐伯仁志 中央大学教授
・田中知子 東京地方検察庁公安部長
中川綾子 大阪地方裁判所部総括判事
橋爪 隆 東京大学教授
・藤本隆史 警察庁刑事局長
宮田桂子 弁護士
山本 潤 一般社団法人Spring幹事
・吉崎佳弥 最高裁判所事務総局刑事局長

幹事
・浅沼雄介 法務省刑事局企画官
池田公博 京都大学教授
・市原志都 最高裁判所事務総局刑事局第二課長
金杉美和 弁護士
・清 隆 内閣法制局参事官
・佐藤拓磨 慶應義塾大学教授
佐藤陽子 北海道大学教授
・嶋矢貴之 神戸大学教授
・中山 仁 警察庁刑事局捜査第一課長
・長谷川桂子 弁護士
・保坂和人 法務省大臣官房審議官
・吉田雅之 法務省刑事局刑事法制管理官

関係官
井上正仁 法務省特別顧問

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた
——————————————————–

明日も、第1回刑事法(性犯罪関係)部会の議事録をみていきます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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【第1回「刑事法(性犯罪関係)部会」の議事録が公開(2)】 「より悪質な加害者ほど、逃げられない、抵抗できない、訴えられない人を狙います」

昨日のつづきです。
第1回刑事法(性犯罪関係)部会の議事録が公開されました。
いま法務省内で、刑法の性犯罪規定を改正する作業が進められています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会の任務は、改正法案の叩き台の策定です。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。
本日もひきつづき、同部会の第1回目の会合でどのような意見が出たのかをみていきます。

2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録(2)
(1)

(2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

<8ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

(前略)
それでは、審議に当たっての総論的な事項に関する御意見と、次回以降の審議の進め方に関する御意見とに分けて、それぞれお伺いしたいと思います。

まずは、総論的な事項について、御意見のある方は、御発言をお願いしたいと思います。

何でも御自由に御発言いただいて結構です。
いかがでしょうか。

——————————————————–

<8~9ページ>
2021年10月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

本日は貴重な場に参加させていただくことを感謝しています。
この歴史的な場で有益な議論がされることを、期待いたします。

簡単に意見を述べさせていただければと思います。

前回、「性犯罪に関する刑事法検討会」にも参加させていただきましたが、性暴力のリアリティとすごくずれたところで話が進み、かみ合わないなとずっと思ってきました。
特に、性暴力を受けている最中のことが理解されなかったと思います。

アメリカの調査では、レイプ被害者において、最も多く報告された反応は恐怖であり、その恐怖は一、二年続いていたことが報告されています。

日本でも、被害者の多くは、身体的暴力を受けず、逆らったらどうなるか分かっているのかなどと言葉で脅かされたり、相手の体が大きいので逆らえないと思ったと答えていて、加害者に圧倒されていることが分かっています。

それなのに、現在の法律の運用では、被害者が強く抵抗するか、完全に抵抗できない状態であることを求められ、さらに、被害を受けたこともない人間が、自分の限られた経験から自然か不自然かという判断をしています。

しかし、その判断自体が、人が外傷的事件に巻き込まれて恐怖にさらされた場合に起こる自然な反応を無視したものです。

考えるより先に体が勝手に反応してしまう、膝が震えて足に力が入らない、思考停止状態になって動けない、そのつもりはないのに相手に受動的に従ってしまうなどのように、危機的状態では生存に関わる脳の部分が急激に活性化され、生物学的な生存が優先される状態になることが、科学的に説明されています。

そのような神経生理学的な反応を理解せず、抵抗できたのでは逃げられたのではということは、被害者に不可能を強いているし、残酷です。

PTSDの発症率が半数となる性暴力は、犯罪の中でも最も凶悪なものの一つであると、精神医学的に認識されています。

被害者の回復を支えるためには、その人が性暴力をどう経験したかを理解することが、とても重要です。

議論をするに当たっては、そのような被害を受ける恐怖、悪寒、戦慄を感覚としてつかんでいただきたいと思います。

そのために、委員・幹事の方々には、お忙しいと思いますが、被害者の手記を読んでいただければと思います。
性暴力のリアリティを言語によって理解することには限界がありますが、性暴力を受けることがどういうことであるかを読むことにより、理解することの助けになると、精神科医、臨床心理士からも伝えられています。

