【強姦事件の有罪判決を高裁が破棄差し戻した事件】。先日、地裁はふたたび、有罪を言い渡しました。香西咲さんたち被害者の戦いは、司法にも影響をあたえています

性犯罪者は安穏としていられないようです。
昨今は、1審で無罪となっても、すんなりと逃げ切ることができません。
詳細につきましては、一昨日と昨日の当ブログをご覧ください。

(参考。当ブログ)
2021年1月20日(※一昨日。「4つの無罪判決」について。)
2021年1月21日(※昨日。福岡県の強姦事件について。)

地裁が出した「4つの無罪判決」につきましては、3件が高裁の段階で有罪となりました。
内、1件は、最高裁で有罪が確定しています。

昨日は、福岡県で起きた強姦事件にふれました。
地裁は加害者を無罪としました。
控訴審で高裁は、再審理を命じました。
地裁へ差し戻しました。
最高裁もこれを支持しました。
現在、地裁で裁判のやり直しがおこなわれています。
地裁は今度、どのような判決を出すのでしょうか。
注目があつまります。

有罪破棄し差し戻し

上述のとおり、福岡県の事件では最初、地裁が無罪判決を言い渡しました。
これとは逆の事件があります。
県で発生した強姦事件です。
地裁は加害者に対して有罪の判決を下しました。
被告側は控訴しました。
高裁は、有罪判決を破棄して地裁へ差し戻しました。
10日前(2021年1月15日)のことです。
当該地裁はふたたび、判決を出しました。
FNN(福島テレビ)、毎日新聞、朝日新聞の記事を参照します。

FNN(福島テレビ)
(2021年1月15日 FNN【福島テレビ】「16歳の実の娘に性的な行為 父親に懲役6年の実刑 差し戻し審の判決で<福島県>」より、引用。)

2021年1月15日 FNN(福島テレビ)

(前略。)

判決によると、被告は2018年8月、福島県郡山市の自宅で、当時16歳の実の娘に対して父親の立場に乗じ、性的な行為に及んだ。
一審の福島地裁郡山支部は、懲役6年の判決を言い渡したが、二審の仙台高裁は「審理が不十分」として差し戻しを命じていた。
(2021年)1月15日の判決公判で、福島地方裁判所の柴田雅司裁判長は「一審には検察官の不十分な訴訟活動があった」と指摘しながらも、「被害者の供述は信用性が認められ、極めて卑劣な犯行」と一審と同じ、懲役6年を言い渡した。
判決を受けて福島地検は「被害者には負担をかけて申し訳ない」とコメント。

(後略。)

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つぎは、朝日新聞です。

朝日新聞
(2021年1月17日 朝日新聞「16歳の娘と性交、父親に懲役6年判決 差し戻し審」より、引用。)

2021年1月17日 朝日新聞

(前略。)

行為があったことを示す決め手となる物的証拠はなく、裁判では娘の証言の信用性の有無が焦点となった。
福島地裁郡山支部は19年3月、懲役6年の実刑判決を言い渡したが、仙台高裁の控訴審では、犯行時刻などをめぐる娘の証言が男のスマートフォンの利用履歴などと矛盾しているとして、審理を福島地裁に差し戻していた。
判決は娘の証言が事実と整合しないと認めつつ、その理由は娘が記憶があいまいなまま、証言の重要性を認識せずに供述したためと指摘。「原審を担当した検察官の不十分な訴訟活動」が原因であり、娘が意図的に虚偽の証言をしたわけではないとして、犯行に直接関係する娘の証言の信用性を認めた。

(後略。)

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最後は、毎日新聞です。

毎日新聞
(2021年1月16日 毎日新聞「実の娘に性的暴行 差し戻し審も父に実刑判決 福島地裁」より、引用。)

2021年1月16日 毎日新聞

(前略。)

仙台高裁は同(2019年)12月、娘の証言を巡って審理が尽くされていないとして、地裁に審理を差し戻した。
差し戻し審で、娘は性的暴行を受けた当日、複数の友人に無料通信アプリ「LINE(ライン)」などで相談したことや、その日までに複数回、説教として胸を触られたなどと供述。
性的暴行を受けた時刻の記憶は曖昧だが「お父さんがなかったと言い張れば、なかったことになるのはおかしい」と訴えた。
弁護側は、性的暴行をしたとされる時間帯に、男がスマートフォンでゲームをしていたことなどから、犯行は不可能だとして無罪を主張していた。
判決で柴田裁判長は、娘が複数の友人に事実無根の相談を持ちかけるには無理があるなどとして、娘の供述は信ぴょう性が高いとしたうえで「生活面で被告人に頼らざるを得ない立場にある被害者に対し、説教を口実に及んだ極めて卑劣な犯行」と判断した。

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地裁はふたたび、被告を有罪とました。

(再掲)
差し戻し審で、娘は性的暴行を受けた当日、複数の友人に無料通信アプリ『LINE(ライン)』などで相談した(略)などと供述

弁護側は、性的暴行をしたとされる時間帯に、男がスマートフォンでゲームをしていたことなどから、犯行は不可能だとして無罪を主張

判決で柴田裁判長は、娘が複数の友人に事実無根の相談を持ちかけるには無理があるなどとして、娘の供述は信ぴょう性が高いとした

実の父親に蹂躙された娘さんは、友人たちに自身の被害を相談しました。
その内容がFRIDAYに掲載されています。

(参考)
2020年12月8日 FRIDAY 実父に強制性交された16歳娘の、あまりに悲しいLINEの中身
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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

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裁判官は世論の動向に敏感、と言われています。
性暴力の被害者の方々のうったえが、性犯罪に寛容な日本の裁判に影響をあたえました。
いま、刑法の改正も審議されています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

日本が諸外国のようなまともな国になることを期待しています。
日本は諸外国とちがって性犯罪自体がすくない、などという詭弁は通用しません。
性犯罪が表に出てこない。
ただ、それだけのことです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

性暴力に関する「4つの無罪事件」以外でも、判決の見直しが進んでいます。香西咲さんたち被害者の戦いは、世の中の在り方を激変させました

2年前(2019年)の3月、4つの地方裁判所は、性暴力の犯罪に関していずれも、無罪の判決を出しました。

(参考。当ブログ)
2021年1月23日(※昨日)

この一連の不当判決は、全国でフラワーデモが起こる契機となりました。
その後、4件の無罪判決のうち3件が、上級審で、逆転有罪となりました。
詳細につきましては、昨日の当ブログをご覧ください。

「4つの無罪判決」以外にも、理不尽な判決は存在します。
本日は、すこし前に福岡県で起きた強姦事件についてみてみます。
朝日新聞の記事を参照します。

地裁が無罪判決

(2019年7月18日 朝日新聞「同居の養女と性交、男性に無罪 地裁『信用性に疑い』」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2019年7月18日 朝日新聞

18歳未満の養女と性交をしたとして、監護者性交等罪に問われた30代の男性に対し、福岡地裁は(2019年7月)18日、無罪(求刑懲役9年)を言い渡した。
溝国禎久裁判長は養女の証言が「信用性に疑いがある」と判断した。
男性は昨年(2018年)1月中旬~2月12日、福岡県内の当時の自宅で、同居する養女と性交したとして、昨年(2018年)6月に福岡地検が起訴した。
判決は、養女の証言を前提にすると「事件の約1年前から家族5人が密集して寝ているリビングで性交を繰り返していたことになり、他の家族が一切気付かなかった点は相当に不合理」と指摘。
当時、養女はインフルエンザにかかっており、男性が感染を覚悟したか、感染して体調が優れない中で性交したことになるため、「不自然さは否めない。養女が真に体験した事実を供述したのか合理的な疑いがある」と断じた。

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検察は控訴しました。

検察が控訴

(2019年7月31日 朝日新聞「18歳未満の養女と性交に無罪判決 福岡地検が控訴」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2019年7月31日 朝日新聞

18歳未満の養女と性交をしたとして、監護者性交等罪に問われた男性を無罪とした福岡地裁判決を不服として、福岡地検は(2019年7月)31日、福岡高裁に控訴した。

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8か月後、高裁は判決を出しました。

高裁判決

(2020年3月11日 朝日新聞「18歳未満の養女と性交、無罪破棄し差し戻し 福岡高裁」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年3月11日 朝日新聞

18歳未満の養女と性交したとして、監護者性交等罪に問われた30代男性被告の控訴審判決が(2020年3月)11日、福岡高裁であった。
鬼沢友直裁判長は「(被害者の)供述を適切に評価する審理が不足していた」として、一審・福岡地裁の無罪判決を破棄し、審理を地裁に差し戻す判決を言い渡した。

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供述の信用性を判断するには、被害を受けた精神的後遺症なども考慮する必要があるとして、一審を「被害者に対する十分な配慮に欠け、供述を適切に評価するための審理が不足していた」と結論づけた。

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弁護側は即日、上告した。

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高裁の結論は、地裁が審理をやり直せ、です。
被告側は上告しました。

最高裁の判断

(2020年9月12日 日本経済新聞「監護者性交、再び一審に 無罪破棄差し戻し確定へ」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年9月12日 日本経済新聞

最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は、14歳の養女に対する監護者性交の罪に問われ、一審の無罪判決が破棄された男(39)の上告を棄却する決定をした。
(2020年9月)11日付。
審理を福岡地裁に差し戻した二審福岡高裁判決が確定する。

——————————————————–

最高裁は、高裁の考えを支持しました。
地裁での裁判のやり直しが決定しました。

地裁での再審理がはじまる

(2020年12月23日 朝日新聞「養女と性交の罪、被告改めて無罪主張 一審無罪差し戻し」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年12月23日 朝日新聞

自宅で養女と性交したとして、監護者性交等罪に問われた福岡県の30代の男性被告の差し戻し審が(2020年12月)23日、福岡地裁(柴田寿宏裁判長)で始まった。
一審・福岡地裁の無罪判決を二審・福岡高裁が破棄し、審理を差し戻したもので、被告は改めて無罪を主張した。

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この日の公判で、検察側は児童相談所で養女が面接を受けた際の記録などを新たな証拠として提出した。

——————————————————–

地裁はどのような判断をしめすのでしょうか。

(再掲。朝日新聞。2020年12月23日)
検察側は児童相談所で養女が面接を受けた際の記録などを新たな証拠として提出した

ここではなしがかわります。
現在、法務省内で、刑法改正の審議がおこなわれています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

7回目の検討会(2020年10月20日)では、「司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方」に関して議論が交わされました。
詳細につきましては、過日の当ブログの記事をご覧ください。

(参考。当ブログ)
<司法面接について>
2021年1月9日
2021年1月10日
——————————————————–

(再掲。朝日新聞。2020年12月23日)
検察側は児童相談所で養女が面接を受けた際の記録などを新たな証拠として提出した

検察が提出した司法面接の記録は証拠として採用されるのでしょうか。
この事件とは関係なく、上述の刑法改正の検討会では、司法面接の記録の証拠能力について意見が割れていましたが。
地裁の判断に注目があつまります。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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日本では現在、性犯罪者を野放しにするな、との声が高まっています。
現在の刑法は、こうした声に応えることができません。
上述の検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)の委員のひとりは、刑法改正についてつぎの意見をのべています。

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<4ページ>
2020年11月10日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

私も、性的自由が保護法益であるという考え方はもうやめて、人格的統合性とか性的尊厳というものが保護法益であると考える方が望ましいと思っています。
理由は幾つかあるのですが、今日この先で扱う他の論点や、今日扱わない論点に関係するところもありますので、それぞれの部分で触れたいとは思いますけれども、一つは、やはり、性犯罪がどのような犯罪であるのかを考えるときに、性的自由ということだけ言うと、単に被害者の意思に反することを行った犯罪にすぎないというイメージになってしまい、それは避けるべきだということです。
より重大なものを害する犯罪であることを、保護法益の表現の中に含めた方が望ましいだろうと考えています。
なぜ、保護法益を性的自由と捉えるよりも、人格的統合性といったようなもので捉えた方が、より重大な犯罪として性犯罪を理解することにつながるのかを考えてみますと、性的自由として捉えるときには、性的行為それ自体はニュートラルなものであるけれども、それに対する被害者の同意がないときに、初めて違法性・侵害性が生じるという考え方になり、それが一般的な理解になってしまっているかもしれませんが、そうではないだろうと思います。
この検討会が始まる前に出した意見書にも書いたことですが、本来、性的行為というのは、対等な人格的存在として相互に承認し合いながら人格的交流を行うべきものであるのに対して、一方が上に立ち、他方を下に見て、相手が自分に対して性的利益を提供して当然であるという考え方に基づいて、その上下関係を利用して性的利益を奪い取るというところに、性犯罪の本質があり、つまり、そのように性的利益の単なる入れ物として相手を扱うということに本質があり、そのように扱われて身体的侵襲を受けると、人格的統合性が害されるということなのではないかと理解しています。
そうしますと、客観的に一定の上下関係に基づいて行う性的行為それ自体に、既に侵害性があり、それに対する同意の有無を考えるという構造で理解すべきではないかと思います。
つまり、被害者の同意も、単に性的行為に対する同意ではなくて、上下関係に基づいて性的利益を奪われることについての同意がない限りは、同意は不存在であるとして扱うべきだと思います。
その意味で、今回見ていこうとしている要件の改正の話は、どのような上下関係を、それ自体、客観的に侵害性あるものとして処罰対象にするのかという観点から、従来の要件を、ぎりぎりどこまで広げられるかを検討する議論だと理解しているところです。