より悪質な加害者ほど、逃げられない、抵抗できない、訴えられない人を狙います。
能力や力関係の差を利用して、自分がしたいことをしたいようにでき、後から訴えられそうもない人を選んでいるのです。
その中で、被害者は沈黙させられ、訴えられず、訴えても信用されず、被害を不自然だと判断され、なかったことにされてきました。
私の知り合いでも、食べることもできなくなり、学校にも行けず、悪夢にうなされ、心身に大きなダメージを受け、人生を狂わされた被害者の方の加害者の多くは、捕まることもなく笑って食事をして普通に生活しています。
被害者に不可能を強いる線引きをして、加害者を捕まえることも罰することもできない現状は、盗人を世に放っているのと同じです。
性暴力のリアリティを理解し、対等ではない立場で不十分な情報の中で、そしてノーを言えない状態に追い込んで、同意のない性行為をした場合の適切な法が定められることを期待します。

また、「第一」の「六」(性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること)のグルーミングについては、オンライングルーミングが今、大きな問題となっていますし、今後も被害が拡大していくことが予想されます。
グルーミングの過程では心理操作が行われるため、特に、社会心理学の視点から心理的操作について理解して、実態に即した議論がされることを望みます。

この法制審議会の場で、実りある議論がなされるように、非力ではありますが、力を尽くしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

——————————————————–

<9ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございました。
とても重要な視点をお教えいただいたと思います。

——————————————————–

<9~10ページ>
2021年10月27日 齋藤梓 委員(公認心理士)

この度は、貴重な議論に参加させていただきますことを、心よりお礼申し上げます。

私は、法律については門外漢ですけれども、被害について研究と臨床を行ってきた者として、議論で大事にしたいと思うことがございます。

平成29年(2017年)の改正の結構以前ですけれども、監護者性交等罪がなかった頃に、

(参考。監護者性交等罪)
<刑法>
第179条
②18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

性虐待の被害者の心理支援を担当していたとき、警察の方に、長年勤めていて、義理の親からのこのような被害を初めて聞いた、許してはいけないと言われました。

私は何を言っているのだろうと思いました。
被害者支援に携わる身として、その事例は決して珍しい事例ではなく、残念なことに大変よく遭遇する事例だったためです。

そして、平成29年(2017年)改正の前後ですけれども、肛門や口腔への性器挿入が強姦と同等になるということについて、司法関係者から、男性がレイプ被害に遭うというのはどういうことですかと聞かれました。
当時、司法関係者が大変混乱していらしたことを覚えています。
でも、私には混乱する理由が分かりませんでした。

さきの検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)でも、限界事例として例に出されたかもしれないことが、心理職としては、特段、限界事例ではないと感じられる、つまり、ごく普通に人間にとって性暴力であり、苦痛で後遺症の甚大な出来事だと感じられることもありました。

法律が人の思考の枠組みを決めるとまでは申しませんが、人は、自分の知らないことや見えていないことは、思考の枠組みに入れることはできないのだと、自戒を込めて、本当に思います。

心理学や精神医学の知見をそのまま法律の文言にできないということは、よく承知しているのですけれども、知らなければ考えることさえ難しいのではないかと思います。

さきの検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)でもお願いしたのですけれども、存在している実態を知って、被害者心理とか精神医学の知見を知っていただいて、より適切な法律について御検討いただきたいと思っています。

例えば、現在の法律では、性暴力のときに抵抗することが前提となっています。

検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)では、様々、例示列挙される案も出ましたが、包括的な文言としては、やはり抵抗することが前提の意見が多く出されました。

しかし、実際は抵抗できない、抵抗することすら頭に浮かばないことの方が普通です。

抵抗することを前提とすることで、不同意を分かりやすくしているのかもしれませんけれども、それは普通の人間を前提としたものではないと、心理学からは考えられます。

また、性的同意年齢を考えるときには、現実の子供たちの発達というものを念頭に置いていただきたいですし、関係性のある中での性暴力・性犯罪について考えるときには、そこに、抵抗することが頭に浮かばない、関係性によって意思が抑圧される心理的なダイナミクスがあるというのを知っていただいて、検討いただきたいと思います。

議論の俎上にも、前提として、皆様の意識にさえ上がらないというような被害がないようにとも思っています。

最初にも申しましたとおり、私は法律については門外漢ですけれども、法律家の皆様が人の心理のどこに疑問を持って、どこを理解しにくいと感じるのかということについては、気が付く限りお話しできればと思っております。

違う分野の人間ですけれども、歩み寄って、より現実の人間に即した議論を行えれば、有り難いと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

——————————————————–

<10ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございました。
大変貴重な意見を頂きました。

——————————————————–

(参考。法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 名簿より。)

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた

部会長
井田 良 中央大学教授

委員
・今井猛嘉 法政大学教授
川出敏裕 東京大学教授
・川原隆司 法務省刑事局長
・北川佳世子 早稲田大学教授
木村光江 日本大学教授
小島妙子 弁護士
小西聖子 武蔵野大学教授
齋藤 梓 公認心理師
・佐伯仁志 中央大学教授
・田中知子 東京地方検察庁公安部長
中川綾子 大阪地方裁判所部総括判事
橋爪 隆 東京大学教授
・藤本隆史 警察庁刑事局長
宮田桂子 弁護士
山本 潤 一般社団法人Spring幹事
・吉崎佳弥 最高裁判所事務総局刑事局長

幹事
・浅沼雄介 法務省刑事局企画官
池田公博 京都大学教授
・市原志都 最高裁判所事務総局刑事局第二課長
金杉美和 弁護士
・清 隆 内閣法制局参事官
・佐藤拓磨 慶應義塾大学教授
佐藤陽子 北海道大学教授
・嶋矢貴之 神戸大学教授
・中山 仁 警察庁刑事局捜査第一課長
・長谷川桂子 弁護士
・保坂和人 法務省大臣官房審議官
・吉田雅之 法務省刑事局刑事法制管理官

関係官
井上正仁 法務省特別顧問

赤字は、性犯罪に関する刑事法検討会で委員をしていたかた
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明日も、第1回刑事法(性犯罪関係)部会の議事録をみていきます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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【第1回「刑事法(性犯罪関係)部会」の議事録が公開(1)】 同部会は最終的に改正法案の叩き台を作成します。この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります

先月(2021年10月)の27日、法制審議会の第1回刑事法(性犯罪関係)部会が開催されました。
刑事法(性犯罪関係)部会は以降、刑法の性犯罪規定の改正について論議します。
最終的には改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。
いま、刑法の性犯罪規定の改正が現実のものとなっています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

つい先日、第1回刑事法(性犯罪関係)部会議事録が公開されました。
1回目の会合ではどのようなことが話し合われたのでしょうか。
当該議事録を参照します。

2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録(1)

(2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

(前略。)
<4ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

(前略。)
それでは、さきの法制審議会総会におきまして、当部会において調査審議するように決定のありました諮問第117号につきまして、審議を行います。

まず、諮問を朗読してもらいます。

——————————————————–

<5ページ>
2021年10月27日 浅沼雄介 幹事(法務省刑事局企画官)

諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

第一、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
一、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
二、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
三、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

——————————————————–

<5ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

次に、事務当局から、諮問に至る経緯及び諮問の趣旨等について説明をしてもらいます。

——————————————————–

<5~6ページ>
2021年10月27日 吉田雅之 幹事(法務省刑事局刑事法制管理官)