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圧倒されます。
刑法学者がこのような意見をのべるとは。
刑法の改正が待たれます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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【2年前の4つの無罪事件】先日、高裁は、12歳の少女への強姦についても、逆転有罪としました。香西咲さんたちのAV出演強要被害もいずれ、強姦と認定されることでしょう

2年前(2019年)の3月ことです。
この月(3月)、4つの地方裁判所がそれぞれ、性暴力に関して判決を下しました。
いずれも、無罪でした。

(参考)
<性暴力事件>

2019年3月12日 福岡地裁久留米支部が無罪判決 →検察は2019年3月26日に控訴

2019年3月19日 静岡地裁浜松支部が無罪判決 →検察は控訴せず(※無罪が確定

2019年3月26日 名古屋地裁岡崎支部が無罪判決 →検察は2019年4月8日に控訴

2019年3月28日 静岡地裁の無罪判決 →検察は2019年4月10日までに控訴

上述の中村剛さんは、弁護士です。
弁護士ドットコムとツイッターにプロフィールが掲載されています。
一部を引用します。

弁護士ドットコムより。中村剛弁護士)
皆様が巻き込まれてしまうトラブルの解決には時間がかかるものも少なくありません。 裁判ともなると、1年以上かかってしまうこともよくあります。しかし、長い期間トラブルを抱え続けたままというのは、精神的にとても負担になります。 私は、スピーディーに対応し、少しでも早い解決をすることをモットーとしております。(後略。)

(ツイッターより。中村剛弁護士)
弁護士です(66期、東京弁護士会)。元テレビの音効。3級FP技能士、日商簿記2級、介護職員初任者研修。介護事故や男女問題、労働事件、著作権(特に映像・音楽)を中心にやっています。 モットーは素早い対応と依頼者の納得の行く解決。事務所理念は「クライアントに勇気を与える事務所」。(後略。)

中村剛弁護士の上述のツイートをもう一度、確認します。

(再掲。中村剛弁護士)

(略)有罪になる可能性があるのは岡崎支部判決のみであることはきちんと認識しておく必要がある。

(再掲。中村剛弁護士)

他の3件の結論は変わらない。

久留米支部と浜松支部は過失性交等罪が立法されなければならず、静岡地裁本庁の事件はそもそも性交がないから無理

この事件はその後、どうなったのでしょうか。
順にみていきます。

(再掲。中村剛弁護士)
有罪になる可能性があるのは岡崎支部判決のみである

岡崎支部判決
<その後>

(高裁)
「愛知県で2017年、当時19歳の実の娘に性的暴行をしたとして、準強制性交等罪に問われた被告の父親(50)の控訴審判決が(2020年3月)12日、名古屋高裁であった。堀内満裁判長は「被害女性は当時、抵抗することが困難な状態だった」として、一審・名古屋地裁岡崎支部の無罪判決を破棄し、父親に求刑通り懲役10年を言い渡した」(朝日新聞より)

(最高裁)
「愛知県で2017年、19歳だった実の娘に性的暴行を繰り返したとして、準強制性交等罪に問われた父親(50)の上告審で、最高裁第三小法廷(宇賀克也裁判長)は父親の上告を退けた。一審の無罪判決を破棄し、求刑通り懲役10年とした二審・名古屋高裁判決が確定する。(2020年11月)4日付の決定。」(朝日新聞より)

名古屋地裁岡崎支部の無罪判決は、高裁と最高裁によって否定されました。
犯人の有罪(懲役10年)が確定しました。
——————————————————–

(再掲。中村剛弁護士)
他の3件の結論は変わらない。久留米支部と浜松支部は過失性交等罪が立法されなければならず、静岡地裁本庁の事件はそもそも性交がないから無理

浜松支部の事件につきましては、検察が控訴を断念しました。
——————————————————–

(再掲。中村剛弁護士)
他の3件の結論は変わらない。久留米支部と浜松支部は過失性交等罪が立法されなければならず、静岡地裁本庁の事件はそもそも性交がないから無理

久留米支部の事件はどうなったのでしょうか。

久留米支部判決
<その後>

(高裁)
「酒に酔って眠り込み、抵抗できない状態の女性と性交したとして、準強姦(ごうかん)の罪(現・準強制性交罪)に問われ、一審・福岡地裁久留米支部が無罪判決(求刑懲役4年)を出した福岡市の会社役員椎屋安彦被告(44)の控訴審判決公判が(2020年2月)5日、福岡高裁であった。鬼沢友直裁判長は「被告は被害者の状態を認識していた」として一審判決を破棄し、懲役4年の実刑を言い渡した。」(朝日新聞より)

福岡高裁は有罪(懲役4年)を言い渡しました。
犯人側はその後、最高裁へ上告しました。
現在、最高裁で審理がおこなわれています。
——————————————————–

(再掲。中村剛弁護士)
他の3件の結論は変わらない。久留米支部と浜松支部は過失性交等罪が立法されなければならず、静岡地裁本庁の事件はそもそも性交がないから無理

まずは、1審の静岡地裁本庁の判決を確認します。

(2019年3月28日 産経新聞「12歳長女への強姦で無罪 静岡地裁判決『被害者の証言は信用できない』」より、引用。)

<1審>
2019年3月28日 産経新聞

当時12歳の長女に乱暴したなどとして、強姦と児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた男性被告の判決公判で、静岡地裁は(2019年3月)28日、強姦罪について「唯一の直接証拠である被害者の証言は信用できない」として、無罪を言い渡した。

判決などによると、被告は平成29年6月に自宅で当時12歳だった長女と無理やりみだらな行為をしたとして、昨年(2018年)2月に起訴された。

公判で検察側は、長女が約2年間にわたり、週3回の頻度でみだらな行為を強要されたと主張したが、伊東顕裁判長は、被告方が家族7人暮らしの上、狭小だったと指摘。

(地裁は)「家族が誰ひとり被害者の声にさえ気付かなかったというのはあまりに不自然、不合理だ」と退けた。

(後略。)

検察は控訴しました。
先日(2020年12月21日)、高裁の判決が出ました。
日本経済新聞の記事を参照します。

(2020年12月21日 日本経済新聞「12歳長女に性的暴行、二審で逆転有罪」より、引用。)

<2審>
2020年12月21日 日本経済新聞

静岡県の自宅で2017年、12歳だった長女に性的暴行を加えたなどとして、強姦と児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた男の控訴審判決で、東京高裁は(2020年12月)21日、強姦罪について無罪とした一審・静岡地裁判決を破棄し、求刑通り懲役7年を言い渡した。
近藤宏子裁判長は、長女の被害証言は信用できるとし「信用性を否定した一審は証拠の評価を誤り、論理則、経験則に照らして不合理だ」と判断した。

(略。)

(略)、高裁は「証言内容は、実際に被害に遭った者でなければ語り得ない高度の具体性、迫真性を備えている」と指摘。「少なくとも重要な要素で、証言が変遷していると捉えることは不合理だ」と述べた。

(後略。)

懲役7年です。
ほかには、NHK【動画】、静岡朝日テレビ【動画】、時事通信朝日新聞の記事が参考になります。

(再掲。中村剛弁護士)
他の3件の結論は変わらない。久留米支部と浜松支部は過失性交等罪が立法されなければならず、静岡地裁本庁の事件はそもそも性交がないから無理

いま、世の中は、おおきくかわろうとしています。
AV出演強要についても同様です。
刑法を改正して厳罰に処す、という流れになっています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。当ブログ)
性犯罪に関する刑事法検討会に関する当ブログの記事
<AV出演強要に関する議論>

2020年9月14日(※第4回目の議事録を参照)
2020年9月23日(※第4回目第5回目の議事録を参照)
2020年9月25日(※検討会に提出されたAV出演強要に関する資料)
2020年11月18日(※第6回目の議事録を参照)
2020年11月19日(※第4回目と第5回目と第6回目の議事録を参照)
2020年12月2日(※処罰規定に関する2つの考え)
2020年12月5日(※強制性交等罪と準強制性交等罪の適用について)
2020年12月12日(※第7回目の議事録を参照)
2020年12月26日(※AV出演強要に関する巡目の論議①)
2020年12月27日(※AV出演強要に関する巡目の論議②)
2020年12月28日(※AV出演強要に関する巡目の論議③)

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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

——————————————————–

悪党の栄華は未来永劫つづきません。
AV出演強要犯についてもかならず処罰されます。
あともうすこしです。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

「AV出演強要犯に刑事罰を」という声の推移。AV出演強要に対する香西咲さんたちの告発が、世の中をかえました。いま、AV出演強要犯の背中がみえてきました

現在、AV出演強要犯が野放しの状態となっています。
この先、人身売買をおこなっているやつらは捕獲されるのでしょうか。
AV業界人をさっさと処罰しろ、との声は以前からあります。
現在までの流れを簡単にふりかえってみます。

2017年3月13日

(2017年3月13日 産経新聞「AV出演強要問題『強姦して撮影を強行する事例』も 公明が過激ポルノ規制へ提言」より、引用。)

2017年3月13日 産経新聞

アダルトビデオ(AV)への出演を強要される女性の被害が増えている問題を巡り、過激なポルノの流通規制や警察の介入強化を促す公明党プロジェクトチーム(PT)の提言が分かった。

(略。)

提言は、モデル事務所などと偽って女性が契約させられ、AV出演を拒むと高額な違約金を迫られる被害が相次いでいると指摘。
強姦して撮影を強行する悪質な事例」もあり「映像がインターネットを通じて拡散されると半永久的に流通し、被害者はいつまでも苦しむことになる」とした。
その上で、非合法的に撮影された過激なポルノなどの流通規制を協議する政府の有識者会議設置を要請。
AVの販売差し止めやネット上の動画を削除する手段を検討するよう求めた。
性犯罪の積極的な摘発や相談・支援体制の整備、AVの制作や流通経路に関する調査の必要性も明記した。

(後略。)

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2017年3月21日

(2017年3月21日 第1回関係府省対策会議「議事録」より引用。)

2017年3月21日 林真琴 法務省 刑事局長

もう1点目は過激な内容のポルノの規制等のあり方に関してでございます。

この問題につきましては、公明党からの提言の中におきましても、このポルノの規制が刑事罰則を設けることによる規制というものも含んだ形での提言になっていると承知しておるわけでございますが、この問題に関しては、かなり重い課題となると思いますので、関係省庁と協力して対応を検討してまいりたいと思います。

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2017年5月19日

(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)

2017年5月19日 内閣府、関係府省
<法的対応に関する部分>

被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討

アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。

(内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕

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2018年5月15日

(2018年5月15日 衆議院 消費者問題特別委員会 【動画】衆議院インターネット審議中継より。)

2018年5月15日 河上正二 青山学院大学法務研究科教授(前内閣府消費者委員会委員長)

まあ、わたしは、民法の専門なので、そちらのほうからしか申し上げられませんけれども、ひとまずは、当初の勧誘内容や契約条件と異なるAV出演の強要があるというような場合には、これは消費者契約上の取消権をまずみとめておいてやるということ。
これ大事でして、場合によってはクーリングオフのようなかたちで契約からすみやかに抜け出すということを可能にすることも考えられます。
で、場合によってはですけれども、契約書にサインをさせられて、そして、あるところに違約金条項が入っていて、そこに拘束されるというようなこともあるやにうかがっておりますので、そうした違約金条項についても無効化しておくということが必要だろうという気がするわけです。
ただですね、クーリングオフとか取消権とか、契約からの離脱というのは、
「これは、はなしがちがう」
というふうにわかった時点、あるいはそういうふうに言った時点ですけれども、だいたい手遅れであります。
ですから、それを考えると、実効性のある被害予防のためには、こうした出演強要行為があった場合には、一定の刑事責任、刑事罰で対応することが必要ではないかと思います。
これは要件面でいま先生(柚木道義 衆議院議員)がおっしゃった問題が若干あるわけですので、