諮問第117号につきまして、諮問に至りました経緯及び諮問の趣旨等について御説明いたします。

平成29年(2017年)6月に成立した刑法の一部を改正する法律により、性犯罪の罰則について改正が行われましたが、改正法附則第9条において、
この法律の施行後3年を目途として、性犯罪における被害の実情、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする
こととされました。

法務省では、この検討に資するよう、平成30(2018年)年4月から、省内の関係部局の担当者を構成員として、「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」を開催し、各種の調査・研究やヒアリング等により実態把握を進め、令和2年(2020年)3月、その取りまとめ報告書を公表しました。

そして、同年(2020年)6月から、被害当事者、被害者心理・被害者支援関係者、刑事法研究者、実務家を構成員として、「性犯罪に関する刑事法検討会」を開催し、同検討会において、性犯罪に関する刑事の実体法・手続法の在り方に関する様々な論点について、法改正の要否・当否の議論が行われ、令和3年(2021年)5月、検討結果として、更なる検討に際しての視点や留意点が示されるなどした報告書が取りまとめられました。

法務省においては、この報告書を踏まえて検討し、近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると考え、今回の諮問に至ったものです。

次に、諮問の趣旨等について御説明いたします。

先ほど朗読した配布資料1を御覧ください。

今回の諮問におきましては、主に御審議いただきたい事項を、「第一」から「第三」までに分けて掲げております。

「第一」は、
相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
です。
具体的には、「一」から「六」まで挙げており、
「一」として、現行法上、13歳以上の者に対する強制わいせつ罪及び強制性交等罪は「暴行又は脅迫を用いて」行われたことが要件とされ、また、準強制わいせつ罪及び準強制性交等罪は「心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて」行われたことが要件とされておりますが、それらの要件を改正すること、
「二」として、現行法上、暴行・脅迫を用いなくても強制わいせつ罪又は強制性交等罪が成立することとされる年齢は「13歳未満」とされておりますが、その年齢を引き上げること、
「三」として、相手方が脆弱であることや相手方との間に一定の地位・関係性があることを利用して行われる性交等やわいせつな行為に係る罪を新設すること、
「四」として、現行法上、強制性交等罪の対象となる行為は、性交、肛門性交又は口腔性交とされ、陰茎以外の身体の一部又は物を挿入するわいせつな行為は、強制わいせつの罪の対象とされておりますが、そのようなわいせつな挿入行為について刑法における取扱いを見直すこと、
「五」として、配偶者間において強制性交等罪などが成立することを明確化すること、
「六」として、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する、いわゆるグルーミング行為に係る罪を新設することといった事項について、御審議いただきたいと考えております。
「第二」は、「性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備」です。
具体的には、「一」として、現行法上、性犯罪の公訴時効期間は、強制性交等罪が10年、強制わいせつ罪が7年とされており、これを経過すると訴追ができないこととなりますが、より長期間にわたって訴追の機会を確保するために公訴時効を見直すこと、
「二」として、現行法上、捜査機関が被害者等から聴取した結果を記録した録音・録画記録媒体は、いわゆる伝聞証拠として証拠能力が認められないのが原則ですが、その証拠能力についての特則を新設することといった事項について、御審議いただきたいと考えております。
「第三」は、「相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備」です。
具体的には、「一」として、性的姿態の撮影行為やその画像等を提供する行為に係る罪の新設、
「二」として、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みの導入といった事項について、御審議いただきたいと考えております。

十分に御審議の上、できる限り速やかに御意見を賜りますよう、お願いいたします。

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<7ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

次に、事務当局から、配布資料について説明をしてもらいます。

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<7ページ>
2021年10月27日 浅沼雄介 幹事(法務省刑事局企画官)