(参考。柚木道義 衆議院議員)
これは密室のこともあって、警察による強要罪あるいは強制性交等罪の逮捕も実務上むずかしい、とも聞いておりまして

その部分についてすみやかに検討して刑事罰を用意するという方向をひとつ考えないといけないのかなという気がいたします。

——————————————————–

(再掲。河上正二 前内閣府消費者委員会委員長)
刑事罰を用意するという方向をひとつ考えないといけないのかなという気がいたします

法務省の性犯罪に関する刑事法検討会は、昨年(2020年)、刑法改正の審議を開始しました。
同検討会は、AV出演強要についても処罰の可否を検討しています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

2020年9月24日

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<33~34ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

私も、性的な姿態を同意なく撮影する行為については、撮影されたデータが固定され、それが拡散する危険性があることに鑑みますと、被害者の利益を重大に侵害する行為であり、条例レベルの対応では必ずしも十分ではなく、刑法典としてこれを処罰する必要性が高いと考えております。
特に、撮影されたデータやその記録媒体を没収・消去の対象にするためにも、その前提として撮影行為を処罰対象に含める必要性は高いと思います。
以下、3点、簡単に思うところを申し上げます。

——————————————————–

第3点目として、アダルトビデオの出演強要問題について簡単に言及しておきたいと存じます。
問題を正確に理解していないかもしれませんが、この問題は、盗撮の問題とは異なる側面を有する問題であるような印象を持っております。
と申しますのは、盗撮行為であれば、性行為については同意があるけれども、撮影行為については同意がないというケースがままあり得るわけであり、それゆえ撮影行為を独立に処罰することの要否が問題となるわけです。
しかし、アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。
そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪(強姦罪)や準強制性交等罪(準強姦罪)の適用についても問題にする余地があると思います。
例えば、被害者が抗拒不能の状態にあることに乗じて、被害者に服を脱ぐように命じて、裸の写真を撮影するような行為は、服を脱がせて撮影する行為全体を評価した上で、準強制わいせつ罪の適用を検討する余地があると思われます。
このように、アダルトビデオの出演の場合、性的行為に応ずることと撮影に応ずることは同一の意思決定によって行われる場合が多いことから、まずは性的行為自体についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要になりますし、このような意味においては前回の検討会で議論しましたように、暴行・脅迫要件や抗拒不能要件の意義についての議論を踏まえながら、更に性的行為自体に関する同意・不同意の限界について検討する必要があると考えます。

——————————————————–

<34~35ページ>
2020年9月24日 宮田桂子 委員(弁護士)

「今、橋爪委員が、アダルトビデオについて、性行為の強要まであれば強制性交等罪等の成立があるのではないかとおっしゃいました」

——————————————————–

<35ページ>
2020年9月24日 川出敏裕 委員(東京大学教授)

「それから第3は、アダルトビデオの出演強要のような事案で、欺罔や威迫によって、性的な姿態を撮影することに同意させられるという類型になります」

「この類型につきましては、先ほど橋爪委員から御指摘があったように、欺罔や威迫による性行為等についても広く強制性交等罪等が成立するという規定を設ければ、第2の類型(犯人が自ら強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型)として処理することが可能なのです」

——————————————————–

AV出演強要犯の背中が見えてきました。
あとは刑法の規定が強化されるのを待つだけです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年7月6日

週刊文春様の報道に私のAV強要の件が出始めている様です。
ファンの方々は読んでいて心が痛くなる内容だと思います。
ですがデビューから前の事務所を経て独立迄に受けた現実であり、これを経て今の私がある事を知って頂けたら幸いです。
またそれが今のAV業界の為にもなると信じてやみません。

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悪党はかならず処罰されます。
これが世の習いです。
例外はありません。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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【刑法改正】教師と生徒の関係性の論議(その2)。地位を利用した性犯罪はほかにもあります。論点になっています。香西咲さんたちの被害も、犯人は、地位を利用しました

4年前(2017年)に改正された刑法は、そう遠くない将来、さらにおおきくかわる予感がします。
刑法改正を審議している性犯罪に関する刑事法検討会はいま、検討すべき論点にそって議論を進めています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年8月27日 第5回 ※議事録

現行法の運用の実情と課題(総論的事項)について
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※一巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※一巡目)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※一巡目)

2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

2020年10月20日 第7回 ※議事録

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目②)
公訴時効の在り方について
いわゆるレイプシールドの在り方について
司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方について

2020年11月10日 第8回 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

2020年12月25日 第10回 ※議事録(準備中)

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

すべての議論が前向きというわけではありません。
なかには若干、意見が対立してるものもあります。
そのなかのひとつが、教師が生徒に対しておこなう性加害です。
本日も昨日にひきつづき、この件に関する議論をみていきます。

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について
巡目の論議【その2】)

(※【その1】は、昨日のブログを参照。)

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<32ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

これまでの御議論の中には、どうも児童福祉法の「児童に淫行をさせる行為」の処罰規定に触れた御意見がないのですけれども、それでは処罰として十分ではないのかということについても、触れていただきたい、あるいは、御議論いただきたいと思います。

——————————————————–

<32~33ページ>
2020年11月10日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)

結論としては、私は、やはり、せめて義務教育における教員は、専門性とか国家資格であるというようなことを踏まえて、監護者性交等罪と同じような形で含めていただくということを希望しています。

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

一つは、監護者と教師が違うという議論がありますけれども、被害の類型を見ますと、どちらもすごく似ているのですね。

加害者が持っているパワーでコントロールされて、被害者が自分が被害を受けているかどうかも認識できないこともあることも、すごく共通していますし、地位のパワーの濫用という点で、「abuse」(濫用であり虐待である)であるといった似たところが非常に多いです。

1回限りの被害より、繰り返して継続する被害の方が多いので、監護者性交等罪の場合と非常に似た心理で被害が起きている。

そうなると、子供の同意というお話がありましたけれども、同意がなかなか自分で分からない、あるいは、被害を受けていると分かっていない子供が非常に多いということが言えます。

そういう点では、同じような形で扱わない限り、先ほど宮田委員ですかね、特定できないケースが多いのではないかと言われたのですかね。

しかし、実際には、性交があったことが特定できるのだけれども、それに子供の同意があったかどうかということが言えないケースというのは、たくさんあるのです。

その全部を救えるわけではないけれども、少なくともそういう形の類型を作ることによって、パワーでコントロールされるために抵抗しない被害者、あるいは犯罪というのを認識することができるというふうに考えます。

——————————————————–

<33ページ>
2020年11月10日 佐藤陽子 委員(北海道大学教授)

私の考えによりますと、教師というのは確かに監護者と同じような影響力を持っている場合があり得ると思うのですが、ただ、複数種類があって、関係性も複数あるというふうなことを考えますと、監護者性交等と同じように処罰しようと思った場合には、やはりそれと同じような強い影響力のある人に限るという形で、少し範囲を絞る必要があるのではないかと思います。

逆に、そうではなくて、処罰範囲を広めに取っておきたいというのであれば、健全育成の視点とか、あるいは、人格的統合性とかの法益に何らかのダメージを与える危険があるというような法益侵害の危険性を根拠に、少しパターナリスティックに保護するという形で、法定刑を少し下げつつ、広めに取るというふうな可能性があるのではないかと思っております。

法定刑を下げて広めにというふうになると、それこそ児童福祉法との関係性が出てくるかと思うのですけれども、児童福祉法の方は、性交類似行為にまで至らないと、現在処罰されない状況にありますから、それに至らないわいせつ行為も拾えるというふうな形で規定することに意味はあると思いますし、あるいは、一般的に児童福祉法があまり知られていないということもありますので、刑法典に入れるということに価値があるという視点もあるのではないかと考えております。

——————————————————–

<33~34ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

既に御指摘がありましたが、私も、コーチや教師は、場合によっては、親以上に影響を持つ場合があることには異存ありません。

しかし、例えば教師といっても、担任の教師から同じ学校に在籍するだけの教師までおり、その関係性はケース・バイ・ケースでありまして、影響の程度に濃淡があるわけです。

したがいまして、教師やコーチと児童の性行為を影響力の程度などを問わずに一律に処罰することについては疑問があり、やはり児童の年齢、あるいは地位・関係性、同意の内容等も含めて、個別具体的に処罰範囲を検討する必要があると考えております。

なお、意見要旨集の7ページの「②」の一つ目の「〇」に、児童福祉法では18歳未満の者への性行為は罪であるとされているという御指摘がございますが、

(参考)
児童福祉法では18歳未満の者への性行為は罪であるとされていることも踏まえ、教師という立場の大人が生徒という立場の子供に対し、性行為を含むような恋愛をすることは許されないと考えてもよいと思われる

これが、18歳未満の者との性行為が一律に犯罪であるという趣旨であるならば、それは正確な理解ではないと思いますので、念のため、この点を補っておきたいと思います。

すなわち、児童福祉法34条1項6号は、児童に淫行をさせる行為を処罰しておりますけれども、ここでいう淫行とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又は性交類似行為と解されておりますので、例えば親公認の交際など真摯な関係性に基づく行為は、これに該当しないというのが一般的な理解です。

また、淫行をさせる行為というためには、単に性交の相手方になるだけでは不十分であって、直接たると間接たるとを問わず、児童に対して事実上の影響力を及ぼして、児童が淫行をなすことを助長し促進する行為が必要であると解されています。

そして、これに該当するためには、行為者と児童の関係、意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機、経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮した上で判断する必要があると解されています。

最近の判例では、高校の教師が児童と性行為に至った事件について、本罪の成立を肯定したものがありますが、これも、具体的な事実関係を一切考慮せずに処罰を肯定したわけではなく、当該教師と児童の具体的な関係性や影響力、性交に至った経緯などの事実関係を前提として、本罪の成立を肯定している点については、改めて確認しておきたいと思います。

もちろん、教師は児童に対して強い影響を持つことが多いことから、その影響力を背景にした場合には、児童の自由な意思決定を阻害するおそれがあること、また、実際に児童の自由な意思決定が阻害された場合を処罰する必要性が高いことには何の異存もありません。

私が申し上げたいことは、教師であるという地位に基づいて、一律に処罰規定を設けることは、場合によっては、児童福祉法の「淫行」に該当しないような場合までを処罰対象に含むおそれがあることから相当ではなく、やはり個別の事案ごとに、その影響力、関係性などの事情に基づいて、処罰の可否を判断する必要があるという点に尽きます。

もちろん未成年者の意思決定といっても、周囲から影響を受けやすく、自由な意思決定とはいえない場合が多いでしょうし、教師の影響力を背景にした場合には、なおさら意思決定の過程に瑕疵が生ずる場合が多いでしょう。

児童については、有効な同意があるか否かについて慎重な判断が必要であることは当然です。

ここでは、それでもなお本人の自由な意思決定による同意があったと評価できる場合まで、処罰することは相当ではないという観点から、意見を申し上げた次第です。

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<34~35ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

法律の言葉なのか、よく真摯な恋愛という言葉が出てくると思うのですけれども、平成29年の刑法改正前の検討会、法制審議会でも、親子でも真摯な恋愛があり得る可能性がないわけではないかもしれないというような議論がありました。

この真摯な恋愛というのを、皆さんはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

性暴力の考えから言えば、同意がなく、対等性がなく、強制性がある行為が性暴力であり、同意は、年齢、成熟、発達レベル、提示されたことが何らかの性行為であるということを経験に基づいて理解していることや、提示されたことへの反応について、社会的な標準を知っていること、生じ得る結果やほかの選択肢を認識していること、同意するのもしないのも同様に尊重される前提があること、自己決定であること、精神的、知的な能力があることの全てを満たしていなければならないと、報告されています。

このような成人と未成年であって、しかも教師と生徒、それが、同じ学校の自分の担当する教員、あるいは学年主任であるとか、そのような立場の人と生徒が対等な関係と言えるのでしょうか。

そして、そのような場合に、真摯な恋愛が存在することは考えられるのでしょうか。

それは、やはりこの平等性というところに関して、私たちの社会が作り上げてきた固定観念に惑わされているのではないかなということも思います。

一方がすごく優位であって、他方が下位であったとしても、そのような関係であっても、真摯な恋愛が成立し得るというふうに考えられてきましたけれども、被害を受けた人たち、ヒアリングの方もおっしゃっていましたけれども、下の立場に置かれていれば、そのような状況で恋愛と思いこまされるということは容易であり、だからこそ、地位・関係性の問題が指摘されているのだと思います。

加害者は、接触することも容易ですし、そのような人たちをコントロールすることも可能だということは、小西委員、齋藤委員からも指摘されているところです。

ですから、この真摯な恋愛というのを深く考えていただきたいですし、対等性がない行為が性暴力であることということに基づいて、地位・関係性を議論していただければと思っています。

——————————————————–

<35ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

予定された時間を過ぎておりますし、この問題との関わりで、不同意とは何なのだろうか、真摯な恋愛とは何なのだろうかというのは、またこの検討会でも必ず議論しなければいけないテーマではあると思いますので、今日はこのぐらいにさせていただきまして、次回、意見要旨集の「(3)」、つまり、
「被害者の年齢を問わず、行為者が被害者の脆弱性、被害者との地位の優劣・関係性などを利用して行った行為について、当罰性が認められる場合を類型化し、新たな罪を創設すべきか」
の部分から議論を行いたいと思います。

その後、同一被害者に対して継続的になされた一連の事実を一罪とすることのできる罪の創設の問題、それから、いわゆるグルーミング行為を処罰する規定の創設の問題、いわゆる性交同意年齢の在り方の問題、それから強制性交等の罪の対象となる行為の範囲、これらのテーマについての検討を行っていきたいと考えております。

そういう進め方でよろしいでしょうか。

(一同了承)

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2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

ありがとうございます。
それでは、そのように進めさせていただきます。

次回の会合で取り上げる論点に関しましても、本日と同様、巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを、次回の会合に先立って委員の皆様にお送りして、前もって御検討いただくということができるようにしたいと思います。

今日議論を行った各論点については、本日述べられた御意見や他の論点についての巡目の検討結果を踏まえて、巡目以降の進め方を考えたいと思っております。
(後略。)

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(再掲。山本潤委員)
(教師と生徒のあいだで)真摯な恋愛が存在することは考えられるのでしょうか

考えられない、と言う委員がいるいっぽうで、考えられる、と言う委員もいます。
この問題はなかなかむずかしいようです。

(再掲。井田良座長)
次回、意見要旨集の『(3)』、つまり、『被害者の年齢を問わず、行為者が被害者の脆弱性、被害者との地位の優劣・関係性などを利用して行った行為について、当罰性が認められる場合を類型化し、新たな罪を創設すべきか』の部分から議論を行いたいと思います

個人的には、教師と生徒の件よりも、
被害者の年齢を問わず、行為者が被害者の脆弱性、被害者との地位の優劣・関係性などを利用して行った行為
の論議が気になります。

(再掲)
2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

議事録の公開が待たれます。

ちなみに、昨年(2020年)の12月15日、インターネットの番組に出演された山本潤委員は、「地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」について、
いま、教師と生徒、がけっこう、やっぱり、ポイントになっているのかな、と思います」(※01:15:27のあたりから)
とのべています。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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AV出演強要や精神科医によるセクハラは、「地位・関係性を利用した犯罪」です。
刑法のなかにあたらしい規定が創設されることを期待しています。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

刑法改正を審議する検討会。香西咲さんたちのAV出演強要被害とはちがい、慎重に議論されている論点もあります。AV出演強要は別格であると感じます

性犯罪に関する刑事法検討会による刑法改正の審議は、いまのところ、順調に推移しています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年8月27日 第5回 ※議事録

現行法の運用の実情と課題(総論的事項)について
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※一巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※一巡目)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※一巡目)

2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

2020年10月20日 第7回 ※議事録

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目②)
公訴時効の在り方について
いわゆるレイプシールドの在り方について
司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方について

2020年11月10日 第8回 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

2020年12月25日 第10回 ※議事録(準備中)

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

同検討会の委員のひとりである山本潤さんは、昨年(2020年)の12月15日、インターネットの番組でつぎのように語っています。
検討会がおわったら法制審議会にうつっていって、改正されないことはないのではないかな、と思うんですよね」(※01:22:16のあたり)
と。

このような好状況のなかで、停滞している議論もあります。
ひきつづき、山本潤さんのことばを参照します。

(性交同意年齢について)
<山本潤さん。2020年12月15日>
なんか、その、この、年齢(性交同意年齢)、っていうことの捉え方がたぶん、ひとによってすごいちがう」(※01:09:00のあたりから)

(地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について)
<山本潤さん。2020年12月15日>
いま、教師と生徒、がけっこう、やっぱり、ポイントになっているのかな、と思います」(※01:15:27のあたりから)

(再掲)
2020年11月10日 第8回 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」につきましては、種々の類型が論議の対象となっています。

(再掲)
<地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について。山本潤さん。2020年12月15日>
いま、教師と生徒、がけっこう、やっぱり、ポイントになっているのかな、と思います

教師と生徒との関係性の論議につきましては、隘路にはまっているようです。
議事録をみてみます。

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について
巡目の論議)

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<28~29ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

次に、今日(2020年11月10日)の二つ目のテーマ、
「地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」
についての検討を行いたいと思います。

まず、意見要旨集の第1の3の「(2)」、すなわち、
「被害者が一定の年齢未満である場合に、その者を「現に監護する者」には該当しないものの、被害者に対して一定の影響力を有する者が性的行為をしたときは、被害者の同意の有無を問わず、監護者性交等罪と同様に処罰する類型を創設すべきか」
という項目について議論することとしたいと思います。

一巡目の検討では、意見要旨集の6ページの「(1)」にありますように、「(2)」と「(3)」に関係する総論的な御意見として、
「① 地位・関係性を利用した被害の実態」、
「② 監護者性交等罪では処罰されない被害」
という観点から、総論的な御意見を頂いておりますほか、特にこの項目に関する事項として、6ページの「(2)」にありま
すように、
「① 子供の被害の実態」、
「② 被害者の同意の有無を問わない新たな処罰類型を設けることの要否・当否」
という観点から御意見を頂いております。

先ほどと同様に、このうちのどこに関連する御意見かということを明示して、御発言をしていただければと思います。

——————————————————–

<29ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

意見要旨集の「(2)」の「②」(被害者の同意の有無を問わない新たな処罰類型を設けることの要否・当否)の論点ですが、被害者が一定の年齢未満の者について、被害者の同意の有無を問わず監護者性交等罪と同様に処罰する犯罪類型を設けるべきだという意見を申し上げます。

学校の教師やスポーツの指導者による性被害から、中学生、高校生の子どもたちを守る必要があるからです。

中高生については、親からだんだん自立を遂げていく段階であり、家庭以外での人間関係が重要になってきます。
家庭以外での居場所を強く求める段階になってきます。

学校やクラブ活動などでの人間関係に惹かれて、学校やクラブ活動という居場所を失うということについての恐怖が大きい。

教師やスポーツの指導者などのような支配従属関係の下で、嫌と言えない関係において性的関係を強要される場合について、監護者性交等罪と同様に処罰する規定を設けるべきだと考えます。

ここで、高校卒業の資格は、子供の人生にとって重要です。
高校を出ていないと、まともな仕事に就けないということが多いです。

性被害を訴えると、学校やクラブ活動を辞めなければならなくなると思う子どもがいます。

学校とかクラブ活動において教師やコーチの支配従属関係の下にある子供たちについて、何らかの手当てが必要であると考えます。

社会的生存が脅かされるということを考えていただきたいと思います。

先ほど、日弁連の犯罪被害者の委員会のアンケートを紹介したのですけれども、そのアンケートの中で、6ページにありますけれども、監護者性交等罪で処罰できないのだけれども、どういう被害が生じているかというところで、教師からの被害に遭っているということが明らかになっています。

なお、先ほどのアンケートでございますけれども、個人情報というのが入っておりますので、委員の皆様には提供いたしましたけれども、非開示ということで、ホームページには載せない扱いにしていただきたいと存じます。

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<29ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

小島委員、一つ、今の御意見の趣旨を確認させていただきたいと思うのですけれども、監護者性交等罪は、被害者の同意の有無を問わず処罰の対象とする犯罪なのですけれども、

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

同じ形でカバーしていくとなると、例えば、被害者が高校生、16歳、17歳ぐらいの年齢の生徒であったとしても、同意の有無を一切問わず、処罰の対象にすべきであるという趣旨でございますでしょうか。

——————————————————–

<30ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

はい、そのとおりでございます。

高校生はまだ社会的に自立していないという意味で、高校在学の子供まで対象にするべきだと思っております。

——————————————————–

<30ページ>
2020年11月10日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

私も、監護者の範囲が現状では狭過ぎると考えておりまして、前にも申し上げたように、特に教員に関しては広げるべきではないかと思っています。

最近、教員免許のことが随分問題になっていますけれども、社会的にも非常に関心が高く、やはり課題が大きく認識されるようになってきているのだと思います。

ですから、教員という立場についても、親と同様に、生活をかなり支配しているという意味では、広げていいのではないかと思います。

その理由なのですけれども、先ほどから保護法益のことで性的自己決定というお話がありましたけれども、やはり子供に関しては、青少年の保護という側面も刑法で考えてもいいのではないかというふうに思います。

また、教員はボランティアではなくて、教員免許に基づいて責任を持って子供の生活を預かっているわけですから、その意味でも、やはり通常の大人一般とは全然違いますし、別扱いというのは可能ではないかと思います。

それと、事実上、児童にとって、学校生活の比重は家庭に次いで大きいわけですから、その意味でも責任は大きいし影響力も大きい。
しかも、継続するおそれがあるというふうに思います。

ですので、そのような法益侵害の大きさを考えれば、教員という枠でくくり出すということも可能だと思います。

それと、意見要旨集には、おじとかおばということが書いてあるのですけれども、やはりそれとは責任の重さが違うというふうに思っております。

中学生までか高校生までかというのは、実は結構悩ましくて、個人的には、高校生まででもいいというふうに、小島委員と同じように思うのですけれども、かなり抵抗が大きいようであれば、中学生というふうに絞ったとしても、やはり教員は教員としての責任を負うべきだというふうに思っております。

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<30~31ページ>
2020年11月10日 宮田桂子 委員(弁護士)

これは、議論の前提として前回も言ったことですが、あえて申し上げますけれども、子供や知的障害のある人の事件について処罰ができない理由として、被害者の方の記憶が曖昧で、加害者や加害事実の特定ができない、だから、そもそも裁判まで至らない、あるいは有罪に至らないという場合があることは、十分に認識しておくべきだと思います。

次に、「現に監護する者」の範囲を広げるかどうかの話ですけれども、現在の監護者性交等罪を作ったときに、監護している親、それに準じるような保護者との関係では、ほぼ同意はあり得ない、そのような監護者であるという強い立場に対しては、子供は抵抗することはできない、だから、同意があり得ないと考えるのが合理的だという立法理由だったかと思います。

監護者であるという特別な地位がある場合に、同意があることはほぼ考え難い。

この条項が立証責任の転換ではないのだという考え方もありますけれども、事実上、監護者であるということになると、反証はほぼ難しい。

ただ、こういう事案ですら、実際には、被害者と加害者の間に同意がある案件もないわけではない。親の若い恋人と高校生ぐらいの子供が恋仲になってしまう事例も、実際にあります。
また、海外の近親相姦処罰に関する例では、離れて住んでいた親子が恋愛関係になってしまい、それで、それが処罰されることについて、我々を放っておいてほしいと言った例なども報道されております。

監護者と子のような同意がないことが推定されるような案件ですら、例外があります。

ですから、同意があったということの反証がほぼできないような類型を作ることは、最小限にとどめるべきではないかと、私は考えます。

しかも、教師、あるいはコーチなどといった上下関係の場合には、その地位自体に非常にグラデーションがあると思います。

例えば、木村委員が、もう高校生まで含めてもいいかもしれないけれども、そこは考え方が違うかもしれないとおっしゃいました。
正に、私の知っている例で、高校の先生と恋愛関係になって結婚まで至った方や、あるいは、スポーツの指導に来ていた先輩と結婚した方もいらっしゃいます。
生徒が挑発して、先生と関係を持って、嫌いな先生を辞めさせた例も知っています。
小学生の場合には、性交同意年齢の規定で教師への処罰が可能です。
ですから、学校の先生の問題に対する社会での関心や意識が高まっている中で、早期に加害者を発見して、先生を懲戒解雇の対象とする。
そして、少なくとも教育の場には戻さないで、再被害を防ぐことの方が重要であると思います。
犯罪にするよりも、被害拡大防止のためにそういう措置を採る方が大事だと思います。

悪質な例については、178条(準強制性交等罪)での処罰を考えることができるのです。
未成年への加害が一律処罰に本当になじむのかということを、考えなければならないかと思います。

そもそもこの点に関する被害についてのお話を伺っていると、この保護法益は、性的な自己決定権やそれよりも広い性的な統合性だと考えたとしても、児童の健全育成、脆弱な意思決定しかできない方の保護ということに尽きるように思います。

そうしてくると、児童の保護ということであれば、児童福祉法、あるいは児童ポルノ法があります。
児童ポルノ法という呼ばれ方をしているので非常に狭い法律だと思われるかもしれませんが、正式名、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律には、3条の2の中に、児童に対する性的な搾取や性的虐待に係る行為は禁止するという規定がありますので、ここをうまく活用して罰則を設けていく方法なども考えられると思います。

そういう意味で、児童福祉法制の中で、この問題については解決をしていくのは、一つ有効な方法ではないかと考える次第です。

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<31ページ>
2020年11月10日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

もうほとんど言われてしまったので、重ならないところを端的に申し上げますが、高校生と教師の組合せについて、同意の有無を全く問わずに処罰する類型を作ることには反対です。