配布資料について御説明いたします。

まず、資料1は、先ほど朗読いたしました、諮問第117号です。

資料2は、事務当局からの説明で概要を申し上げた平成29年に成立した刑法の一部を改正する法律の附則第9条です。

資料3は、事務当局からの説明で触れました、「性犯罪に関する刑事法検討会」の取りまとめ報告書です。

資料4は、平成29年の刑法改正後の規定の施行状況に関する資料です。
改正部分の施行状況をお示しするという観点から、肛門性交・口腔性交のみを実行行為とする事件、男性を被害者とする事件、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪の事件について、それぞれ起訴人員と件数などをまとめております。
また、強制わいせつ罪や強制性交等罪等の年次別起訴人員・不起訴人員に関する統計等についても記載しております。

資料5は、性犯罪に関するヒアリング調査の結果に関する資料です。
事務当局からの説明で触れました、「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」及び「性犯罪に関する刑事法検討会」において行ったヒアリングの結果が記載された議事録等です。

資料6は、性犯罪に関する諸外国の法制に関する資料であり、令和3年8月時点のアメリカ(ミシガン州・ニューヨーク州・カリフォルニア州)、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、フィンランド、スウェーデン及びカナダの性犯罪に関する規定を抜粋し、法務省において仮訳したものです。

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<7ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

次に、事務当局から、さきの法制審議会総会において出された御意見の紹介をしてもらいます。

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<7ページ>
2021年10月27日 浅沼雄介 幹事(法務省刑事局企画官)

今回の諮問がなされた9月16日の法制審議会総会において、委員の方から御発言のあった御意見について、概要を御説明いたします。

一つ目は、審議の進め方に関するもので、「性犯罪に関する刑事法検討会」においては、性犯罪の被害は甚大であるといった認識の下、各論点に関して充実した検討がなされており、法改正の要否・当否については、委員の方々の悩んだ末の御意見が多くあったものと理解している、諮問についての審議に当たっては、法改正の要否・当否も含め、十分に慎重な議論をお願いしたいというものでした。

二つ目は、諮問に掲げられた事項に関するもので、具体的には、
「第一」の「一」(刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること)については、先進諸国の諸事例も参考にした法整備が喫緊の課題であり、不同意性交等罪の導入等を求める被害当事者の声に寄り添いつつ、十分な審議をお願いしたい、
「第一」の「三」(相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること)については、就職活動生に対するセクシュアル・ハラスメントが横行している実態に鑑みると、幅広い関係性や場面に対応できる規定の整備が必要である、
「第一」の「五」(配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること)については、配偶者間でも性犯罪が成立することを明確化することには賛同できるが、家族やパートナーの在り方が多様化していることも念頭に置きつつ、十分な審議を行っていただきたい、
「第三」については、性的姿態の画像等を確実に剥奪できるようにすることは重要であり、実効的な法整備のための審議をお願いしたいというものでした。

(※参考 2021年9月16日 法制審議会総会 議事録

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<7~8ページ>
2021年10月27日 井田 良 部会長(中央大学教授)

現段階で、これまでの事務当局からの説明内容について御質問がございましたら、お願いいたします。

特に御質問はございませんか。それでは、諮問事項の審議に入りたいと思います。
本日(2021年10月27日)は、第1回の会議ですので、まずは、皆様から、審議に当たっての総論的な事項に関する御意見や、今後の審議の進め方に関する御意見を頂きたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(一同異議なし)

特に御異議はないようですので、そのように進めさせていただきたいと思います。

それでは、審議に当たっての総論的な事項に関する御意見と、次回(2021年11月29日)以降の審議の進め方に関する御意見とに分けて、それぞれお伺いしたいと思います。

まずは、総論的な事項について、御意見のある方は、御発言をお願いしたいと思います。

何でも御自由に御発言いただいて結構です。
いかがでしょうか。

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最初にだれが発言をしたのでしょうか。
つづきは明日のブログでみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その6)。「性犯罪は心身の境界線の侵害であり、身体の統合性を破壊する行為である」、「性犯罪の保護法益は、性的自由・性的統合性」