高校生ですと、上下関係が逆転することが無視できない程度に想定されますので、一律の処罰は適切でないと思います。

せいぜい中学生に限定すべきだと思いますが、そうすると、性交同意年齢を引き上げる話との関係を考える必要が出てきます。それを、もし、ある程度引き上げるのであれば、この新たな類型については設ける必要性はかなり減ずるかなと思います。

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<31~32ページ>
2020年11月10日 上谷さくら 委員(弁護士)

私は、この問題は性的同意年齢と非常に強く関わってくるのかなと思っていまして、個人的には、性的同意年齢を16歳程度に引き上げるべきかと思っているのですけれども、そうすると、中学生については、そちらで救われるのかなと思っています。

そうすると、あとは高校生をどうするかという話になってきて、そこについては、確かに多様な議論があると思うのですけれども、今の性的同意年齢である13歳というのは、中学生と高校生とかなり違うという面がありますし、成長の段階という意味からも、義務教育かどうかという問題がありますので、そこは、性的同意年齢を上げるという前提であれば、高校生をどうするかということに絞って議論できると思っています。

あと、1点ですけれども、先ほど宮田委員から、再被害を防ぐことの方が大事というお話がありまして、確かに再被害を防ぐことは非常に重要なのですけれども、今の被害者を救うことは、もっと大事だと思っておりまして、政策だけの問題ではないということを申し述べておきたいと思います。

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<32ページ>
2020年11月10日 池田公博 委員(京都大学教授)

意見要旨集の7ページの「②」の二つ目の「〇」(保護者である親等と子供との関係については,ある程度の定型性があるが、学校の先生と生徒などの関係は、非常に不定型な部分があるため、そのような関係があるというだけで処罰するという規定を作ってはならない)のところになりますけれども、これまでの御指摘にも出ておりましたように、自由な意思決定ではない形で、地位を利用した性交が行われているという問題があることは否定されないと思う一方で、一律に同意の有無を問わない類型に含めて考えるというまでの定型性が認められるかということは、慎重に検討すべきではないかと思います。

教師やコーチ、施設の職員というのも、そのような地位があるというだけで一律に、同意の有無が問題とならないというふうにして良いのかということは、検討の観点として踏まえられるべきでしょうし、親族も、6ページの「(1)」の「②」の一つ目の「〇」(犯罪として処罰される家庭内の性虐待の範囲は狭く、監護者性交等罪の「現に監護する者」に、きょうだいや祖父母、おじ、おば、同居していない親などは含まれないし、18歳を超えた者の被害は,まだ見逃されている)にあります、きょうだいや祖父母、おじ、おば、同居していない親が問題となるというのは、そのとおりだと思いますけれども、関わりの濃淡には様々なものがあります。

今、指摘が出てきておりますように、被害者の年齢にも応じて、その影響力の程度は一様ではないと思いますので、これらのものを一律に同意の有無を問わない類型としてよいのかということは、今後検討すべき点とするべきだろうと思います。

——————————————————–

<32ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

少なくとも、現行法の「現に監護する者」の範囲だけでは狭過ぎるというのは、以前も申し上げたとおりです。

同意の有無を問わずという、現在の監護者性交等罪と同様に処罰する類型で、いろいろ挙げたのですけれども、きょうだい、祖父母、おじ、おばというのを挙げたのは、彼ら彼女たちは監護者の下での子供の生活に強く影響を与える人たちであって、その人たちからの要求を断ることで、監護者の下での生活に影響があるという場合に、子供たちが断ることは難しいということがあります。

義務教育における教師というのも入れていただきたいと思っておりますが、先ほどからお話が出ているとおり、性交同意年齢との関係で考えられると思いますので、地位・関係性や性交同意年齢などと併せて、適切に子供たちの受ける被害、子供たちがいかに断りにくいかを考えていただきたく、先ほど178条でということがあったのですが、子供が被害者の場合に、加害者が被害者の思考を利用するとか、思考を誘導するという形で、非常に被害がつかみにくいことがあります。ですから、子供に関して、特別にきちんと検討いただきたいと思っております。

——————————————————–

この議論はまだつづきます。
長くなりましたので、いったんここで区切らせていただきます。

(再掲)
<地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について。山本潤さん。2020年12月15日>
いま、教師と生徒、がけっこう、やっぱり、ポイントになっているのかな、と思います

同検討会は、AV出演強要の処罰も論議しています。
教師と生徒の関係とはちがって、AV出演強要のほうは意見が対立していません。

(参考。当ブログ)
性犯罪に関する刑事法検討会に関する当ブログの記事
<AV出演強要に関する議論>

2020年9月14日(※第4回目の議事録を参照)
2020年9月23日(※第4回目第5回目の議事録を参照)
2020年9月25日(※検討会に提出されたAV出演強要に関する資料)
2020年11月18日(※第6回目の議事録を参照)
2020年11月19日(※第4回目と第5回目と第6回目の議事録を参照)
2020年12月2日(※処罰規定に関する2つの考え)
2020年12月5日(※強制性交等罪と準強制性交等罪の適用について)
2020年12月12日(※第7回目の議事録を参照)
2020年12月26日(※AV出演強要に関する巡目の論議①)
2020年12月27日(※AV出演強要に関する巡目の論議②)
2020年12月28日(※AV出演強要に関する巡目の論議③)

——————————————————–

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

——————————————————–

そう遠くない将来、AV出演強要は処罰の対象となると思惟します。
もちろん適用される法律は刑法です。

教師が生徒に対しておこなう性犯罪についてはどうでしょう。
刑法で処罰されるのでしょうか。
この論議のつづきは明日のブログでみてみます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

帝京大学ラグビー部による集団強姦事件の被害者のかたは、いまも苦しんでおられるようです。香西咲さんたちAV出演強要の被害者の方々も同様です

性犯罪に関する刑事法検討会による刑法改正の論議はいま、佳境に入ろうとしています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年8月27日 第5回 ※議事録

現行法の運用の実情と課題(総論的事項)について
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※一巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※一巡目)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※一巡目)

2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

2020年10月20日 第7回 ※議事録

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目②)
公訴時効の在り方について
いわゆるレイプシールドの在り方について
司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方について

2020年11月10日 第8回 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

2020年12月25日 第10回 ※議事録(準備中)

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

先日の当ブログで、同検討会が論議している「集団強姦罪の新設」にふれました。

(参考。当ブログ)
<「集団強姦罪の新設」について>
2021年1月6日(その1)
2021年1月7日(その2)

「集団強姦罪の新設」の検討は、
法定刑の在り方
という論点のなかでおこなわれました。

(再掲)
2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

この6回目の検討会で、山本潤委員は、過去に起きた集団強姦事件に言及しました。
議事録を参照します。

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<9~10ページ>
2020年9月24日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

1997年に帝京大ラグビー部の集団強姦事件の被害者の方の対談が今年(2020年)8月に「創」という雑誌に掲載されていました。

被害者は、PTSDに苦しみ、23年後の今も自宅療養でひきこもり状態で、自分の子供を育てることもできない、そういう状態で生活をされています。

——————————————————–

(再掲。山本潤委員)
帝京大ラグビー部の集団強姦事件の被害者の方の対談が今年(2020年)8月に「創」という雑誌に掲載されていました

『創』という雑誌ー
月刊誌「創」(つくる)が同事件の被害者のかたの近況を紹介するのは、これで3回目です。

(参考。帝京大ラグビー部による集団強姦事件)
<「創」による被害者のかたの近況>
①2011年11月発売「2011年12月号」
②2011年12月発売「2012年1月号」
(9年後)
③2020年8月発売「2020年9月号」 ※山本潤委員が言及

「2011年12月号」と「2012年1月号」の記事につきましては、現在、「創」のブログで公開されています。

(参考。「創」のブログ)

2013年6月10日 映画「さよなら渓谷」で描かれた集団レイプ事件の被害女性は、今どうしているのか (月刊『創』2011年12月号と12年1月号の手記を再録)1/2

2013年6月10日 映画「さよなら渓谷」で描かれた集団レイプ事件の被害女性は、今どうしているのか (月刊『創』2011年12月号と12年1月号の手記を再録)2/2完

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同記事のなかから一部を引用します。

<一部分を抜粋>
創「2011年12月号」 <被害女性A子さんの闘病日記>1/2

●10月×日
 久々に一人で電車に乗る。ふるえがずっと止まらない。まともに歩く事すら出来ないから、お天気なのにカサをつえ代わりに……変な人と見られてるんだろうな。
 先日、また暴れてしまったらしい。子供が一生懸命ひっついて泣き叫んでいたそう……。ごめんね、ほんとごめんね……母親らしい事、一つも出来ず、傷を付けてるだけ。布団に血の海の跡があった。リスカしたら入院させられちゃう。
 ダルい。ダルい……。起き上がるのも何をするのも怠い……。私は治るのか……。自分自身が辛いのはもういい……家族、周囲の方達の負担になっている事が一番辛い。
 今日も子供を怒鳴って追い込んでしまった。
 大丈夫かな……メンタルが心配、不安……。母も声をかけてくれたが言葉がでない、会話ができない。そのクセ、イライラして当たる。
「存在」とは何だろう。笑いたい。楽しみたい。今はまた壊れたロボットだ。
役に立たず、無駄な消費だけ。いつも「死」は考える。でも、こんな私でも大事にしてくれてる人達がいる。死ぬのなんて簡単。自分は楽だろうが悲しむ人もいる。いてくれる。恩をあだで返すような事は嫌だ。生きて、這ってでも立ち向かって治りたい。治ったら今までの分、全部を返したい。時を、取り戻したい。

——————————————————–

<一部分を抜粋>
創「2012年1月号」 <被害女性A子さんの闘病日記>2/2

●11月×日
 何も出来なかった。ひたすら落ち込んでしまった。色々と考えメモを残そうとしてもペンすら握れず。
 正直、遺書は用意し始めている。そう、生きる気力がなくなり、私が前を向こうとすればする程、周囲を巻き込み、相当な迷惑をかけているんだな……と。
 線路の上を歩いている時にカンカンと警報音が鳴り始め、急げない私はそのまま立ち止まる事を考え止まった。このまま死んじゃえばいいのに。でも周囲が気付き、それこそ更にまた迷惑な話。どうしたら良いのだろう? 存在している意味がわからない。
 悲しい。悲しいよ。沢山泣いた。一日中泣いていた。今も止まらない。涙は悲しみを流し、気持ちを切り替えてくれると言うけれど、一向に流れていかない。
胸が痛い。
 しかし、もうわかった。もういい。そんな自分の事で悲観的になっている余裕はない。本来の目的に向かわなければ
当面あれを受け止めるまで時間はかかると思うが……。これも治療だ。って殆ど受け売りの言葉。でも、それで自分を納得させていくしか今は出来ない。

——————————————————–

上述の6回目の検討会で、山本潤委員は、憤怒の情を吐露されました。

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<9~10ページ>
2020年9月24日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

2003年に大学生のサークルを利用して行われたスーパーフリー事件が社会に衝撃を与えましたが、近年もリアルナンパアカデミーの事件が起こったように、このような集団による性加害というものが全く撲滅されていない。

撲滅というのは強い言い方ですけれども、このような組織的・計画的に性的暴行を行うことに関して、上限を無期にするなど、重い法定刑を科しても良いと私自身は思っています。

スーパーフリーの主犯格で14年、リアルナンパアカデミーの主犯格で13年の懲役刑が出されていますけれども、被害者の心情からすれば軽過ぎると言わざるを得ません。

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(再掲。山本潤さん。2020年9月24日)
(帝京大学ラグビー部による集団強姦事件の)被害者は、PTSDに苦しみ、23年後の今も自宅療養でひきこもり状態で、自分の子供を育てることもできない、そういう状態で生活をされています

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年10月28日

隅に追いやっていたトラウマを掘り起こすのはとてつもない労力が要りますね。
精神的にも、ついこの間までは普通の精神を保てたのに、思い出した瞬間動悸や頭痛吐き気…この突然の変化は経験者にしか分からない。女性の共犯者達は特に最低。

——————————————————–

AV出演強要と集団強姦は、同義(同じ意味)、です。
犯人を一生牢屋に打(ぶ)ち込む国になってほしいものです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

刑法の性犯罪の規定の改正に関して、上川陽子法務大臣が異例の発言をしました。上川大臣は、香西咲さんたち被害者の痛みがわかるかたです

現在、法務省内において、刑法改正の審議が進められています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考)
性犯罪に関する刑事法検討会 検討すべき論点

各論点に対する検討は巡目までおこなわれるようです。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年8月27日 第5回 ※議事録

現行法の運用の実情と課題(総論的事項)について
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※一巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※一巡目)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※一巡目)

2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

2020年10月20日 第7回 ※議事録

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目②)
公訴時効の在り方について
いわゆるレイプシールドの在り方について
司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方について

2020年11月10日 第8回 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

2020年12月25日 第10回 ※議事録(準備中)

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

ご覧のとおり、論点のなかの主たるものは、巡目までの検討が終了しました。
あとは巡目の論議です。
改正への手ごたえはどうなのでしょうか。
昨年末(2020年12月15日)のことです。
同検討会性犯罪に関する刑事法検討会の委員のひとりある山本潤さんが、インターネットの番組ポリタスTVに出演されて、感触を語りました。

(参考。当ブログ)
<山本潤委員が語る現況>
2021年1月11日(その1)
2021年1月12日(その2)
2021年1月13日(その3)

同番組ポリタスTVのなかで山本潤さんはつぎのようにのべています。

(2020年12月15日 「ポリタスTV『抗拒不能要件はなくなるのか?』|法務省で行われている性犯罪関連の刑法改正議論の現在地と、2017年改正で積み残された4つの課題について」より、引用。)

<01:22:16のあたりから>
2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

検討会がおわったら法制審議会にうつっていって、改正されないことはないのではないかな、と思うんですよね。

——————————————————–

(再掲。山本潤さん。2020年12月15日)
改正されないことはないのではないかな

概ね順調に推移しているようです。
そのなかで苦戦しているものもあります。

<01:15:27のあたりから>
2020年12月15日 津田大介さん(ジャーナリスト)

これは、検討会のなかでは、議論はおこなわれているんでしょうか。

この地位関係性について。

——————————————————–

2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

はい、地位関係性についても話し合われています。

(参考。当ブログ)
2020年12月14日(※地位関係性に関する一巡目の議事録)

いま、教師と生徒、がけっこう、やっぱり、ポイントになっているのかな、と思います。

——————————————————–

教師と生徒ー
ほかにも、低調な論議があります。
性交同意年齢の引き上げについてです。
ひきつづき、ポリタスTVのなかから山本潤さんの所感を引用します。

性交同意年齢の引き上げについて

<01:09:00のあたりから>
2020年12月15日 津田大介さん(ジャーナリスト)

これ(性交同意年齢の引き上げ)、どうですかね。

ぼくもこの法務省の検討会には注目もして、議事録なんかも読んではいたんですけれども。

正直、はじまるところのなかで、国際的なこういう状況(日本はほかの国と比べて性交同意年齢があまりにも低すぎる)も考えて、この性的同意年齢に関しては、さすがにこれ、かわるんじゃないか、かえられるんじゃないかな、というふうに事前に予測していたところもあったんでしょうけれども。

議論のなか――この来年(※2021年)の3月までの議論で――感触としてはいかがですか?

——————————————————–

2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

なんか、その、この、年齢、っていうことの捉え方がたぶん、ひとによってすごいちがう。
わたしたち、被害者にかかわるひとたちとか、被害者を支援するようなそういう仕事をしているひとは、非常に、このー
そういう中学生ー
14、15歳で性交をするっていうことは、状況が悪いひとが多い、っていうのはわかるわけですね。
ただ、やっぱり、その、ロマンチック、と言うか、結局は好意的に捉えるようなそういう作品であったりとか、報道ー
報道、と言うか、そういう表現とかもあるわけですよね。
そうなると、何に、どこをみてこの年齢を決めるのか、っていうのが非常に、この、ずれてくる、というか、視点がずれるのでー
方向性がずれるというか、そこがすごいむずかしいところだな、っていうふうに思います。

——————————————————–

2020年12月15日 津田大介さん(ジャーナリスト)

うーん、なるほど。

じゃ、これがすんなり決まる、というわけでもなさそう、という。

なかなかこれも、これはこれでね、深刻なはなしだなぁ、と思うー

——————————————————–

(再掲)
2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

二巡目の検討では、性交同意年齢の引き上げについてきびしい意見が出たようです。
議事録がまだ公開されていませんので、詳細はわかりませんが。
一巡目(2020年8月27日)のときは、まずまずの感触であったのですが。

(参考。当ブログ)
2020年12月20日

この性交同意年齢の引き上げに関して、上川陽子法務大臣が異例の発言をしています。
4日前の報道を参照します。

性交同意年齢の引き上げに関する上川陽子法務大臣の発言

(2021年1月14日 FNNプライムオンライン「13歳は責任を持って正しく「性交」を判断できる年齢だろうか 法務大臣に聞いた」より、引用。)

2021年1月14日 FNNプライムオンライン

冒頭述べた「性交同意年齢」の議論も意見は検討会性犯罪に関する刑事法検討会で今、鋭く対立していると聞く。
現行の“13歳以上”を変えずにいくのか。
それとも年齢を引き上げるのか。
また、「積み残し」である、学校の教師など立場を利用した性加害に関して、私たちの番組にも泣き寝入りせざるを得なかった被害者の声が数多く届いている。
そのことを質問すると、
「―――私は、このままでいいとはまったく思っていません。一定の前進をしていく必要があると思います。」

“検討中”の課題について、上川大臣は現職大臣でありながらこう踏み込んで言い切った。
ここまで終始冷静だったその口調に変化が現れたのはその時だった。

(略。)

インタビューに答える上川大臣を見守る多くの法務官僚らも、大臣の踏み込んだ発言を止めることなくじっと耳を傾けている。
頷く人もいる。
インタビュー時間は超過している。それでも質問はまだ許された。
広く古めかしい大臣室には大臣の抑えた声だけが響く。
この改正がどう落ち着くかはわからない。
が、少なくともこのままではいけないという思いは、このフロアにいる人たちの総意のように感じられた。

——————————————————–

瞠目させられました。
現職の大臣がここまで言及するとは。
ふつうは、審議状況を見守りたい、などと言ってお茶を濁すものですが。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

——————————————————–

教師による地位利用、性交同意年齢の引き上げ等は、委員のあいだで意見が分かれているようです。
それ以外は、順調に推移しています。

(再掲。FNNプライムオンライン。2021年1月14日)
インタビューに答える上川大臣を見守る多くの法務官僚らも、大臣の踏み込んだ発言を止めることなくじっと耳を傾けている。頷く人もいる

日本がおおきくかわる予感がします。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

刑法改正を審議する検討会の8回目の議事録(その4)。香西咲さんたちのAV出演強要被害と関連している「暴行・脅迫」要件は、見直される気配が濃厚です

法務省の性犯罪に関する刑事法検討会は現在、刑法改正の審議を重ねています。
昨年(2020年)の11月10日に、8回目の検討会が開催されました。
当日の議題のひとつは、
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
でした。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年8月27日 第5回 ※議事録

現行法の運用の実情と課題(総論的事項)について
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※一巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※一巡目)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※一巡目)

2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

2020年10月20日 第7回 ※議事録

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目②)
公訴時効の在り方について
いわゆるレイプシールドの在り方について
司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方について

2020年11月10日 第8回 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

2020年12月25日 第10回 ※議事録(準備中)

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

本日も、
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方(※二巡目)
に関する議論をみていきます。
その4です。

(参考。当ブログ)
<8回目の議事録について>
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
2021年1月14日(※その1)
2021年1月15日(※その2)
2021年1月16日(※その3)

2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について
巡目の論議【その4】)

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきか

<16ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

第1の2の「(2)」暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件について、判例上必要とされる「被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和した要件とすべきかについての議論はこの辺りで一区切りとさせていただき、次の項目、すなわち、
(3) 暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきか
という項目についての議論に移らせていただければと思います。

一巡目の検討(2020年8月27日)では、
「① 手段や状態を列挙することの要否・当否」、
「② 列挙することが考えられる手段、状態」
という観点から御意見がありました。

それを踏まえて御意見を頂きたいと思います。

——————————————————–

<16~17ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

先ほど申し上げたこととほぼ同じことになりますけれども、手段や状態は、それ自体に意味があるのではなく、被害者の不同意という心理状態を合理的に推認し、これを根拠付ける点に意義があると解されます。

したがいまして、仮に現行法の暴行・脅迫という行為態様、あるいは、心神喪失・抗拒不能という状態が、やや硬直的であり、被害者の不同意を惹起する全ての場合をカバーし切れていないのであれば、生じ得る処罰の間隙を補うために、別の行為態様を追加したり、あるいは、被害者の状態について、より具体的な内容を盛り込むといった改正は十分にあり得ると思います。

その際には、外国の立法例を参照しながら、どのような行為態様を追加すべきかについて、更に検討することが有益であると思いますが、このように行為態様を追加する検討の際に留意すべき点を2点指摘しておきたいと存じます。

第1点ですが、行為態様を更に追加して列挙したとしましても、被害者の自由意思を阻害する可能性がある手段全てを網羅的にカバーすることは、恐らく不可能です。

したがって仮に行為態様を追加するとしても、これらの行為態様は例示列挙とした上で、例えばですが、
「暴行、脅迫、威力、不意打ちなど被害者の抗拒を著しく困難にさせる手段
という形で、例示された手段の意義を包括的に示すような要件が必要になるように思われます。

もちろん、どのような表現が適当かについては、更に詰めて検討しなければならない、と考えております。

第2点です。
行為態様を幅広く列挙した場合には、もちろんその規定方式にも依存しますが、多くの選択肢を規定すればするだけ、行為当時、被害者が不同意であったことが明確に認定できない場合までが含まれてしまう可能性が生じます。

このような可能性が排斥できないのであれば、行為態様を列挙するだけでなく、さらに、被害者の心理状態を重ねて規定することも、選択肢としてはあり得るように思います。

例えば、
「暴行、脅迫、威力等の一定の手段によって、被害者の自由な意思決定を困難にし、その状態で性交等を行う」
という形で、行為態様に加えて被害者側の心理状態を要件として要求することも、検討に値すると考えております。

——————————————————–

<17~18ページ>
2020年11月10日 佐藤陽子 委員(北海道大学教授)

橋爪委員の御意見とほとんど同じ考え方なのですけれども、恐らく、ただ不同意というふうに書いてしまうと、成立範囲が曖昧になってしまって、逆に実務的に運用が安定しないという現在と同じような問題が起きる可能性がありますし、一生懸命作っても、明確性の原則に違反して、違憲無効となってしまい、検討に費やした時間が無駄になってしまうという可能性もございます。
実際、ある程度の明確性を確保するために手段を列挙するということにつきましては、この議論においてもある程度のコンセンサスがあるのではないかというふうに考えております。
ただ、手段を列挙した場合、この点については、今後公刊される予定の「性犯罪規定の比較法研究」の34ページ以下や906ページ以下を見ていただければ分かりやすいのですが、例えば、イギリス型のように、基本的に不同意性交であり、一定の場合に不同意が推定されるというふうに規定してしまうと、やはり最終的には、不同意とは何かという話になり、裸の不同意を検討するということになってしまいます。

あるいは台湾型のように、手段を列挙した上で、「その他意思に反する」という手段を書く方法もあると思うのですけれども、台湾の場合には、「その他意思に反する」というのが、列挙した手段に匹敵する程度である必要がないという解釈がなされており、そうすると、「その他意思に反する」とは何を意味するのかが、曖昧になってしまうという問題が生じるように思われます。

ですので、ただ手段を列挙するというだけでは不十分で、逆に、不同意や一定の被害者側の状態を挙げるというだけでも不十分であり、この二つのものが合わさって、明確に一つのものを導けるという構造、手段プラス状態というふうな形で規定することによって、明確性が確保できるのではないかと考えております。
また、手段何らかの状態を明記する規定形式をとる場合には、2点考えるべきことがあると思っております。
まず1点目として、これは意見要旨集の「(3)」(暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきか)の「②」(② 列挙することが考えられる手段、状態)と少し関係しているのですが、手段の中に欺罔を入れるかです。

この点については、一定の絞りをかけた欺罔というふうにすれば、入れても構わないのではないかと思っております。

例えば、「好きだよ」とか、「結婚しようね」などという欺罔は、未成年者の場合には別の規定でそのようなことを考慮すればいいと思うのですが、少なくとも成人を含むあらゆる人に適用可能な規定においては、これは処罰価値のない行為だと思います。

他方で、行為の性的性質を欺罔しているとか、あるいは、性交の相手方の同一性を欺罔しているという場合は、諸外国においても一般的に処罰されていますし、日本の現行刑法でも処罰されている類型になりますから、こういうのは入れておかないといけないと考えます。

このように、欺罔を入れるのであれば、どういう欺罔かというのをも明確にしておくということが重要ではないかと思います。

もう一点は、これはもう既に出たお話ですけれども、中間的な結果として、何らかの状態を書き込むのであれば、「抗拒を著しく困難にする」という言葉は使わない方がいいのではないかということでございます。

現在の裁判例において、必死に抵抗しないと強制性交等罪が成立しないということは、これはもう絶対ないのですが、ただ、そう誤解されている状況があるというのは事実でして、これが社会的に悪影響を及ぼしているというのであれば、新しく作る法律に、わざわざそういう文言を入れる必要はないと思います。