日本は、「性犯罪天国」です。
性犯罪をおこなっても滅多なことでは捕まりません。
性犯罪者を支援しているのは、刑法のなかにある性犯罪規定です。
条文を確認します。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(第177条)の例による。
——————————————————–

暴行や脅迫を伴わない性犯罪は、無罪となります。
法務省は、いま、この性犯罪規定を改正しようとしています。
改正に向けて作業を進めています。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

上述のとおり、上川陽子法務大臣は先日(2021年9月16日)、法制審議会に対して、以下の10項目の改正を諮問しました。

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。
     記
第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
——————————————————–

刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

——————————————————–

刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
——————————————————–

配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。現行刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

——————————————————–

第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

——————————————————–

被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

——————————————————–

第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

——————————————————–

性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

——————————————————–

諮問をうけた法制審議会は、最終的に、改正法案の叩き台を策定します。
この叩き台が実質、改正法案となります。

(再掲。諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子 法務大臣
刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること

(再掲。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会

本日もひきつづき、前段の性犯罪に関する刑事法検討会で、暴行・脅迫要件、さらには抗拒不能要件についてどのような論議がなされたのかをみていきます。

暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その6)
(※その1その2その3その4その5

(※その1その2その3その4その5)・・・2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会
(※その6)・・・2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<1~2ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

それでは、議事に入りたいと思います。

前回会合でも申し上げましたとおり、本日からは、巡目の検討に入ることとし、まず、
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方」
について、その後、
「地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」
について、議論することとしたいと思います。

一巡目の検討は、本検討会において検討すべき論点を記載した資料12に沿って、各論点について一通りの御意見を頂く方法で進めてまいりました。

二巡目の検討も、基本的には資料12の論点・項目の順番に進めたいと考えておりますが、二巡目の検討では、議論を更に深めていく必要がありますので、一巡目での検討で頂いた御意見を土台としつつ、より突っ込んだ議論を積み上げていきたいと考えております。

本日配布いたしました意見要旨集は、各論点・項目の下に小見出しを付けておりまして、これまでの御意見を議論の際の観点ごとに整理したものとなっております。

このような観点を意識して議論することにより、一巡目よりも更に突っ込んだ議論をかみ合う形で行うことができると思いますので、本日の議論は、この意見要旨集に沿って進めることにしたいと考えております。

もちろん、議論のための観点は、今回の意見要旨集に記載したものが全てではないと思いますし、異なる観点ないしは違った角度からの御意見も頂けますと、議論が更に深まることになると思います。

限られた時間の中で、できるだけ多くの委員の方に御発言いただけるようにしたいと思います。

これまでの議論でも、すぐ時間切れになってしまって、思うように意見を述べられなかったという御不満をお持ちの委員もいらっしゃるかもしれません。
そういう意味で、過去の議論との重複を避けるためにも、また、なるべく各委員の御意見をコンパクトに御発言いただく、あるいは、まとめて御発言いただくためにも、意見要旨集を手元に置いて、必要に応じてこれを引用するなどして御発言いただくことをお願いしたいと思います。

早速、一つ目の大きなテーマであります
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方」
についての検討に入ります。

この論点については、まず、意見要旨集第1の2の「(1)」、すなわち、
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃し、被害者が性交等に同意していないことを構成要件とすべきか」
という項目につき議論することとしたいと思います。

この項目については、一巡目の検討で、この意見要旨集
「① 保護法益」、
「② 処罰すべき性交等の範囲についての基本的考え方」、
「③ 暴行・脅迫等の要件の撤廃や「不同意」を要件とすることの要否・当否」
という観点から御意見を頂いております。

これらと同じ観点について別の御意見や反対する御意見がある場合は、例えば、「③について」などと、どの観点からの御意見であるのかを明示していただき、また、これまでに述べられていない観点からの御意見や、他の論点と関連するような御意見の場合には、そのことを明示して御発言いただければと考えます。