ですから、別の文言を頑張って考える必要があるのではないかというふうに考えております。

——————————————————–

<18ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

今、橋爪委員、佐藤委員から、手段については言わば例示列挙で構わない、つまり、暴行、脅迫、威力、不意打ち、その他の手段を用いてというような規定でよいとする御発言があったのですが、いかがですか。

罪刑法定主義が支配する刑法において、そういう例示列挙を含む規定を作ることに反対という御意見はあるでしょうか。委員の先生方の中に、いやいや、それは明確性の原則に反するのだと、例示列挙は駄目だと、こういう意見はございますか。

(一同、発言なし)

——————————————————–

<18ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

② 列挙することが考えられる手段、状態」のところに関することなのですが、こちらに書いてあることに加えて、少し重なるかもしれないのですが、委員の皆様に検討していただきたいこととして、もちろん経済上とか学業上、人間関係そのほかの問題、秘密をばらされるかもしれない状況であるとか、あるいは、障害者が被害者であったときに、理解力や力関係の差や脆弱性を利用した場合であるとか、そういった状況を利用した場合というのを考えていただきたいです。

もう一つ、例えば、性交を連続して強要される場合には、以前の性交がその後の性交への抵抗を抑圧するということがきちんと拾われるような文言を検討いただきたいと思っております。

例えば、18歳以前から監護者に性交を強要されていた場合には、18歳を超えたとしても抵抗はできませんし、最初の性交が強制性交であったにもかかわらず、それが事件とはならなかった場合、その後、明確な脅しがなくとも連続して性交が行われるということがありますが、それは、最初の強制性交によって、後の脅しとかがなくても応じてしまうという状態があるので、法律上、そういったいろいろな状態を含む言葉としてどのようなものがあるのか分からないのですけれども、そういったものも手段、状態の中には含んでいただきたく思っておりました。

——————————————————–

<18~19ページ>
2020年11月10日 宮田桂子 委員(弁護士)

座長が先ほどおっしゃった例示列挙についてなのですが、例示というのはどうしても漏れが起きますし、争点の拡散が起こりがちだということだと思うのです。

裁判の中で、検察官が、構成要件における例示の中のこれだといったときに、証拠を調べると、これには当たらないがこちらには当たりそうだ、ではどちらなのかという追い掛けっこのようなことが起こり得るのだろうと思っています。

ですから、統一した概念が一つあるというのは、裁判をする上で、その辺の追い掛けっこを起こりづらくする、あるいは、争点の拡散が非常に起きづらくするという役割があるのではないかと思っています。

やはり例示は、漏れがある場合があります。

漏れがある場合にどうしたらいいかというところは、橋爪委員や佐藤委員が様々な技術的な御提案をなさっていましたけれども、それでも、まだ漏れがある可能性もあると思います。

現在のがちがちの構成要件だと言われているものでさえ、相当幅広に適用されています。

そうすると、例示された事実について、更に解釈が広がっていく可能性はあると思います。

例示をすることによって、要件を緩める効果が出てくるのではないかということになれば、刑の下限についての考え方が今のままでいいのかと疑問に思います。

——————————————————–

<19ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

ありがとうございます。
例示という方法の是非については、三巡目以降の議論で、更に突っ込んで検討したいと思います。

——————————————————–

<19ページ>
2020年11月10日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

今、三巡目以降というお話でしたので、簡単にします。

「(3)」の「②」の一つ目の「○」(手段として、暴行・脅迫のほか、威迫、不意打ち、偽計、欺罔、監禁を加えるべき
に挙げられている威迫、不意打ち、偽計、欺罔、監禁ですけれども、これは、やはり、ややいろいろなものが雑多に入り過ぎているかなという気がします。

ですので、暴行・脅迫の範囲は今でも十分広いのですけれども、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

暴行・脅迫だけでは狭いとすると、

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

先ほども少し申し上げましたけれども、「暴行・脅迫その他」であるとか、あるいは「正当な理由なく」と付けるであるとか、そういう形で広げていくのがいいのかなというふうに思います。

威迫や不意打ちは、今まで刑法で使っていない文言ですから、それがどのように使われるかというのは、十分に検討する必要があるというふうには思います。

欺罔に関しては、先ほど一部入れるべきだというふうに佐藤委員がおっしゃっており、なるほどというふうに思ったのですけれども、欺罔一般が入ってしまうと、やはり少し広いので、入れ方に十分注意する必要があると思います。

要は、先ほどから橋爪委員や佐藤委員がおっしゃっているように、同意がないことがはっきりすればいいので、あまり細かく書き過ぎると、それはそれで逆効果があるのかなというふうには思います。

それで、先ほど宮田委員からイギリスの法律の件で私の名前が出ましたので、少し補足しておきますけれども、確かに、不同意ということを表に出してしまうと、無罪率がかなり高くなるというのは、実態としてあるというふうには思います。

ですから、やはり裸で不同意というのを出すというのは、かなり危険な状態が生ずるのではないかなと思います。

それと、もう一点だけ。
「(3)」の「②」の二つ目の「○」抗拒不能の要件の明確化として、「人の無意識、睡眠、催眠、酩酊、薬物の影響、疾患、障害、洗脳、恐怖、困惑その他の状況により、特別に脆弱な状態におかれている状況を利用し、又はその状況に乗じて」という要件とすべきの関係なのですけれども、「抵抗ができないような状態で」というような文言を入れてしまうと、実は、177条と178条の垣根というのはかなり低くなるというか、一部交ざり合うというようなことになるのかと思います。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

しかし、それはそれで構わないのかなというふうに思います。
ですから、そこのところもフラットにして議論していただければと思います。

——————————————————–

<19ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

とても示唆に富む御意見だったと思います。

一つお聞きしたいのですけれども、
「抗拒を著しく困難な状態にして」
というのは、恐らく法律専門家にとってはすんなり頭に入ってくる文言であろうかと思うのです。

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

私も長年刑法に携わっており、従来の解釈論が身に染み込んでいるせいか、すっとそれで落ちる感じがするのですが、この文言では、どうも被害者側に抵抗を求めているようで良くないということになるのでしょうか。

その点、御意見頂ければと思います。

——————————————————–

<20ページ>
2020年11月10日 上谷さくら 委員(弁護士)

例えば、性暴力で無罪判決が出た場合に、今は誰でも判例の内容をネット等で調べられるので、「抗拒を著しく困難にする程度」というのは、法律家でない人でもある程度目にするようになった文言だと思います。

その人たちのネットでの反応等を見ていると、法律用語としてではなく、日本語そのものとしてやはりこれは抵抗を前提としていると普通に解釈しているのだろうなというのがすごく感じられていて、それが性暴力に対する意識の低さとか、被害者に対する偏見、嫌だったら一生懸命抵抗すべきだろうというような、いわゆる強姦神話みたいなものが、なかなかなくならないことにつながっているように感じています。

——————————————————–

<20ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

先ほど、山本委員と橋爪委員が、自由な意思決定の能力を失わせるという表現を用いていらっしゃいましたけれども、そちらの方はよろしいですか。

——————————————————–

<20ページ>
2020年11月10日 上谷さくら 委員(弁護士)

なかなかそこは、その人を基準にして、その人自身はそう思ったけれども、客観的に見るとどうなのかということとか、やはり、いろいろな全体的な条件によると思うので、その言葉があるからそれでいいというのは、今、即断はできないのですけれども、検討はすべきことだと思っています。

——————————————————–

<20ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

すごく素朴な言葉のニュアンスの感想なのですけれども、抗拒が困難な状態に陥れと言われると、被害者は陥れられたのだなというような感じがするのですけれども、抗拒不能のように、「不能」と言われてしまうと、抵抗できることが前提になっているという感覚がします。

つまり、何が言いたいかといいますと、法律の用語が分からない一般の人と法律の用語を分かっている専門家との間の言葉の受ける印象や認識や理解には、大分乖離があるのだなということを、この議論を通じて私も感じました。

——————————————————–

<20ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

それでは、時間の関係もございますので、「(3)」暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきかについての議論は、この辺りで一区切りとさせていただきたいと思います。

開会からかなり時間が経過しましたので、ここで5分ほど休憩したいと思います。

——————————————————–

(再掲。橋爪隆 委員)
暴行、脅迫、威力等の一定の手段によって、被害者の自由な意思決定を困難にし、その状態で性交等を行うという形で、行為態様に加えて被害者側の心理状態を要件として要求することも、検討に値すると考えております

被害者の自由な意思決定を困難にし
AV出演強要はこの悪行の典型です。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年7月25日

富士山の樹海近くのスタジオに連れていかれてどうやって逃げろと?
周り何も無いですし。
怖い人20人近くいて声も出ないですよ。
男性にはこの怖さは分かりません。

(2016年9月18日 AbemaTIMES「【AV出演強要問題】元カリスマ女優・川奈まり子氏が業界健全化のために奮闘」より、引用。改行を施しています。)

香西咲さん

香西は、当初はモデルとしてスカウトされたはずだったのに蓋を開けたらAV出演ということになっていた。

(略)、AV撮影のために富士山の麓に連れていかれて、3時間泣いたこともあるという。
その時、自分をスタッフ全員が待っている状況にあった。
これには
「遠いところですから……。よっぽど強い子でないと(撮影を中止させるのは)無理だと思いますし。私さえ泣いておけば丸く収まると思った。結局AV撮影に応じることになりました。あとは、違約金などを理由に辞められないです。結局、弁護士を雇って辞められましたが、人生の大事な時期5年間を失敗したなと思う」
と語った。

——————————————————–

現在の日本には、法網(ほうもう)を潜(くぐ)り抜けるているやつらが存在します。
性犯罪に関する刑事法検討会は、この広い網の目を狭めようとしています。
近々、結論が出ます。
刮目(かつもく)して待っています。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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刑法改正を審議する検討会の8回目の議事録(その3)。現在、法の抜け穴を埋める方向で推移しています。香西咲さんたちを蹂躙した犯罪者たちの末路がみものです

ひきつづき、先日公開された「刑法改正を審議する検討会」(性犯罪に関する刑事法検討会)の8回目の議事録をみていきます。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年8月27日 第5回 ※議事録

現行法の運用の実情と課題(総論的事項)について
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※一巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※一巡目)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※一巡目)

2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

2020年10月20日 第7回 ※議事録

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目②)
公訴時効の在り方について
いわゆるレイプシールドの在り方について
司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方について

2020年11月10日 第8回 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

2020年12月25日 第10回 ※議事録(準備中)

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

8回目の検討会は、
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
の審議に大半を要しました。
当該議事録は長文ですので、こちらのほうで適当に区切りながら参照しています。

(参考。当ブログ)
<8回目の議事録について>
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
2021年1月14日(※1回目)
2021年1月15日(※2回目)

本日は3回目です。

2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について
巡目の論議【その3】)

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件について、判例上必要とされる『被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度』を緩和した要件とすべきか

<12ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

抗拒不能は狭過ぎるというのは、もちろんそうなのですけれども、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

小西委員が言われたように、性暴力の実態からこの要件を考えていただければと思います。

Springが実施したアンケートでも、挿入被害1,274件のうち、起訴されたのは9件です。

先ほどなかなか判例が表に出てこないというお話もありましたけれども、ほとんどの被害者が裁判にたどり着けていない

その中で、自分の被害は被害でないという認識をして苦しんでいます。

先ほどのお話を伺っていて思ったのですけれども、やはり、こういう性暴力の実態が司法の現場で共有されていないので、同意についての認識が非常にばらばらなのではないかというふうに感じました。

法体系は違いますけれども、イギリスの2003年の性犯罪法に関して横山潔先生が出されていた本の中で、同意について記載されていたところがあります。
第74条で、ある者が選択によって同意した場合において、当該選択を行う自由と能力を有していたときは、本章の適用上、この者は同意したものとするという記載があります。
不同意を、自由能力が侵害された場合というふうに定めています。

この「自由」が問題となるのが、暴行・脅迫や地位・関係性の利用、家庭の構成員間における被害の場合であり、「能力」が問題となるのが、相手方の年齢や薬物や障害、その他疾患を利用した被害の場合という考え方です。

自由」が暴行・脅迫、「能力」が抗拒不能・心神喪失に対応するものであると考えられるので、やはりこの「能力」が奪われている状態というのを、幅広く定義していただきたいと思っています。

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<12ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

例えば、条文に
自由な能力を奪われた状態にして
というような文言を規定するというのはいかがですか。

——————————————————–

<12~13ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

自由と能力を有していた場合には、同意したものとする、つまり、自由と能力は別で、どちらかを有していない場合は、同意ができる状態ではないというと理解しています。

ですから、先ほどの結婚の話のように、結婚をすると偽ってだましたというときも、その人が、成人で対等な関係であり、自由な選択ができる場合には、これは性暴力には当たらないのではないかというような理解ができる。

ただ、やはり、成人と13歳で差がある場合は、同意できる能力がないという考えができるのではないかと思います。

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<13ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

更に質問させていただくと、抗拒の著しく困難な類型の下に、刑の軽い別の類型を設けるという御趣旨ですか、それとも、類型を広げてそこに含ませ、法的には同じ処罰をすべきだということでしょうか。

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<13ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

もともとは、この抗拒不能は、暴行・脅迫ではない被害者の状況を表しているというふうにされているわけですよね。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

そして、その抗拒不能によって、暴行・脅迫が用いられた場合以外の様々な性犯罪をきちんと拾えているという理解だったと思います。

しかし、なかなか拾えていないという現場からの意見や支援者の意見もあります。

例えば、薬物を用いた場合が認められにくいとか、障害の場合が認められにくいという場合があります。

しかし、そのような場合でも、被害の実態としては、抗拒不能と変わりないわけですから、その抗拒不能について、例えば、要件として、障害がある、酩酊であるというような形で、きちんと明文化するということで表に出すのですから、法定刑は同じでいいのではないかと思っています。

——————————————————–

<13ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

軽い類型を作るというのではなくて、重い類型に含ませてということでしょうか。

——————————————————–

<13ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

はい、そうです。

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<13ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

よく分かりました。

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<13~14ページ>
2020年11月10日 宮田桂子 委員(弁護士)

この抗拒不能という概念に対して、いろいろ誤解もあるように思われてならないのです。

抗拒不能の概念は、被害者が抵抗できるわけがない状態に置かれたということです。

抗拒不能という言葉は、客観的にこのような状況があれば、あるいは、被害者の主観がこういうものであれば、抵抗することなく性的行為を受け入れるような状況であるという趣旨であり、規範的概念という難しい言い方をしますけれども、言ってみれば、その人がどう感じているか、どう思っているかということではなくて、普通、そのような立場に置かれた人であれば、どのような行動を取るのか、どう認識するのか、あるいは、普通こういう行動をしたときに、刑罰として非難を与えるべきなのかどうかという法律的な概念であって、生の事件における事実自体を示すのではないということです。

このような考え方を採っていけば、暴行・脅迫の177条には当たらないけれども、178条には当たるという形で、177条の起訴に対して、178条を予備的訴因として追加することも考えられますけれども、強気で177条だけで起訴して無罪というような事案も、あるようにも思います。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

現在、検察官が178条のこの抗拒不能の要件をうまく使い切れているのかどうかという問題があり、先ほど指摘しましたように、うまく使っている裁判例を共有化していく努力の方が、私は先ではないかと思います。

ただ、問題だと考えますのは、この抗拒不能についても下限が5年です。

過去において、178条では、相当緩和されたような事実についても抗拒不能に当たると認められていましたけれども、最近の解釈が、前回の改正の際の検討会のときよりも、少し低調に見えるのは、やはり、この下限5年という重い刑罰を科すことになり、抗拒不能の要件について、暴行・脅迫に比肩するほどの抵抗困難な状況を作り出しているかどうかというような判断の慎重さを招いていることもあるのではないかと思います。

なお、山本委員がイギリス法についての言及をしておられたのですけれども、不同意性交罪については、イギリスでは、その不同意の立証が非常に難しいということで、起訴されない、あるいは、無罪となってしまうというような事例もあるというふうに聞いております。
私はこの辺は専門ではないので、木村委員が御専門だと思うのですけれども、その辺について教えていただければ有り難いと思っています。

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<14~15ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

私の方からは、「(2)」の
① 「抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和することの要否・当否

② 法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否
について意見を申し上げたいと思います。

まず、「①」(「抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和することの要否・当否)について、議論の前提から申し上げますが、仮に不同意性交それ自体を要件として処罰するのであれば、そもそも行為態様によって限定する必要がありませんので、行為態様に一定の程度を要するかという論点が生じません。
もっとも、この点につきましては、先ほど議論がありましたように、「不同意」という文言のみでは、同意の有無を明確に判断することが困難な場合があることから、処罰の実態を不同意性交に求めるとしても、処罰規定としては、不同意を合理的に推認するような行為態様や被害者の状態を要件とするほうが適切であると考えております。

そして、このように不同意を根拠付ける事情として、行為態様や被害者側の事情を規定する場合、その程度・内容として、現在の判例が要求していると解される程度、すなわち、「被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度」を同様に要求すべきか、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

あるいは、これを緩和した要件を設けるべきかが問題となります。

この点につきまして、先ほど御指摘がございましたが、抗拒を著しく困難という表現が、かなり限定的な印象を与えることから、処罰範囲が不当に限定されるような懸念が生ずることは、そのとおりだと思います。

現行法における裁判実務においても、表現ぶりについては、是非御検討をお願いしたいと思いますし、また、法改正によって何らかの文言を導入する場合にもその点の配慮は不可欠だと考えております。

ただ、裁判実務においては、一般に、不同意の性交自体が処罰対象であるという認識の下、暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能要件の下において、被害者の自由な意思決定が阻害されており、不同意の性交であることが合理的に推認し得るか否かを問題にしているものと解されます。

すなわち、行為態様や被害者の状態から、同意の不存在を一義的に推認する必要があるからこそ、その程度としては、被害者の自由な意思決定を阻害するに足る程度か否かを問題にする必要があり、判例の立場も、このような理解を前提としたものと解されます。

そして、このように理解した場合には、やはり行為態様や被害者側の状態については、現在の判例実務と同様の観点から、被害者の自由な意思決定を阻害する程度のものといえるかを問題にする必要があると考えます。

これを大幅に緩和した場合、不同意の性交であることが明らかではないものまでが、処罰対象に取り込まれるおそれがあり、結論において問題が生ずるように思います。

このような前提から、さらに、「②」(法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否)についても意見を申し上げます。

これも繰り返しになりますけれども、現在の実務において、被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度の暴行・脅迫という要件は、

(参考。昭和33年6月6日の最高裁判決
その暴行または脅迫の行為は、単にそれのみを取り上げて観察すれば右の程度には達しないと認められるようなものであつても、その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲(しい)の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである

行為態様という外形的・客観的な判断基準から、被害者の不同意を合理的に推認するための要件と解されます。

したがって、この要件を満たしていない場合というのは、単に暴行・脅迫がないというだけではなくて、被害者が不同意であったか否かが必ずしも明確ではない場合、あるいは、被害者が困惑したり、悩みながらも最終的には性行為を受け入れた場合のように、同意・不同意のグレーゾーンに位置する事例が含まれてきます。

したがって、「②」(法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否)のように法定刑の軽い類型を設けるか否かについては、場合によってはグレーゾーンの事例についても処罰することの要否という観点から、検討する必要があると思われます。

また、更に申しますと、今申し上げたような事例についても、同意がないとして処罰をするのであるならば、同じ不同意でありながら、刑を軽くする根拠があるかについても、更に理論的な検討が必要と考えます。

——————————————————–

<15ページ>
2020年11月10日 金杉美和 委員(弁護士)

この点に関しては、先ほど上谷委員からも指摘がありましたように、現状の177条が5年以上の有期懲役となっていて重過ぎる上に、

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

177条に当たるか当たらないかで極端な違いがある、つまり、オンかオフかになってしまっているという問題意識があります。

(参考。上谷さくら委員)
「現状ですと、暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能要件に当たれば懲役5年以上、当たらなければ不起訴ということになっていて、極端過ぎるのですよね」

刑事弁護の観点からは、一たび性犯罪で有罪とされた場合に、本人が身体を拘束され、社会との接続が切られたり、断絶されてしまったりすることだけではなくて、加害者の家族に与える影響等についても、一家離散したりであったりとか、自宅を売却したりであったりとか、そういった影響が非常に大きいという現状を見ています。

今のように懲役5年以上しかないというのは、弁護人としては、非常に重過ぎるという問題意識を持っています。

確かに、中には、明確な暴行・脅迫がない、反抗が著しく困難な程度に至っていたかどうかの立証が難しいということで、被害者の支援の方から見ると、処罰されるべき者が逃れているという視点もあるのだと思います。

ただ、他方で、本来であれば、当罰性が高いのかどうか、暴行・脅迫が強度といえるのかが微妙なもの、すなわち、従前から例に挙がっているような、服を脱がせるであるとか、腕を押さえるであるとか、性交に通常伴うような暴行・脅迫であったとしても、その地位や被害者との関係性等を考慮して、抵抗を著しく困難にさせる程度の暴行であるとして177条の処罰の対象になっているという事例もあるように思います。

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

そうであるならば、それより軽い類型を創設し、かつ、それは単に同意に反してというものではなくて、行為規範として、行為者に、それは禁止されている行為なのだということが、外形上明白になるような形での何らかの要件を規定することが必要ではないかと思います。

例えば、威力又は威迫を用いて、被害者の、「被害者の」と入れるかどうかは別として明確な意思に反して性交等を行った場合というような類型について、10年以下の懲役等の一段軽い刑を科すといったようなことが考えられるかなと思っています。

——————————————————–

<15~16ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

「①」(「抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和することの要否・当否)の論点については、これを緩和するというかどうかについて、それぞれのお立場がありそうですけれども、暴行・脅迫という文言、心神喪失・抗拒不能という文言に引きずられて、余りに厳しく運用されてしまっており、またばらつきも生じているのではないか、こういうような御意見もあり、いずれにしても、これをより良い文言に置き換えるべきではないかという御意見が多かったかと思われます。

また、「②」(法定刑のより軽い類型を創設することの要否・当否)については、軽い類型を設けるべきだという御意見と、いや、それには問題があるという御意見の両方があったと思われました。

——————————————————–

<16ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

先ほど、加害者の処罰が重過ぎるという御意見もありましたけれども、性暴力加害について理解して考えた方がよいと思っています。

性加害者は認知のゆがみを持っていて、自分で悩まず、人を悩ます。

その過程で性犯罪、加害行為を合目的に行っているわけですね。

自分自身の利益や欲求、依存心や支配欲を満たすために行っているので、彼らや彼女らの考えが変わらず、治療教育の効果が得られなければ、再犯を繰り返していくという特性があると思っています。

彼らや彼女らにとって大事なことは、二度と性被害者を出さないような人生を生きることです。

しかし、自分自身でそのことを行うのが非常に難しいという問題が一つと、被害者感情として、5年も十数年もトラウマに苦しみ、ついには自死に至るような、そういう被害を出す重い犯罪だということも踏まえた理解をしていただく必要があると思っています。

そして、その抗拒不能というのが、その文言上、やはり加害者が加害をしたと認識しづらい一つの理由になってしまっているのかなというふうに思います。

ですから、繰り返しになりますけれども、何が不同意の性交なのかというのを表に出すためにも、要件は明確化していただき、罪としては重くてよいと思っています。

——————————————————–

<16ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

軽い類型を作ることには御反対という御趣旨でしょうか。

——————————————————–

<16ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

反対です。

——————————————————–

<16ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

はい、分かりました。

——————————————————–

上述のとおり、山本潤委員は、
性加害者は認知のゆがみを持っていて、自分で悩まず、人を悩ます。その過程で性犯罪、加害行為を合目的に行っているわけですね。自分自身の利益や欲求、依存心や支配欲を満たすために行っている
と発言されました。
AV出演強要犯も同様です。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年11月29日

#MeToo

#青木亮 から出された契約書にはアダルト内容の記載は一切ありませんでした。
私が自由に契約内容を変えて良いよとまで言われ信頼
2日後東京から車で富士山の麓まで連れていかれ #AV強要
後日AV契約書の存在を知らされ、サインする様に強要されました。

#アットハニーズAV強要
#性的搾取

香西咲さん
2017年10月7日

私が強要を受けた前事務所はもう解散した事務所ですし、契約書の現物ここに出しましょうか。
撮影直前に事務所と私の間で結んだ契約書。
ちなみにメーカーと事務所、私の三者間の契約書がある事は撮影後に知りました。

香西咲さん
2016年10月15日

メーカーと事務所が先に結んでいたらしく、私は撮影後にその契約書の存在を知らされました。

日付は撮影前に遡って記載されてました。

契約場所には行ってません。

——————————————————–

(再掲。上谷さくら委員。※昨日の当ブログ
現状ですと、暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能要件に当たれば懲役5年以上、当たらなければ不起訴ということになっていて、極端過ぎるのですよね

上述のとおり、井田良座長は、
暴行・脅迫という文言、心神喪失・抗拒不能という文言に引きずられて、余りに厳しく運用されてしまっており、またばらつきも生じているのではないか、こういうような御意見もあり、いずれにしても、これをより良い文言に置き換えるべきではないかという御意見が多かったかと思われます
とのべました。

現在、AV出演強要犯は、野放しの状態になっています。
このような現状を容認することはできません。

(再掲。橋爪隆委員)
不同意を合理的に推認するような行為態様や被害者の状態を要件とするほうが適切

刑法の改正が待たれます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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