それでは、御意見のある方は、御発言をお願いしたいと思います。

——————————————————–

<2ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

「① 保護法益」についてなのですけれども、

参考
性犯罪は心身の境界線の侵害であり、身体の統合性を破壊する行為であって、性犯罪の被害者は、自由意思を侵害されただけでなく、自分の心身が踏みにじられ、自分の体が犯罪の現場になったことに苦しむということを踏まえ、心身に関わる内容を保護法益に加えるべき

「性犯罪は心身の境界線の侵害であり、身体の統合性を破壊する行為である」という意見を入れてくださり、ありがとうございます。

次の「〇」の
性犯罪の保護法益は、性的自由・性的統合性であり、これを侵害すれば犯罪が成立すると考えるべき
についてなのですが、保護法益は、何を保護するのかということを考える非常に重要な概念だと思っています。

性的統合性という言葉を初めて聞きましたので、こちらは、小島委員から出た発言だと思いますけれども、どのような定義であるのか、何を含んでいるのかということをお伺いできればと思います。

看護師なので医療職としてお伝えしますと、医療の場では、全体は部分の総和ではないというふうに言われます。

心臓などの内臓や骨や筋肉を集めても、それで心身が機能するわけではなく、生命システムを働かせるための神経系の統合が重要であるという理解です。

性暴力のような外傷的出来事を察知すると、より古い神経回路の働きが優位になり、新しい脳機能等の統合性を失うということから、国連では身体の統合性と性的自己決定権の侵害を性暴力として定めております。

そのような身体の概念が、こちらの性的統合性の保護法益の中に取り入れられているのかも、併せて伺えればと思っておりますが、いかがでしょうか。

——————————————————–

<2~3ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

保護法益の内実について、一巡目の議論では、身体の統合性、あるいは、性的統合性というものを考えるべきだという御発言があり、今、山本委員からは、身体の統合性ということについて御説明いただきました。

統合性というのは、インテグリティーということですかね。

小島委員は性的統合性という言葉をお使いになっているということで、その趣旨について少し御説明いただきたいということでしたが、小島委員、よろしいでしょうか。

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<3ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

性的統合性というのは、スウェーデン法やカナダ法などで、保護法益として言われていることでございまして、性的自由や性的自己決定権より少し広い概念として捉えられています。

各法制について、専門の先生方から教えていただきたいのですけれども、性的自由より広い概念で、被害者の尊厳とか自律とかまで含んだ概念として考えております。

身体の統合性について入っているかどうかということですが、もちろんその中に含まれているという理解でおります。

——————————————————–

<3ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

もしよろしければ、私からも小島委員にお伺いしたいのですが、通説は、性的自由性的自己決定権を性犯罪の保護法益として理解してきました。

性的自由性的自己決定権という理解と性的統合性という理解とで、どのような相違が生じるかにつきまして、具体的に御説明を頂けますと幸いです。

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<3ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

小島委員は、先ほど、性的統合性は、性的自由や自己決定より広い概念であるとおっしゃいました。

例えば、こういう事例だと、性的自由や自己決定の観点からは説明がしにくいけれども、性的統合性という概念であれば説明できるのだというような、何か具体的事例を幾つか挙げられて内容を御説明いただけると、とても有り難いですが、小島委員、いかがですか。

——————————————————–

<3ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

過失犯の処罰等を考えるときは、性的統合性の方が考えやすいのかなと思いました。

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<3ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

過失犯処罰というのは、同意に関する過失責任を問うということですか。

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<3ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

相手方に対して性的な行為をするときに必ず同意を取らなくてはいけない義務を課すというようなことを考えたときには、性的自己決定というよりは、もう少し広い概念で捉えた方が、保護法益として説明がしやすいのではないかと思います。

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<3ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

ありがとうございます。

多分、通説の立場からも、性的自由や性的自己決定権を保護法益とする以上、意思に反する性行為は違法であって法益侵害と評価されるはずです。

したがいまして、過失犯を処罰するか否かという問題と、保護法益をどのように解するかということは、私の理解では直結しないような印象を持っておりましたが、この点については更に勉強したいと思います。

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の論議をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